海坊主日記

個人投資家のテキトーな日々 twitter:海坊主@ubz58

カテゴリ: お金


2ノーリスクについて:貯金は元本が減らない。これには他の投資では考えられないほどの優位性がある。(まともな)投資の教科書ではほぼ必ず第1章に元本を保持することの重要性が語られる。専門知識を持っていない状態で元本が保証される投資戦略なんて他にない。高利回り投資はもっと後で十分。

3 低コストについて(1):勉強しなくて良い。専門知識が不要。小学2年生の算数ができれば出来る。株式投資だと高校2年生くらいの数学の知識に加えて教科書100冊を200時間かけて読んで勉強する必要がある。1冊1000円の本で時給2000円とすると潜在コストは10万+40万=50万円

4 株はこれくらいコストをかけても最終的にはプラスになって時給換算で2万円とか超割のいい投資になるんだけど、経験的には5年でプラス300万円くらいの利益。一方の家計簿による貯金は5年間で700万円くらいはいく。ノーリスクでここまで利潤を出せる投資は他にはない。

 5 低コストについて(2):維持費がかからない。銀行口座でもタンス預金でも維持費がかからない。これが不動産だと持ってるだけで固定資産税やメンテナンス費用がかかる。株は直接的な維持費はかからないけど、値下がった時にロスカットしたり財務分析やり直したりと非現金的コストはかかる。

 6 低コストについて(3):取引コストがない。そもそも取引しないので。これが不動産や株なら買うのにも売るのにも仲介業者に手数料が必要だし利益が出れば20%の所得税がかかる。こういったコストは長期的にはトータルの利益を押し下げる原因になる。

 7 低コストについて(4):手続きのコストがない。そもそも(ry。株だと証券会社に口座をひらく必要がある。証明書類揃えたり、職場に確認の電話がかかってきたり投資初心者の中にはハードルが高い人もいる。こういう潜在的なコストを初っ端に払うと「取り返してやる」という意識が芽生える

 8 サンクコストについて:ちょっと脇道。投資を含めた勝負事、ビジネスなんかだとサンクコストを回収しようとするというのが典型的負けパターンとして存在する。この「負け分を取り返す」という思考に嵌まると慎重さとか勝率、リスクの計算とかをしなくなり分の悪い取引ばかりするようになる。

 9 じゃあどうすれば負けパターンに嵌まらなくて済むかというとこれは非常に単純で「そもそも負けない」「コストなんか支払わない」という態度をとり続ければ良い。ロスカットなんかは「負けた後の対処法」なわけで習得に多少の知識や技術、心構えが要る。難易度が多少高いのよ。

 10 バフェット風に言えば「穴から抜け出すよりも穴に嵌まらないように注意する方が良い」ってこと。最終的には「何が穴かを認識する」「穴に嵌まらない」「嵌まった穴を更に掘らない」「穴から抜け出す」「他の人に『これは穴だよ』と教える」の全部を習得していく必要はあるが最初は最初ので良い

 11 ハイリターンについて(1):家計簿→貯金はハイリターンな投資である。株式投資は大体複利で年15%くらいの利回りになる。しかし、毎年100万円とか定額貯金し続けると年利15%を下回るのって8年かかる。つまり、投資を始めようと思ってから少なくとも8年は投資なんかすんなってこと。

 12 毎年100万円を貯めるとすると
初年は0→100万円で利回りは∞。
2年目は100→200万円で利回り100%。
3年目は200→300万円で利回り50%。
4年目は300→400万円で利回り33%。
5年目は400→500万円で利回り25%。
6年目は500→600万円で利回り20%。

 13
7年目600→700万円で利回り17%。
8年目700→800万円で利回り14%。
9年目800→900万円で利回り13%。
10年目900→1000万円で利回り11%。
かなり長期間において貯金は株投資よりもエッジを保っているのが分かるでしょう。

複利計算は元本と配当区別しないよ

 14 そもそも資産の形を流動性が高い形にしておくこと自体がリスクを軽減する。BSでものれんや固定資産が多い方より現金が多い方が健全性が高い。投資はどうせ失敗する(それでも期待値はプラスだけど)ので積極的な(設備)投資とかの攻めの経営をやる前に資産を「後戻り出来る」形にしておく。

 15 「投資は余剰資産で」が投資の鉄則中の鉄則なのでまずは余剰資産資産作れっていう話なのよね。

 16 ちょっと脇道。投資をやる上で「投資をする順番」というのが利回りを決めるかなり重要な因子になる。投資の順番を決める鉄則は「利回りの高いものから投資する」「継続的に利益を生む(コストを下げる)ものから投資する」というのがあって貯金は両方満たす(前者は前述)のよ。

 17 14の続き。資産の形を現金→不動産に変えるのは容易だけど不動産→現金に変えるときに有形無形のコストが発生する。こういう時はとにかく現金の形で持っておいたほうが良い。不動産は後でも買える。

 18 副次的な利益(1):問題を可視化する。現代の社会においてトラブルは全て「金がない事」から発生する。家計簿をつけていれば「この要請にイエスと言った時にトラブルに巻き込まれるか」「現在トラブルを抱えているか」「それはどれくらい深刻か」「何時頃解決の目処が立つか」とかが予知できる。

 19 副次的な利益(2):自分を客観視出来る。上に書いた様なことが出来るようになるってことは自分を客観視出来るようになるってこと。フロイトも言ってるように自分って自分が思っている程コントロール可能な存在じゃない。なので何らかの外部記憶装置で自分を客観化しておく必要がある。

 20 なんで自分を客観視してコントロールしようと努力するのが大事なのか。自分をコントロール出来てないのに「出来てる」と過信する人が世の中多くてそういう人は段々エスカレートしていって他人を支配しようとするのね。しかも客観視が出来てないから要求が現実を無視して無茶なので迷惑なのよ。

 21 そういう迷惑な人にならないっていうのが大事。「帳簿の世界史」でも書かれてたけど客観視出来ないと個人でも企業でも国家でも必ず滅びるから。でもって滅びるときに周りに物凄い迷惑かけるから。

 22 副次的な利益(2):計画性が得られる。そうやって家計簿つけて「自分を客観視する」「これから起こることにリスク/リターンを見積もる」ってことを練習していくことが「計画を建てる→実行する」練習になっている。家計簿はこれを「必ず」身の丈にあった資産規模とタイムスケジュールでやれる

 23 副次的な利益(3):信用を得られる。上記のことで計画→実行が出来るようになると他人の信用を得られる。銀行口座の残高ってストレートに他人の信用を得られるのに加えて、他人が他人を信用するのって「予測可能性」っていうのが大事。言ったら必ずやる。(結果としても)嘘をつかないっていう

 24 信用が得られると有利に取引出来る。銀行からローンを借りるのだって貯金や計画の実績があれば審査も通りやすくなる。その上、残高が多ければローンの必要な金額も小さくなるし、返済額が小さくなれば返済期間も短くなり、返済期間が短くなれば金利も小さくなる。他の銀行と競合させる事もできる

 25 そうやって段々と「自分に有利な取引」を増やしていって「コントロール可能な出来事」を増やしていける。結果として自分の人生の選択肢が増える。これが家計簿をつけることで得られる一番大きな価値。(終わり)

 


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金(money)について考えることは本質的に「自由」「平等」「法」「正義」「社会」について考える事。

金で物を買う(=取引する)ことはAを買ってBは買わないという選択をするので、必然的にある種の自由が発生する。

金で物を買う(=取引する)時、「Aは1000円、Bも1000円だが、Aの方が価値がある。また、このAの価値は私の労働1時間分に等しい」という判断をしている。何かが何かと等しく、また、それが別の何かとは等しくないと考えている。つまりある種の平等について考えている。

金で物を買う(取引する)には、一定以上の法と秩序が確立していなければならぬ。強盗と略奪が蔓延る世紀末ではいかん。

これらを突き詰めていくと「正義」や「社会」について避けて通れなくなる。もともと「経済」は「経世済民」の略だし、エコノミーの語源のオイコノミアは「家(共同体)の法則」である。

金について追求するのは何ら恥じることはない。

 


池上彰氏が「選挙は税金の使い道を選ぶ人を選ぶイベント」って言ってたけど、寄付でも同じ事が(より直接的に)出来る。例えば「プラン・ジャパン」っつーNGOに年間48000円寄付してると、18000円税金が還ってくる。 
 

これは政府に対して「プラン・ジャパンに税金を使えよ」って命令してんのと同じ。これをさらに突き詰めると「プラン・ジャパン以外に税金を使うなよ」って命令できてる事になる。


コレを日本7000万人の労働者がやると1兆2600億円になって防衛予算の36%位になる。軍事費とか削減したい人はさっさと手持ちの金を寄付すればいいんじゃない?

「もし本気でそう思っておるのならさっさと金を送ればいいのだ ……グズグズ言わずに……ピシピシ送るべしっ……!」


ただ、この考え方進めると税金納めてる奴に選挙権認めてた制限民主主義に戻るんだよなー。

現時点では「選択肢が増えた」と思うことにしよう。要は声を上げるのと金を支払うのと目的達成にどっちが最適解なのかだ

 



この本を読んで感じたのは「お金との付き合い方、教養集」だなってこと。お金とどう付き合っていくという事に対しての心構えが著者の体験を通して語られている。

例えば、
「お金がない」という口癖は今自分が幾ら必要なのか把握していないことからくる不安感で、まずは月に幾ら必要なのかを把握すれば、次に「じゃあどうすればその金額を稼げるか?」を考えるようになって段々とお金に振り回されなくなる。 
とか、
2年間アルバイトして貯金してMacを買うよりも借金をしてMac買ってデザインの勉強をしたほうがキャリア的に良いとか(キャリアを借金で買う)。

逆にダメなお金の使い方として、グチの言い合いの飲み会に出るとか、なんにもしない大学進学とかを挙げている。

全体を通して前向きに、自由に生きていく事を実現する為の道具としてお金があるに過ぎないんだよって事を言って居るんだと思った。

なので、「もうかりそうだから」という理由でビジネスをする事を重要視していなくてその背後にある「ストーリー」を重視している。
例えば著者は40件ほどの新規事業に出資しているが、「クリエイターを応援する」「『場』を作る」事業にしている。それは著者がかつて美大志望だったり、父親の事故で借金が発覚したことが背景にある。「そのビジネスをその人がやる」理由を求めている。 

表紙に「この本を読んでもお金は貯まりません(笑)」とあるように投資方法や起業のhow to本ではなく、結局どういう人生を送りたいのかというキャリアデザイン的な本。
お金について考えることは人生を考えることに繋がるなぁと思いました、まる。 

 

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