今日は立春、暦の上では春、といっても寒さは続く。ところで、人間の体は温められたほうが好都合にできているよう。寒くなると以前痛めたところが再び痛みを感じるようになるといった経験のある人もいるでしょう。寒くなるといまいちエクササイズのパフォーマンスも上がらないと思います。体、温めましょ。
で、今日は体を温める方法、についてひとつ。
塩湯、というのを聞いたことはありますか?これ、吉村昭の小説、破獄のなかにあったエピソード。脱獄を繰り返す実在の人物を描いたノンフィクションです。ところは戦前の網走刑務所、氷点下の真冬で凍える囚人たちにとらせた暖の方法が塩湯。塩を溶かしたお湯を大きなたらいに張りワゴン状の台車に載せ引っ張り囚人のもとへ。鉄格子から囚人たちが手を出してお湯にひたったあとは素早く乾いた手拭いでふき取ったという。看守が“塩湯〜!”と叫ぶと囚人たちから歓声があがったとか。
実際に塩のお湯は汗も出やすく気持ちいい。塩化ナトリウムの作用で肌をクリームのように保護して熱を逃がさないから湯ざめがしにくい。体を保温するには最適な方法の一つと思われる。ついでに言えば塩化温泉は日本に数多くみられる温泉といわれるが、傷や皮膚病、やけど、それに関節の痛みにも効能がうたわれている。
市販のバスソルトも売ってるけど、あだちはスーパーで買ってきた荒塩をぐつぐつ沸騰した鍋で溶かし、バスタブにざさっと注ぎ込んでいる。ただし塩をスポンジに擦りこんでゴシゴシするのは?やめましょうね。
実際にやったら確かにぽかぽか。真冬のお風呂も楽しみになってきました。それでも、春よ、はやく来い。