11月20日午後1時10分より、終末医療のあり方を問う裁判(26年わ25447)の第一回口頭弁論が行われた。
被告は病院と原告の兄ら。
訴えによると、原告の母親の死に際して、酸素マスクすらつけさせなかった。

冒頭、裁判長との間で、意見陳述を巡って争いがあった。

近藤裁判長「原告は口頭で述べたいとしている。しかし原告がやると反対尋問なく、本人尋問することになる。意見陳述は例外的な措置。私はあまりやらない。通常は書面で行う。仮に訴状と違う内容が出てきたら困る。
言いっぱなしになってしまう。
萩尾弁護士 文献を引用したい。
裁判官 それは証拠で出せば。
このようなやり取りの後、結局手短に原告が意見陳述。

原告H 
19年6月18日、母Sは脳梗塞で入院しました。
母は、医師が驚くほど経過がよく、快方に向かい7月よりリハビリを始めました。
私は、母の転院先の施設を探していました。
 被告である私の兄は、リハビリに行くのが遅くなるとして、度々母の点滴速度を速めていました。
8月15日も兄は、点滴速度を速め、その後母は、嘔吐して具合が悪くなりました。
幸い医師の手当てにより翌日には持ち直しましたので安堵致しました。しかし、その後母はだんだん元気がなくなっていき、目は落ち窪み頬はこけ、変わり果てた姿になってしまいました。
それでも母はいきようと、目をむき出しにして必死に息をしていました。喉に痰がからんでしばらくゼーゼーしていましたが、やがて喉に痰が詰まって目をむき出したまま息絶えました。
その後心電図などの機械が持ち込まれました。死に顔は酷く苦しそうでした。
 9月8日の医師記録には、まだ死ぬ状態でないことが書かれています。母の死後、数人の知人から、「危篤時には酸素マスクくらいはするものだ」と聞きました。
私は、母の治療が中止され、水分も与えられず、兄は酸素マスクまでも拒否した等とは、全く知りませんでした。病院からの説明もありませんでした。」

その後、今度は請求の趣旨が、病院と兄らの連帯の根拠について、裁判官とやり取りが

裁判官 連帯の根拠は何か。連帯の根拠がない。債務不履行と不法行為の連帯はよくわからない。719条がなければ連帯しないはず。
理解できない。書面で出せ。と
つまり、病院に対する請求は債務不履行であるのに、兄らに対する請求は、不法行為であり、「連帯して」とはならないではないかと。

結局、病院は、カルテと訳文を次回までに提出することに。
 また、病院と兄ら被告は次回までに反論を提出。
原告は、連帯の点を説明。

次回は1月15日10時610号法廷。

意見陳述は、会社法事件などではあまり一般的ではありませんが、労働事件などではよくあるようです。
裁判の公開といいながら、傍聴者には訴訟の内容はほとんど分からないため、原告が口頭で述べる、というのは、意義のあることであるとは思います。