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12月24日 レビュー「空色イノセント」




空色イノセント レビュー

短い。


空色イノセント
メーカー:あかべぇそふとすりぃ


空色イノセント
あかべぇそふとすりぃ
2015-12-11




シナリオ
飛行機をモチーフにした作品というのはそれなりにある。
ABHARの『水平線まで何マイル?』やあっぷりけ妹の『アルテミスブルー』
最近だと『この大空に、翼を広げて』も変則的ではあるが飛行機モノと呼んでいいだろう。
さて、本作は同じく飛行機モノ。
飛行機と言っても航空機という訳ではなく、個人飛行用の小型飛行機、いわゆるウルトラライトプレーンを主題にした物語となっている。
 
いきなり辛口な評価から入るが、実のところ本作は構成ミスがある。
と言うのもプレイ開始すると主人公たちが十匹のガンと空を飛ぶシーンから始まる。
小型飛行機で朝焼けの中、ガンたちと空を飛ぶシーンは確かに美しい。
そうやってプレイヤーに物語に引き込ませた後、物語が始まっていく訳だが……


そのシーンが物語のオチなのである。


物語の山から始めるというのは昔から使われている手法だ。
まず最初にインパクトを与え、そこから物語に入り込む、というのはよくあるのだが、しかし物語のオチを持ってくるのはどうだろう。
本作は拾ったカナダガンを育て、一緒に空を飛ぶ、というのが主題である。
実のところ、それ以上でもそれ以下でもない。
ただひたすらガンを育て、小型飛行機で空を飛ぶだけの話なのだ。

そういう訳で、ある程度創作物に慣れたユーザーなら開始して早々、「あ、もうオチ見えてるな」と分かってしまう。
もちろん、ラストまでにいくつかの紆余曲折はあるものの、結局オチは知っているのだから、別にハラハラドキドキもしない。
拾った卵はきちんと孵るんだろうし、ガンたちも怪我も病気もせず大きくなるんだろうな、というのが最初の段階で分かってしまうのだ。

またヒロインは4人いるものの、話の主軸は「カナダガンと一緒に空を飛ぶ」という事なので、ヒロイン毎に差異は少ない。
誰を選ぼうが飛行機に乗る相方は一緒だし、大筋に変化はない。
個別はほとんどなく、終わるまで長い共通ルートと考えればいいだろう。

月ヶ瀬 まひる(CV:花澤さくら)
ボランティア部部長。
転入してきた主人公を優しく接してくれる。
実は空が好きだったんだよ、とかいうのが途中で明かされるがそれに関する具体的な説明は少ない。
なぜ飛行機部に入らずボランティア部だったのか。 
ウルトラライトで一緒に飛ぶ相方キャラなので、個別でも空を飛ぶ関連の話がメインになる。

椿 亜美(CV:綾音まこ)
生物部部長。
一途な後輩キャラ。
一人だけ下級生なので、個別では卒業した後、一人でそうするのか、とかそういう話になる。 

二風谷 華子(CV:卯衣)
映画部部長。
いつもやる気がないが映画の事になると本気になる。
ガンと一緒に飛行する映画を撮り、来年の生物部の部員獲得を図る。
EDが結構好き。

桐見 ひかり(CV:羽村しき)
転校生。
最初はつっけんどんした態度だったが、次第に仲良くなるいわゆるツンデレキャラ。
親との関係やらしがらみやらという、まあ典型的なお嬢様系のシナリオになっている。

グラフィック
原画はうさなかひぐちいさみ相川たつき
今風の萌え絵、といったところか。
シナリオでは少しアレな事を書いたが、実は本作はエロ方面に関してはかなり気合が入っている。
全キャラ4回ほどエロシーンはあるし、それぞれシチュエーションも凝っている。
もうシナリオメインではなく、エロメインの作品だと見ればそれなりに許容出来るのかもしれない。

音楽
OP曲は真理絵の歌う『Innocent Sky』
BGMは全体的に落ち着いた感じで作品に合っている。
音声面に関しても特に言う事はなし。

総評
話:★★★☆☆
絵:★★★★★
音:★★★★☆
65点

カナダガンは特定外来生物だから飼育出来ないだろうとかそういうのはこの際置いておこう。
上述した通り、構成ミスが尾を引いている。
物語自体はまあ真っ直ぐな感じで悪くはない。
ただ共通が長いというか、ほぼ共通な部分と、個別による差異の少なさが気になるところ。

作品自体はジャンル通り、ハートフルな青春モノである。
夢破れて都落ちしてきた割りに主人公の悲壮感がなかったりとキャラクターの心情描写が今一つ弱い部分もあるが、全体的に見ると悪くはない。
ただ残念な事に、やはり大オチがOPの段階で分かってしまっている事による安心感が全てを台無しにしている。
そして何より確実に比べられるであろう、『この大空に、翼をひろげて』に比べると、全体的な作りが弱いのである。

『この大空に、翼をひろげて』も似たような構成の作品である。
空を飛ぶ事を諦めたが再び空を飛ぶ、というのが主題であり、本作と若干被る点もある。
あちらは空を飛ぶまでにいくつもの試練を乗り越え、そして空に飛び立つという部分にカタルシスがある。
しかし本作はそういった葛藤めいたものはない。
親の用意してくれた学校には飛行機部もあるし、近くには飛行機スクールもある。
至れる尽くせりとはまさにこの事か。
後は主人公の気持ち次第で飛べるようになっているのだから、そら別に達成感も何もないのである。

総じて見ると、惜しい作品ではある。
絵も綺麗だしさすがは大手ブランド、と言ったところか。
しかし大手だからこそ、このレベルの作品を出しちゃいけないよ、と言われても仕方のない出来である。
あかべぇ系列は突飛さが売りと勝手に思っているので、ぜひとももう少し尖ったところを見せてもらいたいものだ。 
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