ランと遊ぶ

温室に入ってじっくりランを観察しますと今まで気付かなかったことが見えてくるようになりました。ランは自生地の環境変化に合わせて多様化し、その進化には不思議や驚きがいっぱい詰まっています。気の向くままにランを眺め、たっぷりと蘭と遊んでみたいと思います。

巧妙

Aerides quinquevulnera ポリネーターは誰?

Aerides quinquevulnera-5104
2018.10.25 Aerides quinquevulnera


Aerides quinquevulnera-0720
2018.11.7 花が終わって見ると、ほぼ全ての花が受粉したように子房が膨らみ始めていました。


Aerides quinquevulnera-0730
開花後は温室に取り込んでいますから、鉢などのポリネーターは殆どきていません。一体何が受粉を手伝ったのでしょうか?恐らく蟻ではないかと思っています。受粉と言っても、花粉を運んで柱頭に持ってきたというのではなく、小さい蟻が柱頭の中を歩き回るなどして刺激を与えて、疑似受粉をしたのではないかと思います。あるところまで子房が膨らんでも、成長はそこで止まってしまうと思います。当然種子もできません。


Aerides quinquevulnera-0691
柱頭はしっかり閉じられています。 花粉塊も見えます。












Coryanthes trifoliata 柱頭は狭い隙間

Coryanthes trifoliata-4579
株は元気だし、今年4本の花茎を出しましたから、交配して果実の生長などを観察することにしました。交配()(セルフ)するためにリップを切り取り裏返しにした状態です。柱頭がよく見えます。柱頭は横には広いですが、縦の長さが狭い長方形です。


Coryanthes trifoliata-4587
花粉塊は大きく柱頭にはすんなり入りませんでした。無理して押し込んでやっと収りました。


Coryanthes trifoliata-4584
柱頭と花粉塊の大きさを比較しました。


Coryanthes trifoliata-4501
この花は受粉の方法が独特で、ポリネーターがバケツから這い出すためには上下左右極めて狭い隙間を通らなければなりません。ポリネーターの後頭部についた花粉塊を柱頭の端でそぎ取るような形に集約されたのでしょう。この形が一番効率的だったのでしょう。










Coryanthes trifoliata, macrantha 比較

2013年2月に開花した Coryanthes macrantha と trifoliata を比較してみます。
花茎の比較
Coryanthes trifoliata-006-1 (16)
trifoliata 花茎は横に伸びます。 堅いです。
1度だけのデータですが、2輪咲きました。


IMG_4223h
macrantha 花茎は柔らかく下垂します。 柔らかい方が液面を水平に保ち易いかもしれません。
1輪です。


蕾の形の比較
Coryanthes trifoliata-18--13
trifoliata 子房は完全に外に出ています。


IMG_3032
macrantha  苞が子房全体を包んで蕾の一部分になっています。


Coryanthes trifoliata--1-057 (2)
trifoliata 


IMG_4286h-1
macrantha 斑点があります。


花の比較
Coryanthes trifoliata-006-1 (3)
trifoliata 


IMG_4206
macrantha


Coryanthes trifoliata-006-1 (25)
trifoliata リップの上部に髭の生えたエリアがあります。











Coryanthes trifoliata  9、受粉の仕組み

Coryanthes trifoliata--1-018
 2018.4.21 進化の末に巧妙な仕組みが幾つもあります。 その全体を一言で説明するのは難しいのですが、順序はこうです。 昆虫がバケツの上部から入り、バケツの底に溜まった液体に落ち、そこから這い出して出口に向かうと、出口の通路はだんだん狭くなり、そこに花粉塊に繋がった粘着帯が待っています。 その狭い出口から這い出す際に粘着帯が昆虫の頭や背にくっつくことになります。 また、粘着帯の手前に柱頭があり花粉塊を運んできた昆虫から花粉塊を受け取るという仕組みになっています。 その一連の機会の回数を増やし、かつ花粉塊の受け渡しの精度を上げる進化が見られます。


Coryanthes trifoliata--1-030
リップ、ここではバケツをずい柱から切り離した写真です。 通常はバケツの切れ目とずい柱の側面は隙間なくくっ付いています。 粘着帯がほんの少し下に出ています。 バケツの出口の左右に突起Aが出口の左右をブロックしています。 また、突起Bは昆虫が這い出すための通路です。 先に行くほどせりあがって通路の出口を狭めています。


Coryanthes trifoliata--1-057
昆虫が液体に落ちると、這い出せるのはただ一か所だけです。


Coryanthes trifoliata--1-023 (2)
 出口を下の方から見た写真です。 突起Bも先が細くなっています。 両側に切れ込みがあり、昆虫の歩ける幅も狭くなっています。 正にピンポイントで粘着帯に昆虫の頭部や肩が触れることになります。


Coryanthes trifoliata--1-022 (2)
出口を横から見ると極めて狭い隙間しかありません。 突起Bが緩やかに上に向かって伸び、ずい柱も下に傾斜しています。


Coryanthes trifoliata--1-022
リップの高いところに毛が生えています。 この毛は上に向かって倒れており、矢印の方向にしか歩けません。 バケツの入り口に導く仕掛けでしょう。


ラン科植物が誕生してから1億年ほどだと言われています。 この様な複雑な仕組みが、ネオダーウィニズムだけで説明できるのでしょうか。 突然変異は当然意図的に変異するものではなくランダムにDNAが書き換えられるのでしょうし、その結果を自然が選択し生き残った種が固定され、さらに新しい変異の発生を繰り返して現在に至っているのでしょう。 ラン科植物の初期のリップは花弁です。 一枚の花弁です。 それがランダムな変異だけで、このようなバケツに変身するのは不思議です。 意図的なDNAの変異か、偶然が幾つも介在した結果ではないかと思うしかありません。 液体の出る器官など一回の変異でできるわけはありません。 できたとしても下に水を溜めるバケツがなければ淘汰されてしまいます。 また、常に昆虫が淘汰に関与しています。 とにかく不思議が一杯です。</div>







Coryanthes trifoliata  8、ずい柱とリップ

Coryanthes trifoliata--1-018
2018.4.21 Coryanthes trifoliata
このままではリップもずい柱も形が良く分かりません。


Coryanthes trifoliata--1-022
受粉の仕組みはこの二つが全てです。


Coryanthes trifoliata--1-030


Coryanthes trifoliata--1-037


Coryanthes trifoliata--1-057
リップを左右対称面で切ってみました。


Coryanthes trifoliata--1-059
ずい柱です。 液体の出る器官が基部の左右にあります。


Coryanthes trifoliata--1-066
花の全体です。















Coryanthes trifoliata 7、花の器官ー2

Coryanthes trifoliata-006-1 (6) - コピー
2018.4.20 花の各器官、ラン科植物としての名称です。


Coryanthes trifoliata-006-1 (22) - コピー


Coryanthes trifoliata-006-1 (9)
この液体の出てくる器官が左右2本あります。 ここから下に落ちるとバケツに溜まります。 この液体が出る器官があることと下のバケツが発達していることはこの花の最大の特徴です。 液体の量はそれほど多くありません。 舐めてみると幾分甘みがありました。 粘性もほとんどありません。






Coryanthes trifoliata  6、花の器官

Coryanthes trifoliata--1-004
2018.4.21
Coryanthes trifoliata
 花茎を切り取ったとき1.5㎝程残っていましたから、花茎の全長は23㎝位です。 花茎は固くしっかりしています。 曲がりません。バケツ(リップ)の底に液体がたまっていますから前後にも、左右にも大きく傾くと、受粉作戦が機能しなくなります。


Coryanthes trifoliata--1-007
 花が開き始めてから2.5日ぐらいしか経過していませんが、セパルはしわくちゃです。 ひとつづつ切り離しながらセパル・ペタルを確認してみます。 この状態で Lateral sepal はどの部分か分かりますか?


Coryanthes trifoliata--1-008


Coryanthes trifoliata--1-009
Dosal sepal はどれでしょう?


Coryanthes trifoliata--1-010
Petal はどれでしょう?


Coryanthes trifoliata--1-011


Coryanthes trifoliata--1-012
最後に残ったのがリップとずい柱です。 これらも結構複雑です。




















Coryanthes trifoliata  5、開花2日目

Coryanthes trifoliata-006-1 (6)
2018.4.20 開花2日目です。 花と言うには奇妙な形です。


Coryanthes trifoliata-006-1 (9)


Coryanthes trifoliata-006-1 (4)
ペタルはどれでしょう。


Coryanthes trifoliata-006-1 (22)


Coryanthes trifoliata-006-1 (28)
鳥の翼に見える2枚はラテラルセパルです。 リップが異常に変形し大きくなっています。


Coryanthes trifoliata-006-1 (18)














Coryanthes trifoliata   4、開花後2日目の花

Coryanthes trofoliata-005
2018.4.19 開花と言うよりバルーンが割れて、セパルが後方に反って行く過程です。


Coryanthes trofoliata-037
Coryanthes trofoliata-028
v>

Coryanthes trofoliata-015
撮影時刻 13時04分


Coryanthes trofoliata-043
撮影時国 16時20分










Coryanthes trifoliata  3、つぼみの形

Coryanthes trifoliata-18--7
2018.4.18 開花する前日の蕾です。 蕾の状態でも面白い形です。 風船のようですし、人の顔にも見えます。 約45度づつ回転しながら写真を撮りました。 45度置きに360度ぐるりと撮影しました。 この方向が正面です。


Coryanthes trifoliata-18--13


Coryanthes trifoliata-
横から


Coryanthes trifoliata-18-


Coryanthes trifoliata-18--2
裏側です。


Coryanthes trifoliata-18--4


Coryanthes trifoliata-18--5
横から


Coryanthes trifoliata-18--6


Coryanthes trifoliata-18--8
正面です。 一周しました














Coryanthes trifoliata  2、開花

Coryanthes triflata-053
2018.4.12 


Coryanthes trifoliata--6
2018.4.14


Coryanthes triforiata-9397
2018.4.16 左の方の蕾は開き始めています。


Coryanthes triforiata-9412
2018.4.17 開花したのですが不十分です。


Coryanthes triforiata-9413
セパル・ペタルが後ろに反り返りません。


Coryanthes trifoliata-006-1 (16)
2018.4.20 残りの一輪が開花しました。 半分開花したままの花は取り除きました。


Coryanthes trifoliata-006-1 (3)
開花して2日目の写真です。 この形状は花と言うには程遠い形です。 ラン科植物の花ですから当然セパル・ペタル・リップ・蕊柱がそろっているはずです。 それぞれどこにあるのでしょう。












Coryanthes trifoliata 面白い花 1、つぼみ発見

Coryanthes macrantha の花の形や受粉の仕組みに興味を持って栽培し、その花に驚きました。 今回その続きとして Coryanthes trifoliata を栽培してみました。 この種も同様に面白さが沢山隠れていました。 10日間ぐらい連続で紹介します。
Coryanthes macrocorys-001
2018.3.17 Coryanthes trifoliata
花芽を発見しました。 来年には咲くかなぁ、と思っていた株でしたから、びっくりです。
花芽の大きくなる過程です。


Coryanthes  trifoliata-005
2018.3.25


Coryanthes trifoliata-012
2018.4.4


Coryanthes trifoliata-021
2018.4.7


Coryanthes trifoliata-018
2018.4.7 2輪付いていることが分かります。


Coryanthes trifoliata-009
2018.4.10 花茎は固くしっかりしています。 開花した時の花の傾きが大事だからです。


Coryanthes trifoliata-001










Phalaenopsis 葉脈2

 hamelinii-2747 - コピー
NJさんから葉脈について新しい情報を頂きました。
「葉の先端では増加が起こっているのかと気になっていたので、確認できて良かったです。
葉脈どうしの距離が一定以上に開くと、その中間に位置する細胞が新たな葉脈に変化するというのは、生物学の理論では良くある現象らしいです。私も聞きかじっているだけですが。
もし興味があれば、「チューリングパターン」、「生物 反応拡散系」などのキーワードで検索されてください。」

葉脈が増えたり、減ったりするのは生物の柔軟な適応のようです。 葉脈の役割は葉の細胞に水分と養分を供給し、一方光合成でできたでんぷんを運ぶ役目です。 葉が広くなれば葉脈の必要性が増し、葉脈が形成される。 その形・模様は数式であらわせるモデルパターンがあるということのようです。


NJさん、情報ありがとうございました。

Embreea rodigasiana 解剖

Embreea rodigasiana-1282
2016.8.26 Embreea rodigasiana
特に難しい花形ではありませんが、リップとずい柱が複雑です。


Embreea rodigasiana-1281


Embreea rodigasiana-1291


Embreea rodigasiana-1316
特にリップの変形が複雑です。 サイドローブが下に行くほど狭くなり柱頭に導かれています。











Catasetum pileatum 非対称

Catasetum pileatum-7846
2016.5.29 Catasetum pileatum
11輪開花した花のすべてのずい柱を切り取り、10個並べたのが下の2枚の写真です。


Catasetum pileatum-8059
花の形が左右対称であることはラン科植物の特徴の一つです。 でも、このアンテナに限り非対称です。
10輪の形は見事に同じです。 たまたまとは言えない一致です。
葯帽と花粉塊は既にありません。


Catasetum pileatum-8064


Catasetum pileatum-7879 -1
右のアンテナ(A)と左のアンテナ(B)は位置取りが違います。 Bは柱頭の下側の縁に横に倒れています。 一方、Aは前に突き出ていますが、中心よりに傾いています。

アンテナAの役目は、空中からずい柱に近づく昆虫に花粉塊を飛ばす引き金となっています。
アンテナBの役目は、リップを這い上がってくるポリネーターがこのアンテナに触れると花粉塊を飛ばす。
このように説明できそうです。
 最初はAもBも対称に前に真っすぐに突き出していたのでしょうが、下から這い上がる昆虫が増えて(?)、片方のアンテナBが横に倒れ、手薄になった空中の中央部を補うためにアンテナAは中心に傾いてきた。 このような理由付けで、一応辻褄が合いそうです。


Catasetum pileatum-8046
もう少しリップの内側に花粉塊がつきます。 粘着板はくっつくとなかなか取れません。 強力です。
花粉塊はラン科植物の中でも大きい方ではないでしょうか。

参照:2014.06.21 「Catasetum pileatum 不思議発見ー1」
   2014.06.22 「Catasetum pileatum 不思議発見ー2」
    2014.06.23 「Catasetum pileatum 不思議発見ー3」









Vandopsis gigantea 斑紋

Vandopsis gigantea-7417
2016.5.21 Vandopsis gigantea
gigantea の斑紋は境目が明確ではありません。写真を撮っていても焦点が合っていないような模様です。


Vandopsis gigantea-7756
斑紋のある花は沢山ありますが、比較してみると面白いかも知れません。


Vandopsis gigantea-7782
Petal


Vandopsis gigantea-7778
Dosal Sepal


Vandopsis gigantea-7780
Lateral Sepal

















Vandopsis gigantea 寸法

Vandopsis gigantea-7299
2016.5.15 Vandopsis gigantea
Leaf span 約 120cm, 葉幅 約 75cm, 葉の肉厚 約 5mm


Vandopsis gigantea-7761


Vandopsis gigantea-7765


Vandopsis gigantea-7767
ペタルの肉厚は2mmです。


Vandopsis gigantea-7755
セパルの中央には筋が通っており盛り上がっています。 セパルの肉厚を一律には表現できませんが、約 2〜5mm の幅があります。


















Aerides houlletiana こんなに受粉しました

Aerides houlletiana-8099
2015.06.17 Aerides houlletiana
開花後、温室の外に吊るしておきました。


Aerides houlletiana-8142
2015.06.18 真っ黒い色をした毛の生えた、アブとも蜂とも思える昆虫が飛んで来ました。 写真は撮り損ねましたが、背中に花粉塊を着けているものもいました。 体が大きいので花が傷むなぁとは思っていたのですが、花が終わってみると沢山の花が受粉し、結実していました。 

Aerides houlletiana-8797
2015.07.04 2本の花茎に合わせて11個が受粉しました。 “花粉塊”を昆虫の背中に着けて、他の花に受粉するというラン科植物の仕組みは、“花粉”の方が効率いいだろうにと思っていました。 更には風媒花の方が受粉の確率は格段に高いと推測していましたが、花粉塊を昆虫に託して受け渡すのも結構うまく行くものですね。

Aerides houlletiana-8798
周りに houlletiana が咲いているわけではありませんから、自家受粉です。 自生地でも自家受粉が多いでしょうね。 実生から増やすつもりはありませんから、切り取ります。





Bulb. foetidum ハエ

 foetidum-8708
2015.06.28 Bulb. foetidum
気温が上がってきたり、株に振動を与えたりすると、にわかに臭いが広がります。 強烈な臭いに誘われて、ハエが集まってきます。 一度花にとまったハエは虜になってしまいます。 写真をクリックして見て下さい。花粉塊を頭の後ろに付けたハエがいます。

 foetidum-8722
 人が近づいても逃げません。


 foetidum-8710


 foetidum-8719




Grammatophyllum stapeliiflorum 5年ぶりの開花

Grammatophyllum stapeliiflorum-7973
2015.06.15 Grammatophyllum stapeliiflorum
2010年5月に初めて私の温室で開花しました。 とてもユニークな花茎と蕾の動きをします。 一部始終を写真に収めようと思っていたのですが、なかなか咲いてくれず5年ぶりの開花となりました。 そのため、花芽に気付いた時には既にここまで花茎が伸びていました。

Grammatophyllum stapeliiflorum-8068
2015.06.17
ユニークな動きと言うのは、つぼみは常に上を向いていると言う事です。 花茎は上向きから下向きになりますし、花径を背にして外向きに位置取りをしなければなりません。 この写真はその途中経過です。

Grammatophyllum stapeliiflorum-8618
2015.06.25
何時でも開花できるよう、全ての蕾の姿勢が整ったところです。


Grammatophyllum stapeliiflorum -8677
2015.06.28 Grammatophyllum stapeliiflorum
きれいな色ではありません。


Grammatophyllum stapeliiflorum -8685
また来年いい写真を撮ります。

参照:2010.05.09 「Grammatophyllum stapeliiflorum - 1」









Coelogyne rochussenii 動きが出ました。

Coelogyne rochussenii Tokumaru'-5384
2015.04.24 Coelogyne rochussenii
2年前にできたバルブです。 めぼしい萌芽は残っていませんが、芽が出るか試してみました。


Coelogyne rochussenii Tokumaru'-5387
動きだす可能性があると思われる萌芽を赤い〇や△の印を着けておきました。


Coelogyne rochussenii-6966
その一つが動きが出ました。 期待一番の萌芽ではありませんでした。 腐っていそうな萌芽から新芽が動きだしました。 もう少し観察を続けます。 左のバルブの本命と思っていた3ッつの萌芽は乾燥しています。 それが原因でしょうか動きがみられません。 

 rochussenii-7570
ビニール鉢に入れてあるだけです。 水は掛けています。






Phal. lowii 再生その後

 lowii-5275
2015.04.22 Phal. lowii
すべての緑の葉が落ちて根だけになりました。 そして初めて葉が出たことに気付きました。 


 lowii-5929
2015.05.09


 lowii-6177
2015.05.17


 lowii-6521
2015.05.27 順調に葉が大きくなってきました。 3番目の芽は伸びが止まったようです。


 lowii-6518
花芽が両方に出るかどうかが次の関心事です。






Vanda John De Biase 子株が!

Vanda John De Biase-2977
2015.2.7 Vanda John De Biase
昨年11月9日に中心の成長点にダメージを受けて新しい葉が出なくなっているのに気付きました。 


Vanda John De Biase-2980
それから2か月が経過し、葉の腋から子株が伸び出してきました。 命をつなぎ、種を守る仕組みができあがっています。 同じ萌芽が花になったり、子株になったり状況に応じて巧妙にコントロールされています。 こういう株は成長が早く約2年で開花すると思います。


小物 filiforme-2264
2012.3.19 湯田





Phal. Arakaki World Dream 斑紋ー2

-2544
2015.1.28 Phal. Arakaki World Dream
昨日と同じ花の文様に焦点を当ててみました。 何とも面白い紋様です。 薄く溶いた絵具を絵筆にタップリと付けて、和紙に描いた時にできる“にじみ”のようにも見えます。 紋様の中心に濃い部分がありますが、これは二度塗りしないと出てこないでしょう? 面白い紋様を並べてみました。

 Arakaki World Dream -2739


 Arakaki World Dream -2742


 Arakaki World Dream -2748


 Arakaki World Dream -2769


 Arakaki World Dream -2774


 Arakaki World Dream -2776











Phal. Arakaki World Dream 斑紋-1

 Arakaki World Dream -2726
2015.1.31 Phal. Arakaki World Dream
この花のDorsal Sepal の斑紋に焦点を当ててみました。 現在6輪開花していますから、上から順(開花した順番)に背萼片のみを並べてみました。 ただそれだけの話です。 同じ株の花ですがかなり違いがあります。 

 Arakaki World Dream -1-2716


 Arakaki World Dream -2-2722


 Arakaki World Dream -3-2717


 Arakaki World Dream -4-2723


 Arakaki World Dream -5-2721


 Arakaki World Dream -6-2724







5位 Catasetum pileatum

Catasetum pileatum 'Imperiale Pierre Couret' HCC-AOS-1814
2014.05.18 Catasetum pileatum 'Imperiale Pierre Couret' HCC-AOS
2バルブではありますが、5花茎が出ました。 花の色も素晴らしいのですが、センサーに触れると花粉塊が飛び出すという仕組みを持っていることで順位が上がりました。

Catasetum pileatum 'Imperiale Pierre Couret' HCC-AOS-1817-2


Catasetum pileatum-2767
センサー2本が良く見えます。 1本は前に伸び出していますが、 もう1本は柱頭の前で横に折りたたまれています。




Angraecum infundibulare 距の中の蜜

IMG_8291
2014.10.18
 巨大なリップです。 長さが15㎝程あります。 更にその先に距が10㎝近く伸びています。


IMG_8295
リップの開口部分だけの幅と長さは約6㎝ x 8㎝です。


IMG_8300
片側のセパル、ペタルを切り取っています。


IMG_8309
距を縦に割っていくと先端の4分の1ほどの所に液体が溜まっていました。 舐めてみると甘かったです。 sesquipedale のそれは甘さを感じませんでしたがこの液体は蜜だとはっきり言えます。

IMG_8312





Stanhopea xytriophora と inodora 比較

ランに限らず、花は受粉がうまく成功するようにいろいろ工夫をしています。 それは子孫を次代に繋いで行くために必要なことです。 特に蘭はその環境に合わせて、進化し驚くような仕掛けを持っています。 仕掛けの主たるところはリップとずい柱です。 同じ Stanhopea 属の2種(xytriophora と inodora)のリップとずい柱を比較してみました。 同じ属ですから、似ていることは当たり前かもしれませんが。ほぼ同じ形質です。
alba 'Tokyo'-8379
Stanhopea inodora のリップとずい柱です。 この粘着帯をいかにしてポリネーターの背中にくっ付けるかがポイントです。この粘着帯は上から下へタッチするとくっ付きます。 下から上の動きではダメです。 そのためには昆虫がリップの方を向いて、ずい柱とリップの間を上から下にホバリングしながら、降りて行くように導かなければなりません。 そのような仕掛けになっていると思われます。

Stanhopea xytriophora-8242alba 'Tokyo'-8508














左が xytriophora です。 右が inodora です。 大きなくぼみがリップのつけ根にありますが、何も入っていません。 下に行くとくびれがあって、二本の腕が抱きかかえるように伸びて、動ける空域を狭めています。 二本の腕には更に一工夫がしてあります。 それは水平に伸びた腕ではなく、先端が垂れ下がっています。 ホバリングできる空域を更に絞り込んだ所にちょうど粘着帯が位置しています。 腕の傾きがピンポイントで粘着帯に誘導しています。 (一番上の写真でよく分かります。) ずい柱の先端に粘着帯がリップの方に突き出しています。 この形態は色と大きさは違うものの両者とも同じです。 そしてリップの表面はツルツルです。 香りがあるのも両者とも同じ性質です。 inodora は alba ですから斑点はありません。 普通種の inodora には斑点があります。 この斑点は昆虫を引き寄せるのには優位な性質のようです。 alba が希少な理由の一つでしょう。

Stanhopea xytriophora-8245
alba 'Tokyo'-8516


ずい柱には横に薄い膜が広がっています。 都合よく解釈すれば、昆虫を横に逃がさないでずい柱の先端に導くガイドになっているのでしょう。 とは言え全体的にみると、工夫の割にはあまり効率の良い仕掛けとも思えませんが、如何でしょう? 昆虫の密度の濃い環境なのかもしれません。








Quiz 芽は何処から?

Peristeria elata-7027
2014.09.25 Peristeria elata
毎年新しい芽が出ます。 芽が出る成長点は何処にあるのか推測する問題です。 


Peristeria elata-7038
新しい芽は通常バルブの下の方の成長点から出てきます。 写真では見難いのですが、すでに成長点は新芽や花芽が出た跡が見えます。

Peristeria-7033
バックバルブなど、下の方の成長点がなくなると、バルブの上の成長点から芽が出てきます。 a~f までのどの部分から高芽が出る可能性があるでしょうか? 

Peristeria elata-8253
2014.10.17







Stanhopea inodora f. alba リップが超スベスベです。

台風18号が近づいてきました。 関東地方には6日午後に最接近しそうです。 進行方向が早めに東方向に向いてくれれば有難いのですが。 10月の台風ですから近づいたところで、急速に勢力は弱まるでしょうが、とりあえず外のランを温室に取り込みたいと思っています。
Stanhopea inodora-7181
2014.09.28 Stanhopea inodora f. alba
受粉の仕組み、ワナを想像してみて下さい。 リップの表面はものすごくスベスベです。 このリップは形は大きく凹凸もありますが、垂直ですからこれにつかまり留まることはできません。

Stanhopea inodora-7221
リップとずい柱の間を羽ばたきながら、飛び回るうちに粘着帯に触れることになると想像できます。 飛び回るというより、リップの方を向いて、降りて行くうちに粘着帯の先端に背中が触れて、花粉塊をくっ付けることになるのではないかと想像しています。 リップから伸びた腕が横方向の動きを制限しているのではないでしょうか?

Stanhopea inodora-7224
自生地で観察してみたいものです。
リップの方を向かせるひと工夫があると面白いのですが。





月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード