「かじりかむいかぐら」と読むらしい。
神咒神威神楽
メーカー：light
神咒神威神楽 初回版
販売元：Light
(2011-09-30)
販売元：Amazon.co.jp
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シナリオ
うーむ、とても評価に難しい。
本作は単品ではなく、実のところ、『DiesIrae』の続編である。
タイトルにもどこにもDiesの文字はないが、実は続編なのだ。
そういう訳で、Diesが好きな人にはオススメ……というレベルでもない。
確かに文章表現等、細かい部分に関して、非常にクオリティは高い。
バトルモノも、ここ最近の中では、かなり濃密な中二病クサさがあって、良い。
しかし、それもこれも、よくも分からんDiesプッシュで、やや冗長気味。
というかいきなり前言撤回するようであるが、別にDiesの続編ではない。
各キャラの出自というか設定がDiesキャラなだけである。
つまり、これは体の良いスターシステムなのだ。
あの蓮タンがボスとして立ちはだかるよ、やったね！
という、前作のファンには嬉しいサービスなのである。
そう、所詮サービスに過ぎず、別にDiesを知っていたからといって、話の面白さが格段に上がる訳ではない。
まあ知ってれば、「お、こいつがこんなキャラになってるのか」という、まあちょっとした感慨深さがあるかもしれない。
しかし逆に、「なんでこの人ら戦ってるの仲間になってるの？ Diesでは敵同士だったじゃん」という、身も蓋もない感想を抱くかもしれない。
というか、最後までDiesの感覚が抜けませんでした。
なんでザミーが仲間になってるのさ。しかもザミー、良いヤツになってるし。
シュライバーとかもそうだし。つうかこのモノノケどもがシュライバーって最後まで分からんよ。
なんかどうも、Diesで人気の高かったヤツが、妙に良い位置にいるな。
ルサルカとか、タコ娘役だったけども。
という感じで、まあ知ってたら面白いかもしれないけど、だからといってシナリオの理解度が上がるとか、そういう感じは皆無。
むしろ余計な知識が入る分、シナリオに深く入り込めないかもしれない。
ラスボスである波旬って何さ、こいつはDiesで言えば誰やねん、と思ったら未出のキャラだし。なんやねん、マーラって。なんでこんなところチョイスすんねん。マーラをチョイスするのはメガテンだけでええねん。
とまあ、やるせない怒りに満ち溢れている。
とりあえずシナリオについての話に戻るが、まあそこそこ面白かった、といったところか。
ぶっちゃけ、Diesなんて混ぜずに、普通の伝記モノにすれば、もっと面白かったんじゃないかな、と思わないでもない。
ウリであろう戦闘描写も、どうもメタ演出というか、そういう類の効果が多くて、よく分からんうちに終わる。
最初出てきた時はやたらと絶望的な強さを誇った敵キャラも、特に修行して強くなった訳でもなく、謎の力を体得した主人公達によって簡単に負ける。
まあ、そういうメタフィクション的な部分を重視したのだろうけど、個人的には単なる中二病的な戦闘モノにしてもらいたかった。
複数主人公に関しては、よく出来ていたと思う。
各主人公、全員キャラが良かったし、ベイさんもなんか幸せになれて良かったね、といったところ。
まあこれがハッピーエンドかどうかは人によって様々ではあるが。
逆にヒロインに関しては、微妙な評価ではある。
男キャラが正面に出すぎていて、女キャラが空気になっている一面もある。
竜胆なんかメインヒロインであるはずなのに、ぶっちゃけ立ち意味微妙だよね、という感じ。
つう訳で各キャラについての簡単な説明。
凶月 刑士郎 ＆ 凶月 咲耶
凶月一族の兄妹。
凶月一族には、自分たちに危害を与える者に、凶兆を与える代わりに、代償として味方にも不幸が及ぶ、という能力があるらしい。
が、その能力が発動したのは序盤だけで、中盤以降は単なる口の悪い兄ちゃんと、その妹、くらいの立ち位置になっている。
まあ戦闘に使いにくい能力な上、制約があるせいで、ぽんぽん使えないのが痛いね。
逆にその力を最終的には封印して人間として生きていく、というまあそれなりにまっとうな最期を迎える。
壬生 宗次郎 ＆ 玖錠 紫織
人を斬りたくてたまらない青年と天皇に使える戦士。
この二人は戦闘要員としてはかなり優秀で、ぶっちゃけちゃんとバトルを行なってたのはこいつらくらい。
他の連中は、メタバトルを繰り広げた後、大技で一発終了、という簡単なものなので。
そういう訳で、こいつらはきちんと技があったり、最終的に奥義みたいな技を会得したりと、戦闘面では優遇されている。
個人的には宗次郎のキャラは良かった。外見は人畜無害なぽややんと思いきや、自分以外は全部斬る、みたいな非常に危うい人格な点とか。声も良い。
摩陀羅 夜行 ＆ 御門 龍水
でこぼこカップル。
夜行は結局、最後まで最強キャラっぽくつき通せたのは良かったんじゃないかな。
基本、ドグワーン、という戦闘シーンにおいては、夜行さんの意味不明な言葉の羅列も、存外いいものかもしれない。
龍水は……母親に完全に出番を奪われており、キャラ的には残念な部類。
エロシーンもとってつけたレベルだし、シナリオにおいても活躍する場面は少ない。というかほぼ無い。
逆に母親である龍明は、これでもか、というくらい見せ場あるし。さすがはザミー。
坂上 覇吐 ＆ 久雅 竜胆
メイン主人公とメインヒロイン。
覇吐に関しては、まあノリも良かったし、主人公らしい性格だったと思うよ。
ただ戦闘では、結構残念なノリ。
自分が1000ダメージ受けたら、1500にして返す、という技を持ってるらしいが、今ひとつそれを上手く活用出来ていなかった。
というより、そんな地味な技が映えるはずもない。
武器も変形する剣を持っており、『烈火の炎』で言うところの、小金井 薫なんだけども。
しかしそれも上手く活用できていなかった。蛇腹の剣なんてかっこいいだけで、全然役に立ってないし。
御前試合の登場シーンとか良かっただけに、非常に残念。
そして竜胆にいたっては、色々な人間が「凄い将だ」と褒め称えるわりに、今ひとつ何をしているか分からない。
的確に指示を出しているのであろうが、それが表現出来ていない。
むしろ、役に立たない雑兵が無駄に死んでるんだから、あんまり有能では無いような……と思ったりもした。
5000人くらいの雑兵は、兵站だけ任せて下げてればええんじゃないかな。
グラフィック
原画はおなじみ、Gユウスケ。
イケメンキャラを描かせたら右に出る者はいない、とは言い過ぎかもしれんが。
しかし男性キャラは上手いねぇ。
女性キャラも絵柄的には全然問題は無い。
またCGも多数用意されており、どちらかというと立ち絵での場面より、CGで進行する場面が多い。
まあそのせいか、同じCGの使い回しが多いのも事実ではある。
エロに関しては、シナリオ的に無理やり詰め込んだシーンもあるので、まあそこは突っ込むまい。
音楽
OP曲は『我魂為君』。歌手は凛という方。
OP以外にも作中で何度か戦闘シーンで使われるのだが、少し砕けすぎた感じもする。
その他、BGM関連は和をイメージした音楽が多い。
特に違和感もなく、戦闘BGMも良かったかな、といったところ。
音声面では、全キャラ良かった。
ただDiesキャラの声もあるのだけど、一部のセリフが聞けない仕様になっているのが残念。
全キャラ攻略すれば聞こえるようになるのだけど、エコーのせいで聞こえづらいし。
この辺、あまり必要のない演出に感じた。
総評
話：★★★★☆
絵：★★★★★
音：★★★★☆
78点
面白かったんだけど……という感じ。
やはり何と言っても、Diesが顔を出しすぎ。
知ってたらニヤリ、どころか知らなければポカーン、というレベルになってる。
その割に、Diesの世界観を共有しているとか、そういう感じでもない。
いつのまに蓮やらマリィやらは神様になったんだ？
そういう細かい点を鑑みるに、本作に出てくるキャラは、Diesの同姓同名キャラ、と考えた方がしっくりくる。
つまりスターシステム。
なので、Diesを知らない方が、違和感なく受け入れれるかもしれない……かな。
中二病的な演出は多かったものの、肝心の戦闘シーンは少し拍子抜け。
面白かったのは序盤の御前試合くらいで、ここがクライマックス。
後は単なる演劇めいた戦いを見ているだけ。
大体、敵キャラの事情もよく分からないし、細かい点が抜け落ちている。
ライターである正田氏は理解しているのかもしれないが、プレイヤー的には置いていかれている。
随神相やら座やら意味不明な単語がぽんぽん出てくるし。
結局それは何なの？ Diesで言うところの流出位階とか、そういう系なの？
みたいなね。
中二病をこじらせすぎて、逆に難しくなった、というパターンですな。
結局最後は、「強い方が勝つ」という、相性とか戦術とか無視したガチンコ勝負になってしまう。
総じて見れば、まあ良作ではある。
Diesが好きなら、それなりに楽しめるだろうし、無駄ではないと思う。
むしろDiesのファンディスク、として考えたほうが、まだいいかもしれない。
そういう意味では、色々と人を選ぶ作品にはなっている。
神咒神威神楽
メーカー：light
神咒神威神楽 初回版販売元：Light
(2011-09-30)
販売元：Amazon.co.jp
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シナリオ
うーむ、とても評価に難しい。
本作は単品ではなく、実のところ、『DiesIrae』の続編である。
タイトルにもどこにもDiesの文字はないが、実は続編なのだ。
そういう訳で、Diesが好きな人にはオススメ……というレベルでもない。
確かに文章表現等、細かい部分に関して、非常にクオリティは高い。
バトルモノも、ここ最近の中では、かなり濃密な中二病クサさがあって、良い。
しかし、それもこれも、よくも分からんDiesプッシュで、やや冗長気味。
というかいきなり前言撤回するようであるが、別にDiesの続編ではない。
各キャラの出自というか設定がDiesキャラなだけである。
つまり、これは体の良いスターシステムなのだ。
あの蓮タンがボスとして立ちはだかるよ、やったね！
という、前作のファンには嬉しいサービスなのである。
そう、所詮サービスに過ぎず、別にDiesを知っていたからといって、話の面白さが格段に上がる訳ではない。
まあ知ってれば、「お、こいつがこんなキャラになってるのか」という、まあちょっとした感慨深さがあるかもしれない。
しかし逆に、「なんでこの人ら戦ってるの仲間になってるの？ Diesでは敵同士だったじゃん」という、身も蓋もない感想を抱くかもしれない。
というか、最後までDiesの感覚が抜けませんでした。
なんでザミーが仲間になってるのさ。しかもザミー、良いヤツになってるし。
シュライバーとかもそうだし。つうかこのモノノケどもがシュライバーって最後まで分からんよ。
なんかどうも、Diesで人気の高かったヤツが、妙に良い位置にいるな。
ルサルカとか、タコ娘役だったけども。
という感じで、まあ知ってたら面白いかもしれないけど、だからといってシナリオの理解度が上がるとか、そういう感じは皆無。
むしろ余計な知識が入る分、シナリオに深く入り込めないかもしれない。
ラスボスである波旬って何さ、こいつはDiesで言えば誰やねん、と思ったら未出のキャラだし。なんやねん、マーラって。なんでこんなところチョイスすんねん。マーラをチョイスするのはメガテンだけでええねん。
とまあ、やるせない怒りに満ち溢れている。
とりあえずシナリオについての話に戻るが、まあそこそこ面白かった、といったところか。
ぶっちゃけ、Diesなんて混ぜずに、普通の伝記モノにすれば、もっと面白かったんじゃないかな、と思わないでもない。
ウリであろう戦闘描写も、どうもメタ演出というか、そういう類の効果が多くて、よく分からんうちに終わる。
最初出てきた時はやたらと絶望的な強さを誇った敵キャラも、特に修行して強くなった訳でもなく、謎の力を体得した主人公達によって簡単に負ける。
まあ、そういうメタフィクション的な部分を重視したのだろうけど、個人的には単なる中二病的な戦闘モノにしてもらいたかった。
複数主人公に関しては、よく出来ていたと思う。
各主人公、全員キャラが良かったし、ベイさんもなんか幸せになれて良かったね、といったところ。
まあこれがハッピーエンドかどうかは人によって様々ではあるが。
逆にヒロインに関しては、微妙な評価ではある。
男キャラが正面に出すぎていて、女キャラが空気になっている一面もある。
竜胆なんかメインヒロインであるはずなのに、ぶっちゃけ立ち意味微妙だよね、という感じ。
つう訳で各キャラについての簡単な説明。
凶月 刑士郎 ＆ 凶月 咲耶
凶月一族の兄妹。
凶月一族には、自分たちに危害を与える者に、凶兆を与える代わりに、代償として味方にも不幸が及ぶ、という能力があるらしい。
が、その能力が発動したのは序盤だけで、中盤以降は単なる口の悪い兄ちゃんと、その妹、くらいの立ち位置になっている。
まあ戦闘に使いにくい能力な上、制約があるせいで、ぽんぽん使えないのが痛いね。
逆にその力を最終的には封印して人間として生きていく、というまあそれなりにまっとうな最期を迎える。
壬生 宗次郎 ＆ 玖錠 紫織
人を斬りたくてたまらない青年と天皇に使える戦士。
この二人は戦闘要員としてはかなり優秀で、ぶっちゃけちゃんとバトルを行なってたのはこいつらくらい。
他の連中は、メタバトルを繰り広げた後、大技で一発終了、という簡単なものなので。
そういう訳で、こいつらはきちんと技があったり、最終的に奥義みたいな技を会得したりと、戦闘面では優遇されている。
個人的には宗次郎のキャラは良かった。外見は人畜無害なぽややんと思いきや、自分以外は全部斬る、みたいな非常に危うい人格な点とか。声も良い。
摩陀羅 夜行 ＆ 御門 龍水
でこぼこカップル。
夜行は結局、最後まで最強キャラっぽくつき通せたのは良かったんじゃないかな。
基本、ドグワーン、という戦闘シーンにおいては、夜行さんの意味不明な言葉の羅列も、存外いいものかもしれない。
龍水は……母親に完全に出番を奪われており、キャラ的には残念な部類。
エロシーンもとってつけたレベルだし、シナリオにおいても活躍する場面は少ない。というかほぼ無い。
逆に母親である龍明は、これでもか、というくらい見せ場あるし。さすがはザミー。
坂上 覇吐 ＆ 久雅 竜胆
メイン主人公とメインヒロイン。
覇吐に関しては、まあノリも良かったし、主人公らしい性格だったと思うよ。
ただ戦闘では、結構残念なノリ。
自分が1000ダメージ受けたら、1500にして返す、という技を持ってるらしいが、今ひとつそれを上手く活用出来ていなかった。
というより、そんな地味な技が映えるはずもない。
武器も変形する剣を持っており、『烈火の炎』で言うところの、小金井 薫なんだけども。
しかしそれも上手く活用できていなかった。蛇腹の剣なんてかっこいいだけで、全然役に立ってないし。
御前試合の登場シーンとか良かっただけに、非常に残念。
そして竜胆にいたっては、色々な人間が「凄い将だ」と褒め称えるわりに、今ひとつ何をしているか分からない。
的確に指示を出しているのであろうが、それが表現出来ていない。
むしろ、役に立たない雑兵が無駄に死んでるんだから、あんまり有能では無いような……と思ったりもした。
5000人くらいの雑兵は、兵站だけ任せて下げてればええんじゃないかな。
グラフィック
原画はおなじみ、Gユウスケ。
イケメンキャラを描かせたら右に出る者はいない、とは言い過ぎかもしれんが。
しかし男性キャラは上手いねぇ。
女性キャラも絵柄的には全然問題は無い。
またCGも多数用意されており、どちらかというと立ち絵での場面より、CGで進行する場面が多い。
まあそのせいか、同じCGの使い回しが多いのも事実ではある。
エロに関しては、シナリオ的に無理やり詰め込んだシーンもあるので、まあそこは突っ込むまい。
音楽
OP曲は『我魂為君』。歌手は凛という方。
OP以外にも作中で何度か戦闘シーンで使われるのだが、少し砕けすぎた感じもする。
その他、BGM関連は和をイメージした音楽が多い。
特に違和感もなく、戦闘BGMも良かったかな、といったところ。
音声面では、全キャラ良かった。
ただDiesキャラの声もあるのだけど、一部のセリフが聞けない仕様になっているのが残念。
全キャラ攻略すれば聞こえるようになるのだけど、エコーのせいで聞こえづらいし。
この辺、あまり必要のない演出に感じた。
総評
話：★★★★☆
絵：★★★★★
音：★★★★☆
78点
面白かったんだけど……という感じ。
やはり何と言っても、Diesが顔を出しすぎ。
知ってたらニヤリ、どころか知らなければポカーン、というレベルになってる。
その割に、Diesの世界観を共有しているとか、そういう感じでもない。
いつのまに蓮やらマリィやらは神様になったんだ？
そういう細かい点を鑑みるに、本作に出てくるキャラは、Diesの同姓同名キャラ、と考えた方がしっくりくる。
つまりスターシステム。
なので、Diesを知らない方が、違和感なく受け入れれるかもしれない……かな。
中二病的な演出は多かったものの、肝心の戦闘シーンは少し拍子抜け。
面白かったのは序盤の御前試合くらいで、ここがクライマックス。
後は単なる演劇めいた戦いを見ているだけ。
大体、敵キャラの事情もよく分からないし、細かい点が抜け落ちている。
ライターである正田氏は理解しているのかもしれないが、プレイヤー的には置いていかれている。
随神相やら座やら意味不明な単語がぽんぽん出てくるし。
結局それは何なの？ Diesで言うところの流出位階とか、そういう系なの？
みたいなね。
中二病をこじらせすぎて、逆に難しくなった、というパターンですな。
結局最後は、「強い方が勝つ」という、相性とか戦術とか無視したガチンコ勝負になってしまう。
総じて見れば、まあ良作ではある。
Diesが好きなら、それなりに楽しめるだろうし、無駄ではないと思う。
むしろDiesのファンディスク、として考えたほうが、まだいいかもしれない。
そういう意味では、色々と人を選ぶ作品にはなっている。
