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表参道のラットホールギャラリーにてアラーキーの新作写真展を見に行く。
『センチメンタルな旅』シリーズの今回は「春の旅」である。
22年連れ添った愛猫チロの老衰で衰弱しきった姿と日常から死へと
向かい火葬され、骨になるまでを克明に活写した痛々しくも切ない
アラーキー愛人生のホンの一コマの記録・・・。

20年程前に奥さんの陽子さんを亡くされた時は「冬の旅」でした。
偶然ですが僕の亡くなった彼女も陽子であり、彼女の愛猫の名前はチロである。
チロは、彼女が亡くなった後、水戸市の彼女の親友に貰われていった。
しばらくしてボクは全ての親友や知り合いと交流を経ったのでチロともそれきりである・・・。

写真展と同時に約20~30分程の写真だけで構成されたVTR映像も
流されていて、そちらにも何だか懐かしい喪失感に似た、いいようのない寂しさに
包まれたので、改めて孤独という名のエネルギーを実感させられたので
アラーキーの写真群に感謝した。

一番記憶に残ったのは皮肉にも愛猫の骨壺を抱いたアラーキー自身の姿を
写したもので当然シャッターを切ったのはアラーキーではない・・・。
にも拘らず、それも歴としたアラーキー作品に仕上がっているのだから不思議である。

動物であれ、人間であれ本人にとって大切な人を失うということは、
とっても痛いことだ。
だが、死とはそれぞれの生きた証であり、
その死を受け入れないと、大切な存在に対して失礼という事に
気付かされる。理屈でなく、時間をかけて当事者各々が
そこに到着しない限り、心の平安は訪れない・・・。


愛猫の記録に挿入される何の関係もない混沌としたエロ写真や
風景にも心を奪われる。
一見、意味のない感じだが芸術は理屈ではなく感じるものだという
メッセージが至極ストレートに訴えかけてきて感服の一言であった。

僕の中では今回の写真展・映像展は映画であり、その空間も
映画館で御座いました。そして何より僕の次回作の公開形式の
方向性もほぼ固まるアイデアを与えて頂いた。
http://www.ratholegallery.com/

その足で恵比寿の東京都写真美術館にてベトナム戦争の記録映画を
観に行く。『イージーライダー』のカメラマンがベトナムで16ミリムービーカメラを
廻していたことは知っていたが、この歳になって、その作品に出会うなんて・・・。
今回が35年振りの日本初公開らしい。
『ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実』 112分・1974
ベトナム戦争の悲惨さはアメリカ製娯楽映画を通じて頭では知っていたのだが
改めてボクは戦争の知らない子であったことを認識させられる。
しばらくは謙虚に内省の日々を過ごすことにしよう・・・。
って言うか眠くなったのでここいらでEND
http://syabi.com/contents/exhibition/movie-80.html