2010年10月
Den. chrysanthum
25日には今年初めての本格的秋を思わせる冷たい雨が降りました。 ほとんどのランは温室の中に取り込まれて暖かくしているのですが、まだ Dendrobium 等はもっと低温を経験させるために外の生活を強いられています。 この chrysanthum は温室に入れると冬の間も伸び続け、3m近くに成長します。 そのため最近は厄介者扱いされている嫌いがあります。 そのため夏場にもあまり光線の当たらない場所しか与えられていません。 こうやって見事な色の花が咲けばその時は再認識されて大事にされますが、花が終わると冷遇されてしまいます。 そんな4~5年を送っています。
ほとんどのランは温室に入り、冷たい雨の中でひっそりし始めた庭に一点明るい黄色が灯りました。 揃ってこっちを向いて何か訴えているようにも見えます。 とりあえず捨てるのは止めましょうか。
25日には今年初めての本格的秋を思わせる冷たい雨が降りました。 ほとんどのランは温室の中に取り込まれて暖かくしているのですが、まだ Dendrobium 等はもっと低温を経験させるために外の生活を強いられています。 この chrysanthum は温室に入れると冬の間も伸び続け、3m近くに成長します。 そのため最近は厄介者扱いされている嫌いがあります。 そのため夏場にもあまり光線の当たらない場所しか与えられていません。 こうやって見事な色の花が咲けばその時は再認識されて大事にされますが、花が終わると冷遇されてしまいます。 そんな4~5年を送っています。
ほとんどのランは温室に入り、冷たい雨の中でひっそりし始めた庭に一点明るい黄色が灯りました。 揃ってこっちを向いて何か訴えているようにも見えます。 とりあえず捨てるのは止めましょうか。
Bulb. beccarii の一番先端の葉がポロリと落ちてしまいました。 一体どうしたんでしょうか? 確かに2~3ヶ月前から葉の伸びが遅いなあとは思っていました。 その上、下の方から脇芽が2本も伸び出してきました。 元気が良かったり、悪かったりです。どうなっているのでしょう?
落ちた葉の破断面を見ると円周4分の1程が黒くなっています。 ここに傷がついて病気になって落ちたんだと思ったのですが、
葉の落ちた茎の下の方を良く見るとは断面から4cm位のところまで黒く腐っていました。 まだ生きている所まで切り戻し、殺菌剤を吹きかけ切り口を薬でシールしました。
既に2本も脇芽が出ているということは、かなり前から先端のリードは調子が悪かったものと思われます。 殺菌が十分であれば新しい2本のリードが元気に成長すると思います。
落ちた葉の破断面を見ると円周4分の1程が黒くなっています。 ここに傷がついて病気になって落ちたんだと思ったのですが、
葉の落ちた茎の下の方を良く見るとは断面から4cm位のところまで黒く腐っていました。 まだ生きている所まで切り戻し、殺菌剤を吹きかけ切り口を薬でシールしました。
既に2本も脇芽が出ているということは、かなり前から先端のリードは調子が悪かったものと思われます。 殺菌が十分であれば新しい2本のリードが元気に成長すると思います。
Rhynchorides(Rhrds.) Mem. Suranaree 'Aso'
左の写真は1986年のものです。 この交配が Sander's List of Orchid Hybrids に登録されたのは大変古く、1968年にバンコックの蘭園 Wipa からでした。 私が購入したのは1976年大和農園からでした。 そして1990年ごろだと思いますが、冬のラン展で同じ交配の株が売られていましたが、何と交配名が Rhrds. Osonice となっています。 間違いだよと思いつつも、属間交配の好きな私は一株買いました。
家に帰って直ぐに調べると、1981年~1985年の Sander's List を見てびっくりしました。 何と Aer.lawrenciae x Rhy.coelestis の交配名が Rhrds. Osonice となっていました。 ハワイの日系の Richella Orchids から1985年に Osonice として登録されていました。
1968年に登録された Mem. Suranaree という名前はどうなったんだ!! 早く登録した方が名前を付ける優先権があるはず。 当時、英国病という言葉が流行っていましたから、こんな間違いをするなんて大英帝国もここまで衰退してしまったのか。 日本は1980年代の終わりの頃はバブル絶頂期でしたから他人事のように英国を見ていましたが、今の日本もますます国力が低下して、失われた10年が、失われた20年になってしまいました。
さて横道にそれましたが、次に発行された1986年~1990年の Sander's List では Mem. Suranaree に戻り、(Syn. Rhrds. Osonice 1985)と付記されていす。 一件落着です。
左の写真は1986年のものです。 この交配が Sander's List of Orchid Hybrids に登録されたのは大変古く、1968年にバンコックの蘭園 Wipa からでした。 私が購入したのは1976年大和農園からでした。 そして1990年ごろだと思いますが、冬のラン展で同じ交配の株が売られていましたが、何と交配名が Rhrds. Osonice となっています。 間違いだよと思いつつも、属間交配の好きな私は一株買いました。
家に帰って直ぐに調べると、1981年~1985年の Sander's List を見てびっくりしました。 何と Aer.lawrenciae x Rhy.coelestis の交配名が Rhrds. Osonice となっていました。 ハワイの日系の Richella Orchids から1985年に Osonice として登録されていました。
1968年に登録された Mem. Suranaree という名前はどうなったんだ!! 早く登録した方が名前を付ける優先権があるはず。 当時、英国病という言葉が流行っていましたから、こんな間違いをするなんて大英帝国もここまで衰退してしまったのか。 日本は1980年代の終わりの頃はバブル絶頂期でしたから他人事のように英国を見ていましたが、今の日本もますます国力が低下して、失われた10年が、失われた20年になってしまいました。
さて横道にそれましたが、次に発行された1986年~1990年の Sander's List では Mem. Suranaree に戻り、(Syn. Rhrds. Osonice 1985)と付記されていす。 一件落着です。
Rhrds. Mem. Suranaree
私の温室にある蘭の中で一番の古株です。 購入した際に名札に年月日、蘭園名、値段を記入しています。 従って、これらのデータが持ち株の9割以上に残っています。 この株は1976年8月16日に大阪宝塚の大和農園洋蘭部で1000円で購入しました。 まだ小さな苗でフラスコから出して2年未満位の大きさでした。 まだ栽培技術や知識は低かったのに良く開花まで育てたものです。 以来34年間も一緒に暮らしています。 洋蘭を始めた当初から属間交配が好きでしたから宝物を見つけたように、喜んで買ったことを覚えています。 仕事の関係でしばしば大阪に泊まりがありましたから時間があるときには大和農園を始めあちこちの蘭やさんを尋ねました。 大和農園の椙山さんからはランについて広い知識を授かりました。 Sander's List of Orchid Hybrids や AOS(American Orchids Society)についても、その存在さえ知りませんでしたが、杉山さんの影響で、直ぐにList を全巻買い求め、AOS の会員にもなったものです。
Aer. lawrenciae(下左の花)とRhy. coelestis(下右の花)を交配し、上の花 Rhrds. Mem. Suranaree が生まれました。
私の温室にある蘭の中で一番の古株です。 購入した際に名札に年月日、蘭園名、値段を記入しています。 従って、これらのデータが持ち株の9割以上に残っています。 この株は1976年8月16日に大阪宝塚の大和農園洋蘭部で1000円で購入しました。 まだ小さな苗でフラスコから出して2年未満位の大きさでした。 まだ栽培技術や知識は低かったのに良く開花まで育てたものです。 以来34年間も一緒に暮らしています。 洋蘭を始めた当初から属間交配が好きでしたから宝物を見つけたように、喜んで買ったことを覚えています。 仕事の関係でしばしば大阪に泊まりがありましたから時間があるときには大和農園を始めあちこちの蘭やさんを尋ねました。 大和農園の椙山さんからはランについて広い知識を授かりました。 Sander's List of Orchid Hybrids や AOS(American Orchids Society)についても、その存在さえ知りませんでしたが、杉山さんの影響で、直ぐにList を全巻買い求め、AOS の会員にもなったものです。
Aer. lawrenciae(下左の花)とRhy. coelestis(下右の花)を交配し、上の花 Rhrds. Mem. Suranaree が生まれました。
Angcm. Crestwood 'tomorrow Star' 2010年沖縄国際洋蘭博覧会大賞受賞株(メリクロン苗)交配親はVeitchii x sesquipedale 更に Veitchii の親は eburneum x sesquipedale です。従って、この Crestwood の75%は sesquipedale の血が入っていることになります。 今の表現ではDNAの75%は sesquipedale 由来のDNAです。 今年の東京ドームのラン展で新垣洋蘭園から購入した株ですが非常に元気良く育っています。 特にこの2~3週間、異常な高温が終わった辺りから葉の伸びが良くなったように思います。
何でこんなに出たばかりの、見えてもいない花芽を探すんでしょうね? それがランの趣味家って奴でしょうね。
今は昔になりましたが、もう30年ほど前になりますが、仕事で当時は羽田からホノルルに早朝到着し、直ぐにハワイ島のヒロ空港に行き、レンタカーを借りてヘルムートオーキッドを尋ねたことがあります。 AOS Bulletin で見た広告で胡蝶蘭と Vanda の属間交配などを得意としている人でした。 その属間交配種を求めて尋ねたのですが、新興住宅地の裏庭に温室があって、趣味家程度のラン屋さんでした。 でそこの奥さんが仰るには “主人は毎日こうやって花芽を探しているんですよ” 彼はドイツからの移民でしたが、みんな同じなんです。 早く花芽が出るのを心待ちにしているのです。
Angcm. Crestwood 'tomorrow Star'
2010年沖縄国際洋蘭博覧会大賞受賞株そのものです。
新垣洋蘭園のHPからお借りしました。http://arakakiorchid.blog7.fc2.com/blog-entry-7.html/
何でこんなに出たばかりの、見えてもいない花芽を探すんでしょうね? それがランの趣味家って奴でしょうね。
今は昔になりましたが、もう30年ほど前になりますが、仕事で当時は羽田からホノルルに早朝到着し、直ぐにハワイ島のヒロ空港に行き、レンタカーを借りてヘルムートオーキッドを尋ねたことがあります。 AOS Bulletin で見た広告で胡蝶蘭と Vanda の属間交配などを得意としている人でした。 その属間交配種を求めて尋ねたのですが、新興住宅地の裏庭に温室があって、趣味家程度のラン屋さんでした。 でそこの奥さんが仰るには “主人は毎日こうやって花芽を探しているんですよ” 彼はドイツからの移民でしたが、みんな同じなんです。 早く花芽が出るのを心待ちにしているのです。
Angcm. Crestwood 'tomorrow Star'
2010年沖縄国際洋蘭博覧会大賞受賞株そのものです。
新垣洋蘭園のHPからお借りしました。http://arakakiorchid.blog7.fc2.com/blog-entry-7.html/
Vasco. Blue Haze
古い株です。 1993年10月30日にタイで購入したものです。 17年間も栽培していることになります。 Ascda. Blue Boy x Rhy. coelestis ですから、もう一度同じ交配をしようと思っても Ascda. Blue Boy などどこのラン屋さんも持っていないでしょうね。
今年の花のできは良くありませんでした。 葉の色は緑が濃く見た目には元気なのですが、光線不足です。 もっと花茎が長く、従って輪数も倍以上になります。 ただし、Rhy. coelestis の性質から花茎が弱く支柱で支えてやらないと花茎は倒れてしまいます。 ‘Lip Aso’としたのは全体がピンクでリップが更に濃いピンクなので付けました。
Doritis pulcherrima
この株は交配種ではないのだろうかと思います。 購入したタイのラン屋さんでも名札がなく判りませんでした。 見た目には Doritis ですが、余りにも色や形が良すぎるため原種とは思えないほどです。 Doritis 属の特徴である花粉塊の数は4個あることを確認しましたから、その点から交配種だと判断することはできません。
今は昔、1999.9.26にタイの Patsanam Orchids で購入した株です。
Doritis 属について、2003年以前は pulcherrima 1種でした。 buyssoniana は pulcherrima の中の Variety の一つとして扱われていました。 現在では buyssoniana と pulcherrima は別種となっています。 それ故 Sander's List of Orchid Hybrids ではこの二つの交配名が Doritis Yen Orion として登録されています。 また、World Check List では Doritis 属はなくなり Phal. buyssoniana, Phal. pulcherrima となっています。
下萼片の中央よりに白い部分がなくほぼ一面濃色の紫紅色です。
この生の花の色鮮やかさは写真やパソコンでは再現できないのではないかと思います。
昨日の写真と比べて、Aerides quinquevulnera だけを省略しました。 9月末の時点で、 Aerides 属で咲いている花は quinquevulnera, odorata, lawrenciae 等でしょうか。 これらの花を良く見ると共通して、リップがずい柱、柱頭(めしべ)、花粉塊を覆う葯帽などの受粉器官をすっぽり包み隠しています。 受粉をさせないようにそれらの器官を隠しているようにさえ見えます。 一番守りが堅いのは odorata f. alba で隙間もありません。
それぞれリップを欠き取りました。 (ずい柱が見えるように花を表にして写真を撮るべきでした。)
lawrenciae の3種だけの写真ですが、葯帽の位置がよく分かります。 リップが大きくすっぽりずい柱を隠します。
リップの裏側から見ると隙間も見えます。 この辺りが謎をとく鍵となるのでしょうか。 自生地で受粉の様子を観察してみたいものです。 羽根のある昆虫では受粉の媒介者になることは無理だと思いますが、如何でしょう。
面白い筋書きとしては、リップの先端が特殊な昆虫に好まれるように進化しており、その昆虫が飛んできて、リップの先端を貪り食ううちに花粉塊が頭の後ろにくっ付き、花粉塊を他の花に運ぶと言うのはどうでしょう。
Den. chrysotoxum
バルブが15本位ある大株です。 今年は一本も根元から新芽が出ませんでした。 何故でしょう? 今年は作落ちしましたが、毎年素晴らしい花を咲かせていたのに、新芽が出ないと言うことにはどんな理由があるのでしょうか?
一つには根鉢状態になったからという理由があるかもしれません。 昨年鉢増しはしていますが、古い根が鉢一杯に伸びていることで鉢の中が満杯状態で新しく根が伸びるスペースがなく、かつ通気性が悪く酸欠状態かもしれません。 そんな事情を察知して新しい芽を出さないのでしょうか。
代わりに古い枯れかかったバルブの、花の咲かなかった最後の節から高芽を出してきました。 根の勢いを見ると’命'のエネルギーが満ち溢れています。 根元に芽を出してもダメだから高芽を出したとしか思えません。 芽を出すエネルギーは持っているのです。 確かにこれだけ沢山の根っこを四方八方に伸ばせる空間は鉢の中にはありません。
緊急時にはこうして別の方法で命をつないで行くとは凄いことです。 また、その選択ができると言うことも凄く賢いことです。 鉢全体で新芽がゼロで高芽が3本出ています。
Aer. houlletiana
ご覧の通り根が右の方向にだけなびいて伸びています。 この夏温室から外に出して棚に吊るして栽培しましたが、棚の中央付近に位置していたため根には光りが周りからほとんど当たらない状態でした。 この根は夕日のみが差し込む西の方を向いて伸びた結果です。 と書いたところで、疑問が沸いてきました。 根は光りを避けて反対方向に伸びるのではないか? そうですよね。 事実蛇のように曲がる Ren. coccinea の根は直射日光を避けて反対側に伸びて向きを変えます。 弱い光ならその方向を向くのでしょうか? 確かに根でも光合成をしているランは沢山ありますから光りを求めて根を伸ばしても不思議ではありませんが。 来年の宿題です。 覚えていられるかなぁ?
見事に同じ方向を向いています。 水苔も何もなく自分の根だけです。 最初はプラスティックのバスケットに植えてありましたが、それ以外死んだ根も含めて自分の根だけです。 植え込み材料とか植え替えとか考えることは全く必要ありません。 外に伸びた根をどこかにからませるだけです。
Aer. lawrenciae
普段は決して見ないアングルの写真です。 当然下からのアングルも面白いですが今回は撮りませんでした。
Ctsm. Raymond Larnar
花茎が上の方で曲がっていますから、もう一工夫しないと面白い写真になりません。 それに個々の花は光の来る方向を向いて咲きます。 この写真からも分かる通り真上から見ても花は円筒状には並びません。 光の来る方向に偏っています。
特にカタセタムの場合は花の背後には植木鉢が光をさえぎっていますから、偏りができます。 エリデスの場合は鉢がありませんから比較的円筒状に咲いています。 更に、ラン科植物は捩れながら3列に並んで咲いていると思っていましたが、今確認したところでは odorata 5列、lawrenciae 3列でした。 バラバラなんですかね。
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