北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

October 2006

トリノで試飲したワイン

食の国際見本市(SALONE INTERNAZIONALE DEL GUSTO)の帰りに
見たトリノの空です。

トリノの空


















先日のブログの続きになります。

この日に試飲したワインです。


国際見本市のワインコーナーは
ワインの生産者と話す場でなく

楽しく会場に来た方が
ワインを飲むように出来ていました。

リストの多いワインバーが会場内の一角に設けられているのです。

1973種類に及ぶリストがあり、4段階に値段が分かれています。

よく考えてみると一般のワインバーで飲むのと
値段に大きく差がありません。


それならば、一口の試飲程度でなく
赤、白の2種類をグラスに一杯ずつ

ここでは、楽しく美味しく飲むことにしようと思ったのです。


白ワインとパン赤ワインとパン











白は、オーストリアからブレンナー峠を通過していく
北イタリアの地域のワインをを飲んでみようとすぐに決めました。

イタリアで飲む機会がほとんどないオーストリアワインと
どちらにしようかと迷いましたが、

何度か試飲したこともある好きなワインに。

北イタリア、アルト・アディジェ(ALTO ADIGE)地方の
Mannaというワインを選びました。


franz-haas
MANNA
Bianco IGT
2004
ブドウの品種:Riesling 50%
       Chardonnay 20%
       Aromatic Traminer 20%
       Sauvignon Blanc 10%

アルコール度数:13.5%
FranzHaas





これは、4種類のブドウの品種を使っています。
品種により、収穫時期が異なるため
醸造を品種により別々に行っています。

それぞれの品種の持つ個性が活かされながら
そして気品のある余韻の長い白ワイン。

これは、この地方の持つ輝いているミネラルが感じられる
お気に入りのワインのひとつです。


赤ワインの試飲は、すぐに決まりました。

ピエモンテの高級ワインもリストに並んでいましたが

探したかったワインは、CÔTE du RHÔNE(ローヌ地方)
有機農法BIODYVIN(Biodynamique)で作られたフランスワイン。

できればジビエなどにも合うような力強い味わいのもので
最初に飲んだ白ワインの13.5%よりもアルコール度数が高いもの。

そしてそれにぴったりのものが、リストで見つかり
迷わず、これを選びました。

hermitage bio
Hermitage Rouge
Monier de la Sizeranne

2003
ブドウの品種:Syrah
アルコール度数:15%
M.CHAPOUTIER











国際見本市をあとにし、自宅に向かうことにしました。

いつも地平線が見えている私の田舎の町と違い
美しい邸宅と高い建物の間から空が見えます。

この日もピエモンテは、青い空と秋の綺麗な雲でした。
その時に見た空が最初の写真です。


短い時間であったけれど、美味しいワインが飲めたことで
充実した気持ちでいっぱいでした。

そろそろ、うちに帰ろうとバス乗り場に向かっていました。

まだいたネーヴェちゃん

”あっ。まだいたの。ネーヴェちゃん。”

オリンピックの頃が
急に懐かしくなりました。




たくさん買っておいたバスの切符を使ってみると
回りの人が使っている切符とデザインも違いました。

”まだこれでも使えるのかしら・・・”と
近くにいた学生さんに尋ねると

”大丈夫じゃないかな。地下鉄でなければ。”

あれから、時間が経っていたことを感じていました。

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トリノ(SALONE)の会場で

”今日は、トリノに行っていたでしょ。何のワインを試飲していたの。”

夜、トスカーナの仕事場にいる夫から電話がかかってきました。


”イタリアのニュースでトリノで開催されている国際見本市
(SALONE INTERNAZIONALE DEL GUSTO)
紹介されていたコーナーがあったんだよ。
驚いたことに、ワインの試飲をしているRIEが映っていたよ。”


私は、この時、時間の関係で、わずか2時間で会場内を回っていました。

ワインを2種類試飲してから、隣の県に住む知り合いの展示場所に行き
残りの1時間弱は、楽しげに会場内を歩いていました。

下は、その時の写真です。

学校の子供たちも食文化の勉強で来ていました。

saloneで 男の子

先生の話を聞かずに
私の方も見ているのは、
入り口で並んでいる時に
すぐ近くにいた男の子です。

私のことを覚えていたみたいで
そっと小さく手を振りました。







私も先生に見つからないように小さく手を振りました。


生パスタ作りの実演をする女性

saloneで パスタを打つ女性

”パスタでなくて
私の写真でいいの?”と

優しさを感じる話し方の
イタリアのマンマです。






築地の寿司職人さんの姿も。とても穏やかな表情です。

saloneで 寿司職人さん
イタリア人のしぐさを
すぐに理解して
”お箸ですね。”とにっこり
素早く対応してスマート。

ブログに写真を載せることも快く
”いいですよ。”と
すぐに返事をしてくれました。

築地の寿司岩さん



お寿司は、やはり人気のあるコーナーでした。



ラツィオ州のコーナーで。

salone で ポルケッタを切る人

”以前は、ローマに
住んでいたわ。”と言うと

”僕もローマからだよ。
何で、トリノの近くに
来てしまったの?
ローマの方が良かったでしょ。”



saloneで ローマのお菓子屋さん
”ローマか・・・。
うちのお店も
ローマからすぐ近くだよ。

Rocca Priora
という地名を知っている。
そこから来たんだよ。

僕の写真もきちんと撮ってね。”

”それと自慢のクッキーも
 試食してね。”



2時間という短い時間だったこともあるかもしれません。

帰ってきて、数少ない写真を眺めると
試飲したワイン2種類とこの人物が中心の写真、トリノの街の風景だけなのです。

今、印象に残っているのは、何ですかと聞かれれば

平日であっても、開門前から並んでいる多くの人を見て
たくさんの人が食文化に興味を持っているという実感と

試飲した2種類のワイン。

そして、何よりも、この会場内で出会った人々です。

なぜか、遠くで仕事をしていた夫にまで知られてしまったワインの試飲。
明日は、その時のワインを紹介します。


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農業の町で暮らす人々

町役場の敷地内で町役場の裏の敷地内を
歩きながら

ゆっくりとこの町の
女性の町長さんと
話すのは、初めてでした。

"翻訳や通訳というのは
まさにぴったりの
正しい日本語に
置き換えるのが
難しそうね。"

"そう、それだけでなくて
東京で生まれて暮らし
イタリアでは、ローマや
ヴェネツィアの観光地で
暮らして来たので


土壌の持つ力、農業が、まだ表面的にしか実感できないようで
どうしても力不足です。"


次回の仕事のために、町長さんに協力してもらい
町役場の所有する古い農耕具を見せてもらいました。

たとえ、それが専門的にたくさん勉強したはずのブドウの
栽培地の土壌についても

やはり本での知識と想像だけであって
いつも土に幼い頃から触れている生活でなかったので

何か欠けているかもしれないと感じていました。


その時、町の施設の作業現場で働いていたナザリオが近くに来ました。

古い農耕具を見ているそばにやってきて
私の持っていたノートを取ると、絵を描きはじめました。

ナザリオの絵

"これは、馬。だめだ・・・。
牛になってしまった。まあいいや。"
と笑いながら






"機械化されてしまう前は、こういう作業をしていたんだよ。
この絵が、助けになればいいけれど。

僕が小さい頃は、みんな、こうだったよ。

それを現代の機械に置き換えて
ひとつひとつ見てみれば
きっとわかりやすいと思う。"


教会の12時の鐘がなり、町役場の敷地内で働く作業員の人たちも
いっせいにお昼に戻っていきました。

私は、まだ仕事があるという町長さんと別れ
家に向かう途中に、車に乗ったエリザベータと出会いました。

"チャオ。RIE! 今から、ノヴァーラに工具を買いに行くの。
もしよかったら、一緒に行って帰りにお昼をどこかで食べない?"

"こんなに忙しい時に、機械が壊れてしまって、大変。どうせだから
ノヴァーラまで行ったら、お昼を食べたいなと思ってね。"


"仕事のままで綺麗な格好でないから、ここね。"と入ったのは

ノヴァーラにあるスーパーとショッピングセンターが一緒になった場所から
すぐ近くのアパートの立ち並ぶ一角の奥に入ったところでした。

移民も多く住む地域のように感じられました。
そこは、アラブ人が経営しているピッツェリアでした。

"アラブ風なのか、パンが美味しくてボリュームがあるよ。"

エリザベータは、パスタが来るまでに
すでにパンを3個も食べてしまっています。

そのうち、パスタが運ばれてきました。

"いつも、農場に持っていったお弁当のパニーノだけだから
ゆっくり食べるのは、久しぶりで、美味しい!"と
嬉しそうなエリザベータと一緒に

日が差し込む明るい窓の近くで
ムール貝がたくさんのパスタを食べていました。

ノヴァーラでパスタ











"よかった。いいお天気だから。どうにか大豆をすべて収穫したいわ。"と
エリザベータが窓から外を見ていました。



"この時期、誰もが手を離せないから、参加できる人がいなくて
この町からみんなで大型バスに乗ってトリノの見本市に行くのは
断念したのよ。"

午前中の町長さんの言葉を思い出していました。


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トリノでバローロ(BAROLO)ワインを

これは、先日、晴れた日に写真を撮ったトリノ(TORINO)です。

今日は、朝から雨模様で、外は、ずっと暗いままで寒い1日となっています。
これを書いている今は、静かに雨の降る音が聞こえてきます。

トリノ 1 2006年10月















昨年の今の時期から、オリンピックの準備で、今年2月末まで
ほぼ毎日過ごしていたトリノは、イタリアで好きな街のひとつになりました。

今日のワインは、バローロ(BAROLO)にしてみようと思えるのは
こんな素敵なトリノの街で食事をした時です。

トリノ 2 2006年10月
















実際には、ピエモンテ州で暮らすイタリア人の友人たちと
食事をする時には、バローロを飲む機会がありません。

いつも彼らが好むのは、より気軽に楽しく飲める
バルべーラ(BARBERA)ドルチェット(DOLCETTO)であることがほとんどで

同じネッビオーロ(NEBBIOLO)種で作られるものでも
より地元に近い地域であるゲンメ(GHEMME)ガッティナーラ(GATTINARA)
ロエロ(ROERO)なのです。

burlotto

BAROLO VIGNETO NEIRANE
Rosso DOCG
2001
ブドウの品種:Nebbiolo100%
アルコール度数:13.5%
COMM.G.B.BURLOTTO








この時、トリノで過ごした日も夕方からは、雨模様となりました。

オレンジ色の光と木製のテーブルの店内で
運ばれてきたバローロを見ていました。

外は、相変わらず雨が降っていて

静かな夜にバローロで美味しい食事と
過ごす時間が贅沢に感じていました。

まだ若いバローロであるこのワインは
スミレの花やチェリーのような優雅な香りと同時に
スパイス類、そして土壌から来るミネラルが
香りに複雑さを持たせていました。



この日は、トリノを訪れたのは、とても久しぶりでした。

オリンピック後は、いつのまにか、トリノから遠ざかり
仕事で行くことがあるのは、いつもミラノ方面でした。

"またいつでも、オフィスに寄ってね。"と

その時に知り合ったトリノの広告会社で働く友人から
メールを何度かもらっていたものの
ずっとそんな機会が持てずにいたのです。


"オリンピック後は、ここは、見本市の会場の一部として使う予定"と

スピード・スケートを予定していた会場の工事現場監督の人から聞き
そう通訳しながら、

それが、本当に実現するのか、不思議に思っていました。

すでに、そのすぐ近くに国際見本市で使われる
リンゴット会場があったからです。



今週、そのトリノで食の祭典(SALONE INTERNAZIONALE DEL GUSTO)
始まります。

今回、私が仕事などで関係のある方は、その食の祭典と
同時開催である食のコミュ二ティの世界大会(TERRA MADRE2006)です。

その会場場所を確認すると、懐かしい名前が記されていました

オーヴァル(OVAL)

それは、あの時に取材で訪れたスピード・スケートの会場でした。


SALONE INTERNAZIONALE DEL GUSTO 2006 リンゴット見本市会場
TERRA MADRE 2006 オヴァール(OVAL)会場

10月26日〜30日に開催


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今夜は、シンプルな赤ワインで

ここ何日間か小雨と曇りの日々が続き、グレーの空気と景色になりました。
私は、冬の霧の日々を思い出していました。

雨が続き、稲刈りが遅れています。
しかも、乾燥するのを待つために、もっと時間がかかるのです。

21ottobre2006















隣のヴェルチェッリ県に住む友人の
アンジェラとクラウディオ夫婦のところに

彼らが好きなお米の品種(香りのあるインディカ米:APOLO)を
友人と届けに行くことになりました。



ヴェルチェッリの街の中心で暮らす彼らの家は、アパートになっているので
入り口に名字の書かれたプレートの呼び鈴が並んでいます。

"アンジェラとクラウディオの名字を覚えてない・・・"



アパートの入り口から
"名字がわからなくて、呼び鈴が押せないの。"と電話をすると

大きな笑い声が電話とそしてインターホンから聞こえてきました。


ドアを開けると、外の景色と違い、暖色のインテリアでオレンジ色が
印象的な色彩です。


"ちょうどよかったわ。土曜日で午前中の仕事が終わって
今、帰ってきたばかりだから。"

黄色い電灯が持つ暖かい光の部屋の中
友人と飲むコーヒーのひとときは
この季節が持つ優しい時間に感じるのです。



家に到着すると、電話が鳴り響いていました。

あわてて受話器を取ると

それは、長くトスカーナの仕事場に行っている夫から電話で
"冷凍庫にお肉を入れておいてあるから、それも食べておいてね。"


それならば、何かワインを一緒に飲みたい・・・。



ひとりの今日のワインは、お料理でも一緒に使えるような
樽熟成をしていない、シンプルなアスティ地方の赤ワインです。

le rondini


LE RONDINI BARBERA D'ASTI
Rosso DOC
2004
ブドウの品種:Barbera 100%
アルコール度数:13%
Guido Berta






夕食は、これからです。

秋から冬にかけて時々作るメニューのひとつで

トマトと赤ワインをたっぷり入れて
お肉とお野菜を煮込むシチューにする予定です。

もちろん、このアスティの赤ワインを使い
これに合わせて飲むワインも同じに。


私が、まだ小学生だった頃
食卓にマンズワインの赤ワインが置かれていると

"あっ。今日は、赤ワインで煮込んだビーフシチューだ。"と喜んでいました。


あれから、時代も移り変わり、たくさんの種類のワインが日本にも並び
そして、住んでいる場所がワインの国であるイタリアへと変わりましたが

シンプルな赤ワインとトマトで煮込むと
懐かしい時代の日本の洋食の味を思い出すのです。


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カフェでグラッパを

昨日の買い物帰りの光景です。

夕方5時を過ぎると、徐々に薄暗くなっていくので
自転車を点灯しながら、焼かれて黒くなった田んぼの中を帰ってきました。

田園地帯は、春から何度も景色が変わっていきます。
春の初め、ここは、一面、水で光が反射していた水田でした。

焼かれたあと田んぼの風景















夕食後、車の中に置いたままにしていたコートを思い出し、外に出ると

ちょうど農作業を終えた友人たちがカフェに向かうところでした。

"チャオ、RIE。ちょうどいい、食後のグラッパ(Grappa)でも飲もう。"

グラッパは、ブドウの搾りかすを蒸留して作るアルコール度数の高い
無色透明の食後酒です。

時々、訪れるワイン農家では、ブドウの搾りかすを
グラッパにするために、それを蒸留する専門業者に引渡し

再び、製品化したグラッパを引き取り
販売しているところもあります。

ブドウの種類によっても味が異なり、まろやかで柔らかい味から
すっきりとし辛口、そして更に樽熟成したものもあります。

ブドウの品種名、畑、地域などによってもその味も異なります。

友人が、"今日は、柔らかな味わいのグラッパがいいかな。"と

そしてカフェで頼んだピエモンテのグラッパです。

grappaボトルの写真ですが
もちろんグラッパ専用の
小さなグラスに少しだけです。
アルコール度数が
とても高いのですから。

CA'DU SINDIC
GRAPPA DI MOSCATO D'ASTI
アルコール度数:40%
SERGIO GRIMALDI

使用しているブドウの搾りかすは
アスティ地区のMoscato Bianco


カフェで働くマリアが笑いながら
"今日は、本当にこれでいいの?"とグラスを運んできました。

ここで、友人は、何度か辛口のグラッパにぺペロンチーノ(唐辛子)を
入れたものを注文していたようです。

外は、雨が降り始めていて、寒くなってきた夜のカフェは
いつもの知っている人の中に囲まれて、明るく暖かい空間でした。

夏に開店した町の中のたったひとつのカフェ。

カフェが出来てから、食後に友人に会う機会が
とても多くなっていきました。

今日は、朝から暗く、冷たい雨の1日です。
夕方の待ち合わせのカフェでは、ワインでなくレモンティーに。

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いつも読んでいただいて、本当にありがとうございます。

エノテカのレストランで

"そうだ。是非、丘に上がって景色を眺めてみたらいいよ。"と

レストランの場所を聞きに立ち寄った観光案内所で
その道を教えてもらいました。

丘の上からブドウ畑と市街地が見えます。
早朝だけ雨が降ったので、木々がしっとりと綺麗な緑色です。

ブドウ畑と市街地















この日、ワインの多いレストランを訪問していました。

階段を下りて地下に案内されると、やはりそこは、
レンガで作られた昔のワイン貯蔵庫をレストランにしていました。

地下にあるレストラン















このようなレストランは、ワインの地方にとても多いです。

午後4時。まだ夕食も始まらない誰もいないレストランで
取り扱っているワインのリストを見せてもらっていました。

このワインは、その中のひとつです。

coppo
BRUT RISERVA COPPO
Bianco Spumante
2000
ブドウの品種:Pinot Nero 80%
Chardonnay 20%
アルコール度数:13%
COPPO





これは、Metodo Classico(瓶内2次醗酵方式)のスプマンテ(発泡性ワイン)です。
樽熟成は、8ヶ月間。

新鮮なブリオシュの香りがするエレガントなスプマンテです。



ワインの貯蔵庫であった場所の天井のレンガの作りは、

ここから車で2時間以上離れた水田と牛舎がある田舎に見られる
レンガの天井ととても似ています。

今では、外装も内装も整備されて新しい建物に見える私の住む小さな家は
その基盤となっている建物は、1600年代の古い農家です。

天井の形がゆるやかなカーブになり、居間は、レンガの天井が
そのまま残っています。

それは、このレストランの天井と同じ形です。

もちろん、私の家は、地下のワインの貯蔵庫などではなく
地上にあるお米の農家を改築したものです。

湿地帯も近いので地下室がある家はないのです。

"ここは、昔、きっと牛舎かお米の倉庫だったかもしれないね。"と

引っ越してきたばかりの頃、天井を見ながら、夫と話していたことがありました。



ふいに、これから昔のレンガ造りのままの家を新しく改築する
友人のフランチェスカの家
を思い出していました。

"まだ私が小さい頃には、ここに牛が2匹、家庭用のチーズを祖母が作っていたわ。"

そのレンガの天井のある小さな牛舎であった場所には
古い農耕具が置き去りにされていました。



エノテカのレストラン
ENOTECA REGIONALE
Corso Liberta 61
Canelli(Asti)


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日曜日の朝のBARで

写真は、土曜日に訪れたワイン農家のブドウ畑です。

アスティの丘陵地帯















小さなワイン農家は、カーブが多く細い山道を登ったところにあることが多く
田舎になればなるほど、ひとつ道案内の看板を見落としてしまうと
たどり着けないこともあるのです。

今までに、迷ってしまい、道を聞くために入った
アグリツーリズモ(農家滞在)のレストランで

とても親切にしてもらい、帰りがけに再び立ち寄り
そこで食事をすることもありました。

そんな偶然の出会いから、いつからか
時々、食事に訪れる場所になることもあります。


****************************************************************

今日は、早朝に小雨が降り、どんよりと曇った日曜日です。

朝早く、人通りも車もほとんどない眠ったようなノヴァーラの中心街にいました。

普段は、いっぱいで停めることができない場所に駐車し
時々、訪れるBAR(バール)に入りました。

ここは、平日の朝8時頃、座る人もなく立ち席でカプチーノと
甘いブリオッシュの朝食を取る人が次々と短い時間で入れ替わります。

日曜日の朝は、誰もいません。

日曜日のbarで 1

"今日は、テーブル席に。"
と私が言うと

奥の席のテーブルランプを
つけてくれました。












いつも立って食べる、まったく同じメニューの朝食が
ゆったりとした時間を運んでくるようです。

日曜日のbarで 2












この日の午後、自宅に戻った後、今日も車で丘陵地帯を行く予定です。

まだ、小雨の降っていた暗い朝だったので

道の状態が悪いかもしれないから
今日にするかどうか考え直そう・・・と一瞬、思いましたが

温かい一杯のカプチーノが私を励ましてくれているような気がして
BARをあとにし、車に乗りました。

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食前酒として

一面がブドウ畑の丘陵地帯の景色から
平野で田園風景が広がり、レンガ造りの古い建物が続く町に戻ってきました。

華やかさは、何もないものの、いつもの景色といつも出会う人で
どこかホッとしている私がいます。

12.ottobre2006 空























周囲から、かすかに煙の匂いがしてきます。

自転車を停めて、遠くを見ると

稲刈りが終わったところから、次の年のために田んぼが焼かれています。

昨年に初めて野焼きの風景を見て
あれから、一年が過ぎていったことを感じました。

12.ottobre2006 田園風景















昨夜は、次回の仕事のために、近郊の町にレストランの下見に
行っていました。

私が好きな白ワインのひとつは、このピエモンテ州にあります。
打ち合わせで入ったレストランには、時々、私が飲むことがある
ワインが置かれていました。

12.ottobre,2006 ROERO ARNEIS

ROERO ARNEIS BRICCO delle CILIEGIE
Bianco DOCG
2005
ブドウの品種:ARNEIS 100%
アルコール度数:13%
GIOVANNI ALMONDO








カモミールやヒヤシンスのようなエレガントな花の香りの奥に
ミネラルを感じる気品のあるワイン。
それが私の好きなROERO ARNEIS です。

車で30分で到着するピエモンテ州の湖水地帯には
時々、資料やパソコンを持って訪れることもある
ホテル内のカフェがあるのですが

冬の暖房のきいた室内で、すっきりと飲む
冷たいこのグラスワインがとても好きでした。

車を買ってからは、自分で運転するので
温かい紅茶で過ごすことが多くなっていきました。

このワインは、リゾット、魚介類を使ったパスタ
ウサギの白ワインの煮込みなどにとても美味しいです。

私は、いつからか、冷やしたこのワインをグラスに一杯だけ注ぎ
食前酒として楽しむようになりました。

そのため、開けてから2、3日経ってしまうことも、そしてお料理に
使うこともあります。



レストランを後にし、真っ暗な中、手探りで車の鍵を探し
ドアを開けて乗ろうとした時のほんの一瞬のことです。

急に視界に、緑色とブルーの大きな光が夜空に落ちていきました。

流れ星をみたのは、今までの人生で2回だけで

初めて見たのは、昨年の夏祭りの時期のことです。
2回ともこの町の空で見ました。

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モスカート・ダスティ(Moscato d'Asti)

写真は、アスティから車で30分弱のCanelliという街の丘の上からの景色です。

canelliの丘の上から
















この地域は、ピエモンテ州のほんのりと甘い発泡性ワインである
アスティ・スプマンテ(Asti Spumante)そして
モスカート・ダスティ(Moscato d'Asti)が多く作られています。

クリスマスシーズンに多く見かけるのは
甘いケーキやお菓子に合うワインだからです。

アスティ・スプマンテよりも若干アルコール度数の低い
モスカート・ダスティは、アルコール度数が4.5〜6.5%弱で甘口。

美味しいお菓子屋さん(PASTICCERIA)で売られていることも多く
綺麗なパッケージで包まれていることもあります。

使われるブドウのモスカート・ビアンコ(Moscato bianco)
収穫時期が9月中旬で、収穫の終わった畑には
摘み残されたブドウがありました。

摘み残されたブドウ
















モスカート・ダスティ

Moscato d'Asti
Bianco Dolce DOCG
ブドウの品種:: Moscato bianco 100%
アルコール度数:5.5%
Amerio Rocco






輝きを持った麦藁色が綺麗で、白桃やリンゴ、アンズの香り
柑橘類の花の香りのほんのりと柔らかく甘いワインです。

高級なモスカート・ダスティ(Moscato d'Asti)になると
ベースとなるワインを樽熟成させるものもあり、その場合
香りは、より複雑で深いものになります。

私は、友人のエリザベータや日本にいる何人かの友人を思い出していました。

エリザベータは、ワインが好きであるけれど
アルコールに弱いので食事の時には

みんなと一緒に私が選んだワインを
グラスに入れると嬉しそうな顔で香りを何度も楽しみ
そして、一口飲むか飲まないかなのですが
このワインならグラスに一杯、飲めるようなのです。


ほんのり甘いワインは、たくさん飲めないので、残った時
私は、鶏肉をこの発泡性ワインで蒸し煮にしたり、お料理に使います。

かつて、フランスのシャンパーニュ地方の小さなレストランで
チキンのシャンパン煮込みに出会って以来、発泡性ワインも
お料理に使ってみています。

モスカート・ダスティ(Moscato d'Asti)は、残糖分のあるワインなので
柔らかく、ほんのり甘みのあるチキンに仕上がります。

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収穫の終わったブドウ畑で

車で出発して2時間。
私は、アスティ(ASTI)県のブドウ畑に行っていました。

これは、ドルチェット(Dolcetto)という品種のブドウ畑です。
紅葉すると葉の色がとても綺麗な品種です。

ドルチェットの畑で

















まだ車に慣れていない私にとって
初めて、訪問する丘陵地帯にある農家に
到着するまでは、いつも緊張してしまいます。

今日は、私が訪問するワイン農家で

仕事場の人たちが好きなドルチェットのワインがあるのなら
ぜひ、買いに行きたいと夫が一緒だったので安心して運転できました。

しかも、ワインの試飲を何種類もきちんとするようにと
帰りは、交代して夫が運転してくれることになっていました。

ランゲ地方のへーゼルナッツ

途中に立ち寄った街の
お菓子屋さん(PASTICCERIA)には

ピエモンテのランゲ地方の
へーゼルナッツが
店頭に飾られています。




もちろん、このへーゼルナッツを使った美味しいお菓子が並んでいました。



写真にあるブドウ畑では、すでにブドウの収穫が終わっています。
醗酵中 7.10.2006

現在は、大きなタンクの中で
静かに醗酵をしています。







ワインナリーの人が握手をしようと手をだす時に
手のひらを私に見せて、恥ずかしそうに

"これは、きちんと手を洗っているんです。
これは土やほこりで黒いわけでなく、長年にわたって
ワインの醸造をしてきているので、ワインの染みが
皮膚についていて、もう取れないのですよ。"

"夕食を近くのアグリツーリズモで、どうですか。"と
ワイン農家の人が提案してくれましたが

もう遅くなってしまうことと、運転をしない私だけが
ワインを楽しむことは出来ないので
もうノヴァーラ方面に向かうことにしました。

すでに21時を過ぎて、出発。
丘陵地帯には、うっすらと霧がでてきています。
車の中の気温がとても低く、暖房を入れました。

真っ暗になって、うっすら霧のかかった丘陵地帯の
ブドウ畑を眺めていました。

ここは、日中は、海沿いにあるリグーリア(LIGURIA)から風が吹き
夜間は、霧で覆われる地区です。

ほんの一角のこの地域のブドウだけが持つ特徴を
はっきりと見たように感じられました。


家に到着すると、もう23時を過ぎていました。

アスティ県にある小さな街のお菓子屋さんで買った
小さなケーキと温かい紅茶が

そのまま夕食のかわりです。

もうすでに深夜になっても、土曜日の夜だったので

広場にある近所のカフェから
女性のボーカルによる静かで
ゆったりとした歌声と演奏が聞こえてきました。


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Aironeのいる田園風景

"たくさんのAirone(アイローネ=サギ)が飛んできている!"と
私が、まるで子供のように喜ぶと

エリザベータが、実った稲穂から籾をとるトラクター(Trebbia)に乗り
"Aironeは、ちょっとずる賢いのよ。"と笑います。

aironeと稲刈り



















airone 6.10.2006

"稲を刈るでしょう。
そうすると、隠れていた
蛙やミミズが姿を
現すから

いつもTrebbiaの周りに
集まって来るのよ。"








今日は、ほんの少しだけの会話で私は、もう帰りました。
この期間、約40ヘクタールをすべて1人で仕事しているのです。

収穫されたばかりのお米

帰り道、農場に立ち寄りました。

目の前には
収穫されたばかりの
精米前のお米が
積まれていました。






農場を後にして、約3kmのあぜ道を歩きながら思いました。

今まで研修旅行やワインの買い付けで数多くのブドウ畑訪問は
どんなに靴が泥だらけになったとしても、今、思うと、それは
どこか優雅であったかもしれません。

私の赤い車にも、いつでもすぐに畑を訪れることができるように
運動靴と黒い長靴が積まれていますが

泥だらけの作業員用の使い込まれた長靴が何足もある
エリザベータの車とは、大きく違っていました。

彼女もやはり、仕事は、あくまでも、バカンスを楽しむためで
いつもどこかお洒落で人生を楽しんでいる
若いイタリア人の女性の1人ですが

自然と天候を相手に仕事をしているため時間に限りがなく
泥だらけで厳しい表情さえ浮かべながら働いています。

遠くから、私の住む町の教会の鐘が聞こえてきました。

前方を見ると、ジャージ姿で仕事後のウォーキングを楽しむ
町役場の敷地の管理人でポーランド人のジッピおじさんが
歩いてきています。

私は、大きく手を振りました。

ジッピさんも自分の故郷とは、また違ったこのピエモンテの
自然の景色が大好きなのです。

夕方の田園風景 6.10.2006
















農場の帰り道、農業として、もう一度、醸造学を違った角度から
勉強してみたくなりました。

そして、私は、ワインの自分の仕事の方向性を少しずつ
修正してみようと考えていました。

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ニョッキ(Gnocchi)

夕方、自転車に乗って買い物に出かけた時の写真です。
真っ青な空に大きな雲が現れていました。

夜に雷雨になったのは、この大きな雲が運んできたのでしょう。

10月4日の空



















今日も、朝から稲刈りのトラクターが家の前の通りを走っていました。

こんなお米の産地でも、リゾットでない夕食の日もあります。

もちろん、パスタやピッツァの日もあれば
ニョッキ(Gnocchi)のこともあるのです。

ニョッキ
これは、ピエモンテ州のチーズ
カステルマーニョ(Castelmagno)
溶かしたソースです。

友人は、やはりピエモンテ州の
チーズであるゴルゴンゾーラチーズで
作ったソースを作ることもあります。



ピエモンテ州の有名なワインの産地であるクーネオ(Cuneo)地区のチーズです。
ワインが美味しい地域には、美味しいチーズ、お菓子も必ずあります。

夕食が終わり、しばらくすると激しい雷と雨になりました。
そのうち、バチバチッと大きな音がしてきたかと思うと
突然、氷の塊が降ってきました。

それは、大きなビー玉のようです。
私は、外に駐車していた車の窓ガラスが心配になっていました。

そして、今は、何事もなかったかのようにいつものように
静かな夜に戻りました。

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夜中を過ぎたので、もう木曜日です。
"木曜日は、ニョッキの日よ。"と
カナダのイタリア人街で暮らしている頃に
教えてもらいました。

今でも、時々、レストランの本日のメニューで木曜日には、
ニョッキがメニューに載せられていることもあります。

以前、ジャガイモでなく、かぼちゃで作ったこともあります。
色が綺麗でほんのり甘いニョッキになりました。


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AMARONE

写真は、朝のヴェネツィアのゲットーで。

ここは、知り合った貧しい移民の友人たちと一緒に
初めてイタリアで職を探して生きていこうと思った
私の想い出の場所です。

早朝のゲットー地区















今日、紹介するワインは、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ
ヴェネツィアでいつものように飲んでいたヴェネト(VENETO)州
ヴェローナ(VERONA)地区
のワインです。

bertani

AMARONE DELLA VALPOLICELLA CLASSICO
Rosso DOC
1997
ブドウの品種:Corvina Veronese 70%
Rondinella 25%
Molinara 5%
アルコール度数:15%
BERTANI






アマローネ独特のとても深いレンガ色が綺麗です。

私は、この色をシャンデリアの光の中で何度も
見つめていた日々がありました。

ヴェネツィアで、いつも仕事の後に、同じ仕事をしていた
ワイン好きな人と立ち寄った有名なカフェの奥の一室は
地元の常連の人の気軽なBARになっていました。

ヴェネツィアングラスの高級シャンデリアの光とそこで働く気品のある紳士
パーティのように華やかで高級な服装の女性たち、何もかもが夢のようで
奇妙な感覚でいっぱいでした。

私は、その時、ずっとヴェネツィアで暮らしていくのか、それとも
別の都市なのか、日本に帰国するのか、先のことは、まったくわからない中で
仕事をしながら、ヴェネツィアで暮らしていました。

早朝、そして夜には、きまって霧が現れて、静かな路地裏を歩くと
運河の水の音が聞こえていました。

そのことが、より一層、夢の中なのか、現実の生活なのかわからなくなります。

観光客が次々と流れて入れ替わっていく中で、周りの誰もが旅人のようで

ここのBARに何十年も先に、私がまだいるかもしれないけれど
先は、わからないという思いに駆り立てられていました。

そして、毎晩のように楽しんでいた
いつも同じ赤のグラスワインを何度も見つめ

素晴らしい高貴な輝きを持っているワインであるとうっとりと
この時間を過ごしていました。

霧が出てきたから、次の船でリド島に帰ろうと、BARを後にした日がありました。
それは、カーニバルが終わり、観光客も少ないまだ寒い日のことでした。

私は、その3ヵ月後に、ローマのサピエトロ寺院から近くのアパートで
新しい仕事をして暮らすようになるとは、思いもしませんでした。

いつもアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラのワインに出会うたびに
夢の中を彷徨うように暮らしていた日々を思い出すのです。


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