2018年08月04日

『インクレディブル・ファミリー』

インクレディブル・ファミリー家事!育児!算数!反抗期!世界の、ヒーローの、家族の危機!
これぞピクサー流ファミリー映画のあるべき姿だ!真骨頂だ!
社会の移り変わりを巧く物語に取り込んだ素晴らしさが、14年ぶりの続編なのに物語は前作から4ヶ月後からという違和感さえ全く気にさせないこの面白さ。
これこそがアニメ映画の最大の強みなのだ!

地下から現れた難敵アンダーマイナーの進行を食い止めるべく、家族総出で大活躍するインクレディブル家とこの家族のピンチにはいつも駆けつけてくれるフロゾンにとって、目下最大の問題は法律と世間がヒーロー活動に好意的ではないという現実。

だがヒーローなくして歴史が成り立たないアメリカにはもちろんヒーローの復活を望む人たちもいる。それが通信業界の大企業デブテックを運営するウィンストンとその妹で開発担当のイヴリンであり、彼らの支援によりヒーローが活躍する様を世間にアピールするという新たな作戦が始まるというのもいかにも現代的なら、この大事な任務を任されるのがヘレンであり、一方で夫のボブは家に残って家事と育児にあたるというのも、女性の社会進出と男性の家事参加が当たり前になった、いかにも現代的な風景。

またヘレンが大活躍して世間から持て囃されても、母親として気になるのは家族のこと。逆にボブが家事に育児に失敗を重ねることで、徐々に気付いていくことは男性としての自尊心よりも父親としてあるべき姿がいかに大事かということ。

だからヘレンは家のことをボブに任せて、でも仕事は男性に任せずイヴリンと共に謎めいた敵スクリーンスレイヴァーを追う。
一方でボブはダッシュが苦手な算数にも真正面から向き合う。同級生との恋路に悩むヴァイオレットを支えたいと父親なりに悩む。そして予測不可能なスーパーパワーの持ち主でもあるジャック・ジャックの世話に神経と体力を擦り減らす。

そう、女性の社会進出が当たり前になるということは、逆に男性の家事育児能力の向上も当たり前になるということ。これはヒーロー家族だけが特別ではない現代の宿命。

ただこの映画はそんな現代的な家族の在り方を描く一方で、現代的なヒーローに対する考え方に対しても一石を投じている。それが真犯人イヴリンのヒーローに任せて自分たちは何もせずに文句ばかり垂れる世間に対する怒りだ。他力本願がまかり通る社会への怒りだ。

そんな怒りに対してピクサーは、ヘレンだけでなくボブもフロゾンもマインドコントロールされた状況下で活躍するのは両親から「さすが我が子だ」と育てられてきた子供たちという展開ではなく、「家族の物語なんだから、当然活躍するのは家族全員」という答えを示す。

各々が各々の能力を最大限に発揮する活躍で連携することで危機にあたる。オムツを叩くと目からビームがビュン!ビュン!ビュン!のジャック・ジャックも含めた家族5人と、フロゾンを始めとするヒーロー仲間全員が活躍してこその映画だ!とばかりに、クライマックスには末っ子のお守と両親のサポートをするヴァイオレットとダッシュがいる。真犯人を追うヘレンとヴォイドという女性スーパーヒーローたちがいる。豪華客船を救うべく影の活躍に徹するボブとフロゾンがいる。

自分がヒーローとしてどう活躍したいのではない。自分がヒーローとしてどう活躍するのかが大事なように、自分が親としてどうありたいのではなく、自分が親としてどうあるべきなのかを模索し続けることが大事。

そんなメッセージが込められたこの作品は、まさにファミリーの映画。だからそんな家族の大活躍に見入ってしまう。心が踊ってしまう。面白くて興奮が止まらなくなってしまう。

そしてエドナ・モードも大のお気に入りになった未知数のスーパーパワーを持つジャック・ジャックをもっともっと見たくなる。アライグマと本気の喧嘩をする可愛さをもっと見たくなる。

その影響だろうか、映画を見終わってから街中で見掛ける乳母車に乗った幼児たちが全てジャック・ジャックに見えてしまう。
そう、この世界はジャック・ジャックで溢れているのだ!

深夜らじお@の映画館はやっぱりフロゾンとエドナ・モードが登場するとテンションが上がります。

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この記事へのコメント

1. Posted by ノラネコ   2018年08月14日 15:49
14年の時代の変化を上手く物語に取り入れて、新鮮味を出して来ました。
相変わらずブラッド・バードの作家性も出ているし。
思春期の子どもたちをメインにした続編を希望しますw
2. Posted by にゃむばなな   2018年08月20日 23:10
ノラネコさんへ

これで終わるのは勿体無いですよね。
是非第3弾も期待したいものです。

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