葉桜悟郎のアジモノzanmai

ウイスキー素人のウイスキー勉強ブログです。

グランツ8年
12月に台湾で買ってきたグランツの8年。
値段は389元ということで日本円だと1,500円ちょいといったところ。

台湾ではなぜかグランツのバリエーションが豊富で、
この8年のほかにカスクフィニッシュシリーズの、
エールカスクとシェリーカスクなどが売っていた。

イギリス本国のHPを見ると、8年はラインナップに無く、
台湾を含む一部の地域のみの発売らしい。

しかし、以前書いたプライムブルーもそうだが、
ウイスキーで「台湾限定」とか「ロシアと台湾のみ発売」なんてものが少なくない。

人口も非常に少なく、単純な売り上げでいったら日本などより全然小さい台湾に、
メーカーがこれだけ力を入れるのは、
超巨大市場である中国に対する試験場という意味合いなのだろう。

ディアゴスティーニなどが新商品を発売する際に、
広島や静岡などで先行発売するのと似た考えかも知れない。

そう考えると、台湾はウイスキー好きにとっては非常にありがたい国であり、
もっと台湾のウイスキー情報を共有したいところである。
※っていうか、せっかくネット社会、現地のウイスキー好きからの情報が欲しいなぁ…


封を切ってグラスに注ぐと、ちょい薄めの赤っぽい琥珀色。
匂いは、花の香り、少し石鹸っぽさ。
梨やリンゴのようなフルーツの甘い香り。
スモークやヨードは感じないが、低質アルコールの尖った匂いなどは気にならない。
ただ、値段相応に香りは弱く、上に挙げた香りもよく探さないとわからない。

味はドライフルーツの酸味と穀物由来のカラメルっぽい甘さが一緒に来て、
アルコールの辛さが追いかける。
後味も甘さメインで、ここで木の渋みとほんの少しのスモークとヨード。

安酒の嫌味や刺激は少なく爽やかな飲み口で、
比較的、複雑さ奥行きも感じられる。
ただし、もちろん値段相応に力強さや濃厚さはない。

うーん、まさにファミリーリザーブの8年という感じ。(小並感)
ちょうど、ブラックニッカリッチと8年の関係と似ているような。

ファミリーリザーブよりは間違いなく旨いが、
ジョニ黒など2,000円クラスには敵わない。

一昨年までのジョニ緑のように、特にこれを目的に台湾に行くということは無いし、
ぜひ輸入してほしい、ともあまり思わない……。
12年があれば、ジョニ黒などの良いライバルになる気がする。
ただ、日本でこの値段で売っていたら、普段飲みにはちょうどいいが、
まぁ、ブラックニッカ8年と同じで「メーカーにとっておいしくない」酒だろう。

人間に例えると(人間じゃないけど)フシギソウ(又はカメール)。
フシギダネやゼニガメほどかわいくないし、育てて強いわけでもない、
すっごい微妙なポジション。

とうぜん8年は無いので、定番のファミリーリザーブを…… 

マクリームーア カスクストレングス
台湾で買ってきたグランツ8年(これはこれで美味しいが)は後に回し、
お正月ということで少々奮発して、アランの限定版ピーテッド、
マクリームーア カスクストレングスを取り上げます。
 
値段は6,000円位、買ったお店は銀座のbig GINZA1号店。
世界で6,000本、日本割り当てが300本という貴重品の割には安いし、
知名度が低いせいか、今でもネットなどでなんとか買えるようだ。
すみません; さすがにもう無いみたいです…

最近知ったのだが、新橋と有楽町の中間あたり、外堀通り沿いにある、
このbig GINZAさんと、そこから3本ほど裏通りにある信濃屋銀座店さん、
その銀座方向並びにある酒のソクハイ銀座本店さん、
それぞれ特徴のあるお店で非常に面白い。

信濃屋さんはネットショップもあるので(安いお酒にはちょっと弱いが)、
一つのベンチマークになるようなお店。

ソクハイさんは、余市蒸留所で売っている360mlの「ニッカウヰスキー余市蒸留所」や、
富士御殿場蒸留所で売ってる500mlの「薫風」(フロムザバレルのような瓶)とか、
今となっては珍しいニッカやサントリーの高年代物もたくさんある。(高いけど;)
また、高価なものだけではなく、お気に入りのB&Wが1,300円位と安かったり、
めったに見かけないH&B5年があったりと、安いウイスキーが豊富なのもうれしい。

そして、bigさんでは、ここにしかなかった今回のマクリームーア・カスクと
カミサン用にポールジローのグレープジュースを買ってきた。

この3店と、少し足を延ばして八重洲地下街のリカーズハセガワさんとで、
ウイスキーについては、ほぼ日本最強の地域だろう。

さて、アラン島にあり、カテゴリーではアイランズ系とされるアラン蒸留所は、
本来、ノンピートのモルトウイスキーを生産、ブレンデット用原酒を供給せず、
シングルモルトと自社で発売するブレンデッドのみを販売している珍しい蒸留所。

このアラン蒸留所で、2004年から年間に少量だけピーテッドタイプの
ウイスキーを生産しているが、その原酒を使用して、
2014年から限定発売されているのが、このマクリームーアである。

マクリームーアとは、アラン島の西海岸に広がっているピート湿原のこと。
青銅器時代のストーンサークルや古代遺跡が点在していて、
その中の「フィンガルの大かまど」として知られているストーンサークルの中には、
伝説の巨人戦士フィンガルが巨大な愛犬ブランをつないでいたという、
穴の開けられた巨石が残っているらしい。

で、ボトルラベルのワンコは、このブラン君なのだが、
酒屋情報やウンチクはこのくらいにして飲んでみよう。

色は薄い藁色、
香りはスモーク、ヨード、柑橘系の香り、バタークッキーのような焼いた穀物系の香り。
あと、生ハムのような肉っぽい匂い。これは初めて感じる。 
スモークの香り自体はそこそこ強めだが、数メートル先でも感じるほどではない。

口に含むと、煙っぽさ、ヨードや潮っぽさはもちろんあるが、予想よりは少な目。
液体の重さというか濃さを感じるような穀物系の甘さ、
その後、柑橘系の酸味と木の渋み、スパイス。
後味はドライフルーツと蜂蜜と柑橘を合わせたような甘さがかなり長く続く。

少し加水すると、香りも味も甘さが濃厚に立ってくる。
後味は甘さに木の渋みが少し加わる。
当然といえば当然だが、同量くらいまで加水しても水っぽくならず、
フルーティな香味が楽しめる。

また、ノンチルフィルタードのせいか、加水すると濁りが出てくる。
話には聞いていたが、安い酒がメインな上に薄めて飲まないので、
実際に見るのは初めてw

全体としては、ラフロイグやアードベックのようなガツンとした
スモーク・ヨード(正露丸)ではなく、
また、タリスカーやハイランドパークのような、
潮っぽい角の立った厳しい感じとも違う「柔らかい」ピーティさがある。

アランらしい華やかさやオイリーな感じの上に、上手にピーティーさを加え、
カスクストレングスの力強さもある個性的な逸品。
生産本数はともかく、値段を考えれば十分過ぎるパフォーマンスだろう。

アラン マクリームーア カスクストレングス、人間に例えると、
真田丸の「ラブ様」大谷刑部吉継。
同じような本数の限定版、山崎シェリーカスクほど大物じゃないけど、
義に厚い好漢。しかし、すぐに無くなっちゃう;


カスクストレングスじゃない46度も限定です。
欲しい人はお早めに…

ジョニーウォーカー セレクトカスク ライカスクフィニッシュ
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
今年はもう少し更新の頻度を上げようと思いますが……自信は無いです…

さて、新年最初は台湾で買ってきたお土産、第2弾、
ジョニーウォーカー セレクトカスク ライカスクフィニッシュ。

750mlの46度、773NTドルだから3,000円程度。
ダブルブラックと同じくらいなので、10年表記で46度の限定版としてはまぁまぁ良心的なお値段か。

英国本国の、ジョニーウォーカーのサイトやウイスキー紹介サイトには掲載されているが、
日本語の情報は全く無い。

英国向けの情報によると、このライカスクフィニッシュは2015年の10月に発売され、
これは限定版となるウッドフィニッシュシリーズの最初のもので、
今後数年にわたってリリースされるとのこと。

で、このウイスキーは、スペイサイドのカーデュをキーモルトに、
ファーストフィルのアメリカンオークカスクで10年熟成させ、
その後、ライウイスキーの樽で完成させた、とある。
 
ようするに、バーボン樽熟成の特徴であるバニラ香や甘さにライ麦由来のスパイシーさを加え、
バーボンっぽさをより強調させた?
HPによると、ジョニーウォーカーによるバーボンとスコッチの融合ということらしいが……

グラスに注ぐと、バーボンっぽい赤みがかったオレンジ色。

香りもバーボンっぽいバニラが先に立ち、その裏に軽いスモーク、甘いリンゴっぽいフルーツ。
若いアルコールの消毒液っぽい匂いも少々。
値段相応で、「薫り高い」とか「華やか」というほど強い香りではないが、
キャラクターのある良い香りだと思う。

口に含むと、まずは黒胡椒っぽいスパイス、その後、バーポンっぽいクリーム感とバニラ、
フルーティな甘さも感じる。
後味は、ココナッツと木の渋み、穀物の甘さ。
スモークや潮っぽさは感じない。
フィニッシュは、この値段のブランデッドとしては長めか?

少し加水すると、全く印象が変わるのが面白い。
マスカットのような香り、味はフルーツの甘みと酸味が前面に出てくる。
香木っぽい香りと木の味、蜂蜜っぽい甘さが舌の上に残る。

HPで推奨しているオンザロックを試すと、オイリーな感じとスパイシーさがまろやかになり、
後味も軽くさわやかになるが、香りも弱くなりあまり面白くない。

ストレートでバーボンっぽさを楽しみ、少し加水して香りと味の変化を楽しむのがお勧めか。

全体としては、バーボンのイメージは強いが、紛うことなく「ジョニーウォーカー」。
香りに含まれる軽いスモークと、味でのスペイサイドっぽいフルーティさが個性になっている。
ブラインドで出されてもバーボンとは思わないだろう。多分。

全体として、個性的な良いアプローチのウイスキーだと思う。
何の先入観無しで飲むと、バーボンが苦手な人はダメかもしれないが、
作り手の意図を知っていれば理解できるのではないだろうか?

しかし、毎回書いているが、このライカスクフィニッシュのような、
個性的で高品質、安価なブレンデッドをもっと日本国内で売ってほしいなぁ。
高価なシングルモルトの方が売れて儲かるから仕方ないのか……

このジョニーウォーカー セレクトカスク ライカスクフィニッシュ、
人間に例えると、スティング。

もうお分かりですよね。
I’m an alien, I’m a legal alien 
I’m an Englishman in New York~~

そもそも、アメリカでは売ってるのだろうか。 

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