第2部は、お弁当を食べながらのランチセッション。

全国の現場の先生たちからの6件の
事例研究発表。
ZOOMでつないで兵庫からご発表下さった先生も!事前発表の段階で、「そのまま修論に
なるレベル」と評された方もいるほど、質の高い研究発表が行われました。

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・AI-PACの課題データ解析に基づく発達支援への示唆
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 
ココロミルラボ 黒田 由加さま

・自閉スペクトラム症児の会話レパートリー拡大における情報交換型会話及び情報要求課題の効果
児童発達支援マルシェ  早良 さつき先生

・困った場面における情報要求言語の自発を促す
児童発達支援ままとこルーム(熊本) 
山本優花先生

・トークンシステムの導入への取り組み
児童発達支援センターゆーかりの森(兵庫) 
道盛美穂(言語聴覚士)先生

・自閉症スペクトラムがある児童へのイラストを用いたひらがなの受容
放課後等デイサービス ミライエ戸田 梅宮 黎紀(児童指導員)先生

・発達的ニーズのある幼児の未習得課題における課題拒否行動の変化- 動機付け条件による比較 -
にじいろデイズ市川新田 管理者 中田 玲菜先生

現場の事例研究は、ADDSから担当者が一人つき、TV会議システムを使って、
標的行動の設定や研究デザイン、ベースラインや記録の取り方、グラフ作成などのコンサル
をしながら行うのですが、ほとんど1~2回のコンサルで、かなりのレベルに仕上げられてしまう
先生が多く、毎年驚かされます。

そもそも記録をとることが当たり前になっているので、研究と実践の乖離があまりないのだと感じます。会場では、キッズライン山本崇博先生先生から、大変分かりやすい講評も頂きました。
ありがとうございました。
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VRによるセラピスト研修の体験コーナーや、
療育支援システムAI-PACの体験ブース。
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←「お詫び」
会場に搬入したセラピスト養成ロボのNAO
くんですが、バッテリーが早々にあがってしまう
というハプニングで、体験できなかった方が
多かったようです。誠に申し訳ありませんでした。
また、体験の機会を作りたいと思います。
楽しみに来てくださった方、この場を借りて
お詫びを申し上げます。



そして連携機関さんの機関紹介やポスター発表ブースもありました。
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第3部は、いよいよ地域実践報告&パネルディスカッション。

1番手の徳島県教育委員会指導主事の大久保先生には、徳島県のありえないほどに
徹底されたエビデンスに基づいた特別支援教育施策についてのお話を伺い
ました。

現場の記録が大変という声もあるけれど、「実践と記録はセットですから」
とお伝えしとにかく記録をとってもらう、と淡々とお話をされていましたが、
実際に徳島にいくとその凄みが伝わってくるというか、現場の先生が本当に当たり前に
記録をとり、支援の結果を可視化されていることに驚きます。

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基盤となる土壌がものすごく高いので、どんどん人が育ち、
AI-PACの特別支援教育での活用事業など、様々な新しい施策が打ち出せるという
良い循環がうまれているのだな、と改めて感じました。

オリジナルで作成したプリント教材1枚1枚について、正答率の
記録をとって修正をかけているというお話にはあまりの徹底ぶりに驚愕・・・。
ことばは悪いですが、「徳島やばい」が懇親会でも流行するほどのインパクトでした。

「徳島やばい」教材は、こちらですべて無料公開されているという太っ腹ぶりです
ので、ぜひ普段の支援にご活用ください。
http://manabinohiroba.tokushima-ec.ed.jp

2番手は、NPO法人ファミリア(児童発達支援トータスキッズ)の高橋理事長から

障害をもつお子さんの保護者としての想いから、横須賀に根差した地域づくり、そして専門家としての臨床動画までが盛り込まれた濃密な内容に、皆さん聞き入っていらっしゃいました。

臨床動画は、要求や注目機能の癇癪があるお子さんへの支援の導入において、どういった対応をされているか、が大変分かりやすく、アンケートでの評判も非常に良かったです。

しっかりと理論に裏打ちされた対応により、お子さんが落ち着いて学習できるようになっていく姿や、
笑顔で要求ができるようになっていく姿が大変印象的でした。

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そして3番手は、ぶりんぐあっぷ千葉子ども発達センターの小山センター長から。
初年度から実装PJに参加、地域に根付いたとても包括的な支援の中で丁寧に
「ぺあすく」を運用して下さいました。

現場でご自身で支援プログラムを開発し、データをとられた事例研究もご紹介がありました。
「ぺあすく」前の親子の関わりをスモールステップに分解して、「いいとこ探しシート」やビデオFBを使って行った介入を実施した結果、親御さんのお子さんを褒める行動が増え、親御さん自身も関わりのコツがつかめたとのこと。さらに素晴らしいのは、幼稚園へのアンケートを用いた社会的妥当性の評価まで行われていたところです。

そして最後は、TV取材を受けた際に行われた「ぺあすく」参加者さんのインタビュー動画で
しめて下さいました。

お母さまの「この子が手をつなごうと差し出してくれるようになった。その嬉しさは、とても言葉では表しきれない」といったご発言に、会場には涙される方も。

3年の締めくくりにふさわしい、エビデンスと情緒の間を自在にいききしながらのご講演でした。

改めて、素晴らしい方々とつながらせていただけたことに感謝しながら、プロジェクトを
振り返る良い機会となりました。

img_slide01←ぶりんぐあっぷさんの素敵なプレイルーム