
これまでに複数の論文で、芯(白い部分)にアクチニジンが少ないことははっきりと示されていましたが、皮の近くに多いという論文は存在しませんでした。 そこで自分で調査してみたのが、写真の結果です。 果実の赤道部周辺を切り出し、外果皮(a)、内果皮外側(b)、内果皮内側(c)、果芯(d)に分けて、電気泳動法によりアクチニジンを測定しました。 その結果、外果皮では370 mg/100g、内果皮外側では430 mg/100g、内果皮内側では347 mg/100g、果芯では120 mg/100gとなりました。
確かに芯には少ないことが示されましたが、それ以外の部分では、特に顕著な差異はないようです。 有意な差かどうかはわかりませんが、内果皮外側で幾分多い(正確には密度が大きい)と言えるでしょうか。 とにかく、皮の直下に多いということはないようです。
本当はキウイフルーツの切片を作製して、抗アクチニジン抗体を用いた免疫染色を行えば、もっとアクチニジンの局在がはっきりと示せるのですが、植物組織の薄切切片は私の技術ではできません。 動物組織であれば簡単に顕微鏡用切片が作製できるのですが・・・。
コメント
コメント一覧 (8)
疑問があるので質問でもよろしいでしょうか。
南国フルーツにはアクチニジンが含まれている理由とはあるのでしょうか。
学校で調べることになったので教えてもらえるとうれしいです。
宜しくお願いします。
世界的にも確立された説はありません。
一説では、カビ、細菌、昆虫などに対する防御物質ではないかと考えられていますが、あくまでも仮説にすぎません。
「学校で調べることになった」とのことですが、以上のような理由で、答のない問題に取り組むということになります。自由な発想力で、いろいろな仮説を立ててみるといいと思います。
(なお、キウイフルーツは温帯性の植物ですので、南国というのは不適切だと思います。)
頂いたお返事を皆で考えて今後に生かしていこうと思います。
答えはないですが頑張ります!
本当は果汁が使えるとコントロールしやすいのですが、果心から果汁をしぼるのはむずかしいので、果肉をそのままか、あるいは、すりつぶして入れることになると思います。
注意すべき点は、果肉の緑色の部分(内果皮および外果皮)と果心とを分けるときに、果汁が果心に混ざらないようにすることです。そうしないと、本来出るはずの差が、さらに出にくくなるかもしれません。
詳しい状況がわかりませんので、漠然とした回答ですが、こんなところでいかがでしょうか?
ゼラチンを3%でやってみたいと思います。
これで結果は出るでしょうか?
ほかに冷却方法で気をつけることはありますか?
冷却で気をつける点は、何℃でゼラチンと果肉を混ぜ合わせるかということと、氷水に当てて一気に冷やすか、冷蔵庫でゆっくり冷やすかという方法の選択です。30〜50℃の温度では、酵素は活発に働きます。一方、4℃ではほとんど作用しません。したがって、ゆっくり冷やすと、果心のわずかなアクチニジンでもゼラチンが分解され、差がみられないかもしれません。
ゼラチン液の温度が40℃に下がってから果肉を加え、混ぜ合わせてすぐに氷水にあてて冷やすというのは、どうでしょうか?
(文字数制限がありますので、次のコメントへ続きます。)
いずれにしましても、目的の差をはっきりと出せるような、条件設定をすることが、この実験のポイントになると思います。
なお、私は明日の朝から9月2日の夜まで、インターネットの使えない所に行きますので、しばらく対応ができません。実験がうまくいくよう願っております。