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シナリオ
ピカレスク風だそうです。
シナリオ、というかキャラクター設定に某アニメの主人公が多分に影響を受けているようです。
ぶっちゃけ、コードギアスのパロディゲームと考えた方が無難。
「世界をぶっ壊してやる!」
とか息巻いてた主人公が、結局最終的には自分を消して世界を存続させる事を優先させた不思議なお話。

まず世界設定として、ジーニアスと呼ばれる特殊能力を持った少年少女がいる。
このギフトと呼ばれる能力は、大人になると消滅してしまうらしい。
結果的に、ジーニアスと普通の人間の間に対立構造が生まれてしまい、社会不安に繋がっている、とか。
で、かつてジーニアス独立に貢献した聖女の残した秘宝ノアが目覚め、新たな聖女候補が選ばれた。
ノアが復活すると、世界が変化するよ!
というお話。
実はジーニアスじゃなく、訓練で手に入れた高速思考を持った主人公は、この歪んだ世界をぶっ壊す!とか言いながら、聖女候補に取り入って世界を変革させよう、というのが大まかなあらすじである。

まず、一番気になったのがギフトかそうでないかの線引きが非常に曖昧な点。
主人公のハイパーハイスピードなんて、どう見てもギフトそのものなのに、ただの常人の凄い能力と評される。
いやいや、それで十分だよ。
一部シナリオでは主人公覚醒してジーニアス化したりするけど、ギフトになったら今度は他の干渉受けたりして、ギフトじゃなかった方が役に立つという意味不明な設定。
また能力が各キャラに設定されているものの、それが上手く生かせたシナリオっていうのはほとんど無い。
唯一、翠名が能力に絡めたシナリオだったくらいか。それ以外は「能力?んなもんねぇよ」と言わんばかりのシナリオになっている。
バトルシーンも若干あるが、能力で相手の裏をかいてどうのこうの、という展開は無い。
どっちかってーと、
「なにぃ、お前は倒れたはずだ!」
「へっ効かねぇよ。俺には野望があるからなッ!」
というやせ我慢戦法が多い。気合の勝利である。

葉月 翠名(CV:斉藤愛子)
ギフト:ロジカルダッシュ
皐月学園の生徒会長。
未来予測という能力で、地味に高性能過ぎる。
シナリオは上手く絡めているが、地味。
聖女を決める方法が選挙、という辺りが本当に地味。
最終的には、敵も味方も関係ねぇ!みんな仲良くやろうぜ、みたいなオチで収まる。

光明寺 夢子(CV:日比谷小桃)
ギフト:サードアイ
飛んできたモノとか自動的に避けられる技。
SLGで言うところのオートスキルというヤツだろう。「矢かわし」みたいなもんだね。
個別シナリオは、単にイチャイチャするだけ。盛り上がりなんてカケラもない。

春秋 詩子(CV:五行なずな)
ギフト:キャットボックス
本を読んでいる間は存在を消す。作中で一番地味な技。
使い方によっては異様に高性能な気もするが、それが生きた場面はほとんど無かったという悲しい技でもある。
シナリオは、全キャラの中でも一二を争い穏やかなシナリオ。盛り上がりが無いともいう。

サクラ=ウィンザー(CV:真中海)
ギフト:アップデイト
物質を修復するが、自身も代償を払う。
そのせいで味覚が無かったり、運動神経が欠落していたりと中々ヘヴィな設定もある。
シナリオは能力が暴走したりと中々盛り上がる場面も。
ただ中途半端な部分も多い。

アイリス=ウィンザー(CV:杏子御津)
ギフト:エラーコード
傷をつけた相手の五感を奪う。
全キャラで一番戦闘向きの能力。というより戦闘にしか使えない。
さらにその使い勝手からか、どのシナリオでも八面六臂の活躍を見せる。
シナリオは、まあ言うに及ばず。
聖ジュライ勢のシナリオは、全体的に中途半端さが強い。

雪見 カエデ(CV:加賀ヒカル)
ギフト:ヘリオスガーデン
相手のコンディションを花の色で見れる、らしい。
全キャラで一番意味不明な能力。
なぜ聖女アナはこの能力を九頭竜の能力として残しておいたのか。
と思ったけど、相手のコンディションなどを知れるというのは、人心掌握には使えるのかもしれない。
シナリオはただメイドさんキャラとイチャイチャするだけです。

時雨里 姫乃(CV:雲雀鈴愛)
ギフト:アイアンメイデン
全てを防ぐ、という単純明快な技。
で、まあ結構簡単に分かるけど、実はジーニアスじゃない人。
個別シナリオでは、ジーニアスとそうでない者の話がメイン。
個別の中ではそれなりに読み応えはあると思う。
また、本作では珍しく戦闘描写が多いのも、水無月学園√の特徴。

刀条院 京香(CV:小町多すずえ)
ギフト:インポッシブルゲート
近距離をワープする。
侍キャラ、というよりは隠密キャラ?まあ戦闘要員の一人。
個別では能力が消えて云々、というお話。まあ分かりやすいシナリオ。
個人的には、こういう忠実キャラってのは好き。

佐藤しずく(パトリシア・ランカスター)
ギフト:オンリーワンフラワー
半径10mの敵のギフトを無効にする。
要はキャンセルキャラなので、それなりに活躍の場も多い。
さらにビームサーベル持ってたりと、一体何を目指しているキャラなのか。
個別では母国で反乱ぽいのが起きて……というまた違う世界に行ったお話し。

明智 光理(CV:澤田なつ)
ギフト:ウィッチライブラリー
ありとあらゆるギフトを補完、閲覧出来る能力。
はっきり言ってチート級の性能なんだけど、いかんせん主人公が低脳過ぎて使いこなせていないという不遇の能力。
さらに明言されていないが、どうも閲覧だけでなく、使用も出来そうなんだけど、その辺も今ひとつぱっとしない。
妹キャラだけど、実はかつて聖女アナの肉体部分だ、とかいうのがトゥルーシナリオで明らかにされる。

グラフィック
原画はユキヲミヤスリサ
どみるっぽい絵柄なので、萌えゲーとしては頑張っている方だろう。
ヒロイン10人も綺麗に書き分けられていたように思える。
そして萌えゲー以上のゲームではないので、この絵柄でいいのだ。
最初、こんなほんわかした絵柄で大丈夫かいな、と思ったけど何てことはない。
逆にこのシナリオで、もっと殺伐とした絵柄だったら、ドン引きかもしれない。

音楽

こちらも萌えゲーらしい音楽。
OP曲の『Heavenly Kiss』も、ややアッパーテンションながらもポップな感じが、絶妙にマッチしている。
その他音声面も文句は無い。
主人公の声が若干イラっとしたが、それほど喋る機会もないし、嫌ならOFFに出来るし。
あの程度の出演なら無くても良かったとも思うけど。

総評
話:★★★★☆
絵:★★★★☆
音:★★★★☆
75点

まず、本作を萌えゲーとして、きちんと捉えると中々の良ゲーである。
ヒロインの数も多く、適度に萌えれて可愛い。
しかしジャンルである『ピカレスク風純愛ADV』という部分に騙されると痛い目を見るかもしれない。
いや、別段嘘はついていない。
大事なのは、『ピカレスク』の部分ではなく、『風』の部分。
そう、これは『ピカレスクっぽい』と訳すと、とてもしっくりくる。たしかに、ピカレスクっぽい。
『ミラノ風』が決してミラノで作った訳ではないのと同じく、コレは決して『ピカレスク』ではないのだ。
むしろ『ぴか☆れすく!』とかにタイトルを変えた方がしっくりくるくらい、カジュアルなゲームである。

それは良くも悪くも主人公の性格及び設定面だろう。
このどう見てもコードギアスのルルーシュにしか見えない主人公が、ルルーシュと同じポーズを取りながら、似たような思考で「世界をぶっ壊す」とかのたまっているから勘違いしてしまう。
彼は「世界をぶっ壊す」なんて言いながら、「お前、常人だろ(笑」と言われると顔真っ赤にして逃げ出しちゃうチキンボーイなのである。
そんなチキンボーイが中二病よろしく俺は世界を変えるんだ、という考え方を持っている、という部分を理解しないと、本作の本質を理解出来ないだろう。
どう見ても恋愛経験がなさそうなのに、「聖女候補を落として思い通りに世界を作り直すぜ」とか、思考はどう見てもエロゲのやりすぎとしか思えない。

一番主人公の問題点は、ウィッチライブラリーという高性能なギフトを、何にも活用出来ていない点である。
ありとあらゆるギフトを閲覧出来る、という前触れのわりに、主人公がそれを活用するのは、相手の能力が分かった時点。
「あいつの能力って○○っぽいけど当たってる?」
「うん、○○でいいみたいだよ」
という、意味不明なやり取りを、毎度毎度見せられる。
いやいや、高速思考(笑)を持ってるんだから、相手の能力とか言動から推察して、そこからウィッチライブラリーで相手の能力を導き出すとか思ってたのに、何なの?
さらに水無月学園√では、相手の能力が分かってるのにウィッチライブラリーで調べようとせず、結局ピンチに陥るという失態。
これで参謀(笑)なのだから恐れ入る。
ぶっちゃけ、カエデの方が頭の回転速いんだけど、この人も訓練でハイパーハイスピードとやらを身に着けたんじゃなかろうか。
つうか主人公が陣営にいない方が、どの学園も強いのは気のせいだろうか。
というか、大抵のシナリオで主人公がやってるのは、「頑張れ」と声かけるくらいだしな。
聖ジュライ√では、ダメージを気迫で凌駕した面々が、相手を圧倒しただけだし。
いわゆる知性キャラというのは難しい、という典型例である。
「ライターよりも頭の良いキャラは描けない」という言葉を胸に刻んだ。

しかしまあ、それらの細々した点も、本作を萌えゲーである、と結論付けてしまえば些細な事だ。
キャラの設定はよく、個別のイチャイチャっぷりは中々クオリティは高い。
また、基本的に個別はメリハリが薄いが、全体的にシナリオが短く区切ってあるので、飽きずに最後まで進められる。
この辺のテンポの良さは、どみるらしいところである。
ただし、逆に言えば短すぎて色々な部分を端折っている感じもする。
例えば、ヒロインが主人公に惚れる描写が異様に軽い。
カエデなんて混浴で一緒に入っただけで、そのままくっ付くくらいの軽さ。
その他のヒロインにしても、何だか知らない間に主人公に惚れているので、その辺の描写はとても曖昧。
まあ萌えゲーでわざわざ恋愛描写を濃くするのも面倒だし、お手軽なのでいいんだけども。

総じて見れば、ライトな萌えゲー。
細かい部分を抜きにすれば、中々楽しめるゲーム。
適度に熱く、適度にゆるいので、空っぽの頭で楽しめる。
逆に小難しい話とか、緊迫感の溢れる戦闘シーンに期待するとダメ。
キャラが多いのが、一番の見所かもしれない。