葉桜悟郎のアジモノzanmai

ウイスキー素人のウイスキー勉強ブログです。

サントリーリザーブ
今回は、久しぶりのサントリー、白州や白角がわりと美味かったので、
白州をキーモルトとしているリザーブを買ってみた。
これもこの4月に値上げだが、なんとか税抜き1,800円ちょいで買えた。

このリザーブは、サントリー創設者、鳥井信治郎の後を継いで社長となった
鳥井の次男、佐治敬三が、1970年に開催される大阪万博に向けて、
海外からやってくる多くの人たちに対し「世界に通用するウイスキー」として、
1969年に発売されたブランド。
そんな訳で、サントリーの今も残っているブランドしては、
トリス、角瓶、オールドに次ぐロングセラーなのだが……

現在のブランドサイトを見ると、キーモルトは白州となっているが、
白州蒸留所が完成したのは1973年。
発売当時は山崎蒸留所しかないので、ブランドは同じなのに、
いつの間にかキーモルトが変更になっているらしい。

スコッチでも、蒸留所が買収されるなどでキーモルトが変更されることはあるが、
それでもキーモルトがスペイサイドだったものがハイランドに変更とかはありえないし、
そもそもスコッチの場合、25種類とか40種類とかのモルトをブレンドしているので、
1つ2つのモルト原酒が変わっても影響はそれほど大きくないかもしれない。

ニッカの場合では、昨年の初号復刻版3種を飲んでみた限りでは、
現行版もキーモルトは同じ余市で、味わいも方向性は近いと感じられた。

蒸留所が少ない上に、ウイスキーの関税が高くて、
そう多くのモルトをブレンドで使用できない日本では、
キーモルトを変更すれば、全く別物になるはずである。

要するに、名前が同じであれば中身はどうでもいいということで、
日産は、R30スカイラインで「史上最強馬力のスカイライン」だった
4気筒ツインカムターボ搭載車を「GT-R」と名づけなかったのに対し、
トヨタは、名車AE86のモデルチェンジで、
FFのAE92にもレビン・トレノを名乗らせたのと同様な、
よく言えばマーケティング重視、悪く言えば無節操なブランド管理だろう。

まぁ、とりあえず飲んでみよう。
グラスに注ぐと少し赤みがかった琥珀色。

白州モルトで特徴的な、マスカットを思わせるフルーツの香りは、
よく探さないと感じられない白角よりわかりやすいが、
この価格帯のとしては、香り自体が少なく弱い。

味も、酸味やフルーティーさは感じるが、
安っぽいアルコールの刺激が強く、ストレートでは飲みにくい。
スモークは全く感じられず、ヨードっぽさがほんの少し。

加水すると、フルーティな香りは若干強くなり、
味もアルコールが引っ込み甘みが増す。

白角よりは若干香りも味も強くなってるが、
倍の値段を出す価値は無い。
これに2,000円以上出すなら、間違いなくいつもの3大銘柄
(ジョニ黒・バラン12年・シーバス12年)を選ぶ。
国産なら、ニツカ・オールモルトの方が上だろう。


なんて書いたが、これは開栓後すぐの印象。
乙山先生も書いておられたが、
このリザーブ、時間経過でかなり味香りが変わる。

香りは、マスカットが引っ込んで、
レーズンやバニラっぽい香りが出てくる。ヨード感も少し。

味は、何故かアルコールが少し丸くなり、
シェリー樽っぽいザラメのような甘さが加わる。
酸味やウッディな渋み苦みも感じられる。

後味もバニラとザラメっぽい甘さがメインだが、
安っぽいグレーン由来と思われる雑味が残る。

味の方向性がオールドや黒角に近くなったように感じるが、
黒角の安っぽいアルコール感やオールドの添加物っぽさは少なく、
それなりに飲める。
なんだかよくわからんが、白州っぽさは少なくなって、
山崎風味、オールドの上質版になってしまった。

ニツカの余市チーム(ハイニッカ・ブラックニッカ・ピュアモルト黒)と、
宮城峡チーム(オールモルト・ピュアモルト赤)のような個性を期待してのだが……。

まぁこの味なら、和食にも合わせられるから食中酒としては悪くないし、
「これが好き」という人がいても、それほどおかしいとは思えない。
(だがオールド・黄角、お前らはダメだ)

しかし、ポリシーの無い作りこみや、相変わらずの安っぽいグレーンの雑味などから、
価格相応とは全く思えない。
何にも知らない人が何の考えもなしに飲むなら悪くないが、
少しでもコダワリがあるとか、いくつかの候補から選ぶ、という人には向かない。 

しかし、サントリー、本当に5,000円以下に本気出さないのは徹底しているようだ。
そのうち、ダメ元で響JHとローヤルも飲んでみよう。

サントリーリザーブ、人間に例えるとショーン・マクアードル川上さん。
中身はなんだかわからないし、いつからそうなのかも分からない。
実力はそれほど低くないようなんだけどねぇ。

オールドパースーペリア
本職の繁忙期で、ネタはわりとあるのに更新できない;;

とりあえず今回は、高円寺のリカーオフで税込み4,000円と、
すげぇ安かったので買ってきたオールドパースーペリアの現行品。

これは、オールドパーの上級版で定価は15,000円(高っ!)、
店頭では7,000円位、ネットショップで6,000円位という、
普段なら絶対買わない代物。

最近、リカーオフでは、オールドボトルだけでは無く、
ちょっと驚くような現行品が出ているので注目している。

このスーペリアもそうだが、
先日だと、ワイルドターキー8年のリッター瓶が1,800円とか、
レベルイエール(キースリチャーズが大好きだというバーボン)が
2,200円とか。
ターキー8年の1リッター50度というコスパに心が動いたが、
とりあえず、他で見たことがないレベルイエールを買ってきたw

話をオールドパーに戻すが、
よくオールドパーはボトルが倒れないので縁起がいい、
なんて言われるが、なんというか、それは違うんじゃなかろうか?

倒れないのではなくで、斜めに立つポイントがいくつかある、
が正しい。
適当に斜めに傾けて偶然立つなんてことは無く、
しっかり斜めに立つポイントを探さないと立たない。

まぁ、「倒れない人」とか「倒れない人生」も、
実はなんとなく倒れないわけではく、
倒れないポイントを見つけられただけで、
そこはこのボトルと同じだから、まぁ問題ないのかw

例によって、パーおじいちゃんの話は、
調べればすぐ出てくるので書かないが、
カッコいい詩を見つけたので引用してみる。

詩人になりたかったら
詩をかかないで
スペイ川の水を飲み
ライ麦パンを喰べて
黒ツグミの歌を歌うこと
カレンダーは果実
そうすれば長生きするし長生きすれば
だれだって詩人になれる
ぼくのことを
パーじいさんなんて呼ぶけれど
ぼくにだって青春はあったのだよ
一〇五歳のときの恋愛はすばらしかったな

田村隆一「夜明けから夢がはじまる」部分


この田村隆一という人は、四六時中酒飲んでいた人らしい。
酒飲んで詩を紡いで、それで生活出来るなんて理想的な人生だなぁ;

ま、非才を嘆いていても仕方がないので飲んでみる。
色は、12年より気持ち薄めな気がする。

香りは強く、例のシャトーバカラに注ぐと部屋全体によい香りが広がる。
レーズン、梨、リンゴ、などの甘みと酸味、
12年よりも強めのスモーク。
それらの香りの要素が複雑に絡み合い統一感があるが、
香りの解像度は高く、ぼやけた固まりになっていない。
例えると、良いオーディオで聞くオーケストラのようなイメージ。

口に含むと、まずリンゴや梨の酸味と甘み、
少し強めのスパイスと木の渋み、
意外にヨード感が感じられ、少しピーティ。
後味はモルトの甘みとフルーツっぽい酸味。
それほど余韻は強くはないが、そこそこ長く続き、
当然というか、さすがに嫌味雑味は感じられない。

甘みやスパイスの起伏は大きくスピードも早いので、
あまり「まろやか」とか「分厚い」という感じは受けない。

12年が、名前の通りこなれた滑らかな印象なのに、
スーペリアは、さらに「切れ味」を加えた感じ。

少し加水すると、甘い香りが開きスモークが引っ込む。
味わいも、滑らかまろやかになるが、意外にヨードっぽさは残る。

同量くらい加水しても、モルト由来の甘さ、ヨード感、
樽由来のウッディさはしっかり残るし、
嫌味雑味も出てこないので、すっきり味わい深い。
ロックでもハイボールでもいけるだろう。

ただ、真骨頂というか最も特徴が出るのは、やはりストレートだろう。

「やはり良いブレンデッドは美味いなぁ」と素直に思える一本。
シングルモルトもいいけど、同じくらいの値段の
いいブレンデッドやバッテッドモルトにも注目してほしいと思う。

オールドパースーペリア、人間に例えると、
ワンパンマンのホワイトファング、バングさん。
まぁ、やたら強いおじいちゃんのイメージ。

ロバートバーンズブレンド
前から興味のあった、2,000円前後シリーズの一つ、
ロバートバーンズ ブレンデッド。
吉祥寺のかめやさんで、税抜き1,980円で購入。
筒形のケースとボトルのラベルがカッコいい。 

「蛍の光」で有名な、スコットランドの国民的詩人、
ロバート・バーンズの名前を冠する、このウイスキーは、
スコットランドの南西に位置するアラン島にある唯一の蒸留所、
アラン蒸留所で作られている。
このブレンデッドの他に、3,500円位のシングルモルトもある。

このアラン島、最盛期は50以上もの蒸留所があったそうだが、
1800年代にはすべて閉鎖され、そこから約160年ぶりにウイスキー作りを再開したのが、
このアラン蒸留所である。

アランは、スコットランドでも珍しい独立系の蒸留所で、作られたウイスキーは、
ほとんどがシングルモルトウイスキーとして出荷されるそうだ。

シングルモルトのアランは店頭でもよく見かけるが、
このロバートバーンズのブレンデッドは、かめやさん以外で見たことがない。
ただし、ネットでは普通に買えそうである。

アラン蒸留所や詩人ロバート・バーンズのことは、書いているとキリがないので、
ここでは書かない。


グラスに注ぐと薄い琥珀色。

ちなみに、ヤフオクでシャトーバカラというタンブラーを買ってみた。
定価だと1つ6,000円位だが約3,000円で落札。
このシャトーバカラシリーズのシンプルすぎるデザインは、
ワインを最高においしく飲むためのフォルムだそうだが、
ウイスキーでも、やたら広い液の表面積とたっぷりした空間、
すぼまった飲み口で、テイスティンググラスより香りはつかみやすい。
ブランデーグラスと似ているが、足がない分オンザロックにも向くので、
ウイスキーを飲むには最適なグラスの一つかもしれない。

香りは意外とスモーキーと潮っぽいヨードの匂い。
フルーツと蜂蜜っぽい甘い匂い。
なかなか香りは強い。

味わいは、強めのスパイス、モルト由来の穀物の甘さ、
フレッシュなフルーツの軽い酸味、
スパイスと香草っぽい軽い苦み、ちょっと強めのスモーク。

後味は穀物の甘さとリコリスっぽい甘さと香り。
余韻は長め。

少し加水すると、ヨードっぽい香りが強くなり、
モルトの甘さとともにスモーキーな感じも強くなるが、
爽やかな感じが強いので、ピーティという刺激的な感じではない。
珍しく同量くらい水を足しても、香りも味もしっかり残っていて崩れない。

バランタインやジョニーウォーカーのような「多くの原酒によるブレンドの妙」という感じはしないが、
長熟のシングルモルト的な複雑さとシンプルさを兼ね備えたような香りと味。
加水した時のえぐみの無さは、かなり良いグレーンを使っていることを感じさせる。
アイランド風のピーティさもしっかり感じるが刺激的ではなく、
シェリー樽要素やバーボン樽要素も感じるがそれらが大きく突出しない。
値段相応に、香り高いとか華やかとか分厚いとか力強いとか、うっとりする余韻とかは少ないが、
非常にバランス良く、欠点を感じない味わい。

これは、明確にジョニ黒・バラン12・シーバス12、3大銘柄の上を行くように思える。

味や香りの構成はシンプルだが上質、イメージとしては響12年に似ているような気もする。
(もちろん、味香りの傾向は全く違うが。あくまでの雰囲気)

値段も手ごろで、味も日本人向き、プレゼントなどにもいいと思う。
スーパーや普通の酒屋で売っていたらいいのに。
やはり生産量が少ないのだろうか?
 
ちなみに、今まで飲んだ2,000円前後だと、
ウェイトローズ8年は、ハイランド的なピーティーさが特徴だが若干荒っぽい、
スコティッシュリーダーは、シェリーっぽさが長所だが安価なシェリー風のえぐさも感じる、
グレンバーヴィーは、軽くて爽やかだがパワーが弱い。
スリーシップスは、ちょっと異質すぎて比べようがないw

ロバートバーンズ ブレンデッド、人間に例えると、上野樹里。
超美人でもグラマーでも演技力抜群でもないが、意外な天才肌。

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