2005年03月21日

パトリシアコーンウェルの最新作、「痕跡」上下を読みました。これでシリーズ何作目??よくわかりませんが、とにかく「検死官」以来、彼女の作品は一応全部読んでます。

前作の「黒蝿」上下で、あまりにも人を馬鹿にした設定だったもので、今回からは読むのやめようかと思っていたんですけど、続きものというものはここまで読んでしまうと止められない気がして誘惑に負けてしまいました。

人を馬鹿にした設定というのは、もうすでに多くの人が言っていますが、主人公のケイ・スカーペッタが10歳も若返ってしまっている!!!という信じられない設定と、数巻に渡って不在というか死んでしまっていただろうと思われていたケイの恋人、ベントンがいきなり生還してくる、という不条理な話だったことです。

「黒蝿」以前の話はプロットがとてもしっかりしていて、人物描写にも定評があり、最後の最後までドキドキハラハラしながら読み進めたものなのですが、「黒蝿」「痕跡」に至ってはそうした部分がどこかへ置き忘れられてしまったかのようです。さらに、数巻に渡って追いかけてきた殺人鬼の断末魔も数行で終わってしまって、「え???これだけかい?」とスカをくらった感じでした。

ケイが「検死官」でスタートした頃はすでに40歳だったんですが、とても魅力的で、イタリア人の血が混じっていることもあり、料理の腕前もたいしたものだし、作って見たいと思わせるレシピも時々出てきたりしてました。その後一冊の本にまとめられる程のレシピだったんですからね。

ケイは年齢を重ねながらも、恋愛話には花があり、美しく、毅然とした人というイメージがいきなり崩れたのは、作者が意図的に彼女を10歳も若返らせたから、に尽きます。じゃあ、彼女を取り巻く人たちの年齢はどうなっちゃったんだろう??とすごく疑問なんですけど、そのあたりはよくわかりません。一人だけ若返ったのかなあ?

今回の「痕跡」では、相変わらず切り口は面白いのですが、たぶん、一度バラバラになってしまった登場人物の関係が私の中でぎくしゃくしているためなのか、読み終えた後の次回への期待というものが全くないんですねー。

かえって昔の作品を最初から読み直したい気分になりました。その方が面白いかもなあ。

ぐだぐだ独り言のような読後感想でした( ̄□ ̄;)!!次って来年かな?やっぱり。

パトリシアコーンウェルについての詳細ページはこちら↓
http://homepage1.nifty.com/CLUBHOUSE/kousetsu/review/pc/pc.html

(09:30)

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔