2017年05月10日

出願審査の請求の回復申請状況

平成26年の法改正により、特許出願の審査請求期限を徒過した場合でも、「正当な理由」があれば、所定の期間内に審査請求を認めてもらえることになりました。この措置は、
国際調和の観点からPLTに準拠した救済規定を整備するために導入されています。

特許庁は、この救済認否が第三者への影響が大きいということから、回復理由書が提出された出願を定期的に知らせる運用を行っています。こちらをご確認下さい。




そこで、いくつか、どのような理由で申請されているのか見てみました。
・業務の引き継ぎが不十分(産休のため派遣社員に引き継いだが不慣れであった)→認められず。
・電子メールの不備(電子メールで外国代理人になんどか問い合わせたが、電子メールが一届いていなかった)→認められず。
・事務管理体制の不備(ベテラン事務員の退職に伴う混乱)→認められず。

「正当な理由」は「責めに責めに帰することができない理由」よりは緩やかのようですが、認めてもらうにはなかなか厳しいようですね。



(下記は、私がまとめ、以前にもアップしたと思うメモです。)

■特許出願審査請求の手続き期間徒過に対する救済(48条の3)

<内容>
・審査請求期間を徒過した場合であっても、「正当な理由」があるときは、「その理由がなくなった日から二月以内」でかつ「期間経過後1年以内」であれば審査請求をすることができる。
・みなし取り下げ後にこの救済により特許出願が回復した場合は、「取下擬制掲載の公報発行後審査請求掲載の公報発行前」に「善意」で「日本国内」において「実施等している者」は通常実施権を有する。

<留意事項>
・補償金請求権も同様に行使が制限されるものと思われます(条文が見つけられませんでした。)。
・このことが分かるように新たに特許公報が発行されることになった(193条2項4号)。

<責めに帰することができない理由と正当な理由の相違>
・「責めに帰することができない理由」とは、天災地変や本人の重篤のような客観的理由により手続きをすることができない場合のほか、通常の注意力を有する当事者(原特許権者等)が通常期待される注意を尽くしてもなお避けることができないと認められる理由を示すと解されています。当事者に過失がある場合は、この「責めに帰することができない理由」があるとはいえないものと考えられています。
・「正当な理由」は、「責めに帰することができない理由」よりも緩やかな要件と解されており、期間内に手続をすることが求められる原特許権者等が、状況に応じて必要とされるしかるべき措置(以下「相応の措置」という。)を講じていたか否かによって判断される旨記載しています。相応の措置を講じていたといえる場合は、原特許権者の過失の有無にかかわらず、「正当な理由」があると判断されることになります。そのため法改正後は、過失があると判断されることにより従前救済されなかったような事例であっても、救済される場合があると考えられます。例えば、期間徒過の原因となった事象が、期間管理のために利用したシステムの構造上の問題であってそれが利用者たる出願人や権利者が想定し得ないものであった場合や、出願人や権利者又は代理人が手続のために用いた補助者によるミスの場合は、従前は、過失があると判断され救済されない場合もありましたが、改正後は、出願人や権利者が相応の措置を講じていたか否かの観点から判断がなされることにより、より柔軟に救済され得るのではないかと考えられます。

<改正趣旨>
(国際的な制度調和の観点)
 日本を含め、米国、欧州特許庁等の主要諸外国・機関の多くは未加盟であるものの、PLTに準拠した救済既定の整備は各国・各機関で進められている。


aichanpapa1 at 21:47│Comments(0)TrackBack(0)

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あいパパ
 14歳の娘、あいちゃんのパパが弁理士として頑張っています。
 弁理士になっても日々勉強の毎日です。勉強・仕事・家庭のバランスに苦戦中。
 LECで講師もしていました。
 キャッチフレーズは「会いに行ける弁理士!」

●職業:弁理士です。
●住所:京都です。
●家族:妻 司書
     子 あい
     子 けい
●資格:
 ・弁理士
  <2006年>LECで一発合格
 ・知的財産管理技能士1級
  <2008年>

※写真は0歳のあいちゃんです。雑誌にも載りました!

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