2013年06月09日
台湾の呉今日中から福島への手紙 1
『台湾風俗誌』の著者、片岡巌の曽孫さんが、2011年11月、台湾の呉慶年教授から、福島への手紙を託されました。
引用元(御本人に了承を得ました)
http://blog.goo.ne.jp/randomnote/e/68eb3430c71b0dd0aef884186a625f72
武士道精神を以って脱核を推進しよう。
――2011年「反核燃」青森集会に寄せて――
呉慶年( 台灣環境保護連盟学術委員)
3月11日、強震、津波、原発災害が同時に日本東北地方を席巻してから、一月に満たない今、同じ東北の青森で2011年「4・9反核燃の日」全国市民集会が挙行されるに際し、同じ環太平洋地震帯にあり、同型原発の災害脅威にさらされている台灣から、核燃サイクル政策転換へ向け、たくましく奮闘される皆様にご挨拶申し上げます。
私はかつて2000年の「反核燃」5000人集会に参加する光栄に浴した者ですが、大会前日の記者会見で7社を超える記者たちが出席、熱心な問答を交わしたのを見て、新世紀の幕開けにメディアと世論が核燃サイクル(核エネルギー発電とその前後の核燃料製造再生、核廃棄物処理を含む)問題や代替エネルギーに対する多大な関心に強い感銘を受けました。
しかし今回の青森集会は、折しも、3月28日に菅首相が国民に「東日本全壊」の最悪事態可能を警告するような巨大災害の真っ最中とて、特に重大な時代意識があります。当初IARAは福島第一原発事故を第4級と軽く評定したが、3月13日の台湾公共テレビで私は災害発展の重大さを指摘し、必ずスリーマイルの第5級を超えるだろうと発言した折、案の定間もなく第5級を過ぎエスカレートして第6級に。これはチェルノブイリの第7級に次ぐ大事故です。冷却失敗に伴い、炉中及び使用済み燃料棒から出た放射能は、陸海、農作物、水産物および水道水を汚染し、さらに遠く欧米でI-131,Cs-137等が検出され、恐核、反核及至廃核の声浪が全文明世界に広がっています(特にドイツでは1日の内に25万人がデモして既存原発17基の廃炉を要求し、また連邦の重要な一邦で緑の党の首相が選出されました。
日本もこの千載一遇の不「幸」機に、世界潮流に順応し、一歩大きく踏み出して脱核(原発+核燃)への推進を成功させましょう。将来いつの日か、芭蕉の「奥の細道」を巡って、福島原発厰と六ヶ所核燃処理厰の廃墟を訪れるであろう旅人は、きっと感極まって、東北詩人土井晩翠の作詞、滝廉太郎作曲の「荒城の月」(城を厰に変えて)
今荒厰の夜半の月、変わらぬ光誰がためぞ。
垣にお残るはただかつら、松に歌うはただあらし
天上影は変わらねど、栄枯は移る世の姿。
映さんとてか今もなほ、ああ荒厰の夜半の月。
を唱って憑弔の意を捧げるでしょう。更に平家物語の冒頭詞、
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す
奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢の如し
猛き者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ
にしんみり思いを馳せるかもしれません。
(続く)
引用元(御本人に了承を得ました)
http://blog.goo.ne.jp/randomnote/e/68eb3430c71b0dd0aef884186a625f72
武士道精神を以って脱核を推進しよう。
――2011年「反核燃」青森集会に寄せて――
呉慶年( 台灣環境保護連盟学術委員)
3月11日、強震、津波、原発災害が同時に日本東北地方を席巻してから、一月に満たない今、同じ東北の青森で2011年「4・9反核燃の日」全国市民集会が挙行されるに際し、同じ環太平洋地震帯にあり、同型原発の災害脅威にさらされている台灣から、核燃サイクル政策転換へ向け、たくましく奮闘される皆様にご挨拶申し上げます。
私はかつて2000年の「反核燃」5000人集会に参加する光栄に浴した者ですが、大会前日の記者会見で7社を超える記者たちが出席、熱心な問答を交わしたのを見て、新世紀の幕開けにメディアと世論が核燃サイクル(核エネルギー発電とその前後の核燃料製造再生、核廃棄物処理を含む)問題や代替エネルギーに対する多大な関心に強い感銘を受けました。
しかし今回の青森集会は、折しも、3月28日に菅首相が国民に「東日本全壊」の最悪事態可能を警告するような巨大災害の真っ最中とて、特に重大な時代意識があります。当初IARAは福島第一原発事故を第4級と軽く評定したが、3月13日の台湾公共テレビで私は災害発展の重大さを指摘し、必ずスリーマイルの第5級を超えるだろうと発言した折、案の定間もなく第5級を過ぎエスカレートして第6級に。これはチェルノブイリの第7級に次ぐ大事故です。冷却失敗に伴い、炉中及び使用済み燃料棒から出た放射能は、陸海、農作物、水産物および水道水を汚染し、さらに遠く欧米でI-131,Cs-137等が検出され、恐核、反核及至廃核の声浪が全文明世界に広がっています(特にドイツでは1日の内に25万人がデモして既存原発17基の廃炉を要求し、また連邦の重要な一邦で緑の党の首相が選出されました。
日本もこの千載一遇の不「幸」機に、世界潮流に順応し、一歩大きく踏み出して脱核(原発+核燃)への推進を成功させましょう。将来いつの日か、芭蕉の「奥の細道」を巡って、福島原発厰と六ヶ所核燃処理厰の廃墟を訪れるであろう旅人は、きっと感極まって、東北詩人土井晩翠の作詞、滝廉太郎作曲の「荒城の月」(城を厰に変えて)
今荒厰の夜半の月、変わらぬ光誰がためぞ。
垣にお残るはただかつら、松に歌うはただあらし
天上影は変わらねど、栄枯は移る世の姿。
映さんとてか今もなほ、ああ荒厰の夜半の月。
を唱って憑弔の意を捧げるでしょう。更に平家物語の冒頭詞、
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す
奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢の如し
猛き者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ
にしんみり思いを馳せるかもしれません。
(続く)