鎌倉市にて、臨時休校期間、保護者向けオンラインコンサルテーションが、
児童発達支援の報酬算定対象として認められました!
新型コロナウイルス感染症対策による臨時休校の影響で、学童保育や放課後等デイサービス(小1〜18歳までの障害がある子どもたちが通う施設)の現場は、先週頭から急に長時間の児童受入れ体制整備に追われ、怒涛の現場運営となっていることと思います。
【厚労省より「原則開所」要請あるが、利用者の欠席が非常に多い】
放課後等デイサービス事業と同じ「障害児通所支援事業」に含まれ、放課後等デイサービス事業の未就学児版といわれる「児童発達支援事業」をADDSでは運営しています。放課後等デイサービスと同様に、「感染の予防に留意した上で原則開所」との方針が厚労省の障害福祉課から示されました。
しかし、電車やバスを使って小さなお子様を通所施設まで連れて来ることは、感染予防の観点から躊躇される保護者の方が多くいらっしゃるのが当然です。実際に、「感染予防のため外出を控えたいので、やむを得ず事態が収束するまでお休みします」というケースもちらほらと出ています。
しかし、療育は保育園とも習い事とも違い、生活全体の中で刻一刻と変化するお子さんの発達をダイレクトに支え促進するものです。たかが1か月(今のところ)といえども、発達支援ニーズのあるお子様への療育支援が滞ることは、とても大きな機会損失になります。
【独自事業の枠組みでオンライン支援を提供できないか?】
この事態を受けADDSでは、新型コロナウイルスの影響でお休みとなったご家庭に対しオンラインのテレビ会議形式で支援を提供できないか?と神奈川県と協議を重ねてきました。オンラインのコンサルテーションは、これまで既に児童発達支援を卒業したご家庭の保護者様向けに、あるいは連携事業者のセラピストの先生方向けに、当法人が独自事業として提供してきたものです。これを、児童発達支援事業の利用者様にも範囲を広げて提供したい。
ネックは、原則として福祉制度に基づく事業を行う登録をしている場所で、制度の人員配置に入っている職員が、営業時間内に該当の事業以外の事業に従事することが認められないことでした。それを、欠席が入った時間のみ、その子を担当する予定だった職員がオンラインの支援という別事業に従事することを臨時措置として認めてくれないか?というお願いをしてきました。
同様の問い合わせが多くの事業者から寄せられたことと思います。
そして、県より写真のような告知が出され、先週末、鎌倉市からも以下の周知文が出されました。(関連箇所のみ抜粋)
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1 欠席対応
新型コロナウィルス感染症を予防するための欠席の場合で、
事業所が居宅への訪問、電話その他の方法(※1)で児童の健康管理や
相談支援の提供を行ったと市町村が認める場合(※2)には、通常提供
しているサービスを提供しているものとして報酬の対応とすることが
可能です。なお、報酬を請求する場合には、利用者負担が発生しますので、
そのことを利用者に丁寧に説明した上で請求することになります。
※1 その他の方法とありますが、その他具体的にどのような方法があるか国から示されてないため、対応した中でわからない例などがありましたら、お問い合わせください。
※2 例示されているような対応であれば認められますが、欠席連絡を受け付けただけとか、利用者からサービス提供不要の意思表示があった場合などは認められません。対応した記録が必要です。
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これを受け、当法人事業所のある鎌倉市障害福祉課に、さらに2点の質問をしました。
(1点目)そもそも、県の周知文には「放課後等デイサービス事業所等」とあるが、未就学児対象の児童発達支援事業所も含まれるか?
→「当然含まれる」との回答。
(2点目)※1「その他の方法」に、ADDSが独自事業で提供してきたテレビ会議でのコンサルテーションも含まれるか?
→県に確認をとってもらい、「含まれる」との回答を得ました。
【オンラインの支援がなんと制度の報酬算定の対象に!】
以上の経緯から、
オンラインでのコンサルテーションという独自事業が、この度の臨時措置の中で、福祉制度上の対面支援と同等のサービスを提供しているものとして報酬の対象となることになりました!!
あくまで臨時期間のみとはいえ、この一歩はとても意義深いです。
この機会にしっかりと現場での事例を集めていくことで、災害などの緊急時への耐性向上はもちろんのこと、例えば離島などで充実した療育支援を受けることが難しい児童などへも、福祉制度の中で遠隔と対面を組み合わせたサービスを提供することが可能となるかも知れません。
【実際やってみた!】
ADDS Kids 1st 鎌倉では、早急に保護者の方へ周知し、新型コロナウイルス感染防止のため止むを得ず通所ができないご家庭にに対し、希望のある場合には、オンラインコンサルテーションを提供することといたしました。
告知翌日より続々とお申し込みをいただき、週明けの本日より提供がスタートしました。保護者の方に許可をいただいて、実施の様子の写真を撮影させていただきました。
【このサービスを機能させるには保護者との療育内容の共有がミソかも?】
ADDSでは、ご利用中の全てのご家庭が、セラピストとチームとなって家庭療育を運用得るための保護者研修を受講され、AI-PACというオンラインシステム上でお子様の課題内容と進捗状況を共有しています。
そのため、オンラインコンサルテーションといっても、単なる生活状況の聞き取りや相談ではなく、具体的な課題内容について丁寧に家庭療育の進捗状況を確認し、次の一手を相談するミーティングという感じです。話した内容はAI-PACシステムに直接記録し、その内容をもとに課題の更新や微調整を行い、それがまた保護者の方と共有できるシステムです。
下記URLから、動作イメージをご覧いただけるので、宜しければ見てみてくださいね。AI-PACシステムの導入をご検討の事業者様からのご連絡もお待ちしております。
(AI-PAC動作イメージ動画)
https://youtu.be/7RuxznfZr3Q
【ちなみに、東京都は・・・】
この事例を受け、東京都杉並区にある「ADDS Kids 1st 荻窪」でも同様の問題が起きているため、東京都に問い合わせをしたところ、、、
(1点目)周知文には「放課後等デイサービス事業所等」とあるが、未就学児対象の児童発達支援事業所も含まれるか?
→こんかいの通知に関しては、学校の臨時休業がベースになっているので放課後等デイサービスのみが対象となります。
・・・この時点で玉砕。
(2点目、負けじと少し食いさがる)鎌倉では認められたのですが?
→解釈としては学校の臨時休業についての国からの通知がベースになっていますので、鎌倉はそういうふうに解釈判断したかもしれませんが、東京都では認められない、との回答でした。
よって、現状では東京都にある事業所では、新型コロナウイルス感染予防のため通所のできない利用者様には、療育支援が滞っている状況です。引き続き、協議を続けていきたいと思います。
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