殆ど一年振りくらいに家の近くのレンタルビデオ屋にDVDを借りに足を運ぶ。
 邦画が見たくて色々と物色する。だが見たい日本映画が見当たらない。
 昨年公開で見たいのは松本人志監督作品『しんぼる』と韓国人女優の誰だか
   忘れたベッピンさん主役の『空気人形』くらいなのでとりあえず
 『しんぼる』を借りる。受付カウンターに向かう途中で店の隅っこの棚の
 更に隅の最果てのゴキブリの死骸でも落ちてそうな箇所に亀井文夫監督作品
        『闘う兵隊』を発見し、借りる。
    松本人志監督作品『しんぼる』なかなか面白かった。
もう20年も前の初期実験作品『頭頭(とうづ)』を連想させられる意欲作に
感じられたが一般的には受け入れられないのも分かる。日本のラズベリー
3冠受賞したのも頷ける反面、次回作もその次も作り続けて欲しいと願う。
  世界でも彼の映画製作におけるセンスは貴重で誰も真似できない
全く新しい映画概念を持っていると感じられる。世間の批判には耳を傾け
 ず真の映画製作に没頭して欲しいとエールを送りたい。すくなくても
 『大日本人』は傑作だった!『しんぼる』もテーマさえ理解できれば、
   とても面白い映画なのだが!批判と評価、両方分かるなぁ~。
       そういう意味でも僕にとって珍しい映画。

 続けて『闘う兵隊』を数年ぶりに鑑賞する。この映画の評論はこちらの
     blogに的確に言い当てているのでどうぞ。↓
http://akaboshi07.blog44.fc2.com/blog-entry-136.html

  
亀井文夫監督。僕が高校生の頃、過去と現状と将来と未来に何の希望も
見出せず酒、タバコ、女にも逃げ道も作り得なかった頃、何の目的もなく
上京した時があった。不良少年じゃなく一応、テストでは毎回学年トップ
だったから担任もどうしても大学進学をさせたくウズウズしてた反発も
あったのだ。実家近所の焼き肉屋でバイトした五万円程を握りしめ上京した。
一ヶ月程の住所不定放浪で所持金も無くなり、新宿の店で
いかがわしい日払いバイトを同性愛者でもないのに精液臭いその部屋で5日ほど
して暮らした。客に大手音楽プロデューサーもいた。金のために年増の
水商売女を舐め回すバイ
トもその頃知り合った人の紹介で2日やった
のも微かに覚えている。生きるためだ密売だろうが人から紹介されれば
何だってやっただろう。

そんな時、本当に偶然に立ち寄った水道橋あたりでやっていた自主上映会で
亀井文夫監督の3時間余りの新作『生き物みなトモダチ トリ・ムシ・サカナ
の子守唄』を観た。監督は骨董品屋の主人で資産全てを費やしてこの映画を
 製作したらしい。この上映会の数週間前に死亡したと会場で配られた
     チラシで知った。高校生が見る映画じゃないと思った。
    そこには真実が描かれていたからだ!この世界の真実が・・・。
なぜ監督は死ぬ間際にこの映画を自主制作で製作しなければならなかったのか?
  僕がその先、映画製作を目指す信念と同時に向上心を棄てるきっかけを
       教えて頂いた先生のような人である。

『生き物みなトモダチ トリ・ムシ・サカナの子守唄』のラストで恐竜の
        化石が映されナレーションが流れる。

大きくなり過ぎてもダメなんだ、強くなり過ぎてもダメなんだ・・・と。

  この言葉は今を生きる人間にだけに与えられた貴重な教訓なのだ。