南雲草心流

2018年09月05日 17:13

180901抜刀術














沢木冬吾さんの天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア を読みました。
ものすごい面白さです。
何がすごいって、あまりの面白さに、読んでいると中からジッとしていられなくなって、年甲斐も無く木刀の素振りを何度かしてはまた読書に没入する、という繰り返しで最後まで読みきってしまいました。
というのも、今作の主人公南雲修作は、抜刀術・南雲草心流宗家の長男で、宗主からも師範からも才を認められた剣士です。
この修作が、現代日本に置いて、まさにチャンバラ時代劇さながらの大活劇を演じます。
馬の変わりにバイクを駆り、祖父から譲り受けた名刀を恃んで自らを落としいれようとする敵に単身立ち向かって行く姿は、もうヒーローそのものです。

前回読んだ愛こそすべて、と愚か者は言ったでは、主人公はほぼ一方的にボコられていましたが、今作の主人公南雲修作は、その剣の達人振りを遺憾なく発揮してくれます。

沢木さんはストーリーテラーとしても一流ですけれど、アクションの描写も激熱でして、それは約束の森 で奥野が繰り出したロープワークや躍動するマクナイトの描写に存分に表れていました。
今作での修作のアクションも当然のように激熱に仕上がっています。
クライマックスでの名刀を構えての斬り合いも当然のことながら、中盤での一場面、割り箸で敵の奇襲を退けるところなどはたまらない熱さでした。

これまで読んできた沢木作品のなかでは主人公の年齢が一番若く設定されているのも、熱さの原因のひとつかもしれません。
作品にはしっかり主人公の恋愛要素も盛り込まれていますし、なんとなく爽やかで軽快な印象があります。
ただし、事件の概要は爽やかさのかけらも無く、実行犯も黒幕もヒットマンも、やることはえげつないし動機のドロドロさ加減はかなり凶悪なものです。

この作品、実は文庫本で正味720ページもある大作なのですが、その長さはほとんど感じずに読めます(ぼくはそうでした)。
むしろ、残りが少なくなってくると「どうしよう、もうすぐ読み終わっちゃうよ」的な名残惜しさ、もっとずっと読んでいたくなるようなどうしようもない焦燥にかられました。
素晴らしい作品だと思います。



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