2018年03月20日

『ちはやふる-結び-』

ちはやふる-結び-運命戦は運命じゃない。
これで終わってしまうのはあまりにも勿体無い。だって原作の高校2年生編と高校3年生編を合わせて1作にまとめてしまうと、肉まんくんの意地も、机くんの一撃も、奏ちゃんの奮闘も全て削られてしまうのだから。
ただ改めて思う。恋も、かるたも、演技も頑張った真島太一よ。やっぱり君は男前だ!

「知的な熊」が名人戦に挑んでいるではないか!という驚きから始まるこの作品は、久しぶりに瑞沢かるた部の面々に会える一方で、やはりストーリーの内容量と上映時間の塩梅に問題ありか、全体的にちょっと急ぎ足。

しかも瑞沢かるた部全国制覇の高校2年生編と、悩む太一と千早が新との対戦に挑む高校3年生編を合わせたストーリーになっているものだから、例え無駄なシーンがほぼない映画であったといえども、アニメ版を見ていた者からすると、「あのシーンは削ってほしくなかったなぁ」がかなり多いこと。

例えば静岡代表冨士崎高校・桜沢翠顧問の「来年、一度も負けない夏にするのは、あなたよ」をあんな状況下では聞きたくなかった。先生としての愛が詰まったあの言葉を。
だから江室凌雅の「あれは、これから上ってくる奴だったんだ!」も当然ない。

さらに東京予選と全国大会決勝以外はあっさりと描かれているため、準決勝での「僕を助けるのは、僕のデータ」という机くん渾身の一撃もない。その準決勝での奏ちゃん突き指奮闘シーンもない。

そして東京予選での北央との戦いでの「札合わせ」は描かれていても、全国大会決勝での「札合わせ」「運命戦」が4人同時になってしまったがために、太一と肉まんくんの男の意地も描かれていなかったのも淋しい。

もっと言うと、太一がいなくても全国大会決勝にまで勝ち進める瑞沢かるた部は強すぎる。せめて「太一が帰ってくるまではみんなで頑張るよ」と、部員みんなで心を合わせて決勝にまで残ってきてほしかった。
福井代表の藤岡東が、実力的には高校かるた界のアベンジャーズなのだから、そんな強敵に勝つことが出来た瑞沢かるた部の「チーム力」をもっと見せてほしかった。

つまりこの実写版は、やはり「千早と太一と新」の物語であって、広い意味での「チームちはやふる」の物語ではなかったのが残念でならない。だから脇役陣の活躍が尽く削られ、優勝の折には全員で抱き合わず、太一と千早が抱き合うだけで終わってしまったのだろう。

ただ個人的には勝てない相手にも真正面から挑み、いくら負け続けても諦めない太一がやっぱり好きだ。どこまでも応援したくなる。
だから名人・周防久志との交流を経て天賦の才を持った者たちの域に挑もうとするこの努力家が、恋とかるたのライバルでもある新との直接対決に挑む決勝戦は、まさに太一の青春を全て賭けた戦い。そう、こういう熱い青春を肉まんくんでも、机くんでも、奏ちゃんでも見たかったのだ。

「おにぃ」「好きな子がおる」「2字決まりや…」といった綿谷新と我妻伊織の掛け合いも楽しい一方で、スノー丸ライブが見れずズブ濡れになった若宮詩暢が痛いキャラに成り下がっていたのは残念だったうえに、その若宮詩暢と綾瀬千早とのクイーン戦も描かずに、ラストは千早がクイーンになって瑞沢かるた部の顧問になったという終わり方は如何なものか。

確かに一見きれいな終わり方のようだが、千早の超えるべき壁を超える姿を描かずに終わるくらいなら、準クイーン止まりにして、これからも若宮詩暢に挑み続けるでも良かったのではないか。

千早と太一と新の恋が決まらぬままで終わったように、かるたでも同じようにしても良かったのではないか。

永遠の挑戦者であり、稀代の努力家でもある真島太一目線で見てしまうと、どうしても物足りなく見えてしまうのは仕方ないことなのだろうか。

深夜らじお@の映画館は「ドSの須藤」に対して、自分がボロボロになるまで他人に尽くす太一は「ドMの真島」と呼ばれてしまうのではないかと思ってしまいました。京女・若宮詩暢なら言いそう…。

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acideigakan at 16:47│Comments(8)clip!映画レビュー【た行】 

この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2018年03月20日 19:32
ストーリー展開は綺麗に纏めてありましたが…
やはり千早と詩暢の対戦は観たかったですねぇ。
いきなりクイーンとなって、顧問となって…の展開はちょっと急ぎ過ぎのような気も。
やはりここはじっくりと描いて、前後編にすべきだったのかもしれません。
2. Posted by ノラネコ   2018年03月21日 17:14
これ基本的にはずーっと太一が主人公で、真島太一三部作なんですよね。
どこを取捨選択するのかは原作が長編の場合難しいですが、太一の成長物語として素晴らしい仕上がりだったと思います。
高校生ころこんな青春したかったなあ。
3. Posted by FREE TIME   2018年03月21日 18:32
自分は原作未読ですが、青春映画としては非の打ちどころのない作品に仕上がっていたと思います。
一方で、前回同様に前後編にしても良かったのではないかとも思いましたね。
4. Posted by ジョニーA   2018年03月21日 23:18
確かに、ここまで引っ張っておきながら、あのクイーン戦のハショり方は
残念だったかもしれません。。。(松岡茉優が完全に面白キャラになって
しまってましたねえーw)
それでなくても多めの登場人物に、新たに二人も加えたもんだから、一人
ひとりのエピソードが薄味になるのは仕方なかったでしょう・・・。
原作知らずのワチクシ的には、十分盛り上がれたし、大満足の大団円でした。
5. Posted by にゃむばなな   2018年03月21日 23:36
BROOKさんへ

クイーン戦はやっぱり見たかったですよね。
あの最強クイーンを倒してこその、綾瀬千早で締め括って欲しかったですよ。
6. Posted by にゃむばなな   2018年03月21日 23:42
ノラネコさんへ

そうそう、実は真島太一物語だったので、彼の成長物語としては満足なんです。
でもやっぱり個人的には少なくとも机くんの一撃だけは見たかったなぁ〜。
7. Posted by にゃむばなな   2018年03月21日 23:44
FREE TIMEさんへ

そうですよね、前後編で分けても良かったんですよね。
青春映画にしては、脇役の青春はあまり描かれずが残念でしたわ。
8. Posted by にゃむばなな   2018年03月21日 23:45
ジョニーAさんへ

クイーンがほんま面白キャラで終わっちゃったのも残念。
若宮詩暢の強さはいづこへ〜?

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