2016年12月12日

『海賊とよばれた男』

海賊とよばれた男海賊とよばれた男、國岡鐡造。士魂商才で日本の未来を信じ、礎を築いた男。
改めて日本人としての誇りを感じさせる、何とも日本的で和の心に満ち溢れた作品なのか。
出光興産株式会社創業者の一代記をモデルにしているのに、成功談ではなく「人を想う心の大切さ」だけを見事に描いているこの温かさが素晴らしい!

B29を真正面から見せるOPの東京大空襲から、白組のCG技術の高さを思う存分味わえるこの作品。極寒の満州にしても、焼け野原となった東京の街並みにしても、緊張感漂うペルシャ湾にしても、まるで現地に赴いて撮影してきたかのような、もはやどこがCGでどこが本物の映像なのかも分からなくなるほどの素晴らしい映像の数々。

一方で映画の雰囲気は、どこか『ALWAYS三丁目の夕日』を見ているような、日本人による日本映画でしか描けない「人を想いやる心」が生み出す温かさに満ち溢れたものなので、上映時間145分が短く感じるほど、本当に心が温かくなること。

特に思えば誰もが理想とする上司像でもあるこの國岡鐡造。部下を家族のように想い、メジャーを敵に回しても理想を追い続け、どんなにピンチが訪れても決して諦めずに果敢に攻め続ける。ライバル企業からすれば悪のイメージで「海賊」と呼んでいても、身内からすればその悪名でさえ誇りに思えるほど。

そんな國岡鐡造の人としての素晴らしさが描かれているシーンも数多く、例えば出資者・木田章太郎と共に映った若き日の写真や南方戦線で散った部下の長谷部の写真を常に社長室に飾っていたり、海軍のタンク底に眠る石油回収を部下と共に行ったり、イランへの石油買付という部下を再び戦場に送ることになる際に心のこもった手紙をしたためたりと、会社がどんなに大きくなっても「社長」ではなく「店主」と呼ばれるような上司がいると部下は自然とついていくよな〜と思える「格好いい」エピソードも働く人間からすれば羨ましくもあり、ある意味目標としたいものでもあること。

だからこそ思うのは、やはり木田章太郎から忠告されていたのに気付いてあげることが出来なかった妻ユキとの関係。夫の仕事に理解を示す妻は孝行者であるように、妻の苦労に理解を示す夫も孝行者なのに、鐡造はユキの心情をどこまで理解しようとしていたのかと考えると、國岡鐡造という人物が素晴らしく格好いいだけに、余計に「悔しく」思えてしまうんですよね。
鐡造晩年期にユキが身を引いたという真相も明かされましたが、妻のそういった苦労をお世話になった方から忠告を受けていながら実行に移せなかったのに、新たな結婚で家族を築いていたのは、何だか淋しくも感じてしまいましたね。

てな訳で山崎貴監督作品に出演された俳優陣が数多く出演されては、その俳優さんたち各々に見せ場を作っているこの構成の素晴らしさにも感服させられましたよ。
ピエール瀧さんの銀行説得、吉岡秀隆さんのタンク底石油の回収、堤真一艦長のイギリス軍艦とのタイマン。そのどれもが凄く見応えのあるものばかりでしたよ。

「いっちょ、やったろうやないか!」「舟を出せ〜!」「油持ってきたけ〜!」という数々の喝のあるセリフもたまらんばい!

深夜らじお@の映画館は白組のVFX技術の高さに驚いております!

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この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2016年12月12日 05:47
白組のVFX技術はホント凄いですよね。
ハリウッドと比べても遜色ないと思います。


作品はとても見応えのある人間ドラマに仕上がっていました。
145分の上映時間が全く飽きず。
2. Posted by にゃむばなな   2016年12月12日 23:29
BROOKさんへ

まさか邦画のVFXがここまで進化していたとは驚きでしたよ。
やっぱり白組って凄いですね♪
3. Posted by ノルウェーまだ〜む   2016年12月15日 23:42
にゃむばななさん☆
サクセスストーリーなのではなく、何とも心温かい作品になっていて実に良かったですよね!
実際こんな素晴らしい社長いるの?と思ってしまうほど映画ならではのエピソードのように思見えますが、実は出光は今でもそんな会社なのです。驚いちゃいますね☆
4. Posted by にゃむばなな   2016年12月17日 23:44
ノルウェーまだ〜むさんへ

今まで出光がこんなにも人情味のある会社だとは思いもしなかっただけに、心が凄く温かくなりましたよ。
やっぱりこういう上司が理想ですよね。
5. Posted by FREE TIME   2016年12月18日 08:15
VFXの技術もさることながら、それぞれの年代に合ったメイクの技術も高かったですね。
どんな困難にもくじけず、いかなる逆境もバネにして這い上がっていく國岡鐡造という男の懐の深さを感じる作品でもありました。
まさに「海賊」でしたね(汗)
6. Posted by にゃむばなな   2016年12月23日 01:30
FREE TIMEさんへ

こんな上司がいる会社が羨ましいですよね。
そしてそんな上司を優れた技術で映像化するこの凄さも。
7. Posted by YUKKO   2016年12月29日 21:19
原作で大感動しましたが、岡田准一くん見事に国岡鐵蔵でしたね。統制に対する自由の闘い!こういう人はもう出ないのではないでしょうか!
8. Posted by にゃむばなな   2016年12月31日 00:49
YUKKOさんへ

そうですよね。こういう上司はもう出てこないのかも知れませんね。
でも一度きりの人生。やっぱりこんな上司とは出会いたいです!

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