2017年07月10日

『メアリと魔法の花』

メアリと魔法の花ジブリの看板が重ければ、新たにポノックの看板を背負えばいいじゃない。
スタジオジブリの製作部門が一旦解散になったとはいえ、まさにまんまスタジオジブリの作品どころか、既視感だらけの前半に萎えて欠伸まで出るも、EDロールではスタジオジブリの作品らしい「あの感情」が蘇ってくるとは…。
これは評価が分かれますな。

まるで『風の谷のナウシカ』を見ているような躍動感あるOPから感じる、純度100%とも言うべきスタジオジブリの世界観。登場人物の動きといい、燃え盛る火の手といい、勢いよく成長する木々といい、そのどれもがまさにジブリ作品。いや正確に言うと「ジブリ作品で見てきた」、まさに既視感だらけのシーンばかり。

しかもメイちゃんに似た髪型のメアリに、彼女が引っ越ししてきた家には老婦人とバーサさんと思えるようなシャーロット伯母様とバンクスさんコンビ。さらに目つきの悪いジジのような黒猫ティムに、ハクのような顔をしたトンボではなくピーター。加えて塩沢ときさんのような風貌ながら存在感は湯婆婆のようなマダム・マンブルチュークに、釜爺のようなドクター・デイ。
そう、キャラクターまでも既視感だらけなので、とにかく前半は新鮮味以上に監督の個性すら感じることが出来ない時間が続くこと。

また「いつモップにまたがるんやろ?」と思わせるメアリの魔女っぷりに加え、ラピュタのようなエンドア魔法大学、巨神兵を連想させるような木偶の坊たち、ヤックルのようなカモシカ、タタリ神のような変身魔法失敗で生まれたアメーバと、様々なシーンでも既視感は続く続く。

だからこそ、あまり印象が強くないストーリーもこんな既視感だらけの世界観ではさほど入って来ない。どこで盛り上げるかというシーンもこれまでのジブリ作品を見ている者にとっては簡単に読めるので、逆に盛り上がりにも欠けてしまう始末。

結局、ひょんなことから一時的にとはいえ魔女になれた少女が大切な人を守るために、最後は自分の力で生きていく素晴らしさを知る、ジブリ作品によくあるストーリー。

けれどEDロールでふと気付く。「物語を堪能して心が温かくなったと同時に、物語が終わる淋しさが主題歌をより印象的に感じさせる」というジブリ作品独特のこの感覚。あぁ、久しぶりだなぁ〜と。

そして、また気付く。
そうか、米林昌弘監督や西村義明Pには「ジブリ」という大きく重すぎる看板ではその素晴らしき才能は活かせないのだと。だから実質ジブリの看板をポノックに架け替えただけにしか過ぎないとはいえ、その重圧から彼らを解き放つことでこの作品は生まれたのだと。

そう思うとEDロールで一際目立った「感謝:高畑勲 宮崎駿 鈴木敏夫」という部分に様々なものを感じずにはいられない。
ジブリで培った世界観を新たなレーベルで残す決断をしてくれたこと、独立したばかりのスタジオに日テレや電通といった大手企業と組ませてくれたこと、自分たち若手アニメーターに様々な夢を与え続けてくれたこと。まさに色んな意味での「感謝」があったのだろう。

そう思うと感慨深い作品ではあるものの、やはりそれでもまだまだ米林昌弘監督や西村義明Pの個性が弱いこの作品を見て思う。メアリの泣くシーンをあまり重要視しないこの作品を見て思う。
メアリはツインテールよりもポニテが似合ってるのに、なぜそれが帰路につくシーンだけなのかと!もっと高畑勲先生、宮崎駿先生、鈴木敏夫先生のように自分たちの女性の好みを作品の投影させなはれ!

深夜らじお@の映画館はツインテールよりもポニーテール派です。

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この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2017年07月11日 05:35
賛否両論の作品となっているようですね。
どうしても過去のジブリ作品と重なっているシーンが非常に多く、ここはあのシーンに似ている…というのが多かったです。

世界観も広いようで狭いような感じで、キャラのバックボーンが説明不足だったのも残念でした。
展開的には悪くはないので、ポノックの次回作に期待しています。
2. Posted by にゃむばなな   2017年07月12日 00:01
BROOKさんへ

ジブリ作品として見ればそこそこ。
でも新たなブランドを立ち上げたと言われると評価が厳しくなる作品でしたね。
次回作は楽しみに出来るのかなぁ〜。
3. Posted by ノラネコ   2017年07月12日 22:08
あれ、ブログを二つに分けたんですか?
この作品はあえて個性を抑えて、観客が求めるテイストを追求したのでしょうね。
出資者からの新スタジオへの要望もあったのでしょう。
成功している部分も、欠点もある作品だけど、とりあえずポテンシャルは感じたので、次回は復活する本家ジブリとガチンコ勝負して欲しいです。
4. Posted by にゃむばなな   2017年07月16日 00:17
ノラネコさんへ

livedoorブログさんがTBを廃止しちゃったんで仕方なくですよ。
これからもよろしくお願いします。

それにしてもこの映画の裏側にある「ジブリという看板」の重さは凄まじいですよね。
果たして米林昌弘監督や西村義明Pは独自の路線を歩むことが出来るのでしょうか?
5. Posted by FREE TIME   2017年07月27日 22:53
こんばんは。
確かに過去のジブリ作品が多く登場していましたね。
ある意味、監督にとってはジブリは特別な存在だったという事でしょう。
次回作はジブリのしがらみを背負わずにオリジナル作品を手掛けてほしいです。
6. Posted by Ageha   2017年07月27日 23:54
こんばんは、オヒサです。
LivedoorのTBがなくなって
またあっさりと引っ越しました。
ライブドアブログの記事そのものは
大変少なかったのですんなりとFC2に移行いたしました。TBだけ引っ越せませんでしたが。(;^_^A
・・・皆さん、書いてるように既視感は否めなかったのですが、個人的に「ゲド戦記」あたりからジブリ映画そのものを楽しめなくなってきていたんで、その点ではワクワクする気持ち帰ってきました。
・・・・でも、原作を何にするか、もうそっから次はもっと考えないとダメでしょうね。どこで個性を出していくのかですね・・・。
7. Posted by にゃむばなな   2017年07月31日 23:27
FREE TIMEさんへ

そうですね、せっかく新しいスタジオを立ち上げたのですから、そろそろ独自の色というものを出してほしいですね。
そうでなければ、ジブリに戻るのが定石かと思いますよ。
8. Posted by にゃむばなな   2017年07月31日 23:29
Agehaさんへ

原作選びにしても、絵のニュアンスにしても、ストーリー展開にしても、この作品には監督の個性というものが存在していないですよね。
次回はその存在しなかった個性を是非発揮していただきたいものです。

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