
写真(左)は普通のキウイフルーツ(ヘイワード)を薄く切って、特殊な処理を施したものです。 種のある部分から外側にかけて(専門的に言うと内果皮の部分に)、白く光る粒子が多数認められます。 これを顕微鏡で拡大したのが右の写真です。
写真の解像度を落としてあるので、少しわかりにくいですが、白く光っているのは「シュウ酸カルシウムの結晶束(束晶)です。 これは粘液に包まれた状態で異型細胞内に格納されているので、このままではイガイガすることはありません。 しかし噛み砕くことによって、これらの細胞の一部が壊れると、中の針状結晶がバラバラになって出てくるため、敏感な人では幾分の刺激を感じます。
もうおわかりのことと思いますが、キウイフルーツ果肉をミキサーなどで砕いてピューレーやジュースにすると、多くの異型細胞が壊れますので、より多くの針状結晶が飛び出してきますので、口腔刺激性が強まるというわけです。 詳しくはこちらをご覧ください。また、もう少し解像度の高い顕微鏡写真は、こちらからどうぞ。
このようにキウイフルーツにはシュウ酸カルシウムの束晶が含まれていますので、加工が難しいと言えます。 凍結した果肉を解凍したり、ドライフルーツにした時にも、この結晶は突き出してきますので、かなり厄介です。 ですから、このイガイガ感に敏感な人は、おそらくドライフルーツも苦手なはずです。
もっとも、このシュウ酸カルシウムは無害ですので、安心してお召し上がりください。
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