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攻略ヒロインが無駄に多いです。


あっぱれ!天下御免
メーカー:BaseSon


あっぱれ!天下御免あっぱれ!天下御免
販売元:BaseSon
(2011-12-22)
販売元:Amazon.co.jp
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シナリオ
キャラゲーを作らせれば右に出るものはいないというBaseSonの新作。
本作は時代物……というより時代劇モノ、と呼んだ方が正確か。
歴史上の偉人のパロディというより、時代劇キャラのパロディという側面が強い。
なので、時代劇ファンからしてみれば、中々にニヤリとする場面もあったりする。
剣魂という、スタンドというか日本刀の精霊というか、まあそういう謎な存在も登場するが、大体はネタ元のキャラにちなんでいたりするので、この辺も知ってると面白い。

舞台は現実世界とは少し違うニホン。
大江戸学園という、江戸時代をテーマにした学園があり、そこは10万人からなる学生が自治を行なっていた。
江戸時代がテーマなだけに、やたらと腐敗しているのが特徴。
つーか、悪人多すぎだろ。
街を歩けばゴロツキが現れ、役人はみんな悪いという。
まあこういう現実的な部分から、優秀な生徒を生み出す、という方針らしいから仕方ないと言えば仕方ないのか。
それに、よくよく考えれば水戸黄門だって暴れん坊将軍だって、毎週毎週悪人を成敗してるんだから、実際これくらい悪人はいたのかもしれないね。

主人公はこの学園に途中から編入してきた転校生。
転入早々、自分の家がチンピラから立ち退きを迫られるという不幸な少年である。
その流れから、色々と知り合っていき、学園の騒動に巻き込まれていく、という流れになっている。
シナリオの流れとしては、
天狗党の乱:各キャラの顔見せ
御前試合:学園の日常部分
五人組事件:校長と悪人との癒着問題
由比雪那の乱:クーデター騒動
という流れになっている。
そして、さらに一連の事件には黒幕がおり、メインヒロインである徳河 吉音詠美の二人のルートで、すべての真相が明らかになる。
なので、実のところ、シナリオの大きな流れは全キャラ一緒なので、さほど違いは少ない。
が、『恋姫†無双』の時の不満点であった『個別ルートが無い』という部分が解消されている。
なんと、登場ヒロインのほぼ全てに、個別ルートが存在するのである(一部のキャラは存在しないが)。
この辺は『恋姫†無双』の頃に比べて、成長している点と言える。

徳河 吉音(CV:榊原ゆい)
主人公の営む茶屋の用心棒。
主人公が学園に越してきた初日に出会い、一日一食の条件で用心棒になった。
天然お馬鹿キャラだが、剣の腕は作中でもトップクラス。
普段は徳田 新(あらた)の名前で生活しているが、実は徳河家の嫡子。
しかし従姉妹である詠美に全てを譲り、市井で暮らしている。
ネタ元は勿論、『暴れん坊将軍』徳川吉宗(徳田新之助)であり、メインストーリーの一端である目安組など、細かい部分に反映されている。
そういや、暴れん坊将軍も、大岡越前と仲良かったし、この辺の設定は上手く使われているね。
他のキャラとは違い、終章が解放され、名実共にメインヒロインではあるが、少しキャラは弱い。
なんつーか、ウザイ。この辺は『恋姫†無双』劉備に近い部分はあるかもしれない。
つっても、最後は一応覚醒して自分のやるべき事を自覚するので、まあその辺は人によりけりってところかな。

徳河 詠美(CV:海原エレナ)
現執行部の書記で、次期生徒大将軍候補。
この生徒大将軍というのが、学園で一番偉い人(生徒)ではあるが、現生徒大将軍は行方をくらませている。
徳河の分家に当たり、吉音とは従姉妹の関係である。昔は仲が良かったが今は少し疎遠。
由比雪那の乱にて、自分が将軍になって学園を治める決意をするが、次第に暴走していく。
最終的には吉音と、学園を二分して争う事に。
元ネタは……何だろう。あるのかな。
多分、吉音との対比キャラなので、特に時代劇がどうのこうの、という訳ではないと思われる。
剣魂の名前もタケチヨ。これは徳川一族の幼名だしね。

水都 光姫(CV:葉桜未唯亜)
副将軍であり、徳河の傍流に当たる水都家の嫡子。
まあ元ネタは速攻分かる通り、『水戸黄門』水戸光圀である。
服装も完璧一緒で、役どころまで一緒。違うのは、先の副将軍ではない、というところか。でも作中で失脚するけどね。
ロリキャラながら、全キャラでもトップクラスの策士キャラで、影のMVPでもある。ぶっちゃけ、吉音よりも活躍の場面は多い。

遠山 朱金(CV:桜川未央)
遊び人の金さん、と呼ばれる学生。
その実態は、なんと北町奉行なのです!
という訳で、元ネタは『遠山の金さん』でお馴染み、遠山金四郎である。
勿論、背中には桜吹雪を背負っています(でもこれ、刺青じゃなくシールらしい)。
個人的には、もっと派手に彫り紋入れてても良かったと思ったけど。
よく考えたら、遠山の金さんも、背中一面に入れてたっけ? 肩しかはだけないから、背中がどうなってるのか分からん。
刀使うキャラが多い中、唯一素手ゴロで戦う喧嘩師。しかし一部ルートでは刀を使い、かなりの腕前を見せる。

逢岡 想(CV:飯田空)
南町奉行。
吉音の友人でもあり、また仏の奉行と呼ばれるほどの名奉行でもある。
ネタ元は『大岡越前』ですな。まんまです。
良い人過ぎて、逆にこの人、悪人なんじゃね? と多くのユーザーが思ったに違いない。
まあ実際、裏があるんだけど、やっぱりかなり良い人です。疑ってごめんね。
この人も地味に登場回数が多く、まさしくMVP的な働きを随所で行う。吉音とは何だったのか。
実はエロシーンが他のキャラよりも多く、3回も存在する。
メインである吉音など1回しか無いのに、この差は一体なんなのか。

鬼島 桃子(CV:白井綾乃)
貧乏長屋に住まう少女。
学園最強の剣士の一人としても有名で、その豪腕で金棒を振るう。
実は行方不明中の生徒大将軍の妹だが、身分を隠して貧乏生活中。なので徳河一族に連なる人間である。
元ネタは何と言っても『桃太郎侍』である。
あの有名な般若の仮面をかぶり、「ひとーつ、人の世の生き血をすすり〜」とか言いながら悪人をバッサバッサと切り捨てる。
悪人討ち入りの回数的には、メインヒロインである吉音より多いかもしれん。というより専用CGまで用意してもらってる分、明らかに目立ってる。

子住 由真(CV:青山ゆかり)
子住 結花(CV:柚木かなめ)
子住 唯(CV:春日アン)
主人公の茶屋の隣で喫茶店「ねずみや」を営む美人3姉妹。
その実態は、なんと悪人から金を盗み、民衆に施す義賊『怪盗猫目』なのだった!
という訳で、なぜか元ネタが『キャッツアイ』という謎設定。
三人の剣魂も、ヒトミルイアイという、『キャッツアイ』の登場人物から取られている。
ただ名前的や設定的には『鼠小僧』が元ネタと考えられる。
ツンデレ、ボクっ娘、妖艶お姉さん、というまあ分かりやすい三人組である。
ちなみに、全員同時攻略になる。

銭方 真留(CV:久我さとみ)
北町奉行所所属の岡っ引き。
朱金を慕っており、普段は不真面目な朱金を引っ張っていく真面目な性格。
比較的個別シナリオが練られており、単なる岡っ引きでしかない彼女が、奮起して次第に仲間が増えていく、という王道的な内容になっている。
元ネタは『銭形平次』
剣魂ガラッ八を投げてるようにも見えるが、実際は銭投げをして、その弾道を剣魂で制御してるらしい。
ちなみに、ガラッ八は銭形平次の子分でもある。

長谷川 平良(CV:かわしまりの)
火付盗賊改方、通称”火盗改”の長官。
まあ何をしているかというと、とりあえず公安部隊らしいです。
周囲からは『鬼平』の二つ名で恐れられている猛者。
朱金とはかつて、不良時代の親友であったが、平良が彼女を裏切り、火盗に行ったことで険悪な仲に。
朱金が剣を使うのは平良ルートだけ!という訳で、最終的には拳ではなく剣で語り合う。
元ネタは勿論、『鬼平犯科帳』長谷川平蔵
格好が他のキャラと違って格好良いです。まさしく鬼平。つーか牙突っぽい。

越後屋 山吹(CV:夏野こおり)
大財閥、越後屋グループ総帥の孫娘。
その経営手腕で、大江戸学園内の経済を牛耳る。
序盤では敵として登場したものの、いつの間にか仲間になっているという、少年漫画もかくや。という活躍をする。
が、彼女には善悪の概念はなく、経済活動の延長線でしかない。
京言葉にワガママボディと、かなりのイケイケキャラ。
ネタ元は「お主も悪よのぉ」でお馴染みの越後屋さん。つーか、単体作品であるのかね。

佐東 はじめ(CV:大花どん)
越後屋に従う目隠しをした少女。
用心棒としての腕前は確かで、目が見えていないにも関わらず、反応する。
目隠ししているが、別に盲目という訳ではなく、人の視線を感じるとおしっこ漏らしちゃうトラウマがあるからだとか。
最終的にはそれを乗り越えて主人公と結ばれる、という健気な感じのストーリーになっている。
目隠しはずしたバージョンもいいけど、やっぱり目隠し有る方がなんか好き。
元ネタは『座頭市』。武器が仕込杖なのも一緒。
ちなみに、彼女の剣魂カツの由来は、やはり『座頭市』を主演した勝新太郎から取られているんだろうね。

五十嵐 文(CV:九条信乃)
学園に無断で入り込んだ謎の少女。
行方不明の兄を探すために、兄の行方を知るであろう、巨乳で腕のたつ女を探している。
その過程で主人公と知り合う。
三度笠をかぶって縞々の合羽を着こみ、人とは関わらぬようにしているのに、つい関わってしまう人。
最初、元ネタが分からなかったが、クリアしてよくよく考えると、『木枯らし紋次郎』だね。
名前にも親和性あるし、剣魂の名前がジロウという点も似ている。
作中では剣の腕はやや弱い。まあ周りが強すぎるという一面もある。

八辺 由佳里(CV:遠野そよぎ)
水都光姫に従うお付きの少女。
うっかり者だが、凄まじい記憶力を持つ。
元ネタは『水戸黄門』うっかり八兵衛
まあそれ以上の話は特に無い。シナリオも普通だし。
エロシーンがエロい。それは確かである。

仲村 往水(CV:藤見桐子)
南町奉行所に所属している同心。
昼行灯で不良同心。
主人公の茶屋に現れては、ちょくちょくただでお茶を飲んで帰るという。
不真面目な性格なので、周囲からも呆れられている。
しかしその実態は、金で復讐を引き受ける仕置き人である。
個別シナリオは、全キャラの中でもシリアスで、往水がなぜ仕置き人になったかなどが語られる。
個人的には、過去の自分の依頼を引き受け、復讐をするという展開に燃えた。
元ネタはご存知、『必殺仕事人』中村主水その人である。
長いマフラーにどてらと、服装も似てるし、構え方もやや似てる。
そういや、主水さんのマフラーってあれ、なんなんでしょうかね?

眠利 シオン(CV:岬友美)
享楽的で学園の女生徒に手を出している。
桃子と共に、学園二大剣士と呼ばれているが、桃子には負けており、目の敵にしている。
基本、悪役なので大体のルートでは敵として登場する。で、大体桃子に一撃で負けるという残念なキャラ。
しかしポテンシャル自体は全キャラトップクラスであり、個別ルートではほぼ最強キャラと化している。
最終的には色々あってトゲが抜け、生徒大将軍の選挙に立候補するなど、色々とエンジョイしているようだ。
元ネタは『眠狂四郎』であり、円月殺法ならぬ輪月殺法を繰り出す。
偉人の血を引いているという設定も実は一緒だったりする。

大神 伊都(CV:金松由花)
カートに剣魂ダイゴローを乗せ、自らの腕を売り歩いている不思議少女。
やや奇天烈な性格をしており、なぜか自分の名前は「拝神 夜(オガミ ナイト)」であると言いはる。
気分次第で敵にも味方にもなるキャラで、シオンとは別の意味で危ないキャラ。
しかし、作中で最強キャラである柳宮 十兵衛に唯一タイマンで勝負出来る事から、キャラ性能はかなり高いと考えられる。
元ネタはまあ説明するまでもなく、『子連れ狼』拝一刀である。
さすがは公儀介錯人。作中でもその性能をいかんなく発揮しているようだ。

刀舟斎 かなう(CV:青葉りんご)
街で診療所を営む医者。
貧しい生徒の診療も行なっている事から、周囲からの信頼は厚い。
曲がった事、悪人が嫌いで、鉄傘でぶっ飛ばす。
この人だけは元ネタが分からなかった。
東洲斎と聞くと写楽しか思いつかないが、まさか浮世絵師とは関係ないし。
こういう時代劇キャラで医者とかいたかな。平賀源内?

比良賀 輝(CV:民安ともえ)
勝手に瓦版を出したり、変な発明品作ったりするトラブルメーカー。
基本的に面白いものなら何でもOKという性格。
なので度々問題を起こしては色々と怒られたりしている。
恐らく、ヒロインの人気投票を行えば間違いなく最下位に来るであろうキャラ。
もしかすればメーカーもそれを見越してわざと作っているのかもしれない。
実は黒幕と繋がっており、黒幕に発明品を提供したり、吉音の悪評を瓦版で広めたりと、かなりの悪事を働いている。
にも関わらず、メインルートでは最終的にちゃっかり味方側に居座っているという謎な展開を見せる。
いやいや、お前さんは確実に捕まるレベルだから。
一応、個別ルートでは色々あった末、主人公に味方してくれるのだが。
元ネタは『平賀源内』だろう。もう一切の疑う余地もなく。

八坂 平和(CV:みる)
玖慈 信乃(CV:南里一花)
甚内 つばめ(CV:木村あやか)
大江戸探偵団と称する三人組。
ござる口調で話したり、荒々しい言葉で話したりするが、実は良いところのお嬢様。
やや世間知らずで、探偵団と名乗って色々と首を突っ込んでは失敗している。
まだ幼いながらも、ちょこちょこ重要なイベントで登場したり、しれっと黒幕との決戦にも現れるという謎な采配。
元ネタは『三匹が斬る!』である。
平和を「姫さま」、信乃を「天国」と呼ぶのは、元ネタ由来のネタである。
なので、信乃の天国の由来が作中では「事ある毎に天国だぁーと言うから」という説明のわりに、全然喋らねぇじねえか!」と突っ込んではいけません。

グラフィック
原画は片桐雛太、他複数。
塗りで上手く統一されているが、ところどころ違う絵柄が出てくるのはご愛嬌。
全体的にCG数もそこそこあり、イベントシーンでは大体出てくるので文句は無い。
服装なども、元ネタがあるものの、中々上手く制服っぽくしている部分もあって、良かったんじゃないだろうか。
エロシーンに関しては、キャラが多いのでそこそこのボリュームはあるが、キャラ毎に見ると、CG3枚程度か。
ただ、気合が入っていると感じたのは、パンチラ及びブラチラシーンである。
全ヒロイン、それぞれパンチラなどのズームCGがあり、これが中々にエロい。こだわりを感じた部分である。

音楽
OPは榊原ゆいの歌う『煌き一閃』
時代劇というよりは、萌えゲーらしい曲。まあ違和感は薄いのでいいんではないでしょうかね。
ED曲はRitaの歌う『あっぱれ!謳歌』。これまたポップな曲である。
まあ世界観自体、現代設定だし、これはこれで十分良かった。
音声に関しては文句は無い。
さすがはBaseSonである。
これだけ有名所を起用するとは、声優ゲーと名乗ってもいいのかもしれん。
そういや、南国先生役のあの方は最近地味にエロゲに出てるなぁ。

総評
話:★★★★☆
絵:★★★★☆
音:★★★★★
77点

これはキャラゲーである。
萌えゲーでもなければ、シナリオゲーでもない。
キャラゲーなのだというのを念頭に置かないと痛い目を見る。

まず全体的にシナリオに関しては整合性がとれていない。
フラグ管理が甘いのか、それともそんなもの端から存在しないのか、見たことないイベントシーンが、時々挿入される。
お前はあの時の、とか言われても初めて会うのだし知りません。他のキャラのシナリオを攻略してようやく理解する、というシーンが何度かある。
こういう整合性は結構気になるタチなので、何とかしてもらいたかった。

あとは基本的にご都合主義(まあ時代劇のオマージュである以上、仕方ないが)なので、その辺を大まかに見れる人限定。
常識的に考えれば、生徒だけで自治が出来るはずもない。
実際、腐敗が横行しているし、こんな学園で学んだ事が社会で生きるとは到底思えない。
しかしこれはそういう世界観なのだ。
いちいち現実的でないと切り捨てるのは、ベホマで全回復することに文句をつけるのと同じなのだ。

という訳で大体には目を瞑れる私も、主人公の設定だけは擁護できない。
彼は転入早々入るはずだった寮がいっぱいで、仕方なく空き家に住む事に。
実はその空き家の前の所有者は茶屋を開いていたと知り、主人公は「じゃあ俺もここで茶屋を開くか」となぜか翌日から店を開く。
なんでや。なんでや。なんでやねん。
そりゃ学園の自治を学生がやってるんだから、店を学生が開くのも当然の話だ。
しかし、普通の学校から転入してきた主人公が、何をいきなり順応して店を開こうとのたまうのか。
それは明らかにおかしいですよ。
しかも婆ちゃんに教わったという緑茶の淹れ方程度で商売が成り立つのか。どうなんだおい!
シナリオによっては主人公はいつの間にか、パティシエ顔負けの料理スキルを発揮するという謎要素も開花する。
まあこの辺は、複数ライター故の弊害です。諦めましょう。

という訳で突っ込む要素はいっぱいあるが、それもこれも全て、「キャラゲーだからです」という一言で片付けましょう。
そのわりに、メインヒロインである吉音に今ひとつ魅力に欠ける点もあったりするが。
でもまあ、そういう枝葉末節を気にしない人にはオススメである。
性犯罪だろうが暴行罪だろうが贋金作ろうが、謹慎で済んだりする世界観に、突っ込む価値もないでしょう?