2025年01月18日 18:30
骨と肉というタイトル、よんでそのまま「骨肉」ということで、その意味は親子とか兄弟姉妹のような血縁関係のことです。
辞書的な意味でも情意的ないみでも違った捉え方はあると思いますが、この作品においては、上記のような意味合と考えてもらって間違いありません。
物語は、刑事である主人公の武瑠(タケル)のもとに殺人事件の報が入るところから動いていきます。
そして、間髪置かず翌日に同一手口の殺人が報告され、その深刻さが捜査陣に重くのしかかってきました。
やがて、その事件が13年前未解決に終わった連続殺人事件をなぞったものだということが分かってきて余計に深刻さが理解されてきます。
猟奇的な死体の印象もそうですが、被害者の二人に関連性がないことも共通していて、捜査は行き詰まります。
そんななか、タケルの幼馴染にして親戚の願示(ガンジ)からガンジの弟の手記が持ち込まれるわけですが、その内容にタケルは戦慄を覚えました。
そしてその先はマジで骨肉の物語です。
ミステリを読みなれたヒトにはかなり早めの段階で犯人を言い当てられるとは思いますが、それだけではない、家族間のドロドロの感情の動きが大変。
おそらくこの作品の見せ場はこの部分だと思いますので、詳しいことは控えますが、ドロドロというよりも相当トチ狂った感じの妄執が相当大変です。
なのに!
その大変なドロドログダグダの末に、不思議なくらいにふんわかとした感情に浸れます。
ミステリ要素を求めているひとには今一つかも知れませんが、サスペンス要素を楽しめる人にはかなりいい本です。
これだけ現代的な要素の中に猟奇的な家族のドロドロを落とし込めるのはすごいことだとおもいますよ。
・骨と肉
辞書的な意味でも情意的ないみでも違った捉え方はあると思いますが、この作品においては、上記のような意味合と考えてもらって間違いありません。
物語は、刑事である主人公の武瑠(タケル)のもとに殺人事件の報が入るところから動いていきます。
そして、間髪置かず翌日に同一手口の殺人が報告され、その深刻さが捜査陣に重くのしかかってきました。
やがて、その事件が13年前未解決に終わった連続殺人事件をなぞったものだということが分かってきて余計に深刻さが理解されてきます。
猟奇的な死体の印象もそうですが、被害者の二人に関連性がないことも共通していて、捜査は行き詰まります。
そんななか、タケルの幼馴染にして親戚の願示(ガンジ)からガンジの弟の手記が持ち込まれるわけですが、その内容にタケルは戦慄を覚えました。
そしてその先はマジで骨肉の物語です。
ミステリを読みなれたヒトにはかなり早めの段階で犯人を言い当てられるとは思いますが、それだけではない、家族間のドロドロの感情の動きが大変。
おそらくこの作品の見せ場はこの部分だと思いますので、詳しいことは控えますが、ドロドロというよりも相当トチ狂った感じの妄執が相当大変です。
なのに!
その大変なドロドログダグダの末に、不思議なくらいにふんわかとした感情に浸れます。
ミステリ要素を求めているひとには今一つかも知れませんが、サスペンス要素を楽しめる人にはかなりいい本です。
これだけ現代的な要素の中に猟奇的な家族のドロドロを落とし込めるのはすごいことだとおもいますよ。
・骨と肉
2024年12月28日 18:00
たまたまYouTubeのおすすめに出てきた髭男の「same blue」という曲を聞いてみたのがきっかけでした。
とても琴線にくる曲だったので、その曲を主題歌につかっているというあにめ「」をで見てみるわけです。
そして、一気にはまってアップされている話数をあっという間に制覇してしまいました。
same blueと言う曲はとにかく美しいメロディーと奇想天外な構成が楽しい曲です。
いわゆるミディアムテンポのバラードに属すると思うのですが、ボーカルを煽り気味に叩いてくるドラムの手数の多さで疾走感が印象付けられています。。
そして、例によって「えっ、そのメロのあとにこういう風に展開するのかよ!!」って感じのあの髭男ならではの想定外な曲がとてもたのしい。
もちろん、詞も美しくて、その美しい詞を語るボーカルと激しい演奏をする楽器隊がまるで別のバンドのようでもあり、なのになぜか全部が上手くはまっていて気持ちよく聞けるのがすばらしいとおもいました。
それで何度か聞くうちにこれをOP主題歌にしているアニメってどんなものなんだろうという興味から、アマプラで配信されている話数を見てみました。
まず最初の感想として「これ、本当にジャンプで連載している作品なのか?」ってとこ。
あまりにも繊細で微妙な気持ちの動きを追っていて、それがまだるっこしいようなドキドキするような、とても友情・努力・勝利というジャンプ理念とは違うなにかを感じてしまいました。
たしかに友情も努力も描かれていますから、大きく外れてはいないのでしょうけれど、これまでのジャンプ作品、とくにアニメ化されるような人気作とは違うベクトルを感じるのです。
物語は主人公の大喜の家に、両親の海外赴任でひとり日本にのこってバスケに打ち込むことを決意した千夏先輩が引っ越してくるところからはじまります。
そして、その千夏先輩は、大樹がかねてからあこがれていた女性でもありました。
現在アマプラに上がっているのは12話までです。
この段階ではまだ、底抜けに善人である大樹と自分を抑えている(風に見える)千夏先輩の関係はまだ直接的な描写はすくないのですが、明らかに先輩後輩とか友人とかいう線引きのギリギリに立っている感じがします。
このギリギリの線の上で揺れ動く感情がたまらんのですよ。
間違いなくお互いを意識し合い、なにかのきっかけがあれば感情があふれだしそうな、そんな危険な匂いがするヒリヒリとした展開が毎回続いています。
とにかく一直線ながらいつも手前でブレーキを踏んでしまう大喜と年上の余裕がなくなりつつある揺れ動く千夏先輩がいずれくっつくのは明らかなんですが、その過程が切なくて愛おしいんですよね。
千夏先輩のアップから始まるOP映像もとても美しい仕上がりです。
YouTubeでもアップされていますから、このOPだけでも見ていただけたら幸いです。
はじめ、不安定な視点で見ていた千夏先輩が、徐々に中央に安定した位置に固定されるようになっていくあたり、これが大喜の視点なんだろうなと思えるところも好きだなあ。
とても琴線にくる曲だったので、その曲を主題歌につかっているというあにめ「」をで見てみるわけです。
そして、一気にはまってアップされている話数をあっという間に制覇してしまいました。
same blueと言う曲はとにかく美しいメロディーと奇想天外な構成が楽しい曲です。
いわゆるミディアムテンポのバラードに属すると思うのですが、ボーカルを煽り気味に叩いてくるドラムの手数の多さで疾走感が印象付けられています。。
そして、例によって「えっ、そのメロのあとにこういう風に展開するのかよ!!」って感じのあの髭男ならではの想定外な曲がとてもたのしい。
もちろん、詞も美しくて、その美しい詞を語るボーカルと激しい演奏をする楽器隊がまるで別のバンドのようでもあり、なのになぜか全部が上手くはまっていて気持ちよく聞けるのがすばらしいとおもいました。
それで何度か聞くうちにこれをOP主題歌にしているアニメってどんなものなんだろうという興味から、アマプラで配信されている話数を見てみました。
まず最初の感想として「これ、本当にジャンプで連載している作品なのか?」ってとこ。
あまりにも繊細で微妙な気持ちの動きを追っていて、それがまだるっこしいようなドキドキするような、とても友情・努力・勝利というジャンプ理念とは違うなにかを感じてしまいました。
たしかに友情も努力も描かれていますから、大きく外れてはいないのでしょうけれど、これまでのジャンプ作品、とくにアニメ化されるような人気作とは違うベクトルを感じるのです。
物語は主人公の大喜の家に、両親の海外赴任でひとり日本にのこってバスケに打ち込むことを決意した千夏先輩が引っ越してくるところからはじまります。
そして、その千夏先輩は、大樹がかねてからあこがれていた女性でもありました。
現在アマプラに上がっているのは12話までです。
この段階ではまだ、底抜けに善人である大樹と自分を抑えている(風に見える)千夏先輩の関係はまだ直接的な描写はすくないのですが、明らかに先輩後輩とか友人とかいう線引きのギリギリに立っている感じがします。
このギリギリの線の上で揺れ動く感情がたまらんのですよ。
間違いなくお互いを意識し合い、なにかのきっかけがあれば感情があふれだしそうな、そんな危険な匂いがするヒリヒリとした展開が毎回続いています。
とにかく一直線ながらいつも手前でブレーキを踏んでしまう大喜と年上の余裕がなくなりつつある揺れ動く千夏先輩がいずれくっつくのは明らかなんですが、その過程が切なくて愛おしいんですよね。
千夏先輩のアップから始まるOP映像もとても美しい仕上がりです。
YouTubeでもアップされていますから、このOPだけでも見ていただけたら幸いです。
はじめ、不安定な視点で見ていた千夏先輩が、徐々に中央に安定した位置に固定されるようになっていくあたり、これが大喜の視点なんだろうなと思えるところも好きだなあ。
2024年12月18日 17:30
「この素晴らしい世界に祝福を!」で異様な存在感を放っていた「見通す悪魔バニル」を主役に据えた原作者暁なつめさんご自身によるスピンオフ作品です。
はじめのうちは、ちょっと違和感を感じるかもしれませんが、所々出てくる本編のメインキャラを揶揄する発言など思わず笑ってしまう場面が多々あり、10ページも行かないうちに馴染んできました。
収録された物語は5つの短編とエピローグが1つ。
あまりにも赤字を出しまくる貧乏店主の補填をするために新しいビジネスとして「相談屋」を始めるきっかけとなる、はじめてのお客様が紅魔族のボッチ、ゆんゆんのボッチ解消作戦w
本編内でゆんゆんが最近バニル、ダストと一緒にいるのを見かけることが多いという、あの謎のカズマの言葉の解答がここにありました。
そうか、そういうことだったのか!
って感じ。
次は王都のアイリス王女がチリメンドンヤの孫娘「イリス」と身分を偽って(実はバレバレ)アクセルに訪れ、何を勘違いしたのかカズマの語った水戸黄門をなぞって、「ご老公」と成りすまし世直しをしようというよく分からない話。
ここでバニルはお調子者の「ハチベエ」を命じられ(高額報酬アリ)、クレア、レインが扮する助さん角さんと4人でアクセルの街を練り歩きます。
アイリスの目的は、アクセルの街で事件を納めて名声をあげ、カズマに存在をアピールすることです。
しかし、平和でのんきでちょっと狂っているアクセルの街では大した騒ぎには行きあたりません。
せいぜいダストのナンパ(迷惑行為)程度のもので、明らかに不審な爆裂音などは誰一人騒いでいません(バニル曰くアクセルの風物詩)。
そんななか、例のクソ領主の血縁というアウリープ男爵と言う下司が町娘を手籠めにしようとしている場面に遭遇します。
ここからバニルの破竹の大活躍が始まるのです。
所々出てくる主要メンバーのエピソードとかもそうとう笑えます。
三つめはなんと!
バニルが冒険者ギルドの受付嬢?をするという話。
これは最初から最後まで面白いので、もし興味が湧いたならぜひともご一読をw
このエピソードでの目玉は、バニルの言葉に右往左往するウィズやゆんゆんをはじめとした街の冒険者たちと、普段感じのいい受付のお姉さんことルナさんの本音の吐露です。
四つ目の話は、いかにもこのすば!というガチャガチャした展開から、いつもの感じになるお話です。
アクセルの街に悪辣な警備詐欺集団がはびこっているなか、勘違いしたアクアが余計なことをして、最終的にカズマに叱られて泣き叫ぶという、なんともいい感じw
そして最後はウィズがリッチーにになったころを回想する話です。
度々本編で語られる「氷の魔女」と呼ばれたころのウィズの姿が描かれます。
イケイケの武闘派だったころのウィズにはちょっと違和感ありますけど、当時はまだ爆裂魔法を覚えていなかったようですね。
ウィズにとってはドレインタッチありきなのかもしれませんね。
そして、当時から仕入れの間抜けさが飛びぬけていた描写もあり、能力はあるのになんとなく間抜けなところもあったりと、現在のウィズを髣髴とさせるものも多々ありました。
リッチーになる決断を下す理由もウィズらしいし、それを受け入れるバニルも実にいい。
個人的にはバニルとの決戦でそうなったのかな、と思っていたのですが、きっかけはよりによって、「こっち来いよ!」でお馴染みのベルディアだったというのが意外でした。
でも、この短編集で一番楽しかったのはこのすば本編とは別視点でアクセルの街を見渡せたところでしょうか。
とくに、バニルやルナさんのカズマに対する捉え方がパーティーリーダーと言うよりも、狂犬、変態、駄女神の保護者というところ、さいこーでっすw
はじめのうちは、ちょっと違和感を感じるかもしれませんが、所々出てくる本編のメインキャラを揶揄する発言など思わず笑ってしまう場面が多々あり、10ページも行かないうちに馴染んできました。
収録された物語は5つの短編とエピローグが1つ。
あまりにも赤字を出しまくる貧乏店主の補填をするために新しいビジネスとして「相談屋」を始めるきっかけとなる、はじめてのお客様が紅魔族のボッチ、ゆんゆんのボッチ解消作戦w
本編内でゆんゆんが最近バニル、ダストと一緒にいるのを見かけることが多いという、あの謎のカズマの言葉の解答がここにありました。
そうか、そういうことだったのか!
って感じ。
次は王都のアイリス王女がチリメンドンヤの孫娘「イリス」と身分を偽って(実はバレバレ)アクセルに訪れ、何を勘違いしたのかカズマの語った水戸黄門をなぞって、「ご老公」と成りすまし世直しをしようというよく分からない話。
ここでバニルはお調子者の「ハチベエ」を命じられ(高額報酬アリ)、クレア、レインが扮する助さん角さんと4人でアクセルの街を練り歩きます。
アイリスの目的は、アクセルの街で事件を納めて名声をあげ、カズマに存在をアピールすることです。
しかし、平和でのんきでちょっと狂っているアクセルの街では大した騒ぎには行きあたりません。
せいぜいダストのナンパ(迷惑行為)程度のもので、明らかに不審な爆裂音などは誰一人騒いでいません(バニル曰くアクセルの風物詩)。
そんななか、例のクソ領主の血縁というアウリープ男爵と言う下司が町娘を手籠めにしようとしている場面に遭遇します。
ここからバニルの破竹の大活躍が始まるのです。
所々出てくる主要メンバーのエピソードとかもそうとう笑えます。
三つめはなんと!
バニルが冒険者ギルドの受付嬢?をするという話。
これは最初から最後まで面白いので、もし興味が湧いたならぜひともご一読をw
このエピソードでの目玉は、バニルの言葉に右往左往するウィズやゆんゆんをはじめとした街の冒険者たちと、普段感じのいい受付のお姉さんことルナさんの本音の吐露です。
四つ目の話は、いかにもこのすば!というガチャガチャした展開から、いつもの感じになるお話です。
アクセルの街に悪辣な警備詐欺集団がはびこっているなか、勘違いしたアクアが余計なことをして、最終的にカズマに叱られて泣き叫ぶという、なんともいい感じw
そして最後はウィズがリッチーにになったころを回想する話です。
度々本編で語られる「氷の魔女」と呼ばれたころのウィズの姿が描かれます。
イケイケの武闘派だったころのウィズにはちょっと違和感ありますけど、当時はまだ爆裂魔法を覚えていなかったようですね。
ウィズにとってはドレインタッチありきなのかもしれませんね。
そして、当時から仕入れの間抜けさが飛びぬけていた描写もあり、能力はあるのになんとなく間抜けなところもあったりと、現在のウィズを髣髴とさせるものも多々ありました。
リッチーになる決断を下す理由もウィズらしいし、それを受け入れるバニルも実にいい。
個人的にはバニルとの決戦でそうなったのかな、と思っていたのですが、きっかけはよりによって、「こっち来いよ!」でお馴染みのベルディアだったというのが意外でした。
でも、この短編集で一番楽しかったのはこのすば本編とは別視点でアクセルの街を見渡せたところでしょうか。
とくに、バニルやルナさんのカズマに対する捉え方がパーティーリーダーと言うよりも、狂犬、変態、駄女神の保護者というところ、さいこーでっすw
2024年12月12日 15:30
正直な話、齋藤飛鳥がアイと聞いてかなりひいていたのですが、その他のキャストはだいぶよかったと思います。
まずはなんといってもアクアが思ったよりもアクアでした。
重曹も芝居は出来るしかわいいし、ちょっと上背があり、役者さんに悪感情はないのですが、新生B小町の背丈のバランスちょっと外れていたように思います。
なんたって、あれで「ロリ先輩」呼びは違和感ありますよねえw
はじめ違和感のあったルビーも、ズ抜けた明るさと青天井なポジティブがよく表現されていました。
MEMUもだいぶMEMでしたし、みやえもんが異様にはまっていたのにもビックリです。
制作発表されたときに感じたがっかりな気持ちを払拭してくれる見事なキャスト陣のお芝居だったと思います。
ただ、キャストのみなさま全体的にアニメの声優さんの口調に近い気がしました。
意図的に寄せているのか、引っ張られているのか、もしくはアニメのイメージを大切にしているのか、演出意図も役者さんの気持ちもわからないけど、そんな感じの芝居が散見できます。
そういう意味では、斉藤壱護はアニメよりも原作よりもワイルドでオリジナルないい感じでした。
キャストの芝居で残念だったのは、アルトが思いのほか大根じゃなかったあたりでしょうかw
あそこはもっと壮絶にやらかしてほしかったなあ。
アニメシリーズでも1〜2を争う衝撃のセリフ「ひとりにさせねーよ」もありませんでしたしねえw。
脚本的には、原作をだいぶ端折っていたのと、かなりの改変があるため、違和感を感じる方もいるかもしれませんが、原作漫画、アニメ、実写ドラマと、まるで別のジャンルのものなので、どうやったって同じ表現は難しいのでしょう。
とくに2.5次元舞台を実写でやるのはさすがに無理だろうから、これは連続ドラマになるのも致し方ないところでしょう。
個人的にはアクピヨと重曹のベランダシーンが素面のアクアと重曹になっていたのは、その後の展開も含めてとても残念でした。
ところどころ「えっ?」と思うところもありましたけど、全体的にはかなり無難におさまっていた、というか、相当な善戦のようにおもいます。
驚いたのは、しっかりアニメ版と同じオーイシマサヨシさん作「サインはB」という楽曲が使われていたことで、世間的には推しの子といえばYOASOBIの「アイドル」なんだろうけど、作品を好きな人にとって思い入れが強いのはこっちのはずなので、とてもうれしく思いました。
もちろん、新曲もかなりレベルの高いアイドルソングだとは思うのですが、B小町はやっぱりあれを歌って欲しいのですよ。
どうせなら「STAR・T・RAIN」もやってほしいなあ。
という気持ちと、どうせならほかは全部オリジナルでやってもらいたいような気がせめぎ合っていたりもします。
あと、面白かったのが、安達祐実、志田未来といったいわゆる元・天才子役がキャスティングされていて、すさまじい存在感をはなっていたことでしょうか。
でもね、なんだかんだ言って、ぼくのなかではアイといったら高橋李依なんですよ。
これはどうしようもなく動かない気持ちなのであります。
高橋さんが歌唱した苺プロダクション☆ファン感謝祭のパフォーマンスはアイそのものだったと思うのです。
「もっと!」と叫びながら舞台を駆け回る高橋さんは、ちょっとアイよりもめぐみんに見えた部分もありましたけどw
「追記」
7・8話を見て、の感想も書いておこうかと思います。
7話は宮崎でのMV撮影から始まって、過去の吾郎と紗理奈ちゃんのエピソードを絡めつつ進んで行きます。
原作ファンからすると、ちょっと違うんじゃない?
ってところもずいぶんありますけど、まあそれなりに話は運ばれて行きます。
そして吾郎の死体発見からカミキヒカルの登場までが描かれるわけですが・・・
この間原作とは違う展開がずいぶんありました。
まず何といっても「ツクヨミ」が登場しません。
これでスピ要素がだいぶ減ってしまいました。
転生を扱う物語である以上、スピ要素はあってもいいと思うのですが、おそらく単純にツクヨミを再現できる子役がいなかったのが原因ではないかと思います。
重曹が打ちのめされた子役時代のアクアの芝居もあいまいに過ごされましたものね。
アニメ版では内山さんの名演技と作画の技量に圧倒されたものですけど、あれを幼い子役に求めるのは無理があるのも理解できます。
原作との差異は、実写での表現を考えての部分が大きいのでしょう。
あかねの芝居も重曹の芝居も、それほど詳細には描かれていません。
原作ともアニメとも違う別ジャンルで表現された作品という見方が正しいのでしょう。
重曹の葛藤とアクアの苦悩、ルビーの闇落ちとか見どころは多いのですが、ドラマのなかでは、なんたってアレだったのが、カミキヒカルのキャスティングで、あれはショックでした。
まあね、芝居は上手いのでしょうけど、顔がなあ・・・
イメージが違うのですよ。
不気味さは確かにありましたよ。
でもねえ、こどもの頃アクアそっくりという描写があったのにこれはちょっとなあ・・・
顔も背丈もイメージ違うのは演技力の担保で目をつぶるにしても、せめてあの髪色似合う人にしてほしかったなあ。
そして続きは劇場版へ。
ここまで原作をいじったのなら、劇場版はどうなるのだろうかという疑問と期待と不安と、そんなものが入り混じった妄想が渦巻いております。
そんな感じ。
まずはなんといってもアクアが思ったよりもアクアでした。
重曹も芝居は出来るしかわいいし、ちょっと上背があり、役者さんに悪感情はないのですが、新生B小町の背丈のバランスちょっと外れていたように思います。
なんたって、あれで「ロリ先輩」呼びは違和感ありますよねえw
はじめ違和感のあったルビーも、ズ抜けた明るさと青天井なポジティブがよく表現されていました。
MEMUもだいぶMEMでしたし、みやえもんが異様にはまっていたのにもビックリです。
制作発表されたときに感じたがっかりな気持ちを払拭してくれる見事なキャスト陣のお芝居だったと思います。
ただ、キャストのみなさま全体的にアニメの声優さんの口調に近い気がしました。
意図的に寄せているのか、引っ張られているのか、もしくはアニメのイメージを大切にしているのか、演出意図も役者さんの気持ちもわからないけど、そんな感じの芝居が散見できます。
そういう意味では、斉藤壱護はアニメよりも原作よりもワイルドでオリジナルないい感じでした。
キャストの芝居で残念だったのは、アルトが思いのほか大根じゃなかったあたりでしょうかw
あそこはもっと壮絶にやらかしてほしかったなあ。
アニメシリーズでも1〜2を争う衝撃のセリフ「ひとりにさせねーよ」もありませんでしたしねえw。
脚本的には、原作をだいぶ端折っていたのと、かなりの改変があるため、違和感を感じる方もいるかもしれませんが、原作漫画、アニメ、実写ドラマと、まるで別のジャンルのものなので、どうやったって同じ表現は難しいのでしょう。
とくに2.5次元舞台を実写でやるのはさすがに無理だろうから、これは連続ドラマになるのも致し方ないところでしょう。
個人的にはアクピヨと重曹のベランダシーンが素面のアクアと重曹になっていたのは、その後の展開も含めてとても残念でした。
ところどころ「えっ?」と思うところもありましたけど、全体的にはかなり無難におさまっていた、というか、相当な善戦のようにおもいます。
驚いたのは、しっかりアニメ版と同じオーイシマサヨシさん作「サインはB」という楽曲が使われていたことで、世間的には推しの子といえばYOASOBIの「アイドル」なんだろうけど、作品を好きな人にとって思い入れが強いのはこっちのはずなので、とてもうれしく思いました。
もちろん、新曲もかなりレベルの高いアイドルソングだとは思うのですが、B小町はやっぱりあれを歌って欲しいのですよ。
どうせなら「STAR・T・RAIN」もやってほしいなあ。
という気持ちと、どうせならほかは全部オリジナルでやってもらいたいような気がせめぎ合っていたりもします。
あと、面白かったのが、安達祐実、志田未来といったいわゆる元・天才子役がキャスティングされていて、すさまじい存在感をはなっていたことでしょうか。
でもね、なんだかんだ言って、ぼくのなかではアイといったら高橋李依なんですよ。
これはどうしようもなく動かない気持ちなのであります。
高橋さんが歌唱した苺プロダクション☆ファン感謝祭のパフォーマンスはアイそのものだったと思うのです。
「もっと!」と叫びながら舞台を駆け回る高橋さんは、ちょっとアイよりもめぐみんに見えた部分もありましたけどw
「追記」
7・8話を見て、の感想も書いておこうかと思います。
7話は宮崎でのMV撮影から始まって、過去の吾郎と紗理奈ちゃんのエピソードを絡めつつ進んで行きます。
原作ファンからすると、ちょっと違うんじゃない?
ってところもずいぶんありますけど、まあそれなりに話は運ばれて行きます。
そして吾郎の死体発見からカミキヒカルの登場までが描かれるわけですが・・・
この間原作とは違う展開がずいぶんありました。
まず何といっても「ツクヨミ」が登場しません。
これでスピ要素がだいぶ減ってしまいました。
転生を扱う物語である以上、スピ要素はあってもいいと思うのですが、おそらく単純にツクヨミを再現できる子役がいなかったのが原因ではないかと思います。
重曹が打ちのめされた子役時代のアクアの芝居もあいまいに過ごされましたものね。
アニメ版では内山さんの名演技と作画の技量に圧倒されたものですけど、あれを幼い子役に求めるのは無理があるのも理解できます。
原作との差異は、実写での表現を考えての部分が大きいのでしょう。
あかねの芝居も重曹の芝居も、それほど詳細には描かれていません。
原作ともアニメとも違う別ジャンルで表現された作品という見方が正しいのでしょう。
重曹の葛藤とアクアの苦悩、ルビーの闇落ちとか見どころは多いのですが、ドラマのなかでは、なんたってアレだったのが、カミキヒカルのキャスティングで、あれはショックでした。
まあね、芝居は上手いのでしょうけど、顔がなあ・・・
イメージが違うのですよ。
不気味さは確かにありましたよ。
でもねえ、こどもの頃アクアそっくりという描写があったのにこれはちょっとなあ・・・
顔も背丈もイメージ違うのは演技力の担保で目をつぶるにしても、せめてあの髪色似合う人にしてほしかったなあ。
そして続きは劇場版へ。
ここまで原作をいじったのなら、劇場版はどうなるのだろうかという疑問と期待と不安と、そんなものが入り混じった妄想が渦巻いております。
そんな感じ。
2024年12月02日 18:00
介護をはじめ、それなりに金にならない(現金収入を期待できない)多忙な時間を抱える昨今、いつの間にか日朝の習慣もなくなり、というか、テレビを見ないどころかアベマ、アマプラすらチェックしなくなってだいぶ時間がたちました。
戦隊に関してはまあ、車モチーフの戦隊は好きになれないという呪いをかけられているせいいつも通りで挫折しました。今度こそはと思ったものの、よくわからない呪いのせいで(たぶん)今回もリベンジは出来ないに違いありません。
戦隊ではありませんが、仮面ライダードライブですらちょっと性に合わないところがありましたので、この呪いはかなり深刻です。
車絡みだと好きだったのは「激走戦隊カーレンジャー」くらいしか無いのが現状でありますw
そんなわけで
戦隊はともかくガヴは開始当初かなり面白いと思いましたので、数週間遅れではありますが、アマプラで追いかけはじめました。
お菓子を食べると眷属(変身アイテム?)を生み出せるという、なんだかよくわからない設定はそのうち説明されるのでしょうが、その眷属をかっぱらって研究するグラニュート研究所とかも怪しすぎますし、その研究家に魔改造される2号ライダーというのも怖いんだよなあ。
ある意味悪の秘密組織と変わらん所業だとおもうよ。
どうやら、主人公ライダーも改造をされているようだし、久しぶりに改造人間が主人公の仮面ライダーなんじゃないでしょうか。
最初の仮面ライダーは、本郷猛がショッカーに改造手術をくらったあげく、緑川博士に救われて自我を保ったままショッカーと戦う物語だったわけで、何かのアイテムとか変な因縁とかじゃない、本来のライダー=改造人間という当初の設定通り、本当に久しぶりだけど本来あるべき姿だと思うのです。
009以来石森先生が描いてきた人(生物}と科学の融合とはちょっとちがいますけど、こういう発想は悪くありません。
主人公が変身するときの中二病ポーズも刺さりますねw
今のところまだそれぞれのライダーがそれぞれの思いを胸に戦っている段階ですが、近い将来の共闘と正体バレ後のわちゃわちゃも楽しめそうです。
というわけで、まだまだオンエアーには追いついていない段階での感想でした。
さいきんのライダーは後半からクライマックスにかけて無理くり深刻展開になりがちですが、香村さんがメイン脚本ならある程度は安心して見られそうです。
(1週以上遅れですけどw)
戦隊に関してはまあ、車モチーフの戦隊は好きになれないという呪いをかけられているせいいつも通りで挫折しました。今度こそはと思ったものの、よくわからない呪いのせいで(たぶん)今回もリベンジは出来ないに違いありません。
戦隊ではありませんが、仮面ライダードライブですらちょっと性に合わないところがありましたので、この呪いはかなり深刻です。
車絡みだと好きだったのは「激走戦隊カーレンジャー」くらいしか無いのが現状でありますw
そんなわけで
戦隊はともかくガヴは開始当初かなり面白いと思いましたので、数週間遅れではありますが、アマプラで追いかけはじめました。
お菓子を食べると眷属(変身アイテム?)を生み出せるという、なんだかよくわからない設定はそのうち説明されるのでしょうが、その眷属をかっぱらって研究するグラニュート研究所とかも怪しすぎますし、その研究家に魔改造される2号ライダーというのも怖いんだよなあ。
ある意味悪の秘密組織と変わらん所業だとおもうよ。
どうやら、主人公ライダーも改造をされているようだし、久しぶりに改造人間が主人公の仮面ライダーなんじゃないでしょうか。
最初の仮面ライダーは、本郷猛がショッカーに改造手術をくらったあげく、緑川博士に救われて自我を保ったままショッカーと戦う物語だったわけで、何かのアイテムとか変な因縁とかじゃない、本来のライダー=改造人間という当初の設定通り、本当に久しぶりだけど本来あるべき姿だと思うのです。
009以来石森先生が描いてきた人(生物}と科学の融合とはちょっとちがいますけど、こういう発想は悪くありません。
主人公が変身するときの中二病ポーズも刺さりますねw
今のところまだそれぞれのライダーがそれぞれの思いを胸に戦っている段階ですが、近い将来の共闘と正体バレ後のわちゃわちゃも楽しめそうです。
というわけで、まだまだオンエアーには追いついていない段階での感想でした。
さいきんのライダーは後半からクライマックスにかけて無理くり深刻展開になりがちですが、香村さんがメイン脚本ならある程度は安心して見られそうです。
(1週以上遅れですけどw)
2024年11月27日 17:30
かつては美術館に通いまくっていたわけですが、コロナ禍で予約制(入場制限)
がはじまってから、めんどくさくて行かなくなってしまいました。
気が向いたときに行けないのが気に入らなくて、美術がどうとかよりも制度の問題で足が遠のいてしまいまったわけです。
今はどうなっているのかは知りませんけど、なんとなくそのまま行かなくなってひさしいなあ。
でも美術好き、絵画好きは変りません。
じゃあどうするか、一つは街中の景色とかオブジェ、看板なんかと楽しむこと。
さいわい、近所には変わった形のオブジェがあちこちにあって、とくに橋の袂あたりには面白いものが多数あります。
そして、もう一つが、本を活用すること。
そのむかし行った展示の図録であったり、本当に若いころ買った画集であったりの鑑賞が楽しいのです。
そんな昨今、古書店で久々に日経ポケット・ギャラリーを見つけたので買って来ました。
若いころはこのシリーズって画像が小さくていまいちと思っていたのですが、さいきん思いなおして、小さい画像であっても、構図とか色使いなんかを楽しめるし、全体的な雰囲気を楽しむことも可能です。
買ったのはロートレック、ムンク、ゴヤ、クレー、モネ、マネあたり。
一冊200円という価格が高いか安いかは人それぞれ、あなたの感じ方次第です。
つーか、どうでもいいけどなんとなく性癖が見えそうな選択ではありますねw
見ていて思った以上にいいなと思っているのがムンク。
「叫び」の強烈なイメージで有名な作家ですけど、個人的には、「思春期」の切なさと「マドンナ」の濃厚な色香に圧倒されます。
ムンクの場合、かなり強烈な【不安】の表現が目につきますが、それと同等に構図の素晴らしさも見逃してはいけません。
タッチや色使いもそうですが、構図による不安感の創出にも秀でたものがあると思います。
まあ、当たり前と言えば当たり前なんですけど、画力も凄いですよねw
ロートレックもセンスのいいグラフィカルなポスターなどが有名ですが、ガッツリ画き込んだ絵画も多くあって、基本的な技術は並みはずれている事がわかります。
クレーも抽象的な表現ばかりじゃなくて具象表現の作品もありますし、ゴヤも踊り子のアレなやつばかりじゃないのを実感しました。
ページ数もないし小判なわりに、案外多彩な作風を楽しめるので満足度は高いです。
新しい発見もありましたし、画面の大小では語れない美術の魅力を感じたしだいであります。
このシリーズはお手軽なサイズと価格で印刷もそれほどレベル低くないですし、意外と悪くない画集のシリーズなのかもしれません。
もちろん、大判の画集の方が隅から隅までじっくり楽しめるのは間違いないのですが、一冊の重さや保存場所の問題などもありますから、対して軽く扱えるこれはこれでアリでしょう。
ただね、現在古書店でしか手に入らないのが難点ではありますがw
がはじまってから、めんどくさくて行かなくなってしまいました。
気が向いたときに行けないのが気に入らなくて、美術がどうとかよりも制度の問題で足が遠のいてしまいまったわけです。
今はどうなっているのかは知りませんけど、なんとなくそのまま行かなくなってひさしいなあ。
でも美術好き、絵画好きは変りません。
じゃあどうするか、一つは街中の景色とかオブジェ、看板なんかと楽しむこと。
さいわい、近所には変わった形のオブジェがあちこちにあって、とくに橋の袂あたりには面白いものが多数あります。
そして、もう一つが、本を活用すること。
そのむかし行った展示の図録であったり、本当に若いころ買った画集であったりの鑑賞が楽しいのです。
そんな昨今、古書店で久々に日経ポケット・ギャラリーを見つけたので買って来ました。
若いころはこのシリーズって画像が小さくていまいちと思っていたのですが、さいきん思いなおして、小さい画像であっても、構図とか色使いなんかを楽しめるし、全体的な雰囲気を楽しむことも可能です。
買ったのはロートレック、ムンク、ゴヤ、クレー、モネ、マネあたり。
一冊200円という価格が高いか安いかは人それぞれ、あなたの感じ方次第です。
つーか、どうでもいいけどなんとなく性癖が見えそうな選択ではありますねw
見ていて思った以上にいいなと思っているのがムンク。
「叫び」の強烈なイメージで有名な作家ですけど、個人的には、「思春期」の切なさと「マドンナ」の濃厚な色香に圧倒されます。
ムンクの場合、かなり強烈な【不安】の表現が目につきますが、それと同等に構図の素晴らしさも見逃してはいけません。
タッチや色使いもそうですが、構図による不安感の創出にも秀でたものがあると思います。
まあ、当たり前と言えば当たり前なんですけど、画力も凄いですよねw
ロートレックもセンスのいいグラフィカルなポスターなどが有名ですが、ガッツリ画き込んだ絵画も多くあって、基本的な技術は並みはずれている事がわかります。
クレーも抽象的な表現ばかりじゃなくて具象表現の作品もありますし、ゴヤも踊り子のアレなやつばかりじゃないのを実感しました。
ページ数もないし小判なわりに、案外多彩な作風を楽しめるので満足度は高いです。
新しい発見もありましたし、画面の大小では語れない美術の魅力を感じたしだいであります。
このシリーズはお手軽なサイズと価格で印刷もそれほどレベル低くないですし、意外と悪くない画集のシリーズなのかもしれません。
もちろん、大判の画集の方が隅から隅までじっくり楽しめるのは間違いないのですが、一冊の重さや保存場所の問題などもありますから、対して軽く扱えるこれはこれでアリでしょう。
ただね、現在古書店でしか手に入らないのが難点ではありますがw
2024年11月16日 19:00
タイトルだけ見ると某和装系作家のサイコロ本みたいに思いますがw
毎度おなじみ大好きな櫛木理宇さんの長編小説であります。
形式としては「虜囚の犬」の続編という形ですが、主要な登場人物以外は一切前作との関りはありませんので、この作品から読み始めても問題ないと思われます。
「死蝋」というのは、Wikipediaによれば
死蝋(しろう、屍蝋・屍?とも)は、永久死体の一形態。死体が何らかの理由で腐敗菌が繁殖しない条件下にあって、外気と長期間遮断された果てに腐敗を免れ、その内部の脂肪が変性して死体全体が蝋状もしくはチーズ状になったものである。鹸化したものもみられる[1]。ミイラとは異なり、乾燥した環境ではなく湿潤かつ低温の環境において生成される。
wiki参照
というものだそうです。
ごくふつうに生活をしていたら絶対に出会うことのないものであることは間違いありません。
そんな、死蝋が最初のキーワードとなる物語です。
話は前作同様白石と和井田のバディに様々な人物が絡みながら進んで行くのですが、今回はより濃密に白石の前職である「家裁調査官」という経歴と絡んだ事件が扱われます。
今回のキーワードとなるのが「ジュニアアイドル」字面だけだと、子ども世代のアイドル、いわゆるマインちゃんとか芦田愛菜ちゃんのような存在を思い浮かべますが、実はとんでもない間違いです。
作中では詳細な描写は控えられていますが、「布面積の少ない衣装」「電マ」もっと直接的な「児童ポルノ」という言葉も使われていました。
どんなものかとネット検索をかけてみたのですが、さすがに「これはダメだ」と思わざるを得ないような画像が頻発してきます。
そんな環境の中に幼児期を過ごした少女が、果たして一般的な社会生活を送れるのか、という問いかけがこの作品の随所で見受けられました。
受容と供給の問題も重視されています。
そういったモノを好む受容層が存在するからこそ、それに応える供給層が生存出来ている。
もし現在も存在するのであれば深刻な社会問題であります。
物語の内容なのですが、そういう最悪な環境で育った少女が一般的な常識に対して、いかに歪んだ人生を歩んだか、と言う面と、凶悪な家庭環境で育った一家の負の連鎖、そしてそういうことを「オトナ」はどう受け止めたらいいのかということを突きつけられるような、考えさせられるような、とても根深い問題を扱っています。
僕たちもこういうことがどうしたらなくなるのか、考えなくちゃいけないんですよね。
そういう深い問題提起のある作品でした。
作中に散りばめられた様々なパーツ・雑多な情報が最終的に組み合わさって結論に至る過程は、相変わらず櫛木さんらしいダイナミックな展開で大満足であります。
警察もの特有の、あちこちでの聞き込みや協力者からの情報など、雑多な情報の中から真実を導き出す過程はとてもおもしろくて、後半というか、ほぼクライマックスにいたるまでミスリードを誘う手法は天晴であります。
犯人、警察、白石など、視点を変えながら進んで行く話もいつも通りの調べれば調べるほどドツボにハマってゆく、暗鬱で何かありそうな感じがよかったです。
作品としては素晴らしいとおもうのですが、やっぱり読後感はスッキリしない。
こう、なにかひっかかるような感じがぬぐえない、心の中にある深いところのアレをえぐるような、それが櫛木さんの小説の魅力なのかもしれませんね。
要するに、扱っている問題が重いのです。
これは辛いよな、という社会問題にガッツリ絡みつくような、櫛木さんの気合がたまらなく伝わってくるのですよ。
だからと言って、つまらないとは一言も言えません。
むしろ、きょーれつに面白かった。
全ての結末を踏まえたうえで、最初から読み返してみると、最後の局面に向けてすべてのベクトルが向かっていることがわかるのも面白い。
かなり計算された作品だと思われます。
いやあ、いいよな。
それと、なんというか、どうでもいいのですが、白石の料理はやりすぎ感アリアリでしょw。
毎度おなじみ大好きな櫛木理宇さんの長編小説であります。
形式としては「虜囚の犬」の続編という形ですが、主要な登場人物以外は一切前作との関りはありませんので、この作品から読み始めても問題ないと思われます。
「死蝋」というのは、Wikipediaによれば
死蝋(しろう、屍蝋・屍?とも)は、永久死体の一形態。死体が何らかの理由で腐敗菌が繁殖しない条件下にあって、外気と長期間遮断された果てに腐敗を免れ、その内部の脂肪が変性して死体全体が蝋状もしくはチーズ状になったものである。鹸化したものもみられる[1]。ミイラとは異なり、乾燥した環境ではなく湿潤かつ低温の環境において生成される。
wiki参照
というものだそうです。
ごくふつうに生活をしていたら絶対に出会うことのないものであることは間違いありません。
そんな、死蝋が最初のキーワードとなる物語です。
話は前作同様白石と和井田のバディに様々な人物が絡みながら進んで行くのですが、今回はより濃密に白石の前職である「家裁調査官」という経歴と絡んだ事件が扱われます。
今回のキーワードとなるのが「ジュニアアイドル」字面だけだと、子ども世代のアイドル、いわゆるマインちゃんとか芦田愛菜ちゃんのような存在を思い浮かべますが、実はとんでもない間違いです。
作中では詳細な描写は控えられていますが、「布面積の少ない衣装」「電マ」もっと直接的な「児童ポルノ」という言葉も使われていました。
どんなものかとネット検索をかけてみたのですが、さすがに「これはダメだ」と思わざるを得ないような画像が頻発してきます。
そんな環境の中に幼児期を過ごした少女が、果たして一般的な社会生活を送れるのか、という問いかけがこの作品の随所で見受けられました。
受容と供給の問題も重視されています。
そういったモノを好む受容層が存在するからこそ、それに応える供給層が生存出来ている。
もし現在も存在するのであれば深刻な社会問題であります。
物語の内容なのですが、そういう最悪な環境で育った少女が一般的な常識に対して、いかに歪んだ人生を歩んだか、と言う面と、凶悪な家庭環境で育った一家の負の連鎖、そしてそういうことを「オトナ」はどう受け止めたらいいのかということを突きつけられるような、考えさせられるような、とても根深い問題を扱っています。
僕たちもこういうことがどうしたらなくなるのか、考えなくちゃいけないんですよね。
そういう深い問題提起のある作品でした。
作中に散りばめられた様々なパーツ・雑多な情報が最終的に組み合わさって結論に至る過程は、相変わらず櫛木さんらしいダイナミックな展開で大満足であります。
警察もの特有の、あちこちでの聞き込みや協力者からの情報など、雑多な情報の中から真実を導き出す過程はとてもおもしろくて、後半というか、ほぼクライマックスにいたるまでミスリードを誘う手法は天晴であります。
犯人、警察、白石など、視点を変えながら進んで行く話もいつも通りの調べれば調べるほどドツボにハマってゆく、暗鬱で何かありそうな感じがよかったです。
作品としては素晴らしいとおもうのですが、やっぱり読後感はスッキリしない。
こう、なにかひっかかるような感じがぬぐえない、心の中にある深いところのアレをえぐるような、それが櫛木さんの小説の魅力なのかもしれませんね。
要するに、扱っている問題が重いのです。
これは辛いよな、という社会問題にガッツリ絡みつくような、櫛木さんの気合がたまらなく伝わってくるのですよ。
だからと言って、つまらないとは一言も言えません。
むしろ、きょーれつに面白かった。
全ての結末を踏まえたうえで、最初から読み返してみると、最後の局面に向けてすべてのベクトルが向かっていることがわかるのも面白い。
かなり計算された作品だと思われます。
いやあ、いいよな。
それと、なんというか、どうでもいいのですが、白石の料理はやりすぎ感アリアリでしょw。
2024年09月11日 12:00
安里あさとさん作のライトノベルです。
アニメ化された作品ですので、ご存じの方も多いかと思います。
ぼくはアニメから入ったのですが、原作小説を読んでみて、よくこんなものをビジュアル化したものだと感心、いや、驚愕に近い感情を得ました。
これはすごいですよ。
86は作中の舞台のひとつであるサンマグノリア共和国の第86区に暮らす人民の総称であり、「エイティシックス」と呼ばれ「色付き」とさげすまれる存在です。
物語は、共和国を構成する人民のなかでは、白銀の髪と眼を有した優生主義の民がそれ以外の有色種をあり得ないレベルで差別し、人として扱わない世界観のなかで展開されます。
そんな世界観のなかで、かつて存在したギアーデ帝国が放った無人殺人兵器、【レギオン】いわゆるオートマトンとかドローンとか言ったロボット兵器との人類存亡かけた決戦が繰り広げらるのですが、、、
ほぼ一切の無線が使えない(レギオンの妨害工作)なかで、他国との連絡もレーダーの使用もままならない状況で、86たちは戦うわけです。
唯一の意思疎通手段が、同じ86たちを使った人体実験の後に生み出されたパラレイドというシステムのみ。
そして、彼らはサンマグノリア共和国内において人間として認められていないため、何人死のうが国内では知ったこっちゃないという強烈な状況のなかで戦うことを強いられます。
(彼らが戦闘に使用するジャガーノートという戦闘兵器の一部品として語られる)
そんな彼らと、彼らを人間として扱い接する指揮官の出会いから、物語は動き始め、1巻の結末ではアニメのラストと同じ感動的な場面が描かれます。
とはいえw
そんなことで満足してはいけません。
2〜3巻で描かれるのは、アニメの2クール目に相当する、ギアーで連邦編です。
かつて周辺諸国を滅亡に追いやろうとしたギアーで帝国はすでに滅び、共和制を用いてギアーデ連邦として再出発した国であります。
この国の軍に救われた主人公たちが、サンマグノリア共和国で士官していたころの上司と再会して、ともに戦線に立ち並ぶまでの過程が描かれているのが2〜3巻です。
アニメでは最高ーに感動したあの場面ですが、原作小説では、1巻ラストに会った場面の焼き直しとなるため、感動はちょっと少な目かもしれません。
と言うのも、アニメの最終話が秀逸すぎました。
おそらくアニメの続編はないのだろうと思いますけど、あのクライマックスの凄まじさは、ここ数年の中でもトップ何位かに数えられるのではないかと思います。
アニメだと、わりと声優さんの芝居とか演出のカット割りで印象が異なるとは思うのですが、とにか1・2クール目ともに後半の話数は戦闘シーン過多の画面構成に、実を言うと辟易していました。
見ていて辛いんですよね。
それがあったので、原作を読むのは軽く躊躇していたのですが、案の定w
原作小説でも辛く壮絶な心理描写が満載されていました。
ある意味、ここまで追い込める作家さんは凄いな、とも思った次第です。
そして、そこを抜けると素晴らしい解放感を感じられるのもアニメ・原作共々の共通点なのでしょう。
とくに、アニメ2クール目から登場するフレデリカの存在はすごく大きくて、あんなガキのくせに大人びた口調で語り、困ったことにしっかりとシンの弱点を指摘したりもします。
そんな存在でありながら、ちゃんとこどもなのが実に愛らしい。
2クール目、原作2〜3巻の核となるエピソードの当事者でありながら、この感じのキャラクターは稀有かもしれません。
レギオンの非人間的なそれでいて人間臭い攻撃に立ち向かうエイティシックスたちの物語は、この先もだいぶ続きそうですので、まだまだ先まで楽しんでいきたいと思います。
でも、本音を言うと、アニメの次期が見たいなあw
アニメ化された作品ですので、ご存じの方も多いかと思います。
ぼくはアニメから入ったのですが、原作小説を読んでみて、よくこんなものをビジュアル化したものだと感心、いや、驚愕に近い感情を得ました。
これはすごいですよ。
86は作中の舞台のひとつであるサンマグノリア共和国の第86区に暮らす人民の総称であり、「エイティシックス」と呼ばれ「色付き」とさげすまれる存在です。
物語は、共和国を構成する人民のなかでは、白銀の髪と眼を有した優生主義の民がそれ以外の有色種をあり得ないレベルで差別し、人として扱わない世界観のなかで展開されます。
そんな世界観のなかで、かつて存在したギアーデ帝国が放った無人殺人兵器、【レギオン】いわゆるオートマトンとかドローンとか言ったロボット兵器との人類存亡かけた決戦が繰り広げらるのですが、、、
ほぼ一切の無線が使えない(レギオンの妨害工作)なかで、他国との連絡もレーダーの使用もままならない状況で、86たちは戦うわけです。
唯一の意思疎通手段が、同じ86たちを使った人体実験の後に生み出されたパラレイドというシステムのみ。
そして、彼らはサンマグノリア共和国内において人間として認められていないため、何人死のうが国内では知ったこっちゃないという強烈な状況のなかで戦うことを強いられます。
(彼らが戦闘に使用するジャガーノートという戦闘兵器の一部品として語られる)
そんな彼らと、彼らを人間として扱い接する指揮官の出会いから、物語は動き始め、1巻の結末ではアニメのラストと同じ感動的な場面が描かれます。
とはいえw
そんなことで満足してはいけません。
2〜3巻で描かれるのは、アニメの2クール目に相当する、ギアーで連邦編です。
かつて周辺諸国を滅亡に追いやろうとしたギアーで帝国はすでに滅び、共和制を用いてギアーデ連邦として再出発した国であります。
この国の軍に救われた主人公たちが、サンマグノリア共和国で士官していたころの上司と再会して、ともに戦線に立ち並ぶまでの過程が描かれているのが2〜3巻です。
アニメでは最高ーに感動したあの場面ですが、原作小説では、1巻ラストに会った場面の焼き直しとなるため、感動はちょっと少な目かもしれません。
と言うのも、アニメの最終話が秀逸すぎました。
おそらくアニメの続編はないのだろうと思いますけど、あのクライマックスの凄まじさは、ここ数年の中でもトップ何位かに数えられるのではないかと思います。
アニメだと、わりと声優さんの芝居とか演出のカット割りで印象が異なるとは思うのですが、とにか1・2クール目ともに後半の話数は戦闘シーン過多の画面構成に、実を言うと辟易していました。
見ていて辛いんですよね。
それがあったので、原作を読むのは軽く躊躇していたのですが、案の定w
原作小説でも辛く壮絶な心理描写が満載されていました。
ある意味、ここまで追い込める作家さんは凄いな、とも思った次第です。
そして、そこを抜けると素晴らしい解放感を感じられるのもアニメ・原作共々の共通点なのでしょう。
とくに、アニメ2クール目から登場するフレデリカの存在はすごく大きくて、あんなガキのくせに大人びた口調で語り、困ったことにしっかりとシンの弱点を指摘したりもします。
そんな存在でありながら、ちゃんとこどもなのが実に愛らしい。
2クール目、原作2〜3巻の核となるエピソードの当事者でありながら、この感じのキャラクターは稀有かもしれません。
レギオンの非人間的なそれでいて人間臭い攻撃に立ち向かうエイティシックスたちの物語は、この先もだいぶ続きそうですので、まだまだ先まで楽しんでいきたいと思います。
でも、本音を言うと、アニメの次期が見たいなあw
2024年09月06日 08:30
思えば17冊です。
初めは軽い気持ちだったのですが、振り返ってみれば17冊。
また室内に余剰物が増えてしまいましたけど、後悔はありません。
なぜならば、面白かったから。
読み始めたきっかけは、アニメ化された1・2期が圧倒的にお気楽で楽しかったので、原作はどうなっているのだろう?
という純粋な興味からでした。
だから、シリーズ完クリなんて目指すつもりなかったのは本当です。
はじめのうちは予定通り映像化されたものだけを読んでいました。
魔が差したとでもいうのでしょうか、もうすぐ3期目はじまるな〜
と軽い気持ちから書店で6巻目を手に取ったのが間違いでした。
まあ、当たり前のことなのですが、面白いんですよ。
軽く冒頭を立ち読みしただけでも、すごく面白いんです。
当然ですよね、1〜5巻まで面白くっていきなり6巻目からつまらなくなるなんてことは考えにくいですものね。
そして気が付けば6・7巻を手に家路を急ぐぼくがいました。
しかも読みましたよ。
読んでみて、これを映像でどう表現するのかってのがすごく楽しみに思えてきました。
そんなわけで、アニメ版第3期ははじめて後追いの形で映像を見たわけですが、これはこれで悪くない体験だったと思います。
いままでのようにワクワクしながら筋を追うことはないものの、把握した大筋のなかでキャラクターにどういう芝居をさせるのか、この微妙な場面はどう処理するのか、その場面を使ってどこをカットするのかなどの疑問に想像以上の解答を提示してくれたスタッフの皆様には大感謝であります。
なかでもとくに1場面を挙げるとすれば、すっと思い浮かぶのが2か所。
まずは10話でのカズマとめぐみんの会話のところ、このままダクネスが借金のかたにクズと結婚させられてもいいのかと詰め寄るめぐみんに対して、
「いいわけねーだろ!」
と押し殺した絶叫を返すカズマの芝居、それまで暗躍していたカズマの怒りも悔しさも辛さも全部ブチ込んだ「いいわけねーだろ!」が感動的でした。
ひょうひょうとして、ほとんど本音を語ることのないカズマの、おそらくシリーズを通して一番の怒りの表現だったのではないでしょうか。
そして、11話のクライマックスでアルダープに因果応報を味わわせる見通す悪魔バニルの怖さと貫禄もアニメならではの演出と声優さんの芝居が活きていたと思います。
声優さんの芝居で言えば、11話冒頭での教会の扉をぶっ飛ばしたゆんゆんの上気した台詞「めぐみんやったわよ、私やってやったわ。し、親友の頼みならこんな犯罪まがいのことだって大丈夫だから」
は、その前にめぐみんがどのようにゆんゆんを口説いて焚きつけたかが絵に描いたように見えてきますw
キャラに色がついて動いていて音楽が付与されて声優さんの芝居が寄り添うという、アニメーションってのは本当に総合芸術的なものすごさなんでしょうねえ。
まあ、このすばのような下司な作品で高尚な語りをしても仕方ないんですがw
そんな感じで、読み進めることしばらく、最終巻までたどり着いたわけですが、これまでの慣例から行くと、アニメ化は原作小説2巻分を1クールにまとめることが多いようです。
となると、もしあるとするならば、4期目は待望のエリス様編からめぐみんの切ない話に行くはず。
ここは見逃せないエピソードが満載なので、ぜひ期待していただきたいところですが、4期制作発表はまだな気もするので、盛り上がる気持ちは抑えつつ、これまでの物語を反芻しながら過ごしたいと思います。
そして、ながらく原作を読んでいたり、アニメ版をリピートしまくっている人たちには釈迦に説法なのかもしれませんが、カズマってカッコいいんですよ。
マジで、かなり大変なことになりながらも「しょーがねーなー!」と言いながらどうにか場を納めてしまう実力があるのです。
さすが、めぐみんの惚れた男だけのことはありますよw
そんなカズマのカッコいいところがこの先のアニメ化されていない原作部分で散々描写されています。
ただし、それ以上にいやらしくてこすくて情けないところもだいぶ出てくるのはご愛敬w
そして場を壊すことでは定評のあるアクアの酷さも十二分に発揮されていますし、めぐみんのカッコいいところも、ダクネスの凛々しいところもしっかり出てくるのは言うまでもありません。
作者が各キャラクターに注いでいる愛情が手に取るように感じられるほど、最後の最後まで「あいつららしさ」にあふれていました。
本音を言えば、そこは最後までやれよ、って感じはありましたけど、それはそれで、匂わせてもらえる方が幸せという読者も少なくはないのでしょう。
そんな感じ。
初めは軽い気持ちだったのですが、振り返ってみれば17冊。
また室内に余剰物が増えてしまいましたけど、後悔はありません。
なぜならば、面白かったから。
読み始めたきっかけは、アニメ化された1・2期が圧倒的にお気楽で楽しかったので、原作はどうなっているのだろう?
という純粋な興味からでした。
だから、シリーズ完クリなんて目指すつもりなかったのは本当です。
はじめのうちは予定通り映像化されたものだけを読んでいました。
魔が差したとでもいうのでしょうか、もうすぐ3期目はじまるな〜
と軽い気持ちから書店で6巻目を手に取ったのが間違いでした。
まあ、当たり前のことなのですが、面白いんですよ。
軽く冒頭を立ち読みしただけでも、すごく面白いんです。
当然ですよね、1〜5巻まで面白くっていきなり6巻目からつまらなくなるなんてことは考えにくいですものね。
そして気が付けば6・7巻を手に家路を急ぐぼくがいました。
しかも読みましたよ。
読んでみて、これを映像でどう表現するのかってのがすごく楽しみに思えてきました。
そんなわけで、アニメ版第3期ははじめて後追いの形で映像を見たわけですが、これはこれで悪くない体験だったと思います。
いままでのようにワクワクしながら筋を追うことはないものの、把握した大筋のなかでキャラクターにどういう芝居をさせるのか、この微妙な場面はどう処理するのか、その場面を使ってどこをカットするのかなどの疑問に想像以上の解答を提示してくれたスタッフの皆様には大感謝であります。
なかでもとくに1場面を挙げるとすれば、すっと思い浮かぶのが2か所。
まずは10話でのカズマとめぐみんの会話のところ、このままダクネスが借金のかたにクズと結婚させられてもいいのかと詰め寄るめぐみんに対して、
「いいわけねーだろ!」
と押し殺した絶叫を返すカズマの芝居、それまで暗躍していたカズマの怒りも悔しさも辛さも全部ブチ込んだ「いいわけねーだろ!」が感動的でした。
ひょうひょうとして、ほとんど本音を語ることのないカズマの、おそらくシリーズを通して一番の怒りの表現だったのではないでしょうか。
そして、11話のクライマックスでアルダープに因果応報を味わわせる見通す悪魔バニルの怖さと貫禄もアニメならではの演出と声優さんの芝居が活きていたと思います。
声優さんの芝居で言えば、11話冒頭での教会の扉をぶっ飛ばしたゆんゆんの上気した台詞「めぐみんやったわよ、私やってやったわ。し、親友の頼みならこんな犯罪まがいのことだって大丈夫だから」
は、その前にめぐみんがどのようにゆんゆんを口説いて焚きつけたかが絵に描いたように見えてきますw
キャラに色がついて動いていて音楽が付与されて声優さんの芝居が寄り添うという、アニメーションってのは本当に総合芸術的なものすごさなんでしょうねえ。
まあ、このすばのような下司な作品で高尚な語りをしても仕方ないんですがw
そんな感じで、読み進めることしばらく、最終巻までたどり着いたわけですが、これまでの慣例から行くと、アニメ化は原作小説2巻分を1クールにまとめることが多いようです。
となると、もしあるとするならば、4期目は待望のエリス様編からめぐみんの切ない話に行くはず。
ここは見逃せないエピソードが満載なので、ぜひ期待していただきたいところですが、4期制作発表はまだな気もするので、盛り上がる気持ちは抑えつつ、これまでの物語を反芻しながら過ごしたいと思います。
そして、ながらく原作を読んでいたり、アニメ版をリピートしまくっている人たちには釈迦に説法なのかもしれませんが、カズマってカッコいいんですよ。
マジで、かなり大変なことになりながらも「しょーがねーなー!」と言いながらどうにか場を納めてしまう実力があるのです。
さすが、めぐみんの惚れた男だけのことはありますよw
そんなカズマのカッコいいところがこの先のアニメ化されていない原作部分で散々描写されています。
ただし、それ以上にいやらしくてこすくて情けないところもだいぶ出てくるのはご愛敬w
そして場を壊すことでは定評のあるアクアの酷さも十二分に発揮されていますし、めぐみんのカッコいいところも、ダクネスの凛々しいところもしっかり出てくるのは言うまでもありません。
作者が各キャラクターに注いでいる愛情が手に取るように感じられるほど、最後の最後まで「あいつららしさ」にあふれていました。
本音を言えば、そこは最後までやれよ、って感じはありましたけど、それはそれで、匂わせてもらえる方が幸せという読者も少なくはないのでしょう。
そんな感じ。
2024年09月05日 08:30
櫛木理宇さんの5月の新刊「兇獣の村」を読みました。
一見ノンシリーズのようなタイトルですが、「捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎」シリーズの最新作であります。
そう、あの鴉と意思の疎通ができるあの人が主人公のシリーズです。
今回は引退した元刑事の殺害とその時点で一緒にいた孫娘の誘拐から始まる、25年にわたる因縁の物語であります。
いつもより少な目のページ数(体感)でコンパクトにまとめられた物語は、シャープに始まって、事件の概要、背景、人物配置がサクサクと小気味良く展開していって、一気にクライマックスまで読み進んでしまうパワーを感じました。
例によって小さな狭い村での人間関係のドロドロした感じが次々に判明して行き、その一つ一つが繋がって行く過程は圧巻です。
もちろん、今回も鴉の活躍は随所に見られますので、鴉ファンの方もご安心ください。
個人的には、鳥越の食生活がとても心配で、シリーズ中ほとんどコンビニ弁当ばかりだし、今回はてきとーすぎる焼きめしでしたしw
一見ノンシリーズのようなタイトルですが、「捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎」シリーズの最新作であります。
そう、あの鴉と意思の疎通ができるあの人が主人公のシリーズです。
今回は引退した元刑事の殺害とその時点で一緒にいた孫娘の誘拐から始まる、25年にわたる因縁の物語であります。
いつもより少な目のページ数(体感)でコンパクトにまとめられた物語は、シャープに始まって、事件の概要、背景、人物配置がサクサクと小気味良く展開していって、一気にクライマックスまで読み進んでしまうパワーを感じました。
例によって小さな狭い村での人間関係のドロドロした感じが次々に判明して行き、その一つ一つが繋がって行く過程は圧巻です。
もちろん、今回も鴉の活躍は随所に見られますので、鴉ファンの方もご安心ください。
個人的には、鳥越の食生活がとても心配で、シリーズ中ほとんどコンビニ弁当ばかりだし、今回はてきとーすぎる焼きめしでしたしw