藍色工房(あいいろこうぼう) オフィシャルブログ

自社農園で藍を育て、藍の石鹸や藍染め雑貨を製造販売している四国の小さな藍の工房から、スタッフみんなでお届けします。
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タグ: 佐野藍

栃木県佐野市で佐野藍を復活させた方々にお会いしに行った時の様子と、

その地に残る忌部の神社のお話しです。

いつもありがとうございます。藍色工房店長の坂東未来です。

前回のレポートの続きです。


<まずは鷲宮神社で御挨拶>

実は生まれて初めて、東京より北の 本州の地に足を踏み入れました。

栃木は遠いってずっと思っていましたが、佐野市のバスターミナルへ向かうバスに

東京駅の八重洲口から乗り込むと、1時間半もかからないくらいで到着します。


バスターミナルで待ち合わせていた大川さんが車で早速に連れて行ってくださったのが、

鷲宮神社でした。

鳥居の側まで車を付けると「あ、きれいになってるなぁ!!」と声をあげられました。

夏にいらした時には草ぼうぼうだったのだそうです。

鷲宮神社拝殿

コンパクトですが、屋根の上に透かし彫りの配された洒落たつくりの拝殿です。

酉の市の日の後でしたから、きれいにされていたのかもしれません。



鷲宮神社のご祭神である天日鷲命(あめのひわしのみこと)は、阿波忌部の祖神で、

阿波の鳴門を旅立った忌部氏たちが千葉県にたどり着いて利根川を辿りながら

関東を北上して拠点を拡大していったときに、各地の神社で御祭神として祀られてきました。



日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征に動いた時、浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ:ご祭神は

同じ天日鷲命です)に戦勝祈願に訪れ、使命を果たした後にお礼参りに再び訪れ、武器として

使用した熊手を奉納したのが酉の日。

それを記念して今でも毎年11月の酉の日に開催されている「お酉さま」「酉の市」が始まり、

縁起物として熊手がたくさん販売されています。


佐野の鷲宮神社でも「お酉さま」が忘れずに行われているのでしょうか。

注連縄も新調されて、ちょっとお洒落をした後のような雰囲気でした。

ご神木の杉の木

ご神木は大きな杉の木でした。

鷲宮神社の狛犬

どことなく愛嬌のある狛犬さん。


忌部の神社らしく(汗)少し荒れている感じはありましたが、神楽殿もあって、

古くから大切にされてきた神社だったことがうかがえます。

拝殿でお参りした後は、本殿を横から眺めてみたり、敷地内にある祠や石碑を

眺めたり、神楽殿が立派なことに感心してみたり。


ここにやって来た忌部の方々は、どんな気持ちで頑張っておられたのでしょう。

新しい土地で新しいことを始めるのは、大変なことだったと思います。

「種穂神社(阿波忌部発祥の地です)の氏子の娘です。

ご縁をいただきありがとうございます。」

そうご挨拶できることは、とてもうれしい事でした。



<佐野藍は熱い>

その後で連れて行っていただいたのが、今年の藍の葉で藍染め染料の「すくも」を作って

おられる方の作業場でした。

山羊を飼われていたり、敷地内の柿の木にはたくさんのメジロが柿の実をつつきに

来ていたり、のどかで素敵な所でした。

佐野藍のすくも

そんな作業場の木の箱で、むしろをかぶって眠っている「すくも」と対面しました。

しっかりと熱を持ち、醗酵が進んでいる様子でした。

頑張ってるね、頑張るんだよ…思わずそんな気持ちになります。

触ってみたら、熱くて湿っていました。

生きている。。。

たくさんの方々が手と知恵をかけて頑張っておられる証です。



<佐野の藍染め工房「紺邑(こんゆう)」にて>

そして、大川さんの藍染め工房&ショールームである「紺邑(こんゆう)」に到着

すると、藍の栽培に携わっておられるプロジェクトチームの方々がいらっしゃいました。

大川さんの染め場にテーブルとイスがセッティングされていて、薪ストーブに

火をくべながら和気あいあいとざっくばらんにお話が進んでいきました。


大川さんが大切な藍の瓶を見せてくださいました。

阿波藍で藍建てしたもの。

佐野藍だけで藍建てしたもの。

またそれぞれの瓶の染まり具合を試すためにティッシュをサッと染めてみてくださると、

どの瓶も爽やかな良い色が出ていて素敵でした。


ですが、やはり問題になっているのが染料の「すくも」不足。

設置されている瓶がフル稼働できない状態であることをお話しされていました。

おそらくですが、日本中のどこの染め場も同じことが起こっているのではないかと

推測されます。



いい色を出す「すくも」を、まずは大川さんの工房がフル稼働できるように増やす

のが目下の目標のようでした。

佐野藍は第一段階の「すくも」ができるかどうか、と言うところを軽々と乗り越えて

(実際の作業はいろいろ大変ですよ)次はどうしたら「良いすくも」を作ることができるか、

皆さんから様々な意見や問題点が出てきました。


こちらも、作りかけの「すくも」のような熱を持ったチームの様子がうかがえました。

この方たちなら、きっと色々取り組まれて、目標とするところにどんどん近づいて

行くのだろうな…と思いながらお話しの輪に参加していました。



そして。。。私の反省しなくてはいけないことの一つなのですが、夢中になると

それ以外のことが何にも気にならなくなって、集中してしまうことがあります。

どういう事かと言いますと、この時皆さんとお話しすることが楽し過ぎて、

一枚も写真を撮影しませんでした(汗) 

貴重な機会に、本当にバカです(涙)



でも、本当にそれほど、熱心な語らいに感動していた証拠でもあります。



一度途切れたものを再び復活させることは並大抵のことではありません。

佐野の方々のご苦労を垣間見て、藍の栽培や藍の文化を絶やしては

いけないと改めて感じました。

私たちでお役に立てることは、どんなことでもお応えしていきたいと思っています。



忌部の教えの中には、「分かち合う」という心持ちが伝えられています。

藍はもともと、忌部が一所懸命に様々な地に広げ、また戦国時代には

逆に阿波が播磨(兵庫県)からすくものつくり方を教わったりして「分かち合い」ながら

技術を伝承してきました。

現代において再び「分かち合い」を深く意識することが、豊かな物作りの復興に

つながるのだろうと考えています。


日本の藍は、大和魂宿る伝統の色。

日本のみんなで守ればいい。

そう思っています。

佐野の皆さん、頑張ってください。

徳島にいらしたら、父の畑をご案内いたします。

この度は、長い時間お話しさせていただけて嬉しかったです。

ありがとうございました!!またお邪魔します!!



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藍とかかわりの深い忌部氏ゆかりの地は、関東に点在しています。

東京へ出張する機会が増え、そういった場所に立ち寄ることも、楽しみの

一つとなりました。

いつもありがとうございます。藍色工房店長の坂東未来です。

それにしても、関東平野は広いですね。



<佐野に蘇る藍>

栃木県佐野市にご縁ができたのは、この地で藍染めの工房「紺邑(こんゆう)」を

主催されている、染め師の大川公一さんとの出会いがきっかけでした。

出会いと言っても直接お会いしたのではなく、母が藍染めの更なる勉強のために

何か良いヒントはないかとパソコンで検索をかけたところに、大川さんのブログに

行き当たり、「素敵なことを書いてくれている人がいる」と嬉しそうに報告してきたのが

最初でした。


大川さんがブログで触れておられたことを少し試してみた母の手から、今までより

一層冴えた藍の色が現れ、嬉しかったりホッとしたりした記憶があります。


その後、SNSサイトで大川さんを発見。

不躾にもお友達申請をお願いして、交流が始まりました。

藍の色と真摯に向き合っておられる姿勢に、いつも勇気づけられています。 

東京へ出張の折に、大川さんが東京の百貨店に出展されているタイミングと重なる日が

あれば 、たとえ駆け足でもごあいさつに向かわせて頂いたりしていました。

染め師大川さんと
(2012年12月、日本橋三越にて初めて大川さんとお会いした時の写真)


そんな中、大川さんも使われている徳島産の藍染め染料「すくも」の生産量が激減し、

それまでの交流の中で、私たち藍農家の事情を良くご存知だった大川さんは

「自分たちですくもを作れるようにならなければ、藍染めができなくなる」といち早く察し、

共感されたお仲間と共に 藍の栽培からすくもの加工までを行うプロジェクトを

立ち上げられました。


この時、藍の種を父の畑で採取したものをご提供させていただきました。

母の藍染めに大切なヒントをいつもいただいていた、せめてものご恩返しのつもりです。


実は昔、佐野でも藍作りが行われていたのだそうです。

佐野藍は明治時代に幕を閉じ、それ以来初の藍作りが大川さんのチームで

始まりました。

私たちがお送りした種が、佐野の土とうまく暮らせるだろうか。

大川さんのお役に立てるように育ってくれるだろうか…

嫁に送り出した子供の様子が気になるのって、こんな感覚なのでしょうか。


そして今年の春。

「初めて作ったすくもで、ちゃんと染めることができた」という大川さんのリポートが

SNSサイトにアップされました。

感動しました。

一度、佐野に行かなければ…そんな気持ちになりました。 

105年ぶりに復活した佐野藍が、地元のメディアで明るい話題の一つとして取り上げ

られている様子を嬉しく拝見しながら、機会をうかがっておりました。


◆「佐野藍」復活、地元有志ら挑む 栽培拡大、本格生産へ 栃木
 http://www.sankei.com/region/news/140710/rgn1407100091-n1.html



<忌部氏のご縁>

そして、大川さんと交流しているうちに、佐野と私たち山川町の農園をつなぐ

もう一つの深いご縁 のあることが分かりました。

山川町一帯で藍を阿波で初めて産業的に栽培した阿波忌部氏の祖神を祀る神社が、

大川さんの工房の近くにあったのです。


鷲宮神社(わしのみやじんじゃ)と言って、御祭神は天日鷲命(あめのひわしのみこと)と

されています。

阿波の鳴門から旅立って、千葉にたどり着いた阿波忌部は利根川を辿って北上し、

今の栃木県にも拠点を持ったと伝えられています。

その痕跡の側に、藍と暮らす人がいる。

私は一人で局地的に大騒ぎしていました。

この時は、久し振りに震えが来ました。 


阿波藍の始まりの地から、阿波藍の旅したところに住まう人のところに、再び

阿波藍の種が旅立つ。

壮大な歴史の螺旋階段を、今生きている私たちがよろよろ昇っていくような感覚に

見舞われました。


忌部の神様が観ていてくださっている。

そして何かを私たちに託そうとなさっている。

そう思いながら過ごした2014年も師走に入った12日。

様々なタイミングが合致して、私の初佐野入りが叶いました。



(その2に続く) 


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