レベルイエール
今回は、ずいぶん前に高円寺のリカーオフさんで買ったレベルイェール。
値段は新品2,200円。
基本的にはなかなか見ないウイスキーだが、ネットでも買えるし、
銀座のBigさんやソクハイさんでも売っている。

バーボンはスコッチに比べ、味の構成が統一されているので難しい。
書きにくいが、それでも多少は経験を積んできたので、
今後は無理を承知で書いてみるか…

このレベルイェール、蒸留所はバーンハイム蒸留所。
バーボンの難しい所は、コーン&新樽が共通で結果、似たような味になることと、
蒸留所とブランドの関係が複雑でわかりにくい点だと思う。

例えば、このバーンハイム蒸留所は、元々はI.W.ハーパーを作った、
ドイツ系移民のアイザック・ウルフ・バーンハイムという人が作った蒸留所だが、
現在は、ヘブンヒル蒸留所の所有となっている。

このヘブンヒル蒸留所、全米屈指の大規模な蒸留所だったのだが、
1996年に落雷による火災で生産中止に追い込まれ、
困ったヘブンヒルがバーンハイム蒸留所を買い取り、
ヘブンヒル・バーンハイム蒸留所としてヘブンヒル関連の商品の生産も行っている、
ということらしい。

なので、現在、バーンハイム蒸留所の原酒を使用しているブランドは、
I.W.ハーパー、ヘブンヒル、エヴァンウィリアムズ、エライジャ・クレイグ、
ヘンリーマッケンナ、ジョンハミルトン、オールドフィッツジェラルド等々。

例えていうなら、山崎蒸留所が火事になったので余市蒸留所を買い取り、
余市蒸留所で作ったウイスキーに「山崎」と名前を付けて売っている、
という感じだろうか。
何が何だかわからんが、バーボンでは珍しいことではないらしい。

話をレベルイェールにもどす。
レベルイェールとは「反逆(抵抗)の叫び」という意味だが、
この反逆(抵抗)とは、アメリカ南北戦争の南軍の抵抗のことで、
江戸っ子が調布出身の新撰組が好きだったり、
「今の政府は薩長の流れ」なんていうのと似た感じかもしれない。

また、ローリングストーンズのキースリチャーズが好きな酒としても有名で、
キースも「アメリカ南部でしか売ってないので入手し辛い」なんて言っているが、
まぁこんな名前の銘柄が、ワシントンやニューヨークで普通に売ってるとは思えないわな。

バーボンとしては珍しくライ麦を使わず、コーンと小麦が主原料。
小麦を使うバーボンとしてはメーカーズマークが有名だが、
他にもオールドフィッツジェラルド、ベリーオールドバートンなどがあり、
どれもスムーズで柔らかく、なめらかな飲み口が特徴である。


グラスに注ぐと、バーボンにしては薄めの琥珀色。

香りは、オレンジやバナナのような甘い香り、蜂蜜。
バーボンでよくある溶剤っぽい匂いはほとんど感じない。

最初に感じる味は、穀物由来と思われる甘みと、樽由来と思われる酸味。
酸味はオレンジなどの柑橘系な印象。
その後、軽くウッディな木の渋み、アルコールの辛さは柔らかい。

後味も、フルーツと穀物の甘み、木の渋み。比較的、余韻は長い。

少し加水すると、甘い香りが強くなるがウッディな香りも同時に強くなる。
味は、なぜかスパイスとアルコールの辛さが強く感じるようになる。

トゥワイスアップまで薄めると、甘い香りは残るが溶剤っぽさも強くなる。
味も木の渋み苦みが強く感じるようになる。
薄めるほどアラが出てくるというパターン。

全体としてはソフトでスムーズ、華やかなバーボン。
同じ小麦使用のフィッツジェラルドゴールドやベリーオールドバートン4年よりも、
多少、上質でまろやかな印象。

なんて書くと「バーボンらしい力強さ」「ワイルドさ」が無いんじゃ?
キースに似合わねぇんじゃ? なーんて思うのは甘い。
ウイスキーは奥が深いのだよw

今まで、それなりに多くのウイスキーを飲んできたが、
これは、初めて唯一「ラッパ飲み」が出来そうなウイスキー。
※もちろんやりませんが

ワイルドなロッカーが、ステージ上で、テイスティンググラスで
ちびちび舐めるように味わうとか、
バーボンボトルとミネラルウォータのペットボトルを両手に持って、
薄めながら飲むとか、まぁ、あり得ないでしょ?

同じように小麦を使っているメーカーズマークは、
若干味の厚みがあり樽感も強く、意外に刺激も感じるが、
ロッカーご用達のジャックダニエルは、ライ麦を使っている割には、
ろ過に特徴があるせいか、まろやかでスムーズ。

ラッパ飲みこそしないとしても、ストレートをショットグラスで飲むには、
このレベルイェールとかジャックダニエルが飲みやすいと思う。
ターキーをラッパ飲みするするのは花山薫くらいだろう。
 
※そういう飲み方は咽頭がんや胃がんのリスクが高いらしいのでやめましょう。

このレベルイェール、人間に例えるとキースリチャーズ(ちょい小並感)。
ギタリストとしては、クランプトンやジミーペイジなどより評価が低いが、
破天荒なエピソードなどで存在感では負けない。