2017年11月26日

『シンクロナイズドモンスター』

シンクロナイズドモンスターソウルを救うのは巨大怪獣か、それとも巨大ロボットか。
職ナシ、家ナシ、彼氏ナシのダメウーマンと地球の裏側に突如出現した巨大怪獣が100%シンクロするという、この世界のファンタスティック映画祭を席巻したアルバトロスフィルム配給作品。
異色作、奇想天外という評価の先には、大人になりきれない大人への皮肉もたっぷりだ。

職もないのにアルコール浸りで彼氏のティムに家を追い出されたグロリアがニューヨークから移り住んだのは、故郷の田舎町。
偶然再会した幼馴染でバーテンダーのオスカーにより、バーでの仕事を見つけるも、仕事終わりのアルコールが入ると、そこからの記憶は見事に消えてしまう。

ところが彼女はある日知ってしまう。TVニュースに映っている韓国・ソウルに突如現れた巨大怪獣が自分と同じ動きをしていると。
しかも早朝の8時5分という決まった時間に、この田舎町の公園の砂場にグロリアが入り込むと、ソウルに巨大怪獣が現れては、彼女と同じ動きをするのだから、そりゃ彼女もアルコール仲間にちょっとした自慢もしたくなるもの。

ただ自分が砂場でコケてしまったことで、地球の裏側で数人の命を奪ってしまったという罪悪感が彼女の行動を変え始めるが、これがまた普通でないのが面白いところ。
例えば巨大怪獣が大都市の広場で人払いをしてからハングルで「ごめんなさい、もう二度としません」なんて謝罪文を書くなんて、今までそんな怪獣映画なんて見たこともない。

さらにオスカーが同じく公園の砂場に入ると、今度はソウルに巨大ロボットが出現するうえに、グロリアとオスカーの痴話喧嘩が地球の裏側では巨大怪獣が巨大ロボットにビンタするというシュールな映像になるのだから、そりゃ韓国ではあの怪獣とロボットは仲間ではないようだという憶測が飛び交うのも当たり前。

しかしこの映画はそんなシュールな笑いばかりで話を進めていくのかと思いきや、そこから「本当の意味で大人になる」ということについて、そこそこリアルな話を放り込んでくるのが、これまた面白いところ。

特に優しくいい人だったはずのオスカーが実はストレスの蓄積で「巨大ロボット、ソウルで大暴れ」という歪んだストレス発散に走ったり、新しい恋人候補になるはずのジョエルはオスカーにビビって男らしいところを何一つとして見せてくれなかったり、元恋人のティムも未だに自分優位な恋愛を続けたいと復縁を迫るところなどは、まさに「見た目は大人、でも中身は子供」という現代の大人になりきれていない大人を色濃く描いている。

一方、アルコールを絶ってマトモな生活を始めようとするも、嫉妬に狂うオスカーには暴力と暴言を浴びせられ、ジョエルには失望し、ティムとの復縁にも希望が持てないグロリアは、過去を辿って怪獣のおもちゃを持っていた自分とロボットのおもちゃを持っていたオスカーが共に雷に打たれた日を思い出し、何とか暴走幼馴染を止める策を探す。

そんな彼女が気付いたのはこの田舎町の公園の砂場に自分が入るとソウルに巨大怪獣が現れるなら、その逆は?という一発逆転の発想で、右目に殴られたアザをつけたまま、いざソウルへ!

そして巨大ロボットの出現で大パニックのソウルでグロリアが向かうはロボットの出現場所。するとオスカーが悪さをする田舎町の公園にもあの巨大怪獣が出現!
田舎町ではオスカーが巨大怪獣に捕まり、ソウルでは巨大ロボットが中空で縛られたように固まるという異様な光景。そりゃソウル市民も何が何だか…状態のなか、オスカーの懲りない暴言を心で聞いたグロリアが取った行動は、巨大ロボット@オスカーをバイバイキ〜ンと放り投げて見事にソウルの街と自分の心を救うという、何とも爽やかな結末。

大人は責任感があってこそ、大人としての振る舞いが出来る。
ではその責任感は歳を取れば身につくのかと問われれば、そうは答えることが出来ない現代社会。
主役はまわってくるものではなく、自分の行動と努力で掴み取るもの。
酒に溺れたり、良い人を演じてストレスを貯めていても、主役はまわってきませんぞ!

深夜らじお@の映画館はアン・ハサウェイのダメウーマンぶりが結構好きです♪

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acideigakan at 23:59│Comments(4)clip!映画レビュー【さ行】 

この記事へのコメント

1. Posted by mig   2017年11月28日 00:00
こんばんは〜これ機内で夏に見たんですが
オスカーの急で異常な変わりようと後半の展開がついていけなかったですー
途中までとアイディアは面白いんですけどねー
2. Posted by きさ   2017年12月02日 23:09
これはなかなか面白かったですね。
ちょっと「マルコビッチの穴」を思わせる奇想ファンタジーですが、展開が面白くどうなるのだろうと思わせました。
ハサウェイ主演、巨大怪獣が登場する事しか知らずに見たのですが、これはなかなかの拾いものでした。
VFXもなかなか良くできていました。
3. Posted by にゃむばなな   2017年12月05日 23:41
migさんへ

オスカーの態度急変がこの映画の面白味の分かれ道でもありましたね。
でも同じ男性として、このオスカーの変わり具合はある意味納得でした。
だってこんな子供染みた大人の男なんて、たくさんいるんですもん。
4. Posted by にゃむばなな   2017年12月05日 23:43
きささんへ

確かに『マルコヴィッチの穴』を彷彿とする奇想天外の面白さでしたよね。
アン・ハサウェイだからこそ、成り立った部分も多々ありましたが、なかなか面白かったです。

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