カネボウ事件では、鑑定費用が、5000万円もかかっています。
 しかし、使った手法はDCF法のみであり、しかも、今回は、キャッシュフローは既に確定しています。
 単にエクセルに入れて計算するだけです。
 ちなみに、鑑定人と同じ計算を、私は3時間でやっています。
 どう考えても、鑑定人の報酬は高すぎます。

 また、鑑定人は、みずほ証券を慮ってか、8.5という異常に高いリスクプレミアムを使っています。
 証券アナリストの教科書には、「1.5%だと低すぎるし、8.5%だと高すぎる気がする」と書いてあるのですが、「高すぎる」リスクプレミアムを正当化する根拠は何一つ示されていません。
 このため、出できた360円という数字は、非常に低いものといわざるを得ません。
 こんないい加減な評価書に、なんで5000万円なのでしょうか。

 また、その負担割合もおかしいと言わざるを得ません。
 主張価格との乖離率に応じて、負担するのですが、こちらの主張価格が高いため、ほとんどがこちらの負担となります。
 しかし、こちらは、カネボウの財務状況を把握していません。誓約書まで出したのに、カネボウ側は黒塗りのものしか提出していません。
 このような状況で、価格を主張させられ、あげくの果てに「主張価格と乖離しているから」とのアホな理由で、鑑定費用のほとんどを負担させられるというのは、おかしいと思います。
 
 何より問題なのは、今後、価格決定の申立が出来なくなるということです。
 価格決定の申立は、少数株主の権利です。しかし、少数であるがゆえに、鑑定費用を払えないのが普通です。
 カネボウではたまたま500人以上集まったからよいようなものの、レツクスでも、鑑定費用は負担できない状況でした。
 
 360円というのは、ユニゾンやアドバンテッジが主張する162円の2倍以上です。360円という価格に不満はありますが、それでも、ユニゾン側の完敗というべき数字です。これだけ勝っても、費用を負担しなければならないのであれば、誰も申立ができなくなります。