2019年06月04日

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

ゴジラキング・オブ・モンスターズ怪獣映画にしては軽すぎる。
「怪獣」と「モンスター」は微妙に違う。怪獣は時に神としても崇められる存在に対し、モンスターは基本的には人類の敵というイメージを個人的に持っているからだろうか、映像は怪獣主役の怪獣映画なのに、物語は人類主役のモンスター映画というちぐはぐさがどうも軽すぎるという印象しか残してくれなかった。

この映画のタイトルを初めて聞いた時、ゴジラはモンスターではないだろうという違和感を覚えた。もちろん怪獣を英訳すればモンスターになるので、何ら間違いではないのだが、昨今海外でも「KAIJU」で通じるこのご時世になぜ「キング・オブ・カイジュウ」ではないのかが、凄く気になった。

その答えを探すべく映画を楽しみにしていたが、実際本編が始まると怪獣映画にはあるまじき「軽い雰囲気」が作品全体に漂っていること。人類存亡の危機とか、家族の犠牲や離散とか重苦しい雰囲気を醸し出す要素は揃っているのに、不思議と低予算で作ったB級映画ですやん!という雰囲気が邪魔で邪魔で仕方ないこと。

だからモスラが雲南から蘇っても盛り上がらない。ラドンがメキシコの火山から出てきても興奮しない。キング・ギドラが南極で氷漬けにされていてもワクワクしない。
映像としてはどれも興味深く、子供の頃に見た怪獣映画よりも迫力があるはずなのに、映画としては全く盛り上がらないので、子供の頃に感じた迫力には到底及ばない。

その理由はやはり人類ドラマがあまりにも安っぽく、薄っぺらく、全体的に危機感が全く伝わってこず、のほほんとした雰囲気の中で次から次へと入ってくる情報をただただ流しているだけで、これまでの流れから今後をどう考察するかといったシーンが皆無だからだろう。

もちろん怪獣映画のドラマ部分は「人類は無力」がテーマであるが、それはあくまでもこれだけ考えに考えても怪獣たちの前では人類は何も太刀打ち出来ないということであって、新兵器で怪獣2体を抹殺だ!と豪語しておきながら失敗しても次の手を考えよう!という雰囲気では違う意味での「人類は無力」になってしまう。

その他にもエマ・ラッセル博士の自分勝手さは異常過ぎて、とても子供を亡くした母親の苦悩には見えない。芹沢博士の「さらば、友よ」という気合いの入れ方もなぜ彼が命を犠牲にしたのかという動機も不明など、「人類は無力」ではなく「人類は無能」にしか見えなくなってしまう。

モンスター・ヴァースシリーズの第1弾『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督も、第2弾『キング・コング髑髏島の巨神』のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督も映像でも物語でも怪獣を主役に人類を添え物として撮ったからこそ面白い作品が出来上がったのに対し、同じゴジラ好きでもマイケル・ドハティ監督は映像は怪獣を主役に、物語は人類を主役に撮ってしまったからこそ、こんな結果になってしまったのだろう。

その辺り、同じゴジラ好きでも「怪獣映画好き」と「怪獣好き」の微妙な差が出てしまったのかも知れないが、「怪獣が出てくる映画」ではなく「怪獣映画」を期待した私にとっては残念な作品でした。

ちなみに次回作ではメカゴジラは登場するの?

※お知らせとお願い
【元町映画館】へ行こう!

acideigakan at 23:59│Comments(8)clip!映画レビュー【か行】 

この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2019年06月05日 13:21
VFXは非常に良く出来ていたと思います♪
ただ、やはり問題は人類側…というか、エマの”動機”が微妙過ぎてしまいました。
息子を亡くしたのが理由みたいですが、そこまで考えが行ってしまうのかなぁ…と。

とりあえず、キングコングとの対決への伏線は張ってあるので、来年の公開を楽しみにしておきます。
2. Posted by yukarin   2019年06月05日 17:30
ドラマ部分は面白くなかったですが、怪獣たちの暴れっぷりは楽しめました!
3. Posted by ジョニーA   2019年06月07日 05:13
4DXで観て、退屈な人間ドラマの部分はずっと寝てました。怪獣登場!で振動が大
きくなったら目覚めて、結果的には怪獣同士の対決だけを観るという、「ウルトラフ
ァイト」的な楽しみ方になりましたが・・・。これってもしかして正解?

ライブドアブログにも引っ越してきまーす♪よんろしく〜〜〜!
4. Posted by にゃむばなな   2019年06月09日 23:49
BROOKさんへ

そうそう、真犯人の動機がねぇ〜。
それで世界を壊されても、本当に困りますわ。
次はキングコングとの対決ですか〜。楽しみです♪
5. Posted by にゃむばなな   2019年06月09日 23:52
yukarinさんへ

ほんと、その通りでしたね。
怪獣たちをもっと見せてくれるだけで良かったのに。
6. Posted by にゃむばなな   2019年06月09日 23:57
ジョニーAさんへ

ライブドアブログへようこそ。
今後もよろしくお願い致します。

4DXであの退屈な人間ドラマを見るのは酷でしょう。
怪獣同士の戦いは楽しそうですけど。
7. Posted by 隆   2019年06月14日 17:05
アメリカ発のゴジラなわけですが、ゴジラとかラドン、モスラ、ギドラといった、怪獣の中でもビッグネームの喧嘩が目立ったのに対して、他の怪獣、未知の存在というのが登場しなかった、ゴジラとギドラの伝統の対決に対して、番狂わせの新たな怪獣が居なかったですね。

怪獣ものとして、王道に過ぎたと思います。それに対する、人間ドラマの陳腐さというのは、謙さん然り、腐っても鯛の名優たちの責任というよりは、物語の責任でしょう。むしろ、あれだけド派手なタレント揃いの怪獣達に対して、人間がキャラで立ち向かうのは、利が無いと思いますし。
8. Posted by にゃむばなな   2019年06月20日 23:30
隆さんへ

監督も脚本家もまとめきれていないうえに、交通整理もきちんと出来ていない。
そういう感想が強く残ってしまいますよね。
この怪獣たちに人間がキャラで勝負は無謀でしょ♪

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
昨日の訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

※オススメです♪※
『KANO~1931海の向こうの甲子園〜』主題歌
ぷろふぃ〜る

にゃむばなな

Twitter始めますた
nyamu_bananaをフォローしましょう
livedoor 天気
ちょいとした広告掲載