小説

2009年03月24日

大地と血のほとりにて

 
 伊藤計劃氏、死去

 日本SF界のこれからを担うはずだった新鋭の旗手がまさかの逝去。
 闘病生活の様子がとつとつと綴られているのを最後にblogが中断している以上、やはり体調が芳しくなかったりするのだろうかと他人事に考えておったんですが、この訃報を聞いた途端、とても他人事には思えなくなって急に悲しくなってしまった。
 顔を拝見したことすらなく、blogを覗く程度のささやかな接触しかなかったとはいえ、確かな実像のあった人がネットブラウザの向こうで亡くなってしまったというのはかなり堪えるなぁ。

  最後の上梓本である『ハーモニー』を読んだ時にゃ思わず、伊藤計劃って実は我々が想像する以上にポエマーなんじゃねえのかと思ったもんですが、もうこれで、非常にざらついていながらどこか、焼けた鉄杭をずぶずぶ突き刺していくような執念に満ちていた文が二度と読めなくなっちまったのか。本当に残念としか言いようがねえ。残念、残念だ。


 


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2008年12月20日

コサックへの聖餅

 師走もそろそろ終わりかー。
 とりあえず、2008年最後の鉄板映画と話題に上っている「WALL・E」だけは、鑑賞を済ませておきたいところ。
 それにしても今年は、前半期に秀作なんてもんじゃない傑作が集まりすぎた感があるなぁ。後半期は「アイアンマン」や「トロピック・サンダー」など相当健闘しているとは思うんですが、いかんせん「ダークナイト」や「HotFuzz」、「ミスト」があまりにも強過ぎる。月一本のペースで傑作が出ているっつぅのも、えらい事態なんですが。
 

 んで、以下幾つか。

容疑者顔写真大賞2008
 やはり2位が強烈過ぎるんですが、それ以上に20位が素晴らしい。警官を殴って蹴って噛み付いて、おまけに胸の谷間を開いた格好でファック・ユー。まごう事なきビッチじゃないか!思わず保存しちまったよ!

海外で人気の日本マンガランキングでドイツがパネェ件
 さすが世界でいち早くMegamiマガジンを取り入れた国だけの事はある。

新型無人戦闘機の実証機X-47Bの写真が公表される
 スリムすぎて面白みに欠けるデザインだなぁ。とりあえず、このまま無人技術がインフレに達して、レイディアント・シルバーガンみたいな実用性無視の尖がったデザインが出るのを期待したい。



 さて、こないだはジョン・M・ハリスン 『ライト』を読み終えたんですが、最初は少し取っ付きにくかったものの、ラストにはびっくりするほど鮮烈な代物になっていたな。量子論だの超未来だのと古今東西の設定を詰め込んでおきながら、最後の最後でいきなり、ちゃぶ台返しのような〆をしてしまうのが個人的にはビンゴでしたわ。少なくとも帯文は嘘をつかなかったよ!
 設定を詰め込んでいるのをいい事にやり放題というか、恐ろしいほどのイマジネーション力を読者に要求するんで、ちょっとついていくのがしんどいとは思うんですが、ワイドスクリーン・バロック作品が好きな人ならもっと楽しめるかも知れん。海の向こうで絶賛されているのは、ハードSFとファンタジーSFのそれぞれの欠片をタペストリーのように織り交ぜた作品だからじゃないかと、そんな気がしてきましたわ。

  
 
 次は伊藤計劃の新刊『ハーモニー』を読み始めるの事。



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2008年11月06日

ヴァート所有連盟

 もっそい。
 以前から具合の悪かった旧PCがついにポンコツ化とか、すったもんだいろいろあったわけで、今日やっとBlog更新に気が向いてきましたよ。

 いやまぁ、1ヶ月近くネットから半ば離れていると、それこそ浦島太郎になった気分。このまま情報薄弱者へランクダウンというのも精神的によろしくないので、ぼちぼち追いついていきたい所存。
 とりあえず、更新しなかったこの2ヶ月の間に読んだ本で一番印象に残ったのは、海外の吸血鬼アンソロジー集「血も心もー新吸血鬼物語」かなぁ。タニス・リー目当てで借りたのが、ハーラン・エリスンやらダン・シモンズやら、ビッグネーム一同集結の壮々たる顔ぶれで、思わず顔から目が飛び出てしまいましたわ。あと、収録作品の一つ『ラザロ』があまりにも傑出した出来栄え。この内容で100年以上も前の古典的作品なのか!
 

 
 

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2008年09月13日

花ざかりの愚僧どもへ

 ピルクスがピクルスになっていた。
 バキの本能霊長類かよと。

 
 んで幾つか。

LHC、ビームの周回に成功
 トップに人類最強のヒーローを持ってくるセンスが素晴らしい。
 いやまぁ、ビッグスケールの実験施設は、毎度の事ながら写真を眺めるだけで心躍るもんだ。

「人間を善人にする薬物」:道徳心は薬で強化できるか
 「時計じかけのオレンジ」のアレックスのあれは、ショック療法で廃人一歩手前にするようなもんでしたが、、こっちのは要するに、毎日が賢者モードというようなものなんだろうか。もしそうなら、新興宗教団にはかなりうってつけなんじゃないかというか、本物の慈善集団というのも、それはそれでうさん臭いな!
 まぁ、攻撃心を抑えるようなもんだとは思うんですが、人類全体がそうなっちゃったという設定で、ハーラン・エリスンの「眠れ、安らかに」があったなぁ。

輝くナギ様のふともも(かんなぎぶろぐ)
 アニメ版の方の。ほどよい感じに肉がついているふとももが素晴らしいというか、スタッフの「かんなぎ」に対しての心得ようが伺えるというもの。世紀のむっちり太ももアニメ「ガドガード」に次ぐ、スレンダー系ふともも作品になるものと期待。あ、ヒロインはどっちかというと、つぐみ派。友人は、なんでそんな生々しいヒロインをと申してましたが。

町田ひらくの少女は叫ばない 〜10余年と10年前のインタビュー〜



 んで、長いこと気になっていた、マーゴ・ラナガンの「ブラックジュース」をやっと購入して読み終えたんですが、これは非常に良かった。コーニィやスタージョンのような、ちゃんと落ちのある作品を求めるとなると少し難しいだろうけど、とにかく想像力がすげえ。
 「沈んでいく姉さんを送る歌」を筆頭に、ピエロだけが屠られていく世界を描いた「赤鼻の日」や、一筋縄ではいかない幼女vsモンスター「ヨウリンイン」など、世界観は端的にしか語られないのに、ぐいぐいと引き込まれるものばかりでしたわ。しかも、女流作家が書いたとは思えないほどにハードボイルド成分がかなり入っていて、尖がった雰囲気がにじみ出ているのがいいなぁ。
 あと、花嫁がひたすら教会へと向かうだけの内容だった「融通のきかない花嫁」は、こんなロードームービー的小説もあるのかと、印象に残ったな。


 
 …ところで、ハーラン・エリスンの国書刊行会の方の短編集はまだか。




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2008年09月10日

マークスの朽ちた峠

 もっそい。

 ここ最近のハヤカワの、柄にもない熱の上げっぷりはおかしいということで、「宇宙飛行士ピルクス物語」上下巻と「天の光はすべて星」をひとまず購入。「ディファレンス・エンジン」は、今月ハードカバーを2冊買った都合もあるので来月に持ち越し。
 それにしても、今回の刊行本にゃあ、いきなり表紙カバーがえらく垢抜けていてびっくりしましたよ。特に「天の光はすべて星」は、旧刊のサイケかつスピリチュアルな表紙と比べると、格段によくなったなぁ。しかも、一度読んだ事のある人なら、思わずにんまりする事間違いなしだし。


 以下いくつか。

クトゥルフに絵本があってもいいよね
 これはかなり欲しい。というか、ジョージまじすげえよ!

iPhoneを「電脳メガネ」にする「Sekai Camera」がすごい件
 おう、本当に電脳コイルだ。そいや、飛浩隆の「ラギッド・ガール」に出てくるガジェットもこんな感じだったなぁ。

“門外不出レシピ”厳戒下、装甲車で移動
 あちらの何かにつけての大仰っぷりは見習うべきものがある。


 イアン・R・マクラウド「夏の涯ての島」読書中。

 それと、「ダークナイト」二度目の鑑賞が間に合ったので、後日に一文打ってみる予定。



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2008年07月31日

河童の百舌刺し

 父と母の強い希望で、静岡は三島の桜屋へお食事しに行ったりなぞ。もちろん金はこちらが受け持ちで。
桜屋で食事するのは今回が初めてなんですが、老舗というだけあって、うなぎがほっこりとろけるような柔らかさで美味かったですわ。
 甘辛くないタレが少し驚きでしたが、うなぎの旨味を味わうという点ではぴったりなのかもなぁ。さっぱりとしたシンプルな味わいで、箸がぐいぐい進みましたよ。


 んで話は変わって、「血と暴力の国」を読み終えたんですが、映画版が途方もない虚無をたたえていたのに対して、原作はそこの辺りが割と饒舌だったような気が。独特の語り口もあるんでしょうが、容赦ない運命と神なき世への悪態がかなりはっきりと書かれていたように思います。
 映画の方のかなり釈然としなかったラストは、この原作を読んでやっとその意味が少し掴めたんですが、口に出そうとするとどうも舌が止まってしまうなぁ。訳者あとがきの補足があるにしろ、なんとも、うぅん。

 とりあえず、同作者の「The Road」を読み読み中。



 以下いろいろと。

筒井康隆:「ハルヒ」のいとうのいぢの挿絵で最新作「ビアンカ・オーバースタディ」

 友人も同じことを言ってたんですが、やっぱカオスな組み合わせだよなぁ。それ以前に筒井がどんな内容を書くのか想像つかん。73歳が書く学園異界ラブコメというのも、怖いもの見たさでならアリな気もしてくるんですが、無難に七瀬シリーズの路線なのかなぁ。

読者が選んだNASAの「ベスト画像」

ライドウ続編確定の事(GF団)
 この機会に、『超力兵団』で未だ心をアイアンクローで掴んで離さぬ前作もやるか。

コミケスタッフだけど何か質問ある?
 毎年2回恒例の。

  
 さて親戚の草取り手伝い。



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2008年06月06日

解体行為記録所

 久々の快晴っちうことで、これから薬師寺展に行く予定。

 んで、2つ。

えっ、200人が途中退席!? 物議をかもす映画「Postal」の試写会
 さすがボル!相変わらずのクレイジーっぷりだ!

バナナよさようなら パナマ病の逆襲
 祖父母の代のバナナと今のバナナは別物だとは知らなんだ。どうも遺伝的多様性に乏しい事からくる大事態っぽいらしいですが、一体どうなるんだろうか。


 で、今は「七王国の玉座」第1部の4巻を読んでおるんですが、これが面白いの何の。全編に渡ってどす黒い空気が流れているというか、出てくる人たちのえげつなさが素晴らしい。残虐性で突き抜けているといえば、洟垂れ小僧ことロバート・アリンの「ぼく、あの人が飛ぶところを見たいよ!」が現時点での筆頭。
 
 

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