
2か月ぶりの更新になってしまった……
やはり、仕事が激変すると書けないな;
久しぶりの更新はジャパニーズ。
ブラックニッカのクロスオーバーをメインに、
2016も2017も飲んでいますが書けなかったブレンダーズスピリッツも。
それぞれのウンチクはニッカのブランドページを見て下さい。
グラスは、最近のメイングラス、
浅草のグラス&バー用品専門店「創吉」さんで買ってきた、
ルイジボルミオリのショットグラス、ウイッチオールド5oz。
バカラのような鉛の入ったクリスタルガラスほどでは無いが、
普通のソーダガラスよりは全然美しい。
大きさもウイスキーにちょうどいいし、何よりも800円程度と値段が激安w
まずは、余市ヘビーピート原酒と宮城峡シェリー樽原酒をブレンドしたという
クロスオーバーから。
正露丸というほどでは無いが、ヨードや溶剤、
焦げ臭いような薬っぽい匂いと、蜂蜜のような濃い甘い匂い。
柑橘とリンゴの中間のようなフルーツの匂いも少し。
瓶の裏にも書いてあるバニラは感じないと思う。
全体としては香りは強め、クセはあるが個性的なよい香り。
口に含むと、まず穀物とシェリー樽由来と思われる、
モルティな濃い甘さを感じるが、その後すぐにヨードっぽさとスパイス、
木の渋み苦みがザッと入ってくる。
若いというか、サ○トリー的というか甲種焼酎のような、
質の低そうなグレーンのえぐみがわりと強い。
スモーク感は意外に少なく、後味にほんのり感じる程度。
後味のスモークは、軽いリコリスの甘さと共に、それなりに長く残る。
うーん、個性的だし、安っぽさも許せる範囲?だが、
どうも、焦げっぽさや甘苦さの「ブラックニッカらしさ」がわざとらしい。
ディープブレンドの高級版??
なんで、これほど「ブラックニッカ」押しなんだろうか?
G&Gのニューバージョンでもいいだろうし、
全く新しいブランドを立ち上げてもいいだろう。
もっと言えば、白角や響JHのように、
全然ブラックニッカらしくない「ブラックニッカ」にしてもいいのではないか?
(クリアや8年は甘苦いブラックニッカ的な表現は薄いと思う)
ブレンダーズスピリットは、ブラックニッカの集大成ということで納得できるが、
近い時期に近い値段の、このクロスオーバーはかなりイマイチ。
これなら、間違いなくジョニ黒を買う。
次にブラックニッカ60周年記念として、60年もの余市原酒や、
17年以上熟成の西宮工場製カフェグレーンが使われているという
ブレンダーズスピリッツ。
傾向としてはクロスオーバーと同じ方向だが、薬っぽさが少なく、
焼き菓子やフルーツのような甘い香りが強い。
その奥に、強くは無いがはっきりとしたスモーク。
シェリー樽由来の硫黄っぽい匂いも少し。
味は、モルト感の強い甘さの後、ウッディな渋み苦み。
ここでも硫黄っぽさは感じる。
後味は、それほど強くは無いスモーク感と、軽い木の渋み、
上質なフランスパンのような甘みが舌の上に残る。
さすがに評価が高いだけのことはある。
ブラックニッカのアイデンティティらしい、焦げたような甘苦さはあるが、
全体としては竹鶴17年を思わせる香りと味。
ネットで言われている、2016年版と2017年版の違いは、確かにあるように感じた。
基本、ウイスキーは工業生産物のように全く同じものは作れないものだが、
例えば、ジョニ黒やオールドパーなどは、2~3年の違いによる味の違いは分析不能だが、
今回のブレンダーズスピリッツでは素人でもわかる気がする。
これは多分、原酒の種類の少なさが原因だろう。
ただ、それは大きな違いでは無いし、どっちがいい、いうようなものでは無いと思う。
まぁラーメン二郎各店の、日々の「ブレ」みたいなものだろう。
ブレンダーズスピリッツ、人間に例えると野村萬斎。
古い伝統を上手に現代に生かしている。
クロスオーバーは、いわゆる「主役級豪華共演の映画」、人間じゃないけど。
最近だと「名探偵コナンVSルパン三世」とか、昔だと「エイリアンVSプレデター」とか
大昔だと「マジンガーZ対デビルマン」、「仮面ライダー対ウルトラマン」とかw
ウイスキーでも、安酒のアラを隠すために若干スモーキーにしている、
ティーチャーズやベル、グラウスなどはともかく、
ブラックボトル、ブラックグラウス、アイラミストなど、
中価格帯ブレンデッドではイマイチとなることが多いように思う。
この辺で成功しているのは、ジョニ黒やダブルブラックくらいか。
それ以上の価格帯だと、アイラのシングルモルトやヴァッデッドの方がいい、となる。
まぁ、スコッチでさえ難しいものを、たった2つの蒸留所で何とかしようというのが、
所詮無理な話。
逆に言えば、ブレンダーズスピリッツのように、ほんの少しでも長熟原酒のような
「飛び道具」を使えばなんとかなることが証明された格好だ。
ただ、仮面ライダーオーズの松平『暴れん坊将軍』健が出ている「将軍と21のコアメダル」、
三船敏郎が出ている「座頭市と用心棒」などは例外的によかった。
やはりこの手は、居直って無茶苦茶な話にするか、
岡本喜八とか若尾文子とか岸田森とかのような「飛び道具」を使うしかないのだろう。
今後、クロスオーバーはもう買わないが、ブレンダーズスピリッツは買い足したい。