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青春の青臭さとか底抜けなテンションとか。


DEARDROPS
メーカー:Overdrive


DEARDROPSDEARDROPS
販売元:Overdrive
発売日:2010-06-18
おすすめ度:5.0
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シナリオ
天才ヴァイオリニストとして海外で活躍していた主人公は、暴力事件によって道を閉ざされ、日本に帰ってくる。
そこで幼馴染の父親が経営するライブハウスに住み込みで働く傍ら、今まで知らなかったロックというジャンルに出会う。
ヴァイオリンからエレキギターに転向し、癖のある面々と共にバンドを結成するのだった――

というのが最初のあらすじ。
『ぶらばん』を始め、軽音楽部を主題にした作品は多い。エロゲではないが、『けいおん!』が一つのブームになって、現在はブームの絶頂という感じである。
しかしロックバンドを主題にしたエロゲというのは、私の知る限り、ほとんどない。
『恋愛組曲』がなんとなく思い浮かんだが、あれもどちらかといえば部活モノの延長だし、何よりクソゲーだし
有名どころでは漫画の『BECK』なんかがバンドモノでは大きいところだろうが。

そういう訳で、他に並び立つものがない、という意味では唯一無二なんだけど、しかし内容面も非常に優れている。
シナリオに関して言えば、それほど珍しい、というか突飛なものはない。
モチーフがロックバンドという点で、オリジナリティは高いものの、シナリオはそういうバンドモノの王道といった感じ。
やや登場人物に社会的道徳が無さ過ぎる点が気になったが、それもロックだよ、という事で無理やり納得する事にした。
というか警察沙汰が多すぎて、ロック歌手に対する何かしらの偏見があるような気もするが。

しかしシナリオでは泣ける部分も多い。
その最たる例が、権田さんだろう。
権田さんとは、バンドのベーシストであり、一番の最年長。恐らく30代か40台くらいのナイスミドルである。
ベースの腕前は天才的で、ややモラルの欠けている部分も多いが、音楽的才能は高い。
そんな彼であるが、唯一の泣き所がある。それはバイトである。
聞けば夜勤の多い現場仕事だそうだ。アパートに住んでいるという話でもある。
いつも黒のダークスートでビシっと決めた権田さんではあるが、スタジオ代や楽器代を捻出する為に、いい歳して定職にも就かず、バイトしているのである。
これを泣きゲーといわずして何が泣きゲーか!
権田さんの口からバイトという言葉が出る度に、何か胸の中に心苦しいものが溢れてくるのである。

芳谷 律穂(CV:鹿野優以)
ボーカル。
歌の為なら他は何もいらない、という唯我独尊系の独善娘。
協調性ゼロで、学校では靴とか隠されてるけど、知ったこっちゃねぇ!
好きなアーティストがカエラっていう辺りがロック。よくわかんないけど。
メインらしく、個別が一番長い。
ただシナリオは単調で、成功しそうなところ、暴力事件とか色々起こって挫折して、それでも頑張る、という感じ。
暴力関係は律穂が一方的に悪いイメージなので、正直、自業自得にしか見えないけれど。

桜井 かなで(CV:青葉りんご)
ライブハウスで働く幼馴染。
実は母親譲りの歌の才能を持っていて、それでデビューする、という話。
その割に、挿入歌はよくあるJ-POP。まあ良い曲だよね。
デビュー前から色々と問題があり、コンサートでぶっ倒れたり、難聴になったりと話題に欠かないアーティスト。
シナリオ自体は実は律穂とほとんど一緒で、成功しそうなところ、事件云々で挫折、というスタイル。
ロックに醜聞はつきものだよね、とふと思った。

大場 弥生(CV:民安ともえ)
ギター。
天才的なテクニックとギターのに対する愛情を持つ。
ただしロックになりきれない常識的な部分があり、メンバーから「普通」と呼ばれているのがネック。
上記二人に比べると、シナリオは短くまとまっている。
自分が普通である事に悩み、ウダウダとやっているだけだけど、最後がスカっとした。
最近のお気に入りがキューパラという点で、話が合いそうだ。
メンバーの冬服が見れるのは弥生√だけ!

珠野 りむ(CV:五十嵐裕美)
ドラム。
まだ若いが、ファンキーなドラムテクを持つ。
自分勝手で猫のような性格。好きな事だけをする。
最初は一人気ままにやっていたが、メンバーとのセッションに楽しみを見出し、バンドに参加する。
シナリオは弥生よりもさらに短くなっており、家族関係がメインに据えられる。

グラフィック
原画は藤丸氏。
全体的に綺麗でベタッとした塗りが特徴的。
肌とか服とかに光沢があるので、好き嫌いが分かれそうな感じだが。
弥生のグラが個人的にツボ。
逆に律穂は最後まで千早のイメージから抜け切れなかった。
服のセンスとかはさすがにロック。褒め言葉ですよ。

音楽
音楽を題材にしたゲームだけはあり、音楽面は秀逸。
挿入歌も多く、それに加えBGMも良曲揃い。
OP曲もロックだしね。褒め言葉だよ。
音声面はなぜか公式で声優公開されてなかったので、調べた感じこんなもんだと思う。合ってるかな。
ただいくら劇中で凄い曲と表現されても、実際聞こえてくる歌は「……ふーん」という程度だから、それほど凄い曲ってほどでもない。

総評
話:★★★★★
絵:★★★★☆
音:★★★★★
88点

良作。
バンドモノ、という異色の設定を上手く使えていた点が勝因だろう。
あまり馴染みのない世界を分かりやすく平易に書いており、世界観に没頭しやすかった。
ただ若干ご都合主義というか理想論的な展開が気になったかな。
例えば律穂√で、彼女は歌一本で生きていくとして、学校を中退してプーになる。
主人公は止めると思いきや、自分の選んだ道を行け、と背中を押す。
この辺の展開は、まあバンドマンならではと思うけど、私みたいな普通の感覚を持つプレイヤーからすれば「考え直せ!」と思ってしまう。
そういう、いわゆるDQN的行動が結構多く、中々イライラさせられる部分も多いだろう。

そのくせ、そういったバンドマンの醜い部分――アルバイト風景や売れない姿などは描かれず、光の当たる部分だけをスポイルされている。
結成して数ヶ月で周囲も一目を置くバンドになり、さらにメジャーデビューの話もあがるなど……この辺の展開は少しご都合主義すぎるかな、とも思ったけど。

ただゲーム内容的に、ウダウダ売れない部分を流すより、スパっと栄光を駆け上がっていく姿の方が、分かりやすくて良かった。
結局、主人公みたいなイケメンで金持ちでヴァイオリンの天才みたいな人間が成功するんだなぁ、と思う一作であった。