6歳。

まだ老犬ではなく若い方ですが、大型犬の6歳は犬種や体調によってはそろそろ年を感じるお年頃です。
Jは6歳前後で足腰が弱くなり、あまり走れなくなりました。
そして先日2014年1月28日、6歳で、中皮腫の悪腫瘍(ガン)が原因で、永眠しました。
ガン発覚から約1か月の記録を、このブログに残したいと思います。

私も実際、「どうすればいいの?」「これは何なの?」と疑問に思うことが多く、もちろん病院に行ったとき獣医さんに確認するのですが、とにかく「今調べたい知りたい」ということが多く、ネットで皆様の闘病生活や質疑応答を見せて心を落ち着かせて頂きました。
ガンの種類や進行状況や治療内容によって状況はかなり変わると思いますし、ネットなんかよりとにかく信頼できる獣医さんへの相談が大事だと思いますが、そのうえで、このブログが何かの参考になれば幸いです。


※もう一度書きますが、参考程度にして鵜呑みにはしないでください※
※さまざまなパターンがあるはずですし、的確な判断は、診断した獣医さんにしかできません※
※ここで私が書いた内容が、他のワンコには共通していない(むしろ真逆な)こともあると思います※
※ネットでの情報を信じてペットとの闘病に臨むことは危険だと思います※


ちなみに私のガンに対する考えとしましては、以下の通りです。
●早期発見で治る見込みが高く、体力的に大丈夫ならば手術しようと考えておりました。
●再発の可能性大だし体力的に厳しいなら、手術はしないと考えておりました。
●大きな副作用が出るような抗がん剤や、点滴での無理な延命は、しないと考えております。
●もう治らないのなら、できるだけ苦痛を和らげて、できるだけ安らかな最期を迎えさせてあげることに尽くしてあげたいと考えます。
●安楽死は、犬が生きたがっている間は考えないようにしております。
 「ご飯を食べたがる」「散歩に行きたがる」「遊びたがる」など、犬としての楽しみを欲している間は、私の判断で  命を奪わないと決めました。
そのような考えの飼い主ですが、よろしければ闘病生活1か月の流れをご覧くださいませ。


もう一つ。
犬種がわりと特殊でして、下手するとこのブログでご近所さんに身バレしてしまうので(苦笑)、犬種と名前は伏せさせていただきます。
30~40キロの大型犬で、名前はJ、とだけ書かせていただきます。

それでは、始まりです。



*****************************************************

2013年12月20日まで。
その日まで、私はJがガンであることを、全く知らずに過ごしておりました。
冬になり、ちょこちょこと食欲不振や、便秘、下痢、嘔吐などはありましたが、どれも今まで(0歳~6歳)に何度もあったことで、まさかこの時点ですでに大病を患っているとは、まったく考えていませんでした。

ただ12月に入ったあたりから、「食べてもすぐに吐く」ということがあり、胃腸の調子が悪そうだというのは感じていました。
それとともに、少しずつ痩せていきました。
夏は食欲がなく毎年痩せていて、秋は食欲旺盛で太って通常になっていたのですが、気が付けば夏バテ時と同じぐらいに細くなっていました。

便秘&下痢気味だし、年だしごはんが合わなくなってきたのかなあ、とか、そんなことをのんきに考えていました。
でも、そうやって目に見えて「あれ?痩せた?」と感じ始めて、数日。
「痩せた?」どころではなく、「病気の犬」と思えるほど、急激にあばらが浮いて、せぼねがゴツゴツに浮いてきました。

そして、お腹が膨らんでいきました。

たった数日で、です。ほんとうにたった数日。
(これはあとで聞きましたが、たった3日で3リットルもの腹水がたまると言われました。体格や病状によって違うと思いますが)

その間、食欲はあるし、散歩も行きたがるし、ボール投げてほしくて持ってくるし、内面は何ら変わりありませんでした。
しかし食べてるのに一気に痩せ、そしてお腹が膨らんできたことに不安を覚え、焦って病院に行きました。
「痩せた?」の時点で、早く病院に行って血液検査でもしてもらえば、と今でも悔やんでいます。

いえ、本当はもっとずっと前。

数か月前にも、たとえ異変がなかったとしても、検診してもらってたら良かったんです。


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12/21
病院にて。腹水がたまっていると言われる
腹水が邪魔で、エコーでよく見えず、調べきれず原因はわからない
腹水を抜く利尿剤をもらい、飲ませる
腹水が減ったらもう一度検査するとのこと
利尿剤が聞いて、1日6~10回オシッコしている。これで腹水が減るとのこと。    

12/22
昼間は元気。ボールを持ってきて遊ぼうとするし散歩にも行きたがる。
でも夜になるとぼーっと立っているだけの時間が増えてきた気がする。
(今までは、深夜の寝ている時間以外はずっと一人遊びしたり私に遊びをせがんで来たりしてきました)

12/23
尿と一緒に腹水が少し抜けたのか、お腹がひっこみ食欲もさらにわいてきた
おかわりを要求するほど食欲旺盛
再び病院に。腹水が抜けていたし、カテーテルでさらに尿を抜き、前よりエコーが見やすくなる
そこでお腹の中に、ぽつぽつと影が見え、ガンであることが発覚
転移が激しく、中皮腫というところに腫瘍が広がっていて、もう手術のしようもないとのこと
治る見込みはもうない
ただ、弱っていくのを見守ることしかできない
余命は、早ければ数日内に突然死、もってもおそらく3か月と告げられる。
腹水がたまるというのはもうその時点で病気は末期らしく、
健康だと思って過ごしていた12月までの間に、ガンは進行していたらしい
あの、「痩せた?」程度に考えていた、12月中旬よりも、ずっと前から。
もしかすると、夏の食欲がなかったころ、あれはただの夏バテではなく、
そのころからすでにガンが進行していたのかもしれない。
突然末期と言われても、信じられなかった。
ここから、利尿剤とプレロン剤(炎症を抑える痛み止め、ガンの進行を抑える薬)を
毎日飲ませる生活が始まる。
お腹が膨らむにつれ、食欲は落ちていく。
咳(犬の咳は、何かを吐くようなゴボゴボケェッという咳です。嘔吐かとよく間違ってました)、嘔吐、下痢もあり。

12/24
少しずつ腹水がたまってきているが、特に大きな変化はなし

12/25
腹水がたまってくる。おすわりも苦しいみたいでよく立っている

12/26
特に大きな変化なし

12/27
横になって寝る時間が減ってきた。座ったり横になるとお腹がくるしいみたい

12/28~31
特に大きな変化なし。お正月にはごちそうを喜んで食べてくれました。


2014年1/1~1/4
腹水は徐々にたまりはじめ、妊娠しているような体形に。お腹は腹水のせいか、ぎゅるぎゅる言っている

1/5
車移動するだけで犬の体力を削ってしまうので、本当は動かしたくないのだけど、
腹水を抜いてもらいなんとか楽にしてあげるため、病院に行くことを決意。

1/6
初めて、針を刺して腹水を抜く。局部麻酔でお腹に太い針をさす。でも300mlぐらいで犬が嫌がりはじめ、断念
動くと注射針はすぐ抜けてしまうらしく、動く元気があるときは抜きにくいとのこと
本当は何リットルもたまっているのに、抜くことはできなかった
腹水の色は、コーヒー色。
以前出血したらしく、それが凝固しているようだった
ただ鮮血色ではないので、今は出血しておらず貧血で倒れる心配はないとのこと
病院で出された栄養価の高い缶詰、匂いも強くおいしそうに食べる。食欲には問題なし

1/7
少しだけど腹水のお腹がへこんできたので、久しぶりに横になって寝ていた

1/8~9
また、腹水がたまり始める 

1/10
横にゴロンとなると腹水が流れ込んできて苦しいのか、伏せでしか寝れなくなった。
でもまだ訪問者に吠えて番犬としての仕事をする、声はこもっているし小さい

1/11~13
腹水がたまり始める。息苦しそう。でもまだボールを持ってきて「遊ぼう」のしぐさは見せてくれる。
寝ると腹水で苦しいけど、立っていると楽のよう。

1/14
下痢。トイレに間に合わないことも。咳はほぼ毎日出ている

1/15~16
下痢がひどくなり、咳もひどくなり、腹水もひどくなる

1/17
立ったまま眠そうにフラフラしていることが多くなった。
腹水のせいか、ガンの痛みのせいか、横になれないらしい。後ろ足もむくんでいる

1/18
昼間はまだ元気。散歩に行きたがるしボールで遊びたがる。夜や朝は眠そうにフラフラしたり不安そうな顔をしている。

1/19
食べた栄養がガンにとられ、ご飯をたべても栄養にまわらないらしい。
食欲はあるのに、どんどん痩せていき、骨と皮だけのような外見になる
今ある筋肉が、どんどん消費されているらしい
筋肉がなくなって寝たきりになるのも時間の問題
体力は温存しなければならないと言われたけれども、
最期のチャンスという覚悟で、お散歩に出ました。
といっても10分だけですけど。
久しぶりの外は、やっぱり嬉しそう。
風を感じながら、肌寒い外をお散歩。
Jを外に出したのは、これが最期。
これ以降は、部屋にこもりっきりで療養となります。

1/20
なんとか伏せで寝ようとしても、顎をつきだし、いびきをかくような「グ~」という音を伴う呼吸しかできず、苦しそうですぐ起きる
鼻はいつも湿っていて、撫でているときは元気そうな光ある目をしてくれる

1/21
下痢、咳、嘔吐、むくみ、睡眠不足、腹水
それらが毎日続いていたが、この日はついに缶詰も食べなくなった。
病院に腹水を抜きに行く。
それで元気を取り戻さないなら、安楽死を考えないといけないと思っていた。
それほど、苦しそうだった。
腹水は、本当はあまり抜かない方が良いとのこと
腹水には栄養が含まれているし、針を刺すことで腫瘍が広がるし、抜く(前の局部麻酔注射)のは痛いらしい
犬は言葉がわからないので、「なんでこんなことされてるの?」と不安に思う
もう助からないことはわかっているのに、痛くていやな思いをさせるのは、よくない
とはいえ抜かなければ寝ることもできないほどに息苦しい
状況が悪くなることがわかっていても、抜くしかない
この日も最初は嫌がっていましたが、腹水が抜けていくにつれ、おとなしくなり、楽になって気持ちよくなったのか、最後は診察台で眠ってくれました。
ずっと、横になるのが苦しく、立ちっぱなしで、寝れてなかったんです。
注射針を刺し、注射器でドンドン腹水を抜いていく。色は濁った焦げ茶色。
6.5リットル抜けた
33キロあった体重が、27キロぐらいに
ビックリするほどガリガリ。
まだ腰のあたりはお肉がついていると思っていたのに、腹水で膨らんでいただけだった。
腹水を抜いたとたん、お腹周りだけでなく、腰のあたりも下半身がガリガリに。
もういつ逝ってもおかしくないと言われる。
ボールで遊んでいても、急に発作が起きて貧血、吐血して即死する場合もあると。
(初めて腹水がたまった12月中旬の時点でも、これは忠告されていました)
フラフラになりながらも、ちゃんと自分の足で歩き、車に乗ってくれた。
本当に頑張り屋さん。
トイレもフラフラになりながら、ちゃんと行く   

1/22
缶詰はあきたのか、食べなくなった。でもササミやレバーのおやつは食べる。
オヤツにまぜたら缶詰も食べるようになった。
腹水が抜けて、食欲が戻り一安心
手作りの料理もはじめ、チーズや肉の匂いの濃いものを作った
獣医さんいも「食べたがっているものは何でもあげてください」と言われました。
これまで、「油っこいものはダメ」「砂糖入ってるものはダメ」「魚介類ダメ」など、ダメダメずくしで
ほとんどペット用の食事しかさせてこなかったのですが、解禁です。
プリンとか、アイス、からあげなど、私が食べているものをほしがったらあげるようにしました。
一日中寝て過ごすけど、トイレ(下痢)だけは起きてちゃんとトイレでしてくれる
本当に、手のかからない子だと思う

1/23~1/25
腹水が抜けたおかげか、下痢がなおり、通常のウンチが出るようになった
でも伏せの状態で、耳も伏せて、じっと痛みに耐えるだけの毎日
毎日缶詰やササミは食べてくれている、まだ生きる気力はある。
痛みに耐えている様子を見ると安楽死の文字がよぎりましたが、
食欲があるうちは犬の命を奪う気にはなれませんでした。
犬は生きようとしてくれている。
そしてこの期間に、小さいころからJをかわいがってくれている友人が何人かお見舞いにきてくれました。
たぶんこれが最期だなと、私は思ってました。
Jは、久しぶりの大好きな来客に嬉しそう。
友人たちによぼよぼとすり寄る。
身体は細くよぼよぼとしているけど、この期間(4日間)は、ウンチも正常だし吐き気も少ないし、
比較的穏やかに過ごせました。
ただ腹水だけは、日々たまって苦しくなっていく。
そして穏やかというふうに書きましたが、苦痛に静かに耐えていただだったと思います。
犬は我慢強い。
じっと、得体のしれない苦痛と、戦っていました。
私にできることは、ただ頑張ってる姿を「偉いね、苦しいね」となだめること。
そして、本当は「頑張って」と言いたい所でしたが、もう頑張らせたくはなかった。
今、Jは、死に向かって戦っている。
決して勝てない闘い。
頑張っても苦しむだけ。
私にできるのは、Jを頑張らさせず、できるだけ楽に逝かせるようにすること。
「嫌だったらいつでも逝ってもいいんだよ、私は大丈夫だから」と無理に頑張らせないようにすることと、
いつもそばにいて、笑顔でいて(苦しそうにしているとき、私は何回か泣いてしまいましたが)、
できかぎり犬を安心させるようにつくしました。

1/26
たまに「ハアハア」と、口を開けて息苦しそうにしていた。
やがて口を閉じて、顔を布団にうずめながら苦しみに耐えている。
いよいよ、本当に苦しくなっている。
でも、ご飯は毎日食べる。生きようとしている。治そうとしている。


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1/27
朝、とつぜんJの足腰がたたなくなった。
トイレに行こうと一生懸命立とうとしますが、生まれたての小鹿のような感じでふらついてはこける。
後ろ足の感覚がないようで、後ろ足に力が入らずズルズルと滑っていく。
なんとか前足だけではいずりながらトイレに向かったが、途中で倒れ、その場でおもらし。
とても、申し訳なさそうな顔をしていた。
めいいっぱい、ほめてあげました。
「いいんだよ。今までトイレ頑張ってくれてありがとう。これからは部屋の中のどこでトイレしても大丈夫だよ」
それでもJは自分に納得できないようで、トイレのたびに何度も後ろ足に力を入れようと頑張る。
プライドと忠誠心が高い犬で、主人の役にたてなくなり迷惑をかけてしまう自分が、許せないのだと思う。
頑張って、立てなくて、頑張って、立てなくて、を何度も繰り返しているうちに、おもらし、を繰り返し。
マットの上にトイレシーツをしきつめていたので、尿を漏らすたびにシーツ交換&ぬるま湯でぬらしたタオルで体をふく、の繰り返し。
大型犬なので大変だけど、犬の方が大変なのはわかっているし、犬のためにできることをやっていることに私は喜びを感じた
今までずっと、苦しそうなのを見てることしかできなかった
初めてお世話というお世話をできている気がした
腹水を尿で出すため利尿剤も飲ませているため、3~4時間に1回はオシッコが出る。
この日は合計6回、伏せたままオシッコが出た。
オシッコが出るたび申し訳なさそうな顔をするので、「大丈夫だよ、オシッコ出て良かったね、偉いね」となだめる。
これが彼のプライドを傷つけ、気力を、奪ってしまったのかもしれない。
犬は、飼い主の迷惑になることを嫌うそうです。
犬が、飼い主を守りたいんだそうです。
無力でふがいない自分に、精神も体力もズタズタにさせてしまった。
そう、後になって思います。
ごはんは朝と昼に、少量ですがおいしそうに食べました。
お水も、尿が出るたび口元にもっていきましたが、よく飲んでくれました。

1/28
深夜
きれいな伏せではなく、足をすこし崩した伏せしかできなくなる。
でもその姿勢ではお腹が圧迫されて腹水が苦しくて、呼吸が「ズーズー」と音がするほど荒くなる。
かなり苦しそうで、力が入らない両手両足でじたばたと頑張り、何度も大勢を変えている。
水を持っていくと、よく飲む。
でももう12時間ほど、何も食べ物を口にしていない。
この日ついに、Jに食欲がなくなった。
朝まで様子をみて、病院の開業時間になってもこの苦しみと食欲のなさが続くようなら、
安楽死の決断を獣医に相談しようと心に決め、夜を過ごしました。
なにより、完全に手足に力が入らなくなり、このまま完全のねたきりになると、自分で大勢を変えられなくなる
たぶんそれは、死ぬよりもつらい、長い苦しみを与える呼吸困難になり、長時間苦しみながら死ぬことになる

でも、安楽死って、「殺す」ということ。
大好きな我が子(ペット)の命を奪うということ。
獣医の反応次第で決断するつもりでいたが、決断するのが怖い。


本当に今思うと、ですが
そんな私の気持ちを、この子は知っていたのかもしれない


頭の中が安楽死でいっぱいになりながら私は朝方までJの横で仕事をし、少しだけ仮眠をとろうとしましたが、
犬が動けない前足と後ろ足を動かそうとしてもがくので、すぐ起きる。

朝、8:30頃。
嘔吐。24時間ほど前に食べたフードでした。食べたときのままの形。もう消化器系が機能していない。
立て続けに嘔吐。3回ほど。
そして伏せて苦しそうにする。
嘔吐や咳はこの闘病生活で珍しいものじゃなかったので、とりあえず水を飲ませようと水をもって行く。
しかし飲まない。
直感で、「おかしい」とすぐわかりました。
犬が水を飲みたいタイミングは、だいたいわかってきていたため、
今ここで水に興味を示さないのは、それどころではない異変が起きていると思いました。
私は嘔吐物の処理掃除をしながら、犬のお腹や背中をそっとなでる。

するとここで初めて、犬が「ピュイーン…」という、助けを求める声で鳴きました。
闘病で鳴いたのは初めてでした。
いままでどんなにつらそうでも、じっと黙って耐えていたのに。
あきらかにおかしい。
私は嘔吐物の処理を途中でやめ、犬をなだめる。
頑張れとはもう言えなかった。
「よしよし…つらいね」
犬は私の方をちらりとも見ず、手足をばたつかせて苦しみもがく。


そして、最期の時の数秒はあっというまで、長かった。


********************ここからJ永眠まで、15秒ぐらいの出来事でした*****************************


昨日丸一日、なんど挑戦しても立てなかったのに、最期の力を振り絞ってJは勢いよく立ちあがりました。
激しい咳。
いつもすぐ咳は止まるのに、10秒ぐらい続く咳。
かと思うと、突然Jに苦悩の表情がなくなり真顔になると、ぐらりと真横に倒れそうになる。
私はJの名前を大声で叫び、抱きとめる。
それと同時に、失禁しながらピィーンと手足を伸ばし、苦しそうに全身を痙攣しながら、聞いたことのない低くこもった声で「ウォオーン」と鳴く。

私はその手足を伸ばすしぐさは、死ぬ直前にする動作であることを知っていた。

私は必至にJの顔を見ようとしたが、太ももをパタパタとたたかれ、「えっ」と思って視線をJのおしりの方に移す。

Jが尻尾を振り、私の太ももをたたいていた。
  
その尻尾の振り方は、本当にうれしいとき(おかえりー!)とか(散歩だー!)とかに見せる力強い振り方でした。
   
Jの「アリガトウ、サヨウナラ」の感情が、流れ込んでくる。
   
説明のしようがありません、声がきこえたわけでもありません、ただその思いで埋め尽くされたんです。

私は抱き付いて泣きながら名前を呼びました。

Jは尻尾を3回振ったあと、尻尾の動きはピタリとやむ。

痙攣もやむ。

Jは脱力し、私に全体重を預けた。
 
瞳孔が開き、口を大きく開け、舌を垂らし、頭を垂らし、完全に動きがとまる。

それは全部同時に訪れ、尻尾の動きが止まった同時に、すべての音と動きが嘘のように一斉に止み、静寂。

私はとつぜん静寂に一人とりのこされ、ただJにたたかれた太ももの感触だけ残り、尻尾を茫然と見つめる。

何が起こったのか理解し、Jの亡骸に縋り付き泣いた。

大人になって初めて、声をあげて大泣きしました。


*************Jが立ち上がってからここまでが、15秒ぐらいの出来事です*********************


それから1分後ぐらい…
とつぜん、口をぱくぱくとさせる痙攣が始まる。
「生き返った!?」とも思ったけど、表情はなく瞬きもなく死んだ目をしているので、死後痙攣だと思いました。
たとえ生き返ったとしても、正直、「もう安らかに眠って、これ以上苦しまないで…」
と願う気持ちでいっぱいで、「やった、生き返った!」という気持ちは一切起こりませんでした。
意識はない様子で、規則的に口が動くだけで、目も瞬きもせずずっと開ききっている。
私は「もういいんだよ…休んでいいんだよ」と撫でているうちに、1分も待たず、動きが、本当に、完全に停止しました。

時計を見ると、8:43
嘔吐してから、10分ぐらいの最期の抵抗は、内容が濃すぎて、Jだけでなく、私もずっと心臓がばくばくしっぱなしでした。
できるだけ落ち着かせようと穏やかな声を頑張って出していたけど、名前だけは悲痛に叫んで呼んでしまった。
きっとJに心配かけてしまったに違いない。
   
   

「死」というものを、はじめて間近で体験しました。
昔親が飼っていた犬はちょっと食欲ないかな?と思った翌朝に冷たくなっていたし、
昔親飼っていた猫はふらりと家から姿を消して帰ってこなくなった。
今は動物も医学やペットの飼い方も発達していて長生きするため、その分病気も増えている。
その結果、こんなふうに、「闘病生活」というものが犬にも猫にも当たり前のようにある。
これから犬や猫を飼おうと思われている方は、最期の時を後悔しないようにしてください。
介護が必要になる場合もあります。
長引く病気や、普通に健康で老いた場合は、何年もねたきりや介護生活が続く可能性もあります。
お金も時間もかかります。
私も1か月とはいえ、ほぼ24時間体制で犬の介護をし、犬と過ごす以外の時間を極限までなくし、
そんなことよりなにより、精神がガンガンに削られていくのを感じました。
元気に走り回っていた我が子が、徐々に動けなくなり、悲しい表情をして、
いつまで続くかわからない苦痛に耐えている。耳を伏せ、ぷるぷると震え、眠れぬ夜を過ごしている。
代わってあげたいけど、見ているか撫でて慰めることしかできない。
飼い主さんなら、事故死や突然死でない限り、いつかは私と同じような思いをする時がくると思います。
そしてやはり、安楽死の決断の時がくると思います。
安楽死を選ぼうと選らばまいと、最期は看取ってあげてください。
安心させてあげてください。

Jは、初めて、親や家族ではなく「私」が飼って世話したペットです。
生き物を飼うって、こういうことなんだと、改めて思いました。

今、これを書いているのは1/29の深夜(後日、少しずつ文章をつけたしたりはしてますが)
まだ、部屋にはJがいるような気がしています。
風の音がなるたびに、Jの呼吸音や寝返りの音のように思えます。
骨壺は、気持ちの整理がつくまで私のデスクワークの横に置いておくつもりです。
いつも彼の特等席だった位置に。

まだ、思い出せばいつでも泣ける。
過呼吸気味で、息苦しい。
いつか泣けなくなるときが、来るのだろうか。

最期の最期まで私を気遣い、苦痛に顔をゆがませながらも尻尾を振ってサヨナラとアリガトウを告げてくれたJのやさしさ
私は一生忘れない
彼を飼って、本当に良かったです
もっと早く安楽死を選ぶべきだったのかどうかの問題だけは、今も悔やんでます
でもどっちを選んでも悔やむことになるとは目に見えています
頑張ってくれたJに、今はお疲れ様と言いたいです。


私を主人と認めてくれて、今まで良い笑顔で側にいてくれて、本当にありがとう。
6年間という短い犬生だったけど、幸せだったかな?
闘病生活1か月間、本当に本当にお疲れ様。
じっと我慢して、お薬もちゃんと飲んで、フラフラになりながらもトイレに行って、偉かったね。
最期、キミと見たお散歩風景は忘れない。
大好きだよ。


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おまけ①葬儀
死後数時間で、死後硬直が始まります。
身体をきれいにして、一緒に燃やす思い出の品を用意して、できるだけ死後から24時間以上たってから、火葬します。
思い出を形として大切にしたい方は、火葬の前に毛を切って取っておくなど、しておいた方が良いです。
火葬してしまうと遺骨しか残らないので、火葬前が毛に触れる最後のチャンスです。

もちろん毛だけでなく、肉体に触れる最後のチャンスです。
たっぷりと、かわいがってあげてください。


おまけ②費用
下世話な話ですが、火葬の葬儀費用は合計4万円ぐらいでした。10万ぐらいを覚悟していたので、個人葬儀にしては安かったと思います。
闘病生活の費用は、1か月で、薬代や通院代で3万~5万円、栄養価の高いカンヅメが2~5万円、
他、介護用のペットシーツなども含め、おそらく10万円はいかなかったと思います。
よくわかりませんが、たぶん、少ないほうです。ほとんど自力で生活できていましたし、世話のかからない犬でした。
詳細な金額を計算していないため、アバウトで失礼します。



おまけ③葬儀後
かなりの確率で、ペットロスになると思います。
果てしない喪失感に襲われ、まだJのために何かできることはないのか探してしまいます。
その一つとして、Jの供養を考えました。
今はペット用の五足具などもネットで売っております。
お線香やお供えをすることで、Jの供養と、自分の心を落ち着かせていました。
また、遺骨や遺毛をペンダントに入れて持ち歩くためのグッズも多く売られています。
ずっとそばに感じていたい場合は、おすすめいたします。
ペットと一緒にいられてペットも喜んでくれるでしょうし、なにより飼い主のペットロスの姿は、ペットを悲しませて心配させてしまいます。
できるだけ元気な姿を、死んだJに見せようと頑張ってます。
それでも、毎日、涙は止まりません。
これを書いている今は、Jの死後から10日は過ぎましたが、それでも毎日毎日涙が止まりません。
仕事のやる気も失せ、食欲も失せ、ペットロスです。
何かのふんぎりとなればと思い、このブログを立ち上げました。

おまけ④死の予兆
本当に余談ですが…
嘘みたいな本当の話ですが、犬が死ぬ前日、1/27…
いつも犬のシーツを洗っていた犬専用の洗濯機が壊れ、ラーメンの器が真っ二つに割れ、母は夜中に突然意味もなく涙がこぼれたらしく、
死の予兆がたくさんありました。




最後に。

一人が大嫌いで、いつどこにいても私を探してばかりいたJ。
楽しいことや美味しいことより、私の側が好きだったJ。
甘えん坊だなあとあきれてましたが、いなくなった今、私はJの存在に甘えてばかりいる。
飼い主とワンコは、やっぱり似ちゃうんですね。

それではーー
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。



病気に対する考えとか
安楽死に対する考えとか
遺骨に対する考えとか
ペットに対する考えとか
皆様思想はそれぞれだと思いますので、
ここに書いていることはあくまで私の考えということで
たとえご理解は頂けなかった場合も、
書くことを許して頂けたらと思います。



愛犬J-ガン闘病最期の一か月間-

END


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