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東京・池袋にあるアディーレ法律事務所(代表:石丸幸人弁護士)の弁護士・司法書士・事務職員のブログです。

神戸地裁判決【司法書士の代理権は『請求額』で140万円以内!】

2008年12月22日

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弁護士の石丸です!

2008年11月10日,神戸地方裁判所において司法書士の代理権について先例となる判決が下されました。

>>判決書(一部抜粋)はこちら

簡単にいえば「貸金業者が主張する額が140万円以内でなければ,司法書士は代理できない」という内容です。

2003年4月1日より,司法書士は,研修により140万円以内の範囲で代理権が認められるようになりました。

しかし,この140万円以内という基準が,何に対して適用されるものなのかという点については解釈が分かれており,明らかではありませんでした。

司法書士に認められているのは,あくまでも簡易裁判所における代理権であり,裁判外の交渉はこの延長線上にあることを考えると,裁判外の交渉も訴訟に至った場合に簡易裁判所で審理されるかどうかを基準に考えるのが自然です。そして,簡易裁判所で審理されるのは140万円以内の請求権であり,それは請求者,すなわち貸金業者が主張する額です。

しかし,司法書士会は,これとは異なる見解をとり,依頼者が受ける経済的利益,つまり減額される額が140万円以内であれば代理をしてもよいとしていました。
例えば,300万円を請求されている場合でも,200万円の分割返済の和解ができれば,依頼者の経済的利益(=減額される額)は100万円であるから,140万円以内であり,代理をしてもよいとの見解です。また,権威ある文献においてもこの見解を支持するものがありました(テイハン,注釈司法書士法第三版)。

実は,この見解には大きな問題がいくつかあります。
まず,第一に,経済的利益,つまりいくら減額されるかは,依頼をする時点では不明であり,交渉の結果次第によって司法書士に代理権があるかないかの結論が変わってしまうという点です。交渉の結果により,依頼者は改めて弁護士に依頼をしなければならなくなる可能性があり,依頼者の利益を大きく害する危険があります。
第二に,この見解によると,司法書士と依頼者との間の利益が対立するという点があります。司法書士の能力が高く,大きな減額を受ける交渉をすればするほど,経済的利益が大きくなり,司法書士に代理権がないという結論を導くという矛盾です。ひどい場合には,司法書士が自らの代理権の範囲に収めるために,減額される額をあえて少なくするという危険性もあるのです。
第三に,交渉が決裂し,裁判になった場合,依頼者に決定的な不利益が生じる点です。例えば,上記の300万円を請求されているケースの場合,交渉が決裂し,貸金業者が裁判を起こした場合,請求額は300万円となり,140万円を超えるため,当然司法書士に代理権はなく,依頼者は改めて弁護士に裁判対応を依頼しなければなりません。

神戸地方裁判所は,上記の問題点を指摘し,問題となった司法書士の代理行為を『非弁行為』であると断じました。

そして,この140万円以内かどうかは,個々の貸金業者ごとではなく,『全体の借金額を基準』に判断されます(日弁連法的サービス対策本部)。

代理権を持たない司法書士に依頼した場合,その交渉や和解は無効となり,最悪の場合,支払ったお金は戻ってこない事態もあり得ます。

全体の借金額が140万円を超える場合は,不測の事態を防止するため,必ず弁護士に依頼すべきです。

神戸地方裁判所の判決により,今後,弁護士会が司法書士に対する非弁行為の摘発を行うことが予想されます。

司法書士の代理権について法改正を早急に行う必要が高いことを改めて認識させられた判決です。



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この記事へのコメント

20. Posted by 弁護士の石丸です   2009年05月03日 14:48
5 けんたさん,初めまして。コメントありがとうございます。
小冊子には,すぐに債務整理をという方でなくても,現在借金があり,万一返済が滞ってしまった場合にどのような方法があるのかを知っておくことで,いわゆる転ばぬ先の杖となる内容が書かれています。
また,ご自身ではなくても身の回りで借金のことで困っている方がいらっしゃる場合もあるかと思います。
ですので,特別制限は設けておりませんので,基本的にはどなたでもお申し込みいただければ,お送りさせていただいております。
よろしくお願いします。
19. Posted by けんた   2009年05月02日 18:09
5 初めまして。
資料請求の小冊子の郵送についてですが、
今現在債務整理等を考えている
方に限定されるのでしょうか。
18. Posted by 弁護士の石丸です。   2009年02月16日 16:47
5 メローネさん,初めまして。コメントありがとうございます。
債務整理における代理権の範囲については,全体額で140万円以内というのは,私の理解としては,債務整理に携わる弁護士のおよその認識になっていると思われます。
私は,日弁連及び東京弁護士会の行革委員会に所属しており,委員会の資料として上記の説明がありました。委員会資料は会員が謄写申請をし,会が認めた場合のみに提供できるものですので,私の方からお渡しはできませんが,日弁連に直接問い合わせて見る方法があると思います。
いずれにしろ,司法書士の代理権は経済的利益の考え方の点についても上記判決のとおり不十分なものといわざるを得ません。
したがって,少なくても現状においては,弁護士に依頼するのが間違いはありません。よろしくお願いします。
17. Posted by メローネ   2009年02月14日 22:58
石本先生
はじめまして。

>そして,この140万円以内かどうかは,個々の貸金業者ごとではなく,『全体の借金額を基準』に判断されます(日弁連法的サービス対策本部)。
この部分なのですが、司法書士法3条1項7号の紛争の目的の価格について、全体の借入額を基準に判断するとご説明されておりますが、石丸先生の書かれた文章以外でこのような意見を見かけたことがありません。
可能であれば、この見解について説明されている参考文献をお教え願えますでしょうか?
また、「日弁連法的サービス対策本部」とはどのような組織なのでしょうか。日弁連に設置されている「弁護士の法的サービス推進本部」とは違うものなのでしょうか?
細かいことのようですが、重要な論点ですので、恐れ入りますが、ご教示くださいますようお願い申し上げます。
16. Posted by 弁護士の石丸です。   2009年02月05日 16:41
5 anoさん,初めまして。コメントありがとうございます。
司法書士に弁護士と同様の代理権を付与するか否かは,詰まるところ法曹増員問題と同じであり,国内にどの程度の需要(潜在的なものも含めて)があり,何人が適正なのかという議論に帰着するものと考えています。
現状において,この適正値の十分な検証がなされていない以上は,多いとも少ないともいえず,従って司法書士に弁護士と同様の代理権を与えるべきか,それとも代理権付与を認めるべきでないのかという結論も出ないと考えます。
ただ,いずれにせよ依頼者が不利益を被る危険の上に成り立っている現行の中途半端な代理権は早急に修正されるべきことは明確と考えます。
15. Posted by ano   2009年02月03日 14:23
>司法書士の代理権について法改正を早急に行う必要が高いことを改めて認識させられた判決です。
〜そのとおり。140万なんて制限は意味がないよね!ついでに家事代理も認めたほうがいいよね!
14. Posted by 弁護士の石丸です。   2009年01月25日 15:36
5 あきさん,こんにちは。またもお返事にお時間をいただいてしまいまして,申し訳ありません。
ネットの書き込みは,その匿名性ゆえに信憑性に疑いがあったり,配慮に欠けるものであったりしますので,参考程度にとどめておく方が無難ですね。
事務所にお越しいただく必要があるかどうかは,手続きによりますが,相談については遠方の方でもお電話等で無料で可能です。また,任意整理という手続の場合は,当事務所にお越しいただかなくても手続きは可能です。その他の場合は一度ないしは二度東京にお越しいただく必要があります。
いずれにしても,自力で返済できない状況であれば,整理を行う必要がありますので,一度冷静になってお考えください。
よろしくお願いします。
13. Posted by あき   2009年01月22日 13:33
5 石丸先生。コメント頂きありがとうございます。他の掲示板や無料相談所などで、かなり叩かれ、精神的に参ってしまい半分なげやりな状態になっていました。石丸先生からのコメント、大変嬉しかったです。あと他県に住んでいるのですが、事務所に行かないといけないのでしょうか?正直、行ける余裕やゆとりがありません。
12. Posted by 弁護士の石丸です。   2009年01月22日 11:47
5 あきさん,初めまして。コメントが遅くなってしまい,申し訳ありません。
受任を拒否される具体的な事情が分かりませんのでなんとも申し上げられないのですが,当事務所で一般的にお引き受けできない場合としては,\睫世都度変わる,明らかに不合理な説明をする等で,話の内容に信用性がない人,∈盪艮し等の違法行為に加担させようとする人,ギャンブルや浪費等が原因であるにもかかわらず,それを止めようとしない人,などが挙げられます。借金の理由や金額については,それだけを理由にお引き受けをしないということはありません。
もちろん必ずお引き受けすることをお約束はできませんが,上記に該当しないようでしたら,当事務所へ相談の予約をされてみてはいかがでしょうか?
11. Posted by あき   2009年01月19日 21:59
4 初めまして。任意整理を考えているのですが、私の案件の場所どの事務所も受けれないとある掲示板で言われ悩んでいました。支払う意志はあります。でも今までの行動が受任拒否されると言われています。どの事務所でも無理と言われた事でも先生はアドバイス頂けるのでしょうか。もうどうしてよいか分かりません。
10. Posted by 弁護士の石丸です。   2009年01月17日 16:48
5 やすらぎさん,小太郎さん,コメントありがとうございます。外出が続いており,お返事が遅れてしまい,大変申し訳ありませんでした。
やすらぎさんのご指摘のとおり,本件は現在高等裁判所で審理継続中です。
結論はもちろん裁判所が決めるものではありますが,個人的には地裁の判決は相当説得的,というか司法書士会の見解があまりにも無理がありますので,おそらく全体的な結論は大きく変更されないものと考えています。
ただ,私は司法書士だから無理という考えではありません。司法書士で優秀な人は当事務所でもたくさんいますし,弁護士でも疑問符をつけたくなるような人もたくさん知っています。
結局,司法書士の代理権を無くすのか,それとも弁護士と同様の代理権を付与するかは,弁護士の増員問題,すなわち代理権を持つ人間を何人くらいにするのが適切か,という議論に集約されるものと考えています。実務に携わっている者としては,経済的苦況に陥っている弁護士も実在すること等からすると,感覚的には既に人数的には充足されているようにも思えます。
もっとも正確に検証することは不可能でもあります。
いずれにせよ,簡裁のみの代理権という中途半端な現状だけは,一日も早く是正すべきということは強く主張したいです。
9. Posted by 小太郎   2009年01月12日 02:33
司法書士が債務整理、また簡裁をやることに無理があるのでしょうか?または地裁まで業務範囲を広げられる方が、一般市民にとり有益なのでしょうか?
8. Posted by やすらぎ   2009年01月09日 23:53
初めて投稿させて頂きました。当該神戸地裁判決の件ですが、控訴され今も高裁で審理中ですよね?やはり高裁も一審と同様の判断が下される可能性は高いのでしょうか?石丸先生がおっしゃる通りで、やはり簡裁への訴訟提起段階で代理人となった司法書士に果たして代理権があるか否かが判然としないという事態が起きるのは非常にまずいと私も思います。訴訟というのは手続の安定や明確性を重視しますよね?その趣旨にも反すると思われます。
7. Posted by 弁護士の石丸です。   2008年12月26日 16:33
5 ジャムさん,ご心配をお掛けしまして失礼いたしました。今後とも不明な点がありましたら,遠慮なくお問い合わせ願います。
6. Posted by ジャム   2008年12月26日 03:50
石丸先生 お気遣いありがとうございます。
ご心配頂いておりましたので、本日お電話にて事務所の方へ確認させて頂きました。
遅くとも1月の中旬には口座へ入金できると思います。との回答を頂きました。
今回の私のケースでは50人での訴訟となっているそうで、それはかなりイレギュラーなケースに当たるとのことで、事務手続きに時間がかかっているとのことでした。
なにぶん素人なもので、その辺の事情がよく分からず不安に過ごしておりましたが、入金予定日をうかがう事が出来、とりあえず一安心致しました。
ご心配頂きましてありがとうございました。

5. Posted by 弁護士の石丸です。   2008年12月25日 11:48
5 ジャムさん,お返事ありがとうございました。
万一ということがございますので,念のため,担当部署でも結構ですので,ご連絡をいただけませんでしょうか?
よろしくお願いします。
4. Posted by ジャム   2008年12月24日 23:33
石丸先生 早速のお返事ありがとうございました。
既に完済済みで他に債務も残っておりませんので、おそらく訴訟費用の清算にお時間がかかってらっしゃるのかもしれませんね。もうしばらく待ってみます。ありがとうございました。
3. Posted by 弁護士の石丸です。   2008年12月24日 16:04
5 すみません,先ほどあげたコメントの氏名が単に「弁護士」となってしまっていました。「弁護士の石丸です。」
2. Posted by 弁護士   2008年12月24日 11:52
5 ジャムさん,初めまして。お問い合わせありがとうございます。
担当部署に確認をとりましたが,一般的にはそのようなケースは生じませんが,例外的な事情により依頼者への返金を止めているケースがあるとのことです。
例えば,債務整理の方針によっては過払い金は管財人に引き継ぎ,債権者の配当に廻す必要があり(破産や民事再生),このような場合は依頼者への返金は行いません。また,任意整理であっても,他に債務が残っており,係る返済に充てる予定の場合は,(当然依頼者の了解を得た上でですが)返金は行いません。
上記以外の場合でも,弁護士費用に充当されるケースや,裁判となり,訴訟費用の精算が未了のケースでは,例外的に依頼者への返金にお時間をいただく場合があります(例えば訴訟費用還付の手続等がある場合,裁判所への手続が必要となり,時間がかかったりということがあります)。
基本的にはあってはならないのですが,人間が行っている以上,当事務所の事務手続のミスという可能性もまったく考えられなくはありませんが,ジャムさんの本名が分からないため,具体的な事情を調査することができない状況です。
こちらで調査をさせていただきたく思いますので,お手数ですが電話等でご連絡をいただけませんでしょうか?
1. Posted by ジャム   2008年12月24日 03:43
石丸先生 はじめまして。
現在過払い請求でお世話になっている者です。
一般的に金融業者との和解が成立し、アディーレさんに業者から入金がなされた場合、どれくらいで依頼者のもとへお金は返金されるものなのでしょうか?
事務所の方のお話ですと、私の依頼している件については業者から11月の末頃すでにアディーレさんの事務所のほうへ入金されているとのことでした。事務所の方にはとても親切にして頂いており、すべてお願いしている為あまり何度もお電話しても・・・と思い今まで待っておりましたが、何も連絡を頂けないので、一般的にはどれくらいお待ちすればよろしいのかなと思い、質問させていただきました。

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