陽子との二枚

部屋を片付けていたら、ずっとその存在すら忘れていた2枚の
ポラロイド写真が出てきた。

もう随分と昔に自らこの世を去った彼女とのツーショット写真だ。
当時流行っていたチェキとか言うポラロイドを使っていたような・・・。
それも、曖昧になってしまった記憶・・・。

そう、生前の彼女の影響で、この世に人の命を助けるという名分の
悪魔のような動物実験の存在と、ゴミのように消費され捨てられる
ペットという存在を知ったのだった・・・。

当時は正直、話を半分以下にしか聞いていなかったし、その実感は
掴めなかった。精神を病んだ彼女の戯言のように、適当に受け流して
いたように思える。

その病気もいつかは治ると漠然と信じていたからから・・・。

あれから、僕はこの世でたった一人だという孤独と絶望を味わった。
もう僕も死にたいと思いながら、かろうじて過ごしてきた。

数年前からだろうか、SNSを通じて、この世の動物に対する余りにも
残虐過ぎる実際を目にしてきた。特に、一番やりきれなかったのは
拷問を与えながら殺さずに殺すアジア圏の犬肉屠殺の方法だった。

恐怖と痛みを受け続ける絶望。それに対して何も出来ないで傍観
し続け、いつかは未来があるのではないかと信じる絶望。そして、
金の為、慣習の為、その痛みさえ麻痺した人々の絶望。
三者三様の絶望があることを知った。

それでも、今度生まれ変わるなら、この三つの絶望でどれを選ぶと
したら、やはり全員が【恐怖と痛みを受け続ける絶望】だけは選択
しないだろう。何故なら、それは余りにも生々しくて直感的過ぎるから・・・。

人間の絶望とは、そういったことじゃないだろうかと考えたりする。