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処女はお姉さまに恋してる〜2人のエルダー〜
メーカー:キャラメルBOX



処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー 初回限定版処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー 初回限定版
販売元:キャラメルBOX
発売日:2010-06-30
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シナリオ
私はわりと、こういう女装モノ、というジャンルが好きである。
確か『アッチむいて恋』の時にでも書いていたと思うが。
さて、そういった女装モノのパイオニア的存在でもある、『おとぼく』の続編が本作である。
勿論、『おとぼく』が全ての女装モノの祖である!などと大言壮語を語るつもりは毛頭ないが、それでもこのジャンルを一つの市場として作ったというのは否めないだろう。
そういう訳で、非常に期待していた一作でもあった。

シナリオとして、主人公 妃宮千早は前の学校でいじめを受け、登校拒否に。
心配した母親が、何を思ったか、自分の母校である女子校、聖應女学院に転入させる事にしたのだった。
転校しなければ勘当されると言われた千早は、女中の史と共に、一年間、女装して女子校に通うのだった――

そんなお話。
前作に比べると、導入部分は近いが、矛盾点が少なくなっている。
前作では女装して転入する理由が、「亡き母の言葉」というだけで片付けられたが、今作は、母親がちょっとした心の病気で、母を守る為、という一応の大義名分がある。

そういう訳で、シナリオとしては、基本的に前作と同じである。
見目秀麗な女装主人公が、閉鎖的な女学院でスターとなり、あれよあれよという間に『エルダー』と呼ばれる、学園の代表になってしまうのである。
これほどまでに前作と同じ展開を取られると、前作での苦肉の策の部分が気になるところ。

そう、水泳の授業である。

前作でもそうだったが、女装している以上、水着姿はNGである。
前作主人公が取った行動、それは……
自分の体に幽霊を憑依させ、体を女性化させる、という大胆なトリックだったのだ!
正直、今でも憑依したからといって肉体に変化があるのかどうかは疑問だが、ライターもかなり苦心したのだろう。
それが続編である本作で、どう考慮されているか、気になっていたのだが……

ま た 幽 霊 か よ !

今作は幼い頃に亡くなった主人公の双子の姉が憑依してくれるので、安心だね!
という部分で「そぉい!」と叫んだ。

七々原 薫子(CV:波奈束風景)
もう一人のエルダー。通称、「騎士の君」。
運動系キャラで、考える事は苦手だけど、体力には自身あります!というタイプ。
自分などがエルダーに選ばれるなんて、と当初は思っていたが、次第にエルダーとしての自覚が芽生えて……という展開はあんまりない。
シナリオは実家ネタ。実は実家がヤミ金業者で、みたいなノリで、千早が家に殴りこみかけたりする。
早い段階で女装がバレ、理解者となってくれる協力者キャラ。
ややテーマ性が希薄しており、全体としてまとまりのないシナリオになっている。
具体的には後述。

度會 史(CV:大花どん)
千早に仕える女中。
千早が転入し寮に入る際に共に入寮する。
常に千早を第一に考える典型的メイドキャラ。
シナリオとしては、仕えるべき相手に対して、恋心が芽生える、という典型的メイドシナリオとなっている。
ただ個別がやや拙速めいてるので、唐突に恋愛設定が発生するので、少し意味不。

ケイリ・グランセリウス(CV:生駒あるひ)
異国の少女。
占星学に長け、占いの結果で行動を決める。
いわゆる不思議系キャラだけど、落ち着きがあり、しっかりしている。
ケイリだけ、妙にシナリオが血なまぐさい、というか一人だけ違う世界観で生きている感じ。
暗殺者が出てきたりとやや唐突な気もするが、個人的には面白かったかな。
何か知らんが千早の正体を知っている人。

冷泉 淡雪(CV:森保しほ)
華道部。
金髪碧眼だが、家系に外国人はおらず、隔世遺伝らしい。
そのせいで、幼い頃から疎ましく思われていたとか。
親が華道をしている事もあり、家元になるべく励んでいるも、それほど才能はないようだ。
シナリオは、淡雪と雅楽乃との対比がテーマだと思われる。

哘 雅楽乃(CV:榊原ゆい)
「さそう うたの」と読む。華道部部長。
周囲からは「御前」と呼ばれ、頼りにされている。
千早と出会い、彼女(?)の強さに惹かれ、慕うようになる。
活発な淡雪と落ち着きのある雅楽乃、二人で一つのシナリオなので、基本的な展開は同じ。

神近 香織里(CV:青山ゆかり)
レズっ子。
一番最初に千早の女装に気付き、正体を隠す代わりに共犯者になれ、という訳で友人になる。
ただそれほど退廃的なキャラではなく、礼節は守っているし、手当たり次第に手を出すようなキャラでもない。

グラフィック
原画はのり太
『おとぼく』の頃に比べると、進化したように感じられる。
特に表情面が綺麗になった。
ただ反面、エロシーンがエロくない。
これはひとえに、千早が女性的であり、エロというより百合。
何かもう、官能小説のようにねっとりと、という感じではなく、S小説のような甘酸っぱさが感じられるような、自分で言っててよく分からんけど、とりあえずエロくはない。
相変わらずのデフォルトキャラはかわいいけど、前作にあったSDキャラがなくなったのがちょい不満。

音楽

音楽をZIZZが担当している。
だからと言ってハードコアな音楽ではないんだけれど。
BGM関連は文句なし。
OP曲やムービーも、前作から正統進化した感じ。
音声面は大御所半分、若手半分といったところか。

総評
話:★★★★☆
絵:★★★★★
音:★★★★☆
84点

千早の一人舞台。この一言に尽きる。
サブタイで「2人のエルダー」などと謳っておきながら、エルダーが二人いる事のメリットというかテーマが見えてこなかったのが要因。
薫子というキャラが弱いとか薄いとか、そういうレベルではなく、全ての場面で千早が出張りすぎたのが一番の失敗点であり成功点である。
千早スキーから見れば、完全無欠、非の打ち所のない千早は素晴らしい好人物だろうが、そうでなければ、超人過ぎて気味が悪い。
料理が出来て、運動も出来て、美術や音楽にも才能があり、流し目で下級生が倒れるくらいの美貌で、家柄もよく、人の悩みも簡単に解決してしまうような超人の、どの部分に共感すればいいのだろうか。
二人のエルダーというからには、千早と薫子、それぞれが長所を生かし、役割を分担するのかと思えば、結局は千早のみがエルダーとしての仕事を行い、薫子は見てるか千早に命じられて動くか、どちらかしかない。
薫子がとっつきやすいエルダー、というセリフが誰かが言うが、実際は薫子よりも千早の方が周囲から慕われているように思える。
薫子の長所である体力面でも、千早を超えている訳ではなく、フェンシング部に顔を出している話も、一切シナリオには絡まない。
むしろ何故薫子が「騎士の君」などと呼ばれ、周囲から慕われているのか、疑問に感じるほどである。

勿論、薫子が慕われるのは理由があって、それは『おとぼく』と本作を繋ぐ小説『櫻の園のエトワール』で明かされるのであり、それを知らないプレイヤーからすれば上記のような感想を持つ事請け合いである。
『櫻の園のエトワール』ではきちんと薫子と奏の話があるし、「騎士の君」と呼ばれる理由も分かるが、その辺を本編でも少しでもいいので語るべきではなかろうか。

そういう訳で、千早に対して好意を持ってないと、本作の評価はちと厳しくなる。
全体的に見れば高水準に達しているので、その辺のエロゲと比べると、十二分に面白い。
ただ一部行き過ぎた部分があるのもまた事実。
例えば、本作は妙に百合百合した世界観である。
前作も勿論、そういった雰囲気はあったが、その辺はオブラートに包まれていたというか、もう少しボカしてあったように感じる。
しかし本作は主人公からして、どう見ても女にしか見えない点から、完全に百合にしか見えない展開となっている。
前作主人公、瑞穂もまあ女性らしいといえば女性らしいけど、それでも考え方とか行動とかは男性的であった。
しかし千早にいたっては、果たして本当に男なのだろうか、と思うくらい女性的である。考え方も女性的だし。

その割りに、肝心の個別√では、女性同士の恋愛という部分がスッポリと抜け落ちている。
攻略キャラ6人中4人は既に女装がバレているか知っているようなキャラであり、実質的に2人しか知らないキャラはいない。
その2人、淡雪と雅楽乃にしても、正体がバレたからといって、「男のくせに騙していたのね!」という修羅場的な展開になる訳でもなく、「ひどい!どうして教えてくれなかったの!」みたいな、そこ怒るところ違う、と突っ込んでしまう。
そういう訳で、女装モノのカタルシスである、バレた時どうしよう、という展開がビミョーにさらっと流されてしまうので、女装モノというより女みたいな主人公が女子校で女と一緒に生活するだけ、という感じでいいと思う。

あと攻略キャラが少ない。
6人いるから十分っちゃ十分だけど、初音も優雨も攻略出来ないって流石にビビった。
初音は無理かな、と思ったけど、優雨は完全に攻略キャラだと確信していたから、全キャラ攻略した後は少し放心した。
もしかすれば(あるいは確実に)FDあたりで補完するのかもしれないけど、それはそれで酷すぎると思う。

総評として、前作を意識しすぎて、逆に失敗した部分が多かった。
完全に前作キャラを排除した割りに、役割やキャラを前作キャラに似せた事が要因であろう。
淡雪なんかは完全に貴子の劣化に見えてくる。劣化ツンデレ。
どうせなら前作キャラをふんだんに登場させて、ファンサービスでもすれば良かったのに、ライターの矜持かどうか知らんが全然出てこない。
エスカレーター式で大学もあるんだし、リリアン女子大に通う佐藤聖様よろしく、悩める下級生のアドバイザーとして奏なりまりやなり出しても問題なかったのではなかろうか。
さらに言えば、お嬢様キャラの不在。
ただ憧れの上級生にキャーキャー騒いでいるだけの女子校に成り下がっている。お淑やかなお嬢様はどこに消えたのか!?
攻略キャラにしても、完全にお嬢様と呼べるキャラはいない。唯一、千早だけがお嬢様と呼ぶに足る経歴を持つというジレンマ。
薫子は金貸しの娘だし、雅楽乃と淡雪はお嬢様というよりも中流階級といった感じ。
ケイリは亡国の王女だけど、お嬢様と呼ぶよりも、ミステリアスキャラだし、香織里はキャバ嬢の娘。史にいたってはメイドという。
唯一、初音がお嬢様らしい経歴だが、シナリオではそれほどお嬢様めいた部分は出てこない。
ただまあ前作のキャラだって別にそこまでお嬢様お嬢様したキャラが出てきた訳ではない(貴子と紫苑、まりやくらいか)が、本作よりももう少しお嬢様学校という世俗から離れた世界観だった。
この辺のミーハーぽくなってしまった世界観が少し残念。

あとテキストが一部クドい。