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で、結局地球はどうなったの?


エヴォリミット
メーカー:propeller


エヴォリミット 初回限定版 限定突破パックエヴォリミット 初回限定版 限定突破パック
販売元:propeller
発売日:2010-05-28
おすすめ度:3.5
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シナリオ
propellerといえば『あやかしびと』で、能力+学園モノで、一世を風靡した、とは言わないまでも、まあ一つの方向性を打ち出したメーカーである。
本作は『あやかしびと』に続く、能力+学園モノで、ノリというか展開も似た感じに進む。

記憶を失った主人公が目を覚ました時、そこは自分の知る世界ではなく、人が能力で空を飛んだり火を放ったりする世界であった。
そこで自分と同じく記憶を失っていた少女と出会い、記憶を取り戻すべく奮闘する……とかそんな感じ。
で、主人公達がいる世界は、実は地球ではなく火星であり、自分達は100年前に火星開拓にやってきた移民の生き残りだったんだー!
みたいな。
で、そっからは主人公達も能力を手に入れ、超人となりながら学園生活を満喫する展開に移行する。

とまあ、そんな感じではあるが、しかしまんま『あやかしびと』と同じ展開である。
『あやかしびと』も主人公と少女が不慣れな学園生活を通して成長していく、というスタイルであった。
まあ前作が受けたから同じスタイルを真似るというか踏襲するというか、そういうスタンスは個人的には評価したい。
二番煎じには違いないもののニーズに答えるという立場ならば、それが一番無難であるからだ。

シナリオに関しては序盤は火星の生活をまったり過ごし、中盤からは敵が登場し、それと対抗していく、というありふれたもの。
個人的には王道的展開は好きだが、ややダレた感じがした。
と言うのも、まあライターである東出祐一郎氏の責任でもあるが、壊滅的にギャグがつまらないのである。
もうコレばっかりは才能としか言いようがないレベルで、壊滅的、破滅的、絶望的なレベルで糞つまらないのだ。
主人公がおちゃらけキャラ、というかひょうきんな性格をしているせいか、定期的にギャグがはさまるが、これも非常に面白くない。
それに加え、氏の慢性病でもある恋愛描写の未熟さがそれに拍車をかけている。
単純に萌えれない。
キャラとしてヒロインは十分魅力的ではあるが、『萌え』という観念からみるとさっぱりである。
個別が比較的長いゲームであり、日常シーンが随所にあるゲームで、それがつまらないというのはかなり致命的である。

ただこれまた東出氏の特徴として、『燃え』部分に関しては言う事なしである。
もう細かい部分は放っておいて、燃えだけでいいや、という気概が感じられる。
単語の使い方も上手いし、演出もパワーアップしている。
それだけに戦闘シーンの熱さと、日常シーンのぐだぐだ感が際立ってくる。

一条 雫(CV:波派束風景)
主人公と共に地球からやってきた移民。
主人公曰く、天才であり、何者にも屈しない少女。
能力はエネルギー操作。しかし実際は鉈を振り回して戦っているシーンくらいしか思いつかない。
メインヒロインらしく、他ヒロインを攻略後、√開放となる。
なので、他のヒロインでは明らかにならなかった謎……みたいなのも解決される……のか?
ともあれ、やや強引に力技満載ではあるが、一応のメインルートである。

鷹星 カズナ(CV:閏若菜)
主人公達が通う学園都市フォーサイスの市長。
火星に数人しかいない”星の巫女”なる凄い力の持ち主。
まあぶっちゃけ、凄いサイコキネシス、という普遍性の強い力なので、印象は低い。
個別√の出来は、きちんと細かい部分も書かれていたので、一番いいような気がする。

リーティア・フォン・エアハルト(CV:北都南)
フォーサイス軍部の部長。
小柄ながら、戦闘能力はフォーサイスでもトップクラス。
火星の住人が100年間戦い続けているロボットに焦点が当てられている。
それ以外の点はまあ、語るべくところもない。
敵キャラであるはずの”災害”が一切登場しないあたり、拍子抜けする。

グラフィック
原画は中央東口
ニトロ信者の自分としては、好きな原画家の一人なのだが……。
なんか劣化してる?
特に雫のグラなんか、顔が歪んでる気がする。
塗りだろうか。
でも他のキャラは塗りを含め、まあ良いんだけど。
特にCGでのポチ校長とか、やたらと気合が入ってるし。
これは恒例の、男キャラだけ気合入りました病だろうか。
そういう訳で、最後まで雫に対する違和感は消えなかったのであった。

音楽
OP曲『OVERDRIVE』も、中々に熱い。
戦闘BGM等も熱さを感じられて良かった。
個人的にはココロの部屋のテーマが、あの部屋の不安定感を上手い事表現出来ていた。
声優に関しては、まあ実力派を呼んでいるので、言うに及ばず。
北都南がロリ妹キャラで出ているだけで、何でもいいや。

総評
話:★★★★☆
絵:★★★☆☆
音:★★★★☆
70点

良かった点をつらつらと挙げてみる。
まず、燃え分が高い。以上。

では、こっからは悪い部分をつらつらと書きなぐってみる。
まず敵キャラの魅力の不在である。
本作に出てくる敵は5人。
かつて主人公達と共に地球から火星へと渡ってきた移民達である。
能力を得て、人類に試練を与える”災厄”と化している。
それぞれが、”地震”、”雪崩”、”噴火”、”通り魔”、”大嵐”と名乗り、人類に勝負を挑んでくるのだが……。
もったいぶって登場する割に、絶望感というか圧倒的な強さというのを感じられない。
強い事は強いし、やたらと被害も出たりするが、倒れる時はあっさりと倒れる。
√によってはそもそも登場しないし、自分達の配下であるロボットに負けたりするお茶目さん。
キャラとしては魅力的なんだけど、どうも敵役としてはそれほど魅力的に感じなかった。
人類に試練を与える、という設定がそもそも、今ひとつの理解を阻めていたのかもしれないが。

続いて能力のありきたりさ。
主人公は炎、敵は氷や地震など、とにかくありふれた能力である。
後期ジョジョのような、頭を使わないと理解出来ないような能力を考えろとは言わない。
ただもう少しひねりを入れてもいいんじゃないだろうか。
能力バトルモノでありながら、敵も味方も能力がありふれているので、今ひとつパッとしない。
作品のテーマでもある『進化』で、キャラによっては能力が進化したりするが、それ自体、ありふれている。
主人公が体を炎に転化したり、色々と行うが、それだって既に『ワンピース』が通った道だ。むしろ『ワンピース』の方が色々と応用している気もする。
カズナだって序盤に能力をもったいぶった割に、単なる凄く強いサイコキネシス、というオチ。
能力モノによくある、弱い能力でも駆使すれば勝てる、という感じが一切ない。
弱い能力は弱いし、戦闘用じゃないヤツはすっこんでろ、という具合。
唯一オリジナリティを感じたのは、カッターで空間を切り裂いてどこでもドアを作る、という能力。
まあぶっちゃけ、ドラえもんなんだけど。

そして展開の意味不明さ。
主人公の友人キャラである風魔環太郎君。
まあ序盤から色々と手助けしてくれるいいヤツなんだけど……。
終盤、なぜか唐突に敵になる。
何の伏線もなく、唐突に。
「主人公を殺して自分が上」というのを証明したいらしい。
一応、ラスボスが裏で糸を引いていたんだよ!と説明されるけど、そもそもこのシーンいらなくね?
なんか無理やり環太郎の見せ場作りと、主人公達の悲壮感アップの為に使われた気がしてならない。
彼は無駄に戦い、無駄に死んだ気がして、泣けてくる。

さらに世界観が浅い。
まず機械を失った理由が、機械が暴走し、人類を襲ったから、とある。
しかしスタンドアローンの機械がなぜ暴走するのだろうか。
火星には機械が暴走する、文字通りのウイルスでも存在しているのか。
そして電卓のような機械も暴走したのか。
1+1を計算したら人類に反逆して3にしたとか、そういう感じだろうか。
機械を失った世界を作る必要があるとはいえ、もう少し練った方が良かったんじゃないかな。
あとシャノンがカンパニーマンという名称に拘った理由も意味不明。
元CIAの男らしいけど、別にそれってそこまで重要事項じゃないと思うんだが。
むしろ”テンペスト”のままの方が分かりやすくていいと思う。

最後に進化の理不尽さ。
そもそも進化って何よ?と問い詰めたくなるくらい、どいつもこいつも進化進化と叫んでいる。
ポケモンでもそんなに進化はしない。
ともあれ、進化の過程も、

主人公戦闘→負けそう→心象風景で階段登場→昇る→進化して強くなった

という感じで、ワンパターンかつ説明不足。
まだサイヤ人なら、死の淵から蘇ると強くなる、という言葉で理解できたが、進化進化と言われても意味不明。
そもそも進化って別に戦闘で強くなる事じゃないような。
結局、人類の進化を促す云々とあったものの、主人公だけどんどん進化したくせに、他の一般市民は何も変化していないのであった。

とまあ悪い部分はいっぱいある。
ただそれを上回る燃え成分がある。
多少魅せる演出が強引な部分があるが、前作を踏まえて進化している部分も多い。
そういった燃えさえあれば他はいらないぜ!的な人にはいいかもしれない。
ただ前作に比べると、全体的に腑抜けた感じ。
『あやかしびと』が和風伝記であるなら、今作はSFである。
前作が上手く妖怪の設定を取り込んでいたが、今回は超能力という大雑把なくくりでしかない為、能力がありきたりになってしまったんだろう。

また最後の締め方も、大風呂敷すぎて、締めてるのかどうかも分かりづらい。
わりかし、こういうタイプのゲームにしては綺麗に締まってるように思えるが、宇宙とかビックバンとか、荒唐無稽すぎて、その辺の感覚が麻痺しているのかもしれん。
ともあれ、全体的に見ると、後半は「すげー」という感じよりも失笑というか苦笑というか、そういう変な笑いしか起きない。

進化と銘打ちながら、明確な進化が見えなかったのが敗因だろうか。
人間を超えた進化なら、外見もバケモノじみた格好にしてくれればいいのに。
『あやかしびと』の最後の怪獣大決戦みたいなのを期待していただけに残念。