北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

アルトピエモンテ ノヴァーラ県在住。ときどき東京。ワイナリーの日々、稲作農業の研究や農業に関する会議やイベントのことも。

50年前の復刻ラベル ゲンメ2017

昨日は、青空で美しい紅葉したイチョウの葉、建物とすべてが鮮やかな色彩でした。
今日から1週間、霧と小雨の日が続く予報で、朝からずっとモノトーンの風景です。
まだ明るい時間帯の午後、自宅前の様子です。

20221202



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特別復刻ラベルのゲンメ2017が空輸でマルペンサ空港から出発しています。

Ghemme2017


1972本限定のワインです。そのうちの約10分の1を日本に輸入しました。
昔のブログによく登場したアントネッロさん。
今年2022年は、50回目の収穫にあたり、それを記念して50年前と同じラベルにしました。

ゲンメの他に完熟の干しブドウからできる黄金色のパッシートワインをはじめ4種類のワインを積んだ貨物パレットが成田空港に到着です。
土日もあり手続きは、食品検査、通関と来週いっぱい、最近の傾向では、各部門での審査の手続き時間が長いので食品検査後の通関でさらに来週以降も時間がかかるかもしれません。

下のinstagramのリンクは、今年の秋、収穫50周年記念パーティの様子のリールです。
リールに登場するワインは、すべて日本で楽しめるワインばかりです!
ご一緒に試飲しましょう。





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instagramのリールを作るのが好きで、今週末も新たに作成します。
コロナをきっかけに2020年春からライブ動画配信など動画で伝えることが多くなりブログがストップしていました。動画以外では、2020年春から書いた文章、他のサイトへの記事提供は、ほぼすべてイタリアのコロナの現状でした。

2023年は、気候変動関係が多くなるかもしれません。何か専門性の高い農業記事を考えています。
その他、欧州のドリンクビジネス関係、ブログやnoteでワインのある風景など書いていきたいので
文章を書く脳をトレーニングしないといけないですね。

これから、好きなジャズを聴きながら、ピエモンテ産ヘーゼルナッツのタルトで午後のカフェタイムです。

ピエモンテIGP

どうか皆さんも良い週末をお過ごしください。
ありがとうございました。


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北イタリア 郷土料理のリゾットと最強のワイン

欧州で最もお米を生産している北イタリア、ピエモンテ州とロンバルディア州でそのうちの生産が92%以上です。ロンバルディア州のミラノ風リゾットというイタリア料理をご存知の方も多いことでしょう。

Instagramやfacebookページで、お米料理、稲作に関する投稿が続いてしまっていますが
今回は、その稲作地域の郷土料理と地元の地場品種のワインの関係についてです。

ノヴァーラ風リゾット”パニッシャ”( Paniscia novarese )は、そのブロードなど各家庭で様々です。
その家族が一番と思っている味わいがあるので、これがすべてというわけでないです。

実際、私は、ノヴァーラ県の女性たち10名以上から、伝統的な郷土料理であるノヴァーラ風リゾットを教えてもらいました。1949年製作のジュゼッペ・デ・サンティス監督の有名なイタリア映画『 にがい米』のエキストラであった女性からも習いました。

このリゾットには、赤ワインが使われます。
様々なサイトのレシピでは、その赤ワインが多くの方が知っていて、また手に入りやすい
モンフェラート地方のバルべーラだったり、ロエロ地方のネッビオーロだったりします。

10年近く前のブログにもそのように紹介していたと思います。
この郷土料理が生まれた地域では、実は、この赤ワインは、品種ヴェスポリーナです。

画像は、私がリゾットを作ろうと思った日に、その材料を並べたものです。仕事場で撮影です。今は、You Tubeは、ショートばかりになってしまいましたが長い動画の撮影を行っている撮影場所でもあるので、この風景をご存知の方もいらっしゃるかもしれないですね。

材料のお米は、地元の農場から。伝統的にカルナローリ米を使うこともありますが私の周囲でも、今では、バルド米を使うことが多いです。私もバルド米が好みで、ブログの後半に紹介しているリール動画に登場するフランチェスカさんもバルド米でノヴァーラ風リゾットを作っています。

リゾット用のお米と乾燥のうずら豆(豆は、12時間以上、水に浸して戻して使っています。)

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さて3時間の煮込むブロードとなる野菜です。私は、ニンジン、セロリ、キャベツ、うずら豆、塩で野菜スープを作り、玉ねぎは、別のお鍋でお米、ノヴァーラ風サラミ(salame della duia ),赤ワインで炒める時に使います。

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fara

下記は、instagramのリールで約20秒の動画です。
ワイナリーのフランチェスカさんがブドウ畑でノヴァーラ風リゾット”パニッシャ”を作った様子です。

フランチェスカの家族、カスタルディ家では、代々、ブロードとなるリゾットの野菜スープには、
ちりめんキャベツ、仔牛肉の骨、うずら豆、塩だけです。香味野菜のニンジンやセロリ、そしてトマトソースも入れない味わいです。ブドウ畑という野外料理なので前の日に自宅で3時間以上煮込んだブロードが入ったお鍋を3つ用意していました。

ラード、玉ねぎ、ノヴァーラ風サラミを炒めるのに使うワイン、それが、ノヴァーラのワイン産地では、絶対的に品種ヴェスポリーナなのです。アントシアニンの含有量が高く、黒コショウの香りのする個性的な品種です。

20秒であっという間の動画ですが、リゾットを作っている様子です。




ワイン産地での特別でない何気ない幸せなある1日でした。伝わりますか。
特別でも贅沢でもないけれど、何となく幸せに人生の時間を過ごすことができる、そんな空気を大切にしていきたいです。
世界には、戦争や難民で生きるために脱出しなければならないような人も多く、また病気で苦しんでいらっしゃる方も多いことでしょう。
ひとりでも多くの方に、今日1日で幸せだった瞬間がありますように。


ワインと一緒に楽しんだワインは、品種ヴィスポリーナが使われた地元の偉大なワイン、Faraでした。
FARA DOC 2012
アルトピエモンテ地方のゲンメと並び、ファーラは、長期間熟成され、この地元ノヴァーラ県で偉大なワインの一つ。約3年スラヴォニア産の大樽で熟成、その後1年の瓶内熟成後市場に出荷されます。ヴェスポリーナの持つスパイスの香りとアルトピエモンテ地方のネッビオーロで
バランスの取れたワイン。
ブドウの品種:ネッビオーロ 70%、ヴェスポリーナ 30%

*日本では、現在、偉大な収穫年だった2016年を販売中ですが、実は、動画で飲んでいる2012年が
6本だけ、軽井沢の倉庫で保管されています。
いつかワイン会でご一緒に飲みましょうか。

fara2012

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ミラノ(Palazzo Lombardia パラッツォ・ロンバルディア)

先週、ヨーロッパの稲作に関するコングレスに参加するためにミラノに行っていました。
少し早めに到着したので、ミラノ中央駅にあるMercato Centraleに立ち寄りました。
すぐにお米を使ったお料理が並んでいたショップが目に入りました。
近所の稲作農場のお米も販売されていました。

La bottega di Sergio Barzetti (Mercato Centrale Milano )
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欧州稲作会議の会場に到着

Palazzo Lombardia パラッツォ・ロンバルディア
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欧州稲作会議では、様々なテーマについて話し合われました。

水資源の持続的利用と温室効果ガス排出の軽減する戦略や栽培技術についてがやはり大きなテーマでした。
イタリアのロンバルディア州とピエモンテ州がイタリアの生産量の92%であり、
この地域では、アルプス山脈から流れてくる水を水田という複雑なシステムで一時的に貯留し、
また川に戻すという自然のサイクルになっていること。
その他、水田が湿地の生息環境を維持し、両生類、昆虫、鳥など多くの動物種を受け入れる
繁殖地として機能していることなど約2時間半続きました。

そして最後は、美味しいヨーロッパのお米料理のクッキングショーでした。

欧州の人々にお米の生産と欧州産米の料理に関する知識、持続可能性と天然資源保護の観点から稲作の価値に対する認識を強化することを目的とする欧州委員会の支援による3年間のプログラムに関係しています。
そのため、今回の会議には、農業関係者、技術者、学者の他、ジャーナリストや有名ブロガーも参加していました。欧州お米料理も含め、当日の様子の写真は、Instagramにあります。

*Instagramのフランスのカマルグ米を使ったフランスのお料理の画像の文字で
Rが切れてしまっていてすみません。
Riso di Camargue ai frutti di mare





私は、現在、稲作農場経営者の方たちの情報交換のグループに参加させてもらっています。
パンデミック後には、ウクライナの戦争が問題になり、生産コストや原材料の調達など、複雑な国際的地政学的状況の中、農業関係者のやり取りのグループチャットには、様々な問題が書き込まれています。
今年の夏は、特に今年の水不足の問題では、自分の農場の現状を動画にして公開したり、
タイムラインは、討論の場になっていました。

例えば、それは、水の豊富な季節に地下水位を涵養することができる冬期湛水のことだったり
冬のアルプスの積雪量の少なさで、水不足は、ずっと前から予測できたのではないかとか
ロンバルディアとピエモンテの稲作地域の土壌の違いで必要になる水の量の違いなどです。

稲作農業の求められる役割とその継続には、難しい課題も多いことを知りました。

近所の稲作地域を散策。
青空で明るい午後の田園は、16時を過ぎると次第に夕方の風景に変わってしまいます。
(ピエモンテ北部ノヴァーラ県の今日の日没時間は、16:48 アルバ、バローロ周辺よりも5分早いです。)

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Profile

RIE

北イタリアピエモンテ州ノヴァーラ県在住。
ときどき東京。株式会社Wine・Art代表
ワイン、オリーブオイルなどの直輸入販売。軽井沢からゆうパックで全国に発送しています。

ピエモンテワインを輸入しているけれど、東京のバーでシャルトリューズのひとときもとても好き。

Sommelier(AIS PIEMONTE)
Master di analisi sensoriale del vino(AIS ROMA)
wineartpiemonte.com
ワインなどのオンラインショップ
→ shopping-wineart.com

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