北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

March 2007

GRANDS ECHEZEAUX

早いところでは、もう田んぼに水が入り始めました。
自宅近くの春の用水路を散策した時の写真です。

春の用水路2007













時々、ピンク色の大きな花ビラが流れてきます。
ただ、用水路の付近は、地平線まで見渡すかぎり田んぼで
どこから、この花びらは、運ばれてきたのでしょう。

この水は、遠くスイスのモンテローザを水源とする
大きな河川の支流から供給されています。


最近飲んだワインは、フランスワインです。

grands echezeaux
Grands Echézeaux
Région :ブルゴーニュ(Bourgogne)
Sous-région : コート・ドゥ・ニュイ(Côtes de Nuits)
ヴォーヌ・ロマネ(Vosne-Romanée)
Appellation :
グラン・エシェゾー(Grands Echézeaux) Grand Cru
1996
ブドウの品種:Pino Noir
アルコール度数:13.5%
Georges Noellat





透明感を持つレンガ色がかった深いルビー色のワインを注ぎました。
バローロと違い、女性的で優雅なこのワインは

ダークチェリーや野いちご、ラズベリー、ローズティーの香りの中に
トリュフやムスキオ(Muschio:麝香)
マジョラーナ(Maggiorana:シソ科でイタリアでは、野菜の香味料や
肉料理にも使うこともあります。)など
香りに複雑さと深みがあります。

深い余韻がありながら、後味がすっきりとしたエレガントなワインです。

このブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネの地域は、
何度か訪れたことがあり

そのブドウ畑の風景を思い出していました。

この1996年の秋の初めにも訪れています。
その時のブドウでしょうか・・・。
約10年の時間が経過して、再び、巡りあいました。

ブドウは、ゆっくり時間を経過して美味しいワインに
そして私は、更にワインの勉強をして北イタリアに住んでいます。

この日は、イタリア料理との組み合わせではなく
ル・コルドン・ブルーのフランス料理の本を見ながら
作ったものにしました。

この優雅なワインは、ピエモンテ牛のグリルなどでなく
若鶏を使ったフランス料理風のものにしようと思ったからです。

29日から始まったヴェローナのワインフェアであるVINITALY。
この期間中、私は、いつもの仕事が休みになり
4月2日までヴェローナまで日帰りです。

ただ、週末の土日だけは、このピエモンテのワイン農家
そして、ピエモンテ州のエノテカを何件か訪問したり
この田舎で過ごそうとしています。

華やかな国際見本市でのワインの関わりとは、また違った角度から
ワインについて、ゆっくり考える時間が急に欲しくなりました。

自分が本当に勉強してきたワインに関する専門知識は
どこに向かおうとしているのか・・・そんなことも含めて

本質が見えなくならないようにバランスをとる時間が
私には、どこか必要になることもあるからです。

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MONTEFALCO SAGRANTINO

イチョウの樹













夕方帰宅後、自宅付近をゆっくり散策していました。

遠くのモンテ・ローザの山がピンクに染まり

樹齢300年を超えるイチョウの樹が
その姿をくっきりと現す日没の頃が
1日の中で、一番好きな時間です。



今回、紹介するワインは地元のアグリツーリズモの
オーナー夫妻と一緒に試飲した赤ワインです。

”もちろん、レストランでは、ピエモンテのワインしか
取り扱うことがなけれど、ピエモンテのネッビオーロのように

他の州で、その土地の品種だからこそ、生まれる赤ワインを
飲んで経験してみようかな。”

そんな会話を思い出し、ウンブリア州モンテファルコ(MONTEFALCO)
ワインを持っていきました。

ローマに在住していたころは、近かったウンブリア州。

当時、お気に入りのワインのひとつで仕事帰りに
近所のエノテカで買って帰ることが何回もありました。

arnaldo caprai

MONTEFALCO SAGRANTINO 25ANNI
Rosso DOCG
2001
ブドウの品種:Sagrantino 100%
アルコール度数 14%
ARNALD CAPRAI






熟したブルーベリーやブラックチェリー
バニラなどのスパイスの香りと
タバコや湿った地面の香り
そんな多様な香りが複雑で余韻が長く

”ネッビオーロ特有のタンニンとの違いがわかるかしら。”と言うと

アグリツーリズモのオーナーは、

”そうだな。このワインは、ゆっくり、ゆっくり味わう方がいいな。
ここのレストランの味は、これが一番合うけれどね。”と
地元ノヴァーラのワイン農家のネッビオーロのボトルをつついて笑います。

ここは、ノヴァーラ地方をはじめとしたピエモンテ料理なので
ワインが特殊な存在で浮き立ってしまうことを感じていました。

アグリツーリズモのいつもの席のカウンターに座りながら

私が、ここでなく、別の土地で今とは、まったく違った生活があったことを
密度の濃いルビー色を眺めながら、思い出していました。


グラスの向こうに見える窓から広がる景色は
いつもの田園地帯でした。


休日の今夜は、仕事場の人からいただいた
フランス、ブルゴーニュ地方の赤ワインです。

田園風景 2007年3月24日















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試飲会や見本市が続くので、それまでにどうしても
今月に期限のある仕事を終わらせなければならないことあり

考えてみれば、他の都市にいた時からも
日本で仕事をしていた時以上に頑張ってしまうことが
多かったかもしれないし
またそうしなければならなかったのです。

”RIE、疲れているみたい。目が赤く充血している・・・。
でも、おめでとう。何という素晴らしいことなの。
それは、必要とされて待っている人がいるっていうこと。”


のんびりと楽しく暮らしているようで
日本で暮らすよりも大変なことが多く

自分で何事も解決する道を見つけて
対応していくことの出来るイタリア人には

”頑張る”という特別に力が入った言葉がなくて
それが生きていくためには、当たり前のこととしているのは

一種の自分以外に対する何かに対する
あきらめもあるかもしれないけれど

今までの生活の中で、彼らから学ぶことのある姿勢のひとつでした。


毎日が、幸せに感じられ
1日が長く充実して感じられるのは

美味しいワインが日常的にあるということだけでなく
今、生きているこの時間の楽しみを感じているからかもしれません。

時間がほんの少しでもあいたら、ワインを届けるついでに
こんな風に立ち寄っておしゃべりに来てみようと思うのです。

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休日の散策

日曜日の朝、コーヒーを飲んでいると

”自転車で外に行ってくるといいよ。今日は、晴れているけれど
空気が水分を含んでいるから、午後から雲ってくるかもしれない。”

菜の花が続く田園






















私は、早めのランチを終えて

ずっと乗っていなかった自転車のタイヤに空気を入れると
そのまま外に行くことにしました。

今日は、もう何も考えずに、このまま夕食の準備の時間まで
自転車に乗って、ずっと散策して遊んで過ごそう。

帰りにカフェに立ち寄って、ゆっくりとおしゃべりを楽しんで
そんな1日にしようと思い、踊るような気持ちで

菜の花の続く田園を自転車で進んで行きました。

まだ何もない田んぼの横を鮮やかな黄色の帯が続き
それは、とても綺麗です。

車も通ることなく、誰もいない道が続きます。

春の風が強く、風の音だけが、ずっと続いていました。

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不思議な出来事

3日前まで、約1週間以上、同じ夢を見ると
夫が怪訝な顔で話していました。

”ピンポーンとドアの呼び鈴が鳴り、
外には、近所で暮らすポーランド人が立っているんだ。

不安そうな顔で窓を覗いていて、”どうぞ。”と言って
ドアを開けると、いない。そんな夢が、もうずっと続いている。”


それは、町役場の施設の敷地内に管理人として暮らす
ジッピおじさんのことでした。



仕事から帰ってきて、夕食の準備前の約30分
久しぶりにあぜ道を散策しに出かけました。

暖かく気持ちのいい日で、コートを着ずにカメラを片手に
菜の花を見に出かけたのです。

前から、ジッピが歩いてきます。

そうです。この時間は、ジッピのウォーキング時間で
以前、私は、毎日のように自転車ですれ違っていました。

遠くから、大きく手を振ると

”元気?。今日は、自転車でなくて、歩いているんだね。
ずっと見かけなかったから、どうしているのかなと思っていたよ。”

ジッピと出会ったその夜から
夫は、この夢を見ることがなくなったと言います。


”日本から帰ってきた翌朝から、日曜日を除いて毎日
明け方に出発して、仕事後は、ノエミちゃんの家で過ごして

夕方にこの町に帰ってきて、そのまま早くに食事で
就寝してしまっているから

みんな見かけなくなったと思っている。

日本に帰国中は、もちろん見かけないわけだから、もう長いこと
RIEを見ていないことになる。

先週、やっとアグリツーリズモにも顔を出したばかりだし・・・。

日曜日、カフェも開いているから、近所の人に会いに行っておいで。”


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新しく始まった仕事と生活に夢中で毎日を過ごしていたので
ゆっくりと近所を散策する時間を取らずにいましたが

少しずつ、この町での時間も、そして夕食でのワインの時間も
以前のように、楽しむことが出来るようになりました。

それは、わずかな時間も、すべて、何かをするようになったからです。
1日の終わりには、そんな心地いい疲労感とまた明日が始まることで

いつもより少し贅沢なワインのこともあります。
ここのところ、ピエモンテ以外の赤ワインが続いています。

次回は、最近、飲んでいるワインを紹介します。

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日曜日は、菜の花を摘みに。

すっかり夜景になってしまった土曜日の高速道路。

目の前には、車のライトの光がなだらかな直線でつながり
それを眺めていました。
ラジオからは、21時のニュースが流れてきました。

広場の前に駐車して車を降りると

日中は、まるで4月下旬のように暖かかった空気が
すっかり冷たい夜風に変わり

時を告げる教会の鐘の音だけが静かな町に響いていました。

もう21時半・・・。でも明日は、仕事もない日曜日。
ゆっくり眠り、明日は、何をしようか・・・と

踊るような気持ちで

うっすらと明かりの漏れている自宅のドアを開けました。



”日曜日は、菜の花を摘みに行こう。”
私が帰宅後、遅い夕食を待っていた夫がそう言いました。

3日前に家の周囲にあるあぜ道で摘んだ菜の花を天ぷらにしたのが
思った以上に美味しかったから

明日は、それを摘みに行くに日にしようと。


菜の花
晴れた静かな日曜日の朝

夫とふたりで
田んぼのあぜ道にいました。

リゾットに
入れることのできる
つぼみのままの
菜の花を探します。

春のリゾットや
オリーブオイルで
炒めたりしてみようと
話しながら

あぜ道を進んで行きました。




夕食の分以上にたくさん摘んだので
それを色鮮やかに茹でてキューブ状の形にして冷凍庫に。

菜の花を摘み終わるとそのまま近所のアグリツーリズモに向かい
地元の赤ワインでランチです。

こうして、ゆっくりと休日の日曜日が終わっていきました。

アグリツーリズモのbarbera今日のワインは、アグリツーリズモで
ノヴァーラ地区のBarbera(バルベーラ)

ボトルのワインでなく
今日は、ハウスワインです。

このワインは
スミレの花の香りで
心地よい酸味があり

ノヴァーラ風リゾットを作る時
綺麗な色をつけるために
お米を炒める時に
入れることもあります。


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AGMIUM

2007年3月6日 













今、物音のないこの小さな町に静かな雨音が響いている夜20時。
時おり通り過ぎる車のタイヤの水しぶきだけが聞こえています。

3月になってから、毎朝、3時に起きている私には
この時間はすでに就寝1時間前なのです。

今朝、車のドアを開けた頃は、静寂で真っ暗な中
満月がとても綺麗でした。
夜と朝が入れ替わろうとしている時間です。

私は、満月の美しいこの日が
ずっと曇りで暗い1日になるとは知らずにいました。



灰色の空に覆われた帰宅途中のお昼過ぎにノヴァーラを通過すると
一瞬、視界にたくさんの羊の群れが右手に見えました。

初めてのことでした。今まで、ずっと知らずにいたのです。

私には、それが、ローマからフラスカティに行った日の光景に重なりました。
それは、今までの人生の中で見た大切な風景のひとつでした。

しばらくすると、高速道路の電光掲示板が目に入りました。

”モンブランへは、閉鎖。フレジュストンネルへ。”

ここが、ローマ近郊でないことを改めて思い、周囲の風景を見渡していました。



あと、もう少ししたら、辺り一面がまるで遠浅の海岸のように
水辺になる水田地帯の近くにあるブドウ畑のワインです。

agamium
AGMIUM COLLINE NOVARESI
Rosso DOC
2003
ブドウの品種:Nebbiolo(Spanna)100%
アルコール度数:13%
ANTICHI VIGNETI DI CANTALUPO







ワインの名前、AGMIUMは、ラテン語で
ゲンメ(GHEMME:ノヴァーラ地方のワインの産地)の意味です。

高校でラテン語を選択している教え子のノエミちゃんが
そう教えてくれました。

この若いワインは、この地方のサラミは、もちろん
ノヴァ−ラの水田の蛙のフライにも合います・・・。
というと驚かれてしまうでしょうか。

鶏肉やウサギなどの柔らかいお肉にもぴったりです。

私は、近所のアグリツーリズモにあるカモ料理と一緒に。

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信号待ちをしていると不意に背後からクラクションが響きます。

バックミラーに映っていたのは
嬉しそうな笑顔のあの日のバスの運転手さんでした。

”おかげで、私は、こんなに車が運転できるようになりました。”

そう心の中で呟き、バックミラー越しに力いっぱい大きく手を振りました。
あれから、1年半が過ぎていったのです。


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LANGHE NEBBIOLO

この日は、この後、晴れて気温も高い1日になりました。
霧の朝 2007.3.2













家を出る朝6時は、まだ真っ暗で気温もかなり低く
ドアを開けると真っ白の霧に覆われていました。

私は、暖房をかけて手袋をしたまま運転していたのです。

写真は、6時半を過ぎて、少しずつ明るくなった頃の景色です。
田園地帯にあるポプラ並木も霧でぼんやりとしているだけでした。

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”もう、すっかり春ね。”

私に話しかけながら、カフェで隣に座った
華やかなイタリア人女性が冬のジャケットを脱ぐと

真っ赤なノースリーブ姿でした。


駐車していた車に戻ると、すっかり車内の気温が上昇し
窓を全開にして、しばらく走っていました。

窓からの風がとても気持ちよく

アグリツーリズモや近所の田園地帯を通過して
私の住む小さな町に戻ってきました。


冬が過ぎて、農家やアグリツーリズモの休暇が終わり

同じ田舎の町で暮らすワインが好きな友人から

”丘の上のアグリツーリズモで食事に行こうよ。”と連絡があったり

ワイン農家からのカタログ、試飲会の招待状などが届きはじめ

明るく気持ちのいいピエモンテの景色が
もうそこまで来ていて

またひとつ季節が過ぎようとしています。


友人が好きな丘の上のレストランで。

前菜のCarne・Cruda(生の仔牛肉の薄切り)に
Bagna cauda(アンチョビのソース)
前菜のCarne・Cruda












バルバレスコ(BARBARESCO)地区にある畑のワインです。
la ca'nova
LANGHE NEBBIOLO
ROSSO DOC
2004
ブドウの品種:Nebbiolo 100%
アルコール度数:13.5%
LA CA'NOVA





透明感のあるレンガ色がかったルビー色です。
森の果物やチェリーのジャム、ミントや甘草の香りで
力強いタンニンを持つ

ピエモンテらしい味わいのワインで
一口飲むと、ほっとした気持ちになるのです。

それは、どこか遠くに行って夜遅く帰って来た時に
自宅のドアを開ける瞬間にどこか似ています。


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