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September 27, 2015

マリ、ニームプロジェクト ニームオイルの撒布に立ち会って

撒布に立ち会う

7月1日から、毎週2回、マリ共和国の地方都市、セグー近郊のMarabougou村でニームオイル水溶液の撒布を行い蚊の発生を抑え、マラリアの発病を減らす実験を続けている。ちょうど11月末までの中間となる9月13日(第20回)と16日(第21回)にMarabougou村を訪れ、撒布に立ち会った。たまたま100kmほど離れたFana周辺で植林のための苗の普及活動をしている日本のNGO、「サヘルの森」の榎本さんも都合がついたので見学に来てくれた。

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13日は、3人で1チームをつくり、3チーム計9人が撒布を行った。すべて若者で、男女半数ずつだ。撒布のためにニームオイルの原液を水で50倍に薄めて手動のポンプに入れる。準備ができるまでの間に、雨水がたまって村の中に出来ていた10m四方ほどの池にニームの実の殻を実験的に撒いた。
各チームは手分けして、村の全戸を回り、手動でレバーを上下させ、内側の土壁に、ニーム液を吹きかけていった。蚊帳のある部屋も多く、その上にも吹きかけていた。一方、排水溝のふたを開け、汚水の中に砕いたニームケーキをひとかけらずつ入れていく。この村の排水口には、コンクリートできれいな浄化槽が作られていた。すべての部屋への撒布が終わると今度は羊やロバなどの家畜の住処への撒布が行われた。この日に約2Lのニームオイルから100Lのニーム溶液を作り、1時間30分ほどで撒布した。

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ニーム撒布の効果

その後、村にいた人が集まり、ニーム撒布についての意見交換を行った。村人の話からニーム撒布の効果について
● 撒布した日と翌日は部屋の中から蚊がいなくなった。3日目になると少し出てくるが、昨年と比べると明らかに蚊の数は減っている。
● 家の中だけでなく、家の庭で宵のうちに炊事などを行うが、そこでも蚊の状況は室内と変わらない。
● 夜、村の広場で村人が集まって時を過ごすが、そこでは蚊の減少は見られない。子供も親に同伴している。
ニームの効果はあるようだが、夜、子供を連れて蚊のいる広場で時間を過ごしているので、その時に蚊に刺されることは避けられない。その対策を考えるべきだろう。部屋の中や庭ではニームの効果で、蚊が減っているので刺される機会は減少しているはずである。3日目に蚊が出てくるので、撒布頻度を週2回から3回に増やせればさらに効果は高まるだろう。

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自分たちだけでも撒布を続けるようになるだろうか?

ニームオイルの製造は難しくはないが、手間ひまはかかる。実を集め、乾燥させ、水に浸して置き、殻をむき、それを砕いて、簡単な機械で圧搾するという工程がある。すでにMr.Sangareは村人を対象に1日だけニーム製造のトレーニングを行っているので、機械を使わずに、オイルを製造することはできるようになっている。
今回は初回で、規則正しく撒布を継続させることを主目的にしているので、Mr. Sangareの機械で製造したオイルを購入し、村人に無料で供給している。効果が明らかでないものを自腹で購入することは難しいと考えたからだ。そのニームオイルの購入コストが月に92.000fcfa(日本円で約2万円)かかっている。
さらに「効果があるかどうかわからないもの」に対し忙しい農作業の時間を割いて、規則的にニームの撒布を行うことは難しいだろうとの判断から、1日一人当たり1500fcfa(約300円)手当を支給している。この経費が12人が8回行うとして、月に144,000fcfa(約3万円)かかっている。

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村人たちがニームの効果をはっきりと自覚した時に果たしてこうした補助なしに、自前でニームオイル、ニームケーキを用意し、手弁当で撒布を行うようになるだろうか?
このプロジェクトは、自分たちの周りにあるタダの材料で、自分たちの労力で蚊を減らし、マラリアを防げるようにすることを目的としている。しかし、村人、とくに老人たちの反応は、援助がずっと続くものだと考えているのか、かなり消極的なものだった。
建材にするために木を切らなければならないので、実を調達することが難しいとか、農作業で忙しく、ニームオイルを作ったり、撒布をするだけの余裕がないなどという発言があった。
こうした意識が、11月末のプロジェクト終了時にどう変化するか、どれだけニーム撒布の必要性、有効性を自分たちのものとしてとらえられるようになるか?ニーム撒布を労力を使うに値するものととらえられるようになるかどうか?それはニームの効果と村人のやる気にかかっている。
プロジェクトとしては、効果があげられるように、きちんと予定した撒布をきちん遂行し、村人にこの実験の結果についてきちんと説明し、来年以降の方針は村人にゆだねるつもりだが、同時に労力を減らす方法も考えていかなければならないと思う。
ニームオイルの製造工程の簡略化あるいはオイルに変わる簡便な方法を考え出せれば、住民の準備にかかる労力は減らすことができる。撒布にしても、ポンプを使わずに各家にニームオイルなどを、配布するだけであとは各家が自分の家と庭に撒くようにすれば、労力の分散ができるだろう。プロジェクトの終了までに住民と話し合いながら方法を考えていくことになる。



蚊帳について

ニーム撒布チームと一緒に、部屋を見て回る。多くの部屋で蚊帳が吊られたままになっていた。すべて、繊維に殺虫剤が塗り込まれているタイプで、2年前から政府によって無料配布されているという。住友化学製のオリセットネットもあった。蚊帳がきちんと張られていれば、就寝中は蚊に刺されることがなく、マラリア原虫への感染も防げるだろう。問題は、夜、子供であっても蚊帳の外で過ごす時間が結構長いことである。その時間に蚊を寄せ付けないために、殺虫スプレーや蚊取り線香やニームが使われる。物理的に蚊をシャットアウトするとともに、空気を虫よけの成分で満たすことが必要がある。蚊帳だけでは不十分なのだ。その際の虫よけとしてニームの優れている点は、人体への悪影響がないとされていることだ。一方、短所としては効力の持続期間が短いこと、においが強いことだ。
蚊帳は使われていたものの、大きな穴がたくさん開いたままになっていたものもあった。穴が開いていては用をなさない。政府はテレビなどで、蚊帳の穴を縫って防ごうと、キャンペーンを始めているそうだが、このプロジェクトにおいても折に触れて村人に説明していく必要がある。

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マラリアは大人の病気ではない?

われわれ外国人にとって、この地域のマラリアは、交通事故と並んで大きな心配だ。発病すれば重症化する可能性があり、手遅れになると死亡することもある。マラリアへの免疫ができていないからだ。しかしここに住んでいる大人は違う。マラリアの発症地域では、大人になるとマラリアに対する免疫ができて、なかなか発病しなくなるそうだ。セグーの病院の診療記録でもマラリアの病人、死亡者のリストに載っているのはほとんど5歳以下の子供、妊婦、老人だという。夜、村の広場に大人たちが集まり、おしゃべりをしている足元で子供たちが遊んでいるという。子供たちを蚊から守ろうとする意識があまりないようだ。大人にとってマラリアは脅威ではないのだろう。子供を保護する意識が低いのはその影響もあるのではないか。
この地域では、大人になるまでに何度もマラリアにかかり、免疫を獲得していく。逆に言えば、完全にマラリアを防いでしまえば、免疫もつかないことになり、大人になって発病するリスクが高まる。その意味では、重症化させないような方法で発症させておく方が長期的にはいいのかもしれない。蚊帳とかニームを使ってそれを実現させるにはどういう方法がいいのだろうか。
16日もニームの撒布に立ち会った。動物の水飲み用の器の水の中にボウフラが泳いでいたので、撒布の対象に追加した。

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