2017年04月05日

『キングコング 髑髏島の巨神』

キングコングYOUは何しに髑髏島へ?
ゾクゾクするB級映画だ。ごちゃごちゃ言わず、ただひたすら怪獣映画の面白味を追求したそのヲタク魂に、歓迎の意を大いに示したいと思える映画だ。
QTやRR、ギレルモ・デル・トロと比べるとヲタク魂はまだまだ一年生。けれど、これから成長する出あろうジョーダン・ヴォート=ロバーツの今後に期待大だ!

怪獣映画の魅力は怪獣同士の戦いではない。人間より遥かに大きな物体が大いに暴れ、自然や人類が作り上げた景色を何の遠慮も躊躇もなくぶっ壊してくれることだ。

しかしこれまで映画では映像技術の未発達もあり、どうしても人間と巨大生物との大きさをリアルに比較することが出来ず、仕方なく観客の頭の中で比較対象の大きさがいかほどのものかを補完してもらうしかなかった。

ところがこの映画ではそんな補完作業は一切不要。事ある毎にリアルな視点で巨大生物の大きさがいかなるものかを映像で示してくれるので、これまでの怪獣映画にはなかった「巨大であるがゆえの言い知れぬ恐怖」というものが、この映画にはわんさか。
だから米兵と日本兵が取っ組み合うその後ろでコングがその姿を現した時の恐怖たるや、もうたまらんばい!

そんな巨大なコングが島の安寧を維持する髑髏島へやってきたのは、命知らずというよりは髑髏島の世間を知らない輩たち。
人間の勝手が許される世界とは違い、巨神どころか自然への敬意も払わない行動は全てコングのお仕置きが待っているというくだりから、とにかく人間の小ささが強調されているというよりは、人間を等身大で描いているためによりリアルにコングの計り知れない大きさに恐れ戦く様が心地よくもあること。

だからこそ全く反省しないパッカード隊長による執念というよりは狂気に近い復讐もより人間の愚かさを強調させ、一方でランダやニーブスなど巨大生物の餌食になってしまうくだりも『ジュラシック・パーク』のようなアトラクションムービーを見ている感覚とは全く違うこと。

まるで人間たちの生き残りを賭けたサバイバルというよりは、今後の展開に備えて余分な登場人物を削ぎ落す作業のようで、それはすなわちこの映画の主役が人間ではなくコングだという証。人間はあくまでも映画を見易くするためのストーリーテラーであって、だからこそコングとヒロインの恋物語もその程度止まり。

つまりJVR監督が描きたいのはキングコングとボストカゲのトンデモサバイバル。だから巨大蜘蛛も巨大水牛も巨大昆虫も巨大トカゲも前座にしかすぎない。人類よりデカいものを描きながら、最後にはそれらよりも遥かにデカいものが大暴れする爽快感こそが怪獣映画の醍醐味だと言わんばかりの心地よさ。

そんなJVR監督には「YOUは何しに日本へ?」でも大いに語っていただきたかった。せっかく成田空港でテレビ東京の敏腕ディレクターに声を掛けられたのに、もったいない。
是非次に来日された時は「モスラ〜や、モスラ〜♪」と熱唱していただくか、庵野秀明版やローランド・エメリッヒ版とは違うゴジラの魅力について熱く語っていただきたい!

てな訳で、またの来日をお待ちしております!

深夜らじお@の映画館はジョン・C・ライリーの胡散臭い日本刀捌きも大好きです。

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観てて楽しくて面白かったなぁ。

この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2017年04月06日 05:59
コングを出し惜しみせずに、とにかく出しまくりで非常に面白かったです。
怪獣バトルは迫力満点でした♪

ここからモンスターバースがさらに展開していくので、期待しています。
2. Posted by メビウス   2017年04月06日 19:47
にゃむばななさんこんばんわ♪

往年のオリジナル作やピーター・ジャクソン版のように、女性ヒロインと心を通わせるラブロマンスな展開も好きでしたが、純粋な怪獣映画の主役として大暴れする本作のコングもまた素晴らしかったですね。骨トカゲやパッカード大佐との戦いなんかは、サイズの大小関係なく迫力も興奮もあって終始楽しめました♪

次作に控える怪獣達も楽しみですね。個人的にはモスラのビジュアルにとても期待しています^^
3. Posted by ノルウェーまだ〜む   2017年04月07日 18:27
にゃむばななさん☆
エンタメ的にも本当に面白くて、怪獣映画としても戦争映画としても見ごたえありましたね!
一人ずつ減っていくお約束もさることながら、主人公だけ生き残る…が主題ではなくて、続編へ期待をさせるエンディングで、まさにコング主役!!が気持ち良かったデス。
4. Posted by にゃむばなな   2017年04月08日 22:55
BROOKさんへ

やっぱり怪獣映画は怪獣が主役でないと!
それを分かっているJVR監督の今後には期待大ですね。
5. Posted by にゃむばなな   2017年04月08日 22:56
メビウスさんへ

ヒロインとの恋物語という定番をあえて薄くし、怪獣映画としての本質を突き詰めたこの面白さ。
やっぱり怪獣映画はヲタクに作らせないと!
6. Posted by にゃむばなな   2017年04月08日 22:57
ノルウェーまだ〜むさんへ

そうそう、主人公が生き残るのがメインじゃないんですよね。
あくまでも主人公はストーリーテラーとして残っているだけ。
そこがこの映画の面白さなんでしょうね。
7. Posted by ジョニーA   2017年04月09日 22:10
コング打倒を誓うサミュエルがなかなか恰好
良かったです。最期のシーンは曖昧に見せて
いたので、続編に向けての布石かーー?(メ
カサミュエルとなって再びコング討伐隊を率
いる!!とかだと萌えるがなぁーーw)なー
んて、深読みまでしてしまいました。
8. Posted by にゃむばなな   2017年04月12日 23:53
ジョニーAさんへ

う〜ん、確かにこういう話には必ずと言ってもいいほど、胡散臭い博士が絡んできますもんね。
その博士と大佐の思惑が一致し、『ゴースト・イン・ザ・シェル』と『アイアンマン』を合わせたタオパイパイならぬサミュパイパイが登場するかも知れませんね。
9. Posted by もののはじめのiina   2017年04月15日 10:06
> JVR監督が描きたいのはキングコングとボストカゲのトンデモサバイバル。だから巨大蜘蛛も巨大水牛も巨大昆虫も巨大トカゲも前座にしかすぎない。こうして、自作にキングコングがゴジラと闘う準備が整い、ボストカゲの尻尾を切り捨てるというわけですね。^_^;エヘ

> YOUは何しに髑髏島へ?
成田のインタビューを見ましたょ。このときは、未だ怪獣たちが暴れるだけの映画だと思ってましたが、どうしてどうして味わい深い映画でした。

10. Posted by にゃむばなな   2017年04月21日 23:35
もののはじめのiinaさんへ

この監督のヲタク度から考えると、次回作が楽しみですよね。
いったいどんな怪獣の戦いが見れることやら。

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