素晴らしい!!
もう・・・本当に素晴らしいですね!!
エリカ・バドゥのニュー・アルバム「ニュー・アメリカ・パート・ツー」。
前作のパート・ワンに続いて素晴らしい作品に仕上がっています。
前作の「ニュー・アメリカ・パート・ワン」も素晴らしい作品で、このブログでも熱狂的に支持してきました。
それまでのエリカ・バドゥのイメージを覆す斬新なサウンド・デザイン。
アンダーグラウンドなヒップホップからの影響を強く感じさせるもので、淡々としたビートとサイケデリックなサウンドには大きな驚きがありましたし、その聴いた事がなかった新たなグルーヴには感銘も受けました。
勿論、サウンドの方法論は、アンダーグラウンドなヒップホップに詳しい方にとっては新しいものでは無かったのかもしれませんが、それを大衆音楽として成立させ、ポップ・ミュージックの中で洗練させた・・・エリカ・バドゥならでは新たなグルーヴを生みだした。
素晴らしい傑作だったと思っています。
これは、レディオヘッドがエレクトロニカやポスト・ロック系の音に影響を受け「KID A」を作った構図に近いものがあると思います。
実際、ローリング・ストーン誌では「ソウル版の”KID A"」といった表現もされていたそうです。
で、今回リリースされた「ニュー・アメリカ・パート・ツー」。
これはレディオヘッドでいうと「アムニージアック」という気がします。
・・・エリカ・バドゥのようなビッグ・アーティストを、わざわざ他のアーティストに例える必要も無いような気がしますが(苦笑)、一応ロックのブログなので、ロック・アーティストに例えています(苦笑)。
レディオヘッドの「KID A」というのはエレクトロを大胆に用いた斬新なアルバムでした。そして「アムニージアック」というアルバムは、その「KID A」と対を成す作品で、「KID A」よりもオーガニックなサウンドの、しかし「KID A」の楽曲群を作ったことで生まれた新たなグルーヴを感じさせてくれるものでした。
この「ニュー・アメリカ・パート・ツー」も前作よりオーガニックなサウンドに仕上がっています。
サウンド的には前作ほどの斬新さは無く、よりオーソドックスなものに思えるかもしれません。
しかし前作の「ニュー・アメリカ・パート・ワン」以前のソウルに戻ったかと言うと決してそうでは無く、「ニュー・アメリカ・パート・ワン」を作ったからこそのグルーヴを持っています。
単に斬新な作品を作った後に、揺れ戻しでオーガニックなソウルを作ったとか、原点回帰とか、そういうレベルでは無く、また新たな歩みを刻んだ・・・そういう作品に仕上がっています。
スピリチュアルで新しい知覚を開いてくれる素晴らしい作品です。
試聴→ MySpace
01.20 FEET TALL
1曲目は静かでジャジーなナンバーで淡々としたスタートです。
02.WINDOW SEAT
アルバムに先駆けて公開されたナンバーです。
前作「ニュー・アメリカ・パート・ワン」で聴かせてくれたサイケデリックなムードを引き継ぎつつ、楽曲自体はオーガニックなソウルに仕上がっています。
淡々と、しかし胸の内のエモーションを感じさせるエリカ・バドウゥの歌声も素晴らしいです。
無茶な撮影、ラストの過激な演出でPVも話題になりましたね。
視聴→ YouTube
03.AGITATION
変拍子を多く用いた1分30秒ほどのナンバー。
割とオーガニックなソウル・タイプのナンバーが多い中で、このようなプログレッシブな要素を持った楽曲が1曲入っているだけでアルバムの印象も変わってくるのではないでしょうか。
04.TURN ME AWAY (Get MuNNY)
軽やかなソウル・ナンバー。
05.GONE BABY, DON'T BE LONG
切ないメロディーを持ったナンバー。
歌詞を観ると切なくもあり、へヴィでもありますね。
彼女に隠れながらハスリング(ここではおそらく薬の売人などの違法行為で稼いでいる人のことだと)している彼を待っている女性のことを歌っています。
06. Umm Hmm
オーガニックなソウルを骨格に持ちつつ、不思議な感覚も持った、まさに現在のエリカ・バドゥにしか作りえないソウル・ナンバー。
08.YOU LOVING ME (Session)
1分ほどのラフなナンバーなのですが、それだけで十分に聴かせます。
・・・と言うか、これ・・・しっかりと1曲に仕上げて欲しいですね。
魅力的なフレーズだと思うのですが。
09.FALL IN LOVE (Your Funeral)
淡々としたナンバーなのですが、ある意味乱暴で革新的なサウンド・デザインを持ったナンバーで、前作のイメージに少し近い楽曲なのではないでしょうか。
この淡々とした感じがたまらないです!!
10.INCENSE feat. Kirsten Angesta
ダウナーで淡々と、しかし同時に美しさを備えたナンバーです。
11.OUT MY MIND, JUST IN TIME
このアルバムのハイライトとなっているナンバーです。
三部構成で10分に及ぶ大作。
第一部は「恋多きを秘めた女」というタイトルでピアノをバックに歌われるジャズ・ソウル・ナンバー。
第二部は「無感覚」というタイトルのサイケデリックで淡々としたビートの不思議な感覚を持ったナンバー。
第三部は「今回だけは(チャイルド・オブ・ザ・ワーク)というタイトルで、ますますサイケデリック、トリップ感もあるパートになっています。
特に第二部から第三部にかけてはぶっ飛んでいますね!
それぞれのパートで表情が変わるエリカの歌が素晴らしいです!
12.TELEPHONE (REMIX)
「ニュー・アメリカ・パート・ワン」に収録されていた楽曲のリミックス・ヴァージョン。
原曲は淡々とした静かなナンバーだったのですが、ここでは4つ打ちビートの軽快でファンキー、かつポップなナンバーに仕上がっています。
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