2003年の1月31日、金曜日の丑三つ時に陽子は自ら命を絶った。
僕は夜勤のドライバーで帰宅した朝7時に冷たくなった彼女を発見した。
玄関のドアを開けた瞬間に見えた青く変色した足が全てを語っていた。
泣かなかった。覚悟していた。冷静だった。終わったと思った。
2人の検察官が遺体袋の陽子を部屋の外へ運ぶ。
『おい、足を下にするとオシッコがこぼれるから気をつけろ!』
その検察官の一言で、もう『物』になったんだと自覚させられた。



陽子の遺体は直ぐに目白警察署の検死室に運ばれた。
警察署の隣の喫茶店で彼女の両親と対面した途端に、僕は黙って表に飛び出し
誰も居ない駐車場の角で泣いた。漫画みたいに阿呆の如く泣いて泣いて泣いた。
初めて本当に好きになった女の子。
映画なんか撮らなくても生きていけると教えてくれた女の子。



陽子はカメラを愛し、たくさんの風景を記録した。
僕が一番好きなのは上の3枚の真ん中の夏の小田原の夕暮れの海岸で撮影した少年と少女の写真。
僕達も幸せだったが、この子達も幸せそうだった。
今も元気にしているだろうか?
幸せだろうか?
僕の分まで笑って生きていて欲しいと心の底から願う。

『イヌ』完成ラッシュ直後の記念写真。
手前が僕と愛犬のクロと陽子。

陽子が元気だった頃の写真現像会社時代。
真ん中に居る子。
陽子の死んだ1年後に『朝子』を製作した。
朝子の母親役の萩野祥子という女優に
「あなたは時間が止まってしまっている」
と指摘され愕然とした。
その後『デモーニッシュ』の製作に取り掛かる。
この映画を理解できないような踏み絵のように
人は幸せに生きてくれればよいと思う。
僕の映画が評価されるほどこの世は糞じゃないと願いたい・・・。
僕は夜勤のドライバーで帰宅した朝7時に冷たくなった彼女を発見した。
玄関のドアを開けた瞬間に見えた青く変色した足が全てを語っていた。
泣かなかった。覚悟していた。冷静だった。終わったと思った。
2人の検察官が遺体袋の陽子を部屋の外へ運ぶ。
『おい、足を下にするとオシッコがこぼれるから気をつけろ!』
その検察官の一言で、もう『物』になったんだと自覚させられた。



陽子の遺体は直ぐに目白警察署の検死室に運ばれた。
警察署の隣の喫茶店で彼女の両親と対面した途端に、僕は黙って表に飛び出し
誰も居ない駐車場の角で泣いた。漫画みたいに阿呆の如く泣いて泣いて泣いた。
初めて本当に好きになった女の子。
映画なんか撮らなくても生きていけると教えてくれた女の子。



陽子はカメラを愛し、たくさんの風景を記録した。
僕が一番好きなのは上の3枚の真ん中の夏の小田原の夕暮れの海岸で撮影した少年と少女の写真。
僕達も幸せだったが、この子達も幸せそうだった。
今も元気にしているだろうか?
幸せだろうか?
僕の分まで笑って生きていて欲しいと心の底から願う。

『イヌ』完成ラッシュ直後の記念写真。
手前が僕と愛犬のクロと陽子。

陽子が元気だった頃の写真現像会社時代。
真ん中に居る子。
陽子の死んだ1年後に『朝子』を製作した。
朝子の母親役の萩野祥子という女優に
「あなたは時間が止まってしまっている」
と指摘され愕然とした。
その後『デモーニッシュ』の製作に取り掛かる。
この映画を理解できないような踏み絵のように
人は幸せに生きてくれればよいと思う。
僕の映画が評価されるほどこの世は糞じゃないと願いたい・・・。
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