北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

January 2007

フランクフルト経由でウィーンへ

ミラノ・マルペンサ空港を離陸後、シートベルトサインが消えて
ドリンクサービスが開始される頃

真っ白なアルプス山脈が姿を現しました。

ルフトハンザ機でスイス上空にて



















数日後、まったく同じ便名に再び乗ることになります。
私は、やはり空の上で過ごすのがとても好きなのです。






フランクフルトで乗り継ぎ、ウィーンに到着して、ホテルに向かうと
晴れた夜空の空気は、凍っていて、何もかもがくっきりと見えます。

大気中がネオンに反射されて、キラキラと光っていました。
この時の気温は、氷点下でした。


街並みも空気も飛び交う言語も歩いている人々の服装も
何もかもが違っていました。



ホテルのBARは、暖かく、室内は、乾燥していました。

オーストリアの品種であるGrüner Veltlinerを選び
1/8Lと表示されたグラスを眺めます。

薄い緑色がかった麦わら色が美しいフルーティなワインです。

そのクリスタルな輝きを持つ
冷たいオーストリアの白ワインが美味しく感じます。

ほとんど空になったグラスを見ながら
”おかわりは、いかがですか。ウィーンは、お仕事ですか。”と

ホテルの人は、スペイン語で話しかけてきました。

”私は、イタリアに住んでいる日本人です。”

グラスを眺めながら、しばらく考えました。

次に、私は、Wachau地方Neuburgerの品種
(Pinot Biancoと Silvanerの交配)のグラスを注文することにしました。





ホテルの部屋に戻って、窓辺に立つと、窓が白く凍っていました。

窓を開けると、冷たい空気が入り、空がとても澄んでいます。

私は、明日、待ち合わせのある夕方までの自由な時間
どこに行こうかと考えると、とても嬉しくなりました。


blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

ウィーンへ出発の朝に

出発の朝の景色
















空港まで夫の車で送ってもらうことになった私は
北イタリアの田舎の景色をのんびり助手席から眺めていました。


昨夜、夕食の準備をしている時に受け取った電話は
1年前のトリノで一緒だったイタリア人の女性からでした。


”私は、金髪で背が高くて・・・何度かあなたとお話ししたの。
覚えているかしら。。

新たなお仕事の件で、あなたの電話番号を
一緒に働いていた日本人から教えてもらったの。”

換気扇をとめて、そのハスキーな声を聞いているうちに

ゆっくりと記憶が蘇り

彼女のベージュ色のコートを思い出していました。


”偶然だわ。私は、明日からウィーンに行くけれど、

あの時、私が一緒に仕事をしていた人と
夕食の待ち合わせをしているのよ。”




電話を切る前に、最後に彼女は、

”2月がお誕生日でしょ。仕事の合間にみんなで大きなケーキで
お祝いしたのをよく覚えているわ。”





”暖かくしていった方が良さそうだね。”と雨戸を閉めながら
夫が、そう言って、夜の空を眺めていました。




今まで、ずっと暖冬であった北イタリア。
今朝になって、少し寒く感じるようになりました。


今朝、車の中で、景色を眺めていた私の姿は、

1年前のトリノ周辺の寒い雪の中を歩き回った時と
同じ服と靴を履いていました。



blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

前の記事以前にも、コメントをいただいて
本当にどうもありがとうございます。
コメントのお返事は、ゆっくり後日にいたします。

教えてもらったお料理で。

雨の1日

今日は、朝から雨です。

雨樋から流れる
屋根からの
水の落ちる音が
ずっと聞こえています。












仕事がオフになってから、緊張がとれてしまったのか
風邪気味になり、今晩の夕食のメインは
暖かい煮込み料理でも作ろうと思った時


農場のノエミちゃんのおばあちゃんとの会話が思い出されました。



***************************************



勉強の終わったノエミちゃんとキッチンで楽しく会話をしていると

近所に住むおばあちゃんが杖をつきながら、自分の家から
お鍋を運びたいから、手伝って欲しいと、ドアの外に立っていました。


”昔は、暖炉のある生活だったから、暖炉の上にお鍋を置いて
長時間煮込んでおくことが可能だったの。

特にこの地方のお料理は、お肉をじっくり煮込んだものが多いのよ。”



そういって、大切そうに仔牛肉を長時間煮込んだスープを
別の器に移しながら

”これは、捨てないのよ。明日の食事で使えるから。

これは、美味しくさっぱりしたリゾットのスープになるわ。
ここの家に置いて行くわね。”


そのうち、夕方になり、小さな犬が吠え始めると

ノヴァーラの銀行の窓口で働くノエミちゃんのお母さんが
帰ってきて急に家の中が賑やかになりました。


”RIEが来てるでしょ!広場に車があったのを見たのよ。”

”まずは、コーヒーにしましょう。
今日は、美味しいチョコレートがあるから
ちょうどよかったわ。”



”今日は、隣で暮らしているお母さんが
仔牛肉煮込んでくれたけれど
とても簡単なお料理のときも多いわ。

買ってきたラビオリを茹でたら、
バターとサルビアでさっと炒めるだけと、
サラダだけのこともね。”

楽しそうにずっと話し続けるお母さんを見ながら



”今では、・・・そうね。ガス代よりも、女性もみんな外で
働いているから時間のかかるお料理は
今の時代には、合わなくなってしまったわね。”



ノエミちゃんのおばあちゃんの言葉を思い出していました。


”年になってしまって、家にいるだけの私は、時間があるから
こんな風にみんなのために煮込み料理を作ることができるの。

それを美味しいと食べてくれる親戚や家族に作るのが、とても楽しみで
そんなお料理を教わりにくる日本人のRIEまでいて。

60年近く、作り続けてきて、本当によかったわ。”

***************************************



私は、以前、ノエミちゃんのおばあちゃんに
教えてもらったニョッキを作ってみました。


ニョッキとorticaソース









ピエモンテのトーマ・チーズをたっぷり入れたソースでなく
私の家では、夫と私の健康のために

オリーブオイルとリコッタチーズで
あっさりとした軽いソースに変えています。

緑の葉のお野菜は、Ortica(イラクサ)、パセリ、ほうれん草
ポロネギなどたくさんの種類のお野菜を少しずつ刻んでいます。


これに合わせて、ピエモンテの白ワインです。


ワイン農家で直接買ったものでなく
確か大型スーパーで見つけて自宅に揃えておいた
Bruno・Giacosa社のロエロ・アルネイス。

bruno giacosaの白ワイン
ROERO ARNEIS
Bianco DOCG
2005
ブドウの品種:ARNEIS 100%
アルコール度数:13%
BRUNO・GIACOSA










もうすぐ、このおばあちゃんの娘さんであるノエミちゃんのお母さんが
帰ってくる時間です。

こんな静かな雨の降る1日も
家の中がやわらかで明るい空気になっていることでしょう。


”時間がない。忙しい。”という言葉がないかのように
夕方遅くに仕事から帰ってきてからの時間の過ごし方は

楽しくお茶をして、テレビのクイズ番組に
真剣に答えながら手早く美味しくお料理を作り

隣の家のおばあちゃんと楽しく話しながら
アイロンをかけていたり

夕食後、教会のコーラスクラブで歌い

その後、就寝時間まで、趣味の刺繍をして

毎朝5時には、朝早く
仕事に出かける家族のために準備をして
朝6時出発の列車のために駅まで車で送っていく・・・。

まるで、私よりも1日が多く時間があるかのように。


時間のある特別な日は、自分のお母さんのように
ゆっくりピエモンテのお肉の煮込み料理にすることもあるといい

仕事で時間のない日も、ゆっくり煮込み料理が出来る日も
いつも食卓で楽しく話し続けて

いい時間をゆったりと過ごしているこの女性のように

私もありたいと思うのです。




blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

お料理を習った日のこと

今夜は、家庭教師のノエミちゃんの家で、私が生徒です。

ノエミちゃんのお母さんと近所で暮らすおばあちゃんから
お料理を習う日でした。

暖冬であっても、夕方から空気は、とても冷たくなっていきます。

ずっと、更新ができなかったので、今夜は、前の記事に続いて二つ目になります。

夕方の田園地帯 2007年1月















学校の宿題が終わったノエミちゃんも生徒として加わり
4人でテーブルを囲んでパスタやメインを作っていました。

夕食作り1夕食作り2
















会社から帰ってきたお父さんの部屋から
ギターの音が聞こえてきています。

”クリスマスの頃、インターネットでギターを買って
先生がいないから、ひとりで本を見ながら弾いているのよ。”

ノエミちゃんのお母さんが、そんなお父さんのことについて
語ってくれました。

ずっと若かった頃からギターをしてみようと思っていて

その後、結婚して子供が小さくて、なかなか実現できなかったけれど
子供も大きくなった今、仕事から帰ってからできるようになったから

昨年の自分へのクリスマスのプレゼントが
ギターだったというのです。



夕食後、みんなでテレビのクイズ番組で真剣に答えたり
テレビのニュースの内容についてなど、次々に話題が移り
楽しい時間が過ぎていきました。


  ********************************************

21時を過ぎて、外に出ると、辺り一面が霧でした。

小さな教会の前の広場に駐車していた私の真っ赤な車が
霧の中で、深く黒い赤に光っていました。

すべての窓ガラスが細かい水に粒子で覆われていました。



途中、街燈もなく、左右が田園地帯を通過していきます。
いつもこの地帯の霧がより一層深くなっていきます。


凍結した場合、雪の場合など運転の注意点を教えてくれた
あの夏の日のバスの運転手さん
(夏の日の運転手さんについては、まだブログを始めたばかりの頃に書いています。
2005年9月12日 バスの運転手さん

”怖れに勝つこと。”

”霧は、スピードを落として、その正体を見極めること。”

”凍結して滑りやすい時の発進方法は・・・”

方言が多く、聞き取りにくいイタリア語でありながらも
何度も繰り返す熱心な口調を思い出していました。

そして運転歴30年の近所の友人の言葉も
どこからか聞こえてくるような気がしました。

みんな、本当にありがとう・・・。


まるでドライアイスのように向かってくる美しい霧の中
私は、怖れることは何もないことを感じていました。

霧の日の状態も、そして車やトラックが
進行方向を変える可能性のある場所で
その後続車が急停車しやすい箇所など

いつのまにか道をよく知っていることに気がついたのです。



家の前の広場に到着して、車から降りると
霧で、空気がまるでキラキラと光っているように見えました。

”とても綺麗だわ。”と冷たい空気の中で

今、この景色の中にいることが幸せだと感じていました。




  ********************************************

漢字のノート














先週、たった1時間だけ、ノエミちゃんに
いくつかの漢字を教えてあげて

漢字には、書き順があって、音読み、訓読み、熟語が
存在することを説明してあげたら

本でなく、私が教えた時に書き残した紙だけを見て
ノートに何枚も漢字とその熟語を一生懸命練習していたようです。

”緑”を使っていくつか教えてあげた言葉や熟語の中で
”新緑”という言葉が

その漢字の組み合わせと意味が
とても素敵な言葉だというのです。

夕食作り3

写真は、教え子のノエミちゃん。
今夜の夕食で。








blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

いつも読んでくださって本当にありがとうございます。

ミラノ・マルペンサ空港まで

マルペンサ空港から離陸していく飛行機がくっきり見えた
今日の夕方でも、夜からうっすらと霧の景色になり

夜9時を過ぎると、この写真の場所は、すっかり霧で覆われました。

夜の霧は、どこか静寂で幻想的でもあり
私の好きなピエモンテの風景です。

離陸後の飛行機














夫を迎えにマルペンサ空港まで行った日は、霧雨の降る
暗い夕方で、空港が近づくにつれて、霧が深くなりました。

大型トラックや仕事帰りの車も多く
カーブの多い道を走り、空港に到着すると

飛行機の到着まで、まだ時間があったので
出発ロビーから上の階に行き

暗い雨の中の滑走路を眺めながら
レモン入りの冷たい炭酸水を飲んでいました。

鏡の中の私は、ずっと緊張して集中していたので
熱が出ているみたいに火照っていました。


雨と霧でも、車に乗ることは、緊張もありながら、
とても好きな時間であり

運転をそう思えるようになったのは
いつの頃からだろうか。


いつも、静かな夜のこの時間、23時近くになると
遠くから飛行機の音が聞こえてきます。

マルペンサを離陸したばかりだろうか
それとも着陸態勢に入ったころだろうか・・・。

そんなことを考えていると
いつしか自分も機内にいるように感じられるのです。



ゆっくり睡眠をとる人、読書をする人。機内の映画を見る人。
そして書類や経済誌に目を通すビジネスマン。

機内での同じ空間と時間でも
みんなそれぞれ違った使い方をしていることに気付いてから

私は、機内ので時間が、とても大切に思えるようになったのです。

blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

SPANNA

写真は、ノヴァーラ県にある湖の見えるカフェの窓からです。
この後、霧がとても深くなりました。

オルタ湖のカフェで















年末の仕事からこの町に帰って来ると
冬眠してしまったかのような町の生活が待っていました。

いつも立ち寄るアグリツーリズモもワイン農家も

そして時々行くことのある地域のワインを展示して販売する
ピエモンテ州のエノテカ・レジョナーレ(Enoteca・Regionale)

1月は、長期休暇に入ったところが多く

クリスマス時期にずっと夜中まで開いていた
この町のレストランも入り口が閉ざされたままです。


昨年12月のクリスマス時期
アグリツーリズモで働く農家の友人のところに
最後に立ち寄った時に乾杯しました。

これは、その時の赤ワインです。

SPANNA
COLLINE NOVARESI
SPANNA

Rosso DOC
2004
ブドウの品種:Spanna 100%
(Nebbiolo種で、この地方ではSpannaとなります。)
アルコール度数:12.5%
樽熟成15ヶ月
DESSILANI



深いルビー色を持つ若いワイン。
クランベリーなどの森の果物
そしれ赤いバラやすみれのような花の香りを持ち
すっきりとした辛口のワイン。

決して高価でない地元の赤ワインですが
この地区の友人たちは、この品種Spannaに誇りを持ち

”今日は、Spannaにしてみようか!”と言う時は

何かいつもよりも美味しいワインにしてみようかという
思いがどこかに込められています。




高貴で気品のあるワインとは、また違った
静かなピエモンテの宝物だと思いました。

決して華やかでなく、着実にこの土地でずっと生きてきた
農家の人々の姿が、このワインに感じられるからです。





”それじゃあ、2月に。”とそう挨拶をすると
私は、すぐに出発したのでした。


2月か・・・。

私は、その頃、一時帰国か旅をしている頃なので
春まで待つことになります。


blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

毎回、たくさんの方に読んでいただいて、とても感謝しています。
ありがとうございます。

レストランを出てから

フィレンツェよりもずっと寒かったヴェネツィアで。

2007年1月 ヴェネツィアで




















駅に向かう前に、ゲットーの広場で
強制収容所へ列車で運ばれるユダヤ人たちを
描いたレリーフの前を

このようなことがこれからは、決してありませんようにと
願うような気持ちで通り過ぎます。

レリーフ












あの頃、もう暗く寒い中、ここを何度か眺めたこともありました。

本の中のヨーロッパ史の場面に、遭遇しているようで
イタリアに住んでいることを実感したのを覚えています。


ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅までの道を歩きながら
次々に思い出されることがありました。

 
    


ホテルからホテルへと狭く小さな橋の階段が多い
ヴェネツィアの街をリアカーでパンを運ぶ友人が


パンを運び終わったばかりの高級なホテルの近くで
私を見つけると 嬉しそうに
”RIE!!!”と大きな笑顔で手を振り近づいてきました。

頭には、きらきら光る金色の飾りをつけたカラフルな
エキゾチックな帽子を大切そうに被っていました。

私は、その時、簡単な挨拶だけを小さな声でして通りすぎてしまったのです。

なぜ、あの時の私は、一瞬、その場にいた
早朝に同じ仕事をしていた仲間たちに

この友人がいることを隠そうと思ってしまったのだろう。

なぜ、怪訝な表情をされることを予測して
恥ずかしいと思ってしまったのだろう。

     
    
   

”ピッツァというものを食べたことがある?とても美味しいんだ。
イタリアに来て本当に美味しいなと思った。
安くていいところもあるんだよ。”

たどたどしいイタリア語で夢中になりながら繰り返し

このパキスタンから移民として来た友人が言っていたのは
このような内容でした。

4歳の娘にも、たくさん食べさせてあげたいとも言っていました。



私が住んでいたリド島までの帰り道に行くことができるから
今度、一緒に立ち寄ろうと

リアルト橋の近くだと言っていた
そのピッツアのお店は
一体どこのことであったのだろうか・・・。



私が、ローマに行ってからは、連絡することもなくなり
それに、その友人の電話番号もすでに持っていないのです。





トリノ行きのインターシティが出発するまで30分弱でした。

駅から続く大きな通りには、たくさんの観光客で
左右には、レストランやお土産店が並び、とても賑わっていました。

私は、この日の夜には、人がほとんどいない
ピエモンテの田舎の町にいることが
まだ信じられない気持ちでいっぱいでした。




もし、今までの人生で得た大きなものは、何かと聞かれれば

それは、同じ地球に生きる人間として、生きてきた環境によって
大きく考え方も経済的なことも異なりながら

ニュースや社会の教科書で見るだけであった国の人々と

私も相手も思ったまま素直に話す場面に
遭遇することなのかもしれません。


それは、時には、第3、4言語同士の会話であることもあり
外国語を流暢に話すということとは
もっと違った何かのような気がするのです。



blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

たくさんの方に読んでいただいて、とても感謝しています。

1年前、数ヶ月にさかのぼった記事にコメントを
していただいていることがあることに気が付きました。
livedoorからコメントが通知されないこともあるので
その時にわからず、お返事を書くことができなかった方が
何人かいらっしゃいました。

コメント欄に書いてくださった方々
過去の記事のコメントも、きちんと、今、すべて読んでいます。
ありがとうございました。

ゲットーでイスラエルワイン

ヴェネツィアの駅で帰りのノヴァーラまでの切符を買い
荷物を預けると

どこまでも自由な時間が来たことが嬉しく思いながら
ヴェネツィアの街を散策しました。

写真は、朝8時頃のヴェネツィアの街です。

朝のヴェネツィア 2007年1月

















どこかでコーヒーでも飲もうと思った時
急に懐かしくどこか淋しい冬の寒い日の出来事を想い出しました。

あれは、スプーンの入った甘いコーヒーでした。

(2006年5月4日 ”ヴェネツィアのゲットーで”
過去、ヴェネツィアに住んでいた頃の想い出を書いています。)




時計を見ると、すでに11時半を過ぎていて、列車が出発するまで
あと2時間半弱になっていました。

私は、高級カフェでのアマローネでなく
懐かしかったあのゲットーにもう一度行くことにしたのです。



*******************************************************
ユダヤ料理店で。


”ファラフェルもどうですか。これは、代表的なものだから是非。”

忙しくテーブルにお料理を運びながらも、通り過ぎる時に
必ず私のテーブルに立ち寄り

様々なことを教えてくれるレストランの人のおかげで
たくさんのことを知ることが出来ました。

そしてそんな私に、ユダヤの帽子をかぶった男性や

ひげを生やした僧侶のような黒い衣服を身にまとった男性が
お店に入って来る度に

見知らぬ言語で何か話しかけてくるのです。

”わからない・・・。”

レストランの人が笑いながら、その入って来た人たちに何か説明をすると

彼らは、にっこりと笑顔で私の方を見て、近くの席に着きました。

”何て言っていたの。”と聞いてみると

”ヘブライ語がわかると思ったみたいだよ。
顔を見た感じ、僕もそう思った。”と笑いながら

”そうだ。ソムリエで世界の美味しいワインを知っていると思うけれど
金曜日の夜に飲む甘いワインがあるんだ。

ソムリエからすると、それが美味しいかどうかは、わからない。
これは、宗教的なワインなんだよ。”

イタリア語のメニューには、”vino dolce da kiddush”と書かれていました。

私は、この時に不思議な感覚になりました。

決して会話をすることもないであろうと思った
遠く異なった宗教と文化を持つ人々が

とても自然で素直に楽しげに会話をしてくれたからです。

Falafel ”(ファラフェル:中には、ひよこ豆のペーストと香草の入った
小さなコロッケのような揚げ物です。中を割ってみると、ほんのりと緑色です。)
falafel












そして、ゲットーのナスという名前のお料理を選びました。
揚げナスなど4種類のナスのお料理が綺麗に盛り付けられています。

このメニューで選んだイスラエルのワインは、白のグラスワイン。

tevel
Tevel Sauvignon Blanc
2005
ブドウの品種:Sauvignon Blanc
アルコール度数:13%
NOAH













”これは、エルサレムの山の方の地域で作られている。”と言うので

持っていた手帳にある世界地図で、その場所を教えてもらいました。

とてもミネラル成分を感じるこの柑橘系の香り高い白ワインは

海からも近く、その海風がきっとそのエルサレムの暑さをやわらげ
昼夜の寒暖の差があり、ぶどうの栽培に適しているのだろうと

地図を見ながら、まだ見たこともない土地の想像をしながら
味わいました。

そして食後には、甘口のワインを。

kiddush
King David Concorde
ユダヤの宗教的お祝いなどで飲まれる
甘口の赤ワイン

ブドウの品種:Concord(native American Concord)
アメリカからイスラエルに移植
アルコール度数:12.5%

Carmel
(1882年に設立されたワインナリー)







blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

たくさんの方に読んでいただいて、とても感謝しています。

イスラエルワインの地域は、おそらく、いい赤ワインもあることでしょう。
今度、機会があったら、メルローを飲んでみたいです。

実は、この記事は、この2倍以上になって長くなってしまいました。
それで、この続きは、次回にします。

フィレンツェで

明けましておめでとうございます。
どうか、皆様にとって、素敵で充実した1年になりますように。


年末年始にかけて、私は、トスカーナ州フィレンツェにいました。

ミケランジェロ広場から














”確か、トリノで一緒に同じテレビ局で仕事していたよね。”と声をかけられ
振り返ると、イタリア人の若い男性2,3人が懐かしそうに見ています。

”もうすぐ、あれから1年が経つわね。
ごめんなさい。みんなの名前は、覚えていないわ。”

同じ民放のテレビ局のコーディネーターで働いていたけれど

私は、スポーツでなく、ニュースの担当で行動範囲が違い
2,3回、顔を合わせたことがあっただけだったのです。

その時、私は、彼らの顔をほとんど覚えていないというのに

その場の持つ空気だけで、あの寒かったトリノで

同じテレビ局のジャンパーを着て
すれ違った日のことが鮮明に思い出されました。




2006年最後に飲んだワインは、フィレンツェでキャンティワインを。

すでに夜中近くで、食事の時間が過ぎていたこともあり
食事に合わせずに、ワインだけになってしまい

でも、せっかくだから、2006年の最後に
トスカーナのワインをグラスに1杯飲もうと
ホテルの近くのカフェで飲みやすいものを選びました。

colli senesi
Il Garrulo
CHIANTI COLLI SENESI

Rosso DOCG
2003
ブドウの品種:Sangiovese
Canaiolo
Trebbiano Gentile
       Malvasia del Chianti

アルコール度数:13%
MONTENIDOLI







このキャンティワインは、トスカーナ地方特有の4種類の品種が
使われて醸造されています。

美しいルビー色で、熟したラズベリーやブルーベリーの香りと
バニラなどの甘い香辛料の香りも持ち
後味がすっきりとした辛口です。





”トリノから来たのでしょう?あれから、ずっと
いろいろな他のテレビ局の仕事をしているの?”

”そうだよ。いつもある仕事でないけれど。君は?”

ワインを飲みながら、前の日の会話が
何回も私の中で繰り返し、思い出されました。

あと10分もすれば、新しい年が来るという時に
来年の春から始まる予定の仕事のことを考えていました。

でも、本当は、どうしたいのだろうか・・・。

その時の気持ちは、まるで試験の残りの10分に
わからない問題を必死に解いているのにどこか似ていて
落ち着かない気持ちにすらなってしまいました。


ワイン関係の仕事だけが出来れば
私は、本当にそれで満足するのだろうか・・・。


2007年になった瞬間、大聖堂前の広場は
無数の爆竹と花火の音で包まれ

アスティのスプマンテのワインやビールの瓶が
転がっていきます。

2006年12月31日の23時過ぎ





















私は、大聖堂からすぐ近くの小さなホテルに滞在していました。

やがて静かになり、夜中過ぎから明け方前にかけて
清掃車が何度も通り、瓶を片付けていく音で目が覚めました。


大晦日の夜から元旦にかけては、朝から小雨の降る1日で
ピエモンテから来た私には、どこか暖かい空気に感じていました。



私は、この後、ヴェネツィアに行き、ほんの少しの日数で
更に北上して旅をしてから、ピエモンテに帰る予定でした。

でも、今、すでに、静かな田舎の家でこのブログを書いています。

そうです。ヴェネツィアにほんの少しの時間を過ごしただけで
そのまま旅をせずに帰ってきたのです。



今年初めて飲んだワイン。

それは、懐かしくて歩いたヴェネツィアのゲットー地区にある
ユダヤ料理店で選んだイスラエルのワインでした。

blogランキング
に参加しています。
どうか、クリックして応援して下さい。

たくさんの方に読んでいただいて、とても感謝しています。

仕事中は、PCを持ち歩いていたけれど
年末年始にブログを更新出来ずに申し訳ない気持ちです。

次回は、ゲットーでのワインを紹介します。
Profile
写真 文章の著作権は
RIE OKUYAMA、Wine・Art Co.ltdにあります。
copyright(c) 2005-2017 
RIE OKUYAMA All rights reserved.


Archives
  • ライブドアブログ