袴田事件リングアピール
2007年12月06日
はじめまして,弁護士の加藤です。
今年9月,アディーレ法律事務所に入所させていただきました。よろしくお願いします。
私のブログ当番は当分先なのですが,先日,袴田事件弁護団の一員として後楽園ホールでリングアピールをしてきましたので,その様子を報告させていただきたいと思います。
袴田事件のことはご存知でしょうか?
1966年静岡県清水市(現静岡市清水区)で,強盗殺人・放火事件が発生しました。地元の味噌製造会社の役員一家4名が殺害されるという大変痛ましい事件です。その事件の犯人とされているのが,元プロボクサー(元日本フェザー級6位)の袴田巌さん(当時30歳)です。
袴田さんは,警察による取調べの末に犯行を自白しました。ところが,裁判が始まると,袴田さんは一転して犯行を否認し,無罪を主張します。裁判の末,1968年,静岡地方裁判所が袴田さんに死刑判決を言い渡します。その後,1980年,最高裁判所が死刑判決を支持し,死刑判決が確定しました。
しかし,この判決には数々の問題点があり,私達弁護団は袴田さんは無実であると確信しています。1981年,弁護団は再審(裁判のやり直し)を請求しました。2007年12月現在,再審を開始するかについての審理が最高裁判所で継続しています。現在もこの事件は終わっていません。
今年71歳になった袴田さんは,東京拘置所に拘束されています。逮捕されてから実に41年以上もの間,その身を拘束されているのです。
私が袴田事件に関わることになったのは,私がボクシングファンだからです。
司法試験受験生のときには,某局の海外ボクシング番組は毎週チェックしていました。さらに,テレビでボクシング中継を見ているだけでは飽き足らず,年に何回も実家から片道1時間半以上かけて後楽園ホールへ観戦に行っていました。
袴田事件も元プロボクサーが死刑囚となっていることから関心をもちました。袴田事件について詳しく知ると,やはり袴田さんに有罪判決が言い渡されるのはおかしいと思うようになり,今年10月袴田弁護団に加わらせていただきました。
袴田事件については,袴田さんが当時の日本トップクラスのプロボクサーであることから,プロボクシング界から多大な支援を受けています。これまでにも関係者の御好意により,プロボクシングの興行中,弁護団員や支援者の方々がリング上から袴田さんの無実を訴えてきました。
12月3日の後楽園ホールの興行でも,リング上からアピールする場が設けられることになり,弁護団からは同期の指宿先生(暁法律事務所)と私が参加することになりました。
当日は,後楽園ホールに着いたときからずっと緊張していました。
後楽園ホールは,今まで何度も来た場所です。いつものようにリング上では熱い戦いをくり広げられています。いつもと違うのは,今日は私がリングに上がるということです。
前座の試合が終わりダブルメインイベントが始まるまでの間,そのときがやってきました。
リングにあがった方々のうち,もっとも観客の目をひいていたのは,輪島功一さんです。言うまでもなく,元WBA・WBC世界スーパーウェルター級チャンピオンにして,国民的英雄です。私にとっては雲の上の存在です。後楽園ホールのリングの上で,その輪島さんの隣に私が立っています。
まず指宿先生がアピールをし,次に私の順番がやってきました。後楽園ホールの観衆から見つめられる中,リングの中央で用意してきたスピーチしました。
「アディーレ法律事務所の弁護士の加藤と申します。私は今年9月に弁護士になり,袴田弁護団の一員となりました。私は今日弁護団の一員としてリングに上がっていますが,普段はみなさんと同じように後楽園ホールの観客席からリングを見つめるボクシングファンです。
袴田さんも,私がこの場所で見てきたプロボクサーの方々のように,真剣にボクシングに取り組み,リング上で戦い,見る者の心を熱くさせていたことと思います。そんな袴田さんが,引退後,無実の罪により囚われ,40年以上もの長きにわたりその身を拘束されていることは私には我慢なりません。私は,ボクシングファンの弁護士として,袴田さんの釈放に向けて全力を尽くします。
ですが,袴田さんを自由に身にするためには,弁護士だけではなく,支援者の方々,そしてボクシングファンのみなさんのお力が必要です。
みなさん,獄中の袴田さんへのご声援をお願いします」
何度かかみながらですが,なんとかアピールを終えました。途中野次の一つや二つとばされるのも覚悟していましたが,観客席の方々は私の言葉に耳を傾け,最後には拍手をしていただきました。
私の次は輪島さんでした。さすが輪島さんです。突然観客と掛け合いを始め,観衆の心をつかんでいました。
全員のアピールが無事終わり,私達は観客席からの拍手を後にリングから降りました。
同行していたアディーレの事務員が輪島さんにぶしつけなお願いをしました。
「事務所のブログに掲載する写真をとらせていただけませんか?」
「いいよいいよ。頼まれれば何でもやるよ。」
ありがとうございます!
そんなわけで,輪島さんと記念撮影をさせていただきました。
輪島さんはテレビで見るとおりのいい人でした。
さて,袴田事件の今後ですが,弁護団は今月17日に最高裁へ最終意見を提出します。近々,再審請求について最高裁の判断が示されます。
また,弁護団では,再審請求に加え,恩赦の出願を考えています。こちらは来年1月の出願を目指しています。
ボクシング界では,来年1月24日,後楽園ホールで「袴田巌チャリティBOXING 〜FREE HAKAMADA NOW〜」という袴さん支援のみを目的にしたイベントが開催されます。当日は元・現世界チャンピオンが多数来場する予定です。
袴田さん支援の動きは盛り上がりつつあります。
みなさんも袴田さんへのご支援をお願いします!
こちらもご覧下さい!
http://www.adire.jp/press3.html




































































