▼:小沢幹事長、松長有慶・高野山真言宗管長と会談 2009/11/10
▼:小沢幹事長:キリスト教連合が抗議文「排他的発言撤回を」
小沢氏は10日、和歌山県高野町の高野山真言宗総本山「金剛峯寺」を訪れた際、仏教を「度量が大きい」と評価する一方で、
キリスト教を「非常に排他的で独善的」と批評し、
「キリスト教を背景にした文明は欧米社会の行き詰まっている姿そのものだ」などと述べていた。
(毎日新聞 2009年11月14日 19時45分)より一部引用
▼:2010年1月17日(日)
【小沢一郎氏は弘法大師・空海の開いた真言宗はキリスト教の影響を受けていることを知らない】
小沢氏は、
「仏教は八百万の神だ。仏教はどれもこれも神様だし、だれでも仏様、神様になる。神仏一緒になっている。それはいいところでもあり、欠点でもある。悪く言えばいいかげんであり、良く言えば融通無碍で幅広い」
と発言している
これは明らかに「神仏習合」「本地垂迹(ほんじすいじゃく)=日本の八百万の神々は、実は様々な仏(菩薩や天部なども含む)が化身として日本の地に現れた権現であるとする考えである」の思想である。ちなみに
小沢氏が訪れた真言宗の金剛峰寺も丹生都比売神社の丹生都比売大神(天照大御神の妹神)を高野山の鎮守神(守護神)としている。
と、そこまでは一般的に知られている話である
実は真言宗を開いた空海はキリスト教の影響を受けていることをご存知だろうか? 高野山には、「大秦(シリア)景教流行中国碑」のレプリカ(模造碑)が置かれている。それは真言宗が景教由来の宗派である証と言われている。
“アジアのプロテスタント”とも評される「景教」は、マルチン・ルターの宗教改革運動より千年以上も前に、既に起こっていた。
「景教」はキリスト教(ネストリウス派)の中国名で“光明の教え”の意。
「わたしは、世の光です。わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、いのちの光を持つのです」(ヨハネ8:12)というイエス・キリストの言葉を想起させる。
宣教熱心な彼らは、東方世界の27以上の大都市に教会を建て、無数の信者を獲得した。
635年に、景教宣教師のアラボンは、21人の信徒を率いて中国に渡り、聖書や教理を漢文に訳して、中国史上最高の名君の一人と言われる唐朝第2代皇帝太宗に献納した。
皇帝は、それを読んで感激し、
「これほどの真理は儒教にも仏教にもない。朕(私)自ら信じるから、全国民よ、朕に学べ」と命じた。
皇帝に公認された景教の教会は「大秦(シリア)寺」と呼ばれ、儒教や仏教以上に評価された。その事実は「大秦景教流行中国碑」(781年)に刻まれている。1870字の漢字と一部シリア語からなり、旧約聖書にある天地創造、アダムとエバ、キリスト誕生など景教の教義と唐のへの伝来、太宗の時代から147年間におよぶ景教の中国での発展の歴史、60余人の宣教師名などが記録されている。
全文は国会図書館ホームページの近代デジタルライブラリーで閲覧できる。
空海は入唐留学の際、景教に触れ、多大な影響を受けたという。
彼は景教を身につけ、潅頂(頭に潅ぐの意で、キリスト教の滴礼)を受け、「遍照金剛」という洗礼名を受けたという。
これは
「あなたがたの光を人々の前で輝かせ」という、新約聖書マタイの福音書5章16節の漢語聖書からとったものだと言われている。
高野山には、空海の持ち帰ったマタイの福音書が保管されており、法要の際の十字を切る仕草は、景教の儀式を導入したものと説明される。
また高野山奥の院御廟前の灯篭には十字架がついており、火舎香炉も景教の洗礼式の時に用いる祭具と同じである。
無論、小沢氏と会見し、彼の放言を不問に付した高野山真言宗総本山金剛峯寺第412世座主に高野山補陀落院(ふだらくいん)住職の松長有慶大僧正は、このことを知っている。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/mgfchurch/view/20100117/1263669212
▼:民主党の「広報頁」
小沢一郎幹事長は10日、和歌山県伊都郡にある高野山真言宗の総本山・金剛峰寺を訪れ、全日本仏教会会長の松長有慶管長はじめ役員の方々と会談した。会談には姫井由美子、藤谷光信両参院議員が同席した。
小沢幹事長らはその後、美しい紅葉に囲まれた奥の院を参拝した。
参拝後、記者団の質問に対して小沢幹事長は、初の高野山訪問についてこれまでは「地理的、物理的になかなか機会がなかった」としたうえで、今回はスケジュール的にも機会に恵まれ、「念願が叶って松長管長猊下との会談などが実現した」と説明した。
「高野山は1200年前につくられ、今なおその仏教を守り続けてきたところ。気づいていないことが多いが、日本人の考え方、生活そのものの背景に仏教哲学があると思っている。仏教は大自然の中に生きる人間がどのようにあるべきか、その生き様を原点から教えてくれると思っている」との自らの認識を示し、
「素直に日本人としての心を取り戻すことが大事だと改めて感じた」と語り、
一方、現代社会では日本人の原点である、心の本質を忘れたり、見失っているところに日本社会の倫理観の低下、喪失が起きる大きな原因だとの見解も幹事長は示し、仏教の教えの重要性を重ねて強調した。
会談では、松長管長から来年1月に開かれるダボス会議で講話を行うことが明かされ、
「仏教はあらゆる人を受け入れ、皆が仏になれるという度量の大きい哲学であり、管長が欧米人の前で仏教の真髄を説き聞かせることは非常に意義があり、嬉しく期待している」
と幹事長は語った。
また、松長管長からは機会があれば講話を聞かせていただけるとの提案があり、小沢幹事長は感謝の意を表するとともに、
「政治家も政治家である前に、人間、日本人として心構えがきちんとできていないと政治はやれない。日本人の代表として日本人の心、精神を叩き込まなければ本当の意味での政治はできない。自分自身を向上させなければならない」
と話し、
「是非一度話を伺いたい。楽しみにしたいし、実現させたい」
と意欲的な姿勢を示した。
自民党の支持基盤が強い和歌山県においても、先の総選挙において民主党が多くの支持を集めたことについて問われた小沢幹事長は、
「和歌山県のみならず、自民党が長年にわたって強い基盤の地域で皆、政権・与党たる自民党から民主党を中心にした政権交代に票を投じてくれた。それは本来、日本人的政党として政権を獲ってきた自民党が、日本人の持つ心、美しい価値観を全く失ってしまった。それが人心が離れた最大の原因」だと分析。そのうえで
「政治、政治権力は本来、国民の生活を守り、豊かにすることが本来の目的であるにも係らず、自民党政権はその点を忘れ、権力、ポストそのものを守ることだけに汲々としてきたところに国民の心が離れた。何のための政治権力かを自民党政権が根本を見誤った結果」だと厳しく断じた。