北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

May 2008

雨の日々

今日も1日中、雨でした。

この湿地帯の地域では、インターネットは
ダイアルアップ接続しか出来ず

雨の続いた後は、まったく使うことが出来ないのです。

今になって、ようやく写真のダウンロードが出来たので
また短い更新になってしまいますが、ランゲの風景を。

ランゲで1



















仕事が終わり、14時半に帰宅して、夫を車に乗せ
ランゲ地方に向かいました。

ランゲで 3













”この地方のチーズやサラミでもどうぞ。”と用意してくれたのは
ピエモンテの山羊のやわらかなチーズです。

今日は、私が運転です。
夫は、ワインとチーズを楽しんでいました。

夫は、仕事の仲間にワインのお土産を買っていました。
それらを車に積んでいる時
時計を見るとすでに20時半になろうとしていました。

ピエモンテのRoeroのワインの産地を通りかかると
遠くに再び、雨雲が見えてきて

ランゲで 2


















この後、すぐにどしゃぶりの雨が降り、次第に夜へと景色が変わり
丘陵地帯は、ますます視界が悪くなっていきました。

やがてモンフェラートを越え

水田地域のヴェルチェッリ県にさしかかると
左右に、薄暗い景色の中、水の景色が広がってきました。

”ああ、水田だ。帰ってきたわ。”と

それまで激しい雨の中運転していたのが、急に安堵感でいっぱいになり

帰宅したら、今日買ったワインを開けてみようかとか
どのチーズが冷蔵庫に入っていたかなと

次々と帰宅してからの時間が楽しみを考えていました。

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日曜日の午後、激しい雨の降る中、夫は、仕事でトスカーナに向かいました。

今は、19時です。
小雨になり、空が少しだけ明るくなったような気がします。

窓から傘を差しながら、自転車に乗ったジュゼッペが見えました。
向かった先は、いつもBARでしょう。

ひとりになった日曜日。私もこれから町のみんなに会いに行ってきます。

雨が上がって。

(これもまた短い文の更新です。)

降り続いた雨が日曜日の夕方になって晴れてきました。

ずっとグレーの景色だった水田の緑が鮮やかに見えます。

18maggio2008 1

















18 maggio 2


















土曜日に、町役場の友達を中心に町の広場でバーベキューを企画していました。

雨と雷で中止になり、とてもがっかりしていたら
私以上に、町役場で働くクラウディオとヴィクトリオががっかりしていました。

”町の広場でバーベキューをする許可を取るのがとても難しかったんだよ。
次回、それが取れるかどうかわからないからね。”

日曜日の夕方になって晴れてくると、携帯電話のメッセージが
次々と入ってきました。

”昨夜のバーベキューの中止の代わりに、映画でも見に行こう。”

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映画に行く途中、興奮した声でヴィクトリオが話しました。
”モレーナと○○○○○(田舎にある水田の真ん中にあるディスコの名前)に
行ったでしょう。テレビ(ローカルの番組)に映っていたよ。”

”!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!....."

私は、モレーナとともにお立ち台(palco scenico)でみんなに手を振りながら
踊っていたのです。

日本では、ディスコは、大学卒業後、会社の同期と一緒に一度行っただけでした。
それが最初で最後だったのです。
きっと、もう行くことがないわと思っていたのが

なぜか、このピエモンテの田舎に来てから、町のメンバー(平均年齢50代)と共に
週に1回、行くようになりました。

雷の夜に(短い更新です。)

1日中、冷たい雨が降っていました。

今、窓の外は、雨風で木が大きく横に揺れています。

雨の夜
























やがて、外は、雷になりました。

雷が春の終わりを告げて初夏へと
季節がまたひとつ変わっていきました。

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昔、日本で働いていた頃のことでした。

小田原へ日帰り出張のあった日
アポイントまでほんの少し時間がありました。

小さなカフェに入リ、コーヒーを注文して
まだ新入社員だった私は、緊張しながら

グレーで包まれた外を眺めていました。

仕事の前に、いつも緊張してしまうのは
今でもずっと変わらず

何年経っても、いつも大学受験の試験の答案用紙に
向かう気持ちが果てしなく続いているのです。

窓の外は、春の終わりを告げる春雷鳴り響いていました。
早く大手町のオフィスに戻りたいと思いながら

仕事の緊張を取り除こうと書類バックから
ウォークマンを取り出し、聞いていた音楽は

当時好きだった米米クラブの曲で

ちょうど”春雷”だったことを思い出しました。

ピエモンテの小さな田舎にいる今となっては
もう遠い日の大切な想い出です。

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これを書き終わった今、雨音が一層激しくなりました。

まるで小さなこの家が、大粒の雨のカーテンで外の世界から
遮断されてしまったかのようです。

雨音で眠れそうにないので、鮮やかなルビー色の地元の高級ワイン
ゲンメをグラスに注ぎ、深夜まで起きていることにしました。

土曜日の夜なので、いつもよりも少し贅沢な気分になりました。(笑)

Ca'De'Santi

ワインの展示会で知り合った
若いワイン醸造専門家のジャンパウロから

一本の電話が入りました。
”歴史あるCantina(ワイン貯蔵室)に案内したいんだ。”

cantinaから外に出ると






















ここは、ノヴァーラ県ゲンメ(Ghemme)の近くにある
約1000年の歴史を持つ古いワイン貯蔵室。

1008年にべネディクト修道院が持っていました。
壁には、フレスコ画が残り聖書の中の
ダヴィデ王の物語がテーマとなっています。

現在では、保存されて小さな博物館のようになっています。

cantinaで


















1世紀中頃のアンフォラ(Anfora:古代の2個の取っ手を持つツボ。
ここで出土したものは、ブドウ酒を入れていたもの。
その他にアンフォラは、油や穀物などを入れるのにも用いられました。)
の断片が展示されていました。

anfora
















今日は、この地区のワインを紹介。
Ghemme DOCGGhemme Riserva
Rosso DOCG
2003
ブドウの品種:Nebbiolo(Spanna)100%
アルコール度数:13.5%
IL RUBINO

36ヶ月の樽熟成後、9ヶ月瓶内で熟成され
市場に出荷されます。





砂の多いゲンメの土壌から作られるこのワインは、

ややレンガ色がかったルビー色でNebbioloの持つ
美しい透明感と輝きを持ち

すみれ、スミノミザクラの実の香りと甘草(Liquirizia)
バニラなどのスパイスの香り
塩のにおい、そして黒トリュフ
湿った地面の香りが複雑に絡んでいます。

心地よいタンニンでほろ苦い後味のワイン。

レストランにあるような昔の郷土料理、ロバの煮込みが
美味しいのでしょうが

家の食卓では、この地方のノヴァーラ風リゾット(パニッシャ)と
豚肉のグリルです。





ここを案内してくれたジャンパウロは
約一回り以上も若いイタリア人です。

ワインを試飲するお部屋にある木のテーブルの上で

ジャンパウロは、表紙に”プロジェクトノート”と
書かれたノートを広げると

いろいろと説明しながら、図や文字を書き始めました。

今後のマーケティングなどの方向について話し合いながら
ワインの展示会で知り合った時の会話を思い出していました。

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”ソムリエで新たに醸造学をしてみたいと思うなら、それは
素晴らしいことだよ。明日にでも、入学の申請をするといいよ。”

そうしてみたくても、それは、あまりにも現実から離れた提案であると
私は、その時、ため息をついて笑ったのでした。

”5年間以上、勉強するには、例えば、ジャンパウロくらいの年で
時間が残されていればね。

それにその時間、毎日アルバまでの通学のガソリン代や
仕事も出来ないことを考えたら現実的でないもの。”

そういうと、しばらくジャンパウロは、考え込んでから

”でも、何か始めてみるには、まだ遅くないよ。
僕もいろいろと始めてみたいと思っている。

醸造学の専門家であっても、僕は、ソムリエでないから
違ったワインへのアプローチがあって
いろいろと意見が聞きたいし
否定的な意見こそ聞いてみたいと思っている。
そうして次の新しい段階が見えてくるから。”

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ニュースの仕事に関わっていた時には
プロデューサーも、カメラマンも私と同じ年であったので
私と同世代の人々が世の中で活躍していると感じていましたが

その一方で業界の違う20代前半から26歳位の人たちと
仕事で接したり話し合ったりする機会がこの1ヶ月間で
ジャンパウロが3人目でした。


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私も気が付いたら、いつまでも時が止まっているわけでなく
いくつかの時代を過ぎてしまったことを実感しました。(笑)

最近、自分よりも年上であり、違う若い世代の人と
新しいことをコラボレーションしている様々な業界の人に
とても関心を持つようになりました。

ビエッラのワイン ALBACIARA

かすんでいて遠くの山々がほとんど見えない日でした。
晴れて気温の高くなった午後に水田で。

6maggio2008

















空が水面に映し出される季節は、もう最後になりました。

多くの水田で種まきが終わり、うっすらと緑色の絨毯のようになっています。
成長するまで水が取り除かれて地面が見えているところが多くなりました。



前の記事にある稲の種まきのお祭りが終わった後
カフェに立ち寄った時のことです。

”新しいワインを入れてみたのよ。”とロミーナが
グラスに注ぎ始めました。

”どう?このワイン。”

ALBACIARAALBACIARA
Vino da Tavola Bianco
2006
Brusnengo地区のブドウということで
ブドウの品種については明記されていません。
海外でerbaluce100%と紹介して
販売しているところもあるのですが
試飲した感じでは、割合の多い順から
chardonnay, sauvignon, erbaluceという構成です。
アルコール度数:13%
GIUSEPPE FILIPPO BARNI


素朴な絵が描かれているこのワインは
ワイン農家の地名を見るとBrusnengoとありました。

Brusnengoは、ピエモンテ州、ビエッラ(Biella)県で
山に近い地区 北部ピエモンテ州のワインです。

深い綺麗な麦藁色をしていました。

sauvignonの野菜の香りとerbaluceから白桃などの
果物の香りが最初に広がり、

ビエッラ地区で作られる蜂蜜の香り
そして作られている土壌の特徴なのか
鉄分、ミネラルが感じられます。

余韻が長く、香りが広がってくるワイン。

以前、アグリツーリズモのレストランで調理を手伝った時に
作ったマッジョーレ湖の淡水魚の前菜にぴったりで

その他、マスのグリルなどにも。

このバールでは、夕食前の冷たい食前酒として楽しみました。




”チャオ。RIE。お祭りの会場は、どうだった。よかったかい。”

”行かなかったの。”

”最初に会場をひと回りして、あとは、ずっとここにいたよ。
ここで音楽が聞こえてきたし、いいんだ。ここで
みんなと話しているのもお祭りだよ。”

そう笑うと友達のマクシミリアン(マックス)は
手帳の中にはさんである古い写真を見せてくれました。

Bar 1














”お祭りで古い時代のものをいっぱい見たでしょ。
この写真も古いよ。どれが俺かわかるかな。
若い時に空手をやっていたんだよ。”

Bar 2














この友達は、私のことをよく間違えて
”シモーナ”と声をかけることが多く

マックスと同じ年代の友達たちは

私を見て、しみじみと
”ああ。シモーナか・・・。そういえば、シモーナだよ。”と。

きっと昔、何かが似ているシモーナという女性がこの町で
暮らしていたのでしょう。

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”髪の毛を切って、少し格好良く整ったよ。写真を撮ってくれ。”と
ルイージが言うので。
Bar 3

稲の種まきのお祭り(写真だけの短い更新。)

5月4日。近郊の町でワインのお祭りもあったこの日、
私は、町で初めて行われる稲の種まきのお祭りに参加していました。

5月4日 1

















稲の種まきは、田植え方式に変わり

そして現在では、機械によって再び、種まきの方法で栽培されています。
人の手によって種まきをしていた1900年以前の様子を再現したお祭りです。

5月4日 2

















5月4日 3





















この仕事は、男性の仕事でした。
その後、時代は、女性のモンディーネたちによる田植え方式に変わりました。
モンディーネのことを紹介した以前の記事は、こちらです。

このお祭りの主役になったのは、農家の友達のヴィクトリオでした。

この日の為に、種まきの方法を忠実に再現するために
歴史の研究者からアドバイスをもらい、家で練習したそうです。

5月4日 4




















午後には、モンディーネの服装をした若い女性たちの
コーラスが行われていました。

mondine


















近所に住むガブリエラおばさんは、カメラを持って一番前に椅子を運び
コーラスにあわせて、口ずさんでいるのが見えました。

私は、カメラで何度も撮影しているその真剣な横顔を見ていました。

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昔の写真などを見ながら、種まきの衣装を探していたヴィクトリオ。
タンスの中から見つけた30年前のグレーのチョッキを選びました。

アルプス山岳の男たちの食事会

5月になりました。
水田には、少しずつ緑が見えはじめているところもあります。

写真の場所は、水田の中に電柱が並んでいます。

水田の中の電柱
















今日は、祝日で、青空が広がっています。

ブログを書いている今、窓の外を見ると
町の大通りには、人の姿がなく
鳥の鳴き声だけが聞こえてきています。

7歳位の小さな男の子が自転車で通り過ぎていくと
再び誰もいない通りになりました。

4月末から日曜日になると町の小さな行事が続き

この前の日曜日は、”アルプス山岳の男たちの食事会”という
行事がありました。

町のお知らせは、郵便局、町役場、町役場の持つ小さな食品店
小さな薬局、そしてロミーナの家族が経営するバールと
町のレストランの窓ガラスに

A4サイズの印刷が貼ってあるだけです。

参加費15ユーロとありました。

朝、庭掃除をしていると広場にいたジェン二が

”私、ランチに行くから、ねえ、一緒に行きましょう。
私たちのほかにも女性は、参加するわよ。”


会場に行くと、白いテントがはってあり
近くの草むらでは、火が焚かれていました。

ポルケッタ(Porchetta:子豚の丸焼き)です。

物置のような小屋で町の男性たち数人が

ポリタンクに入っている協同組合から買ってきたワインを
大きな瓶に詰め、前菜のハム、サラミ類を
プラスチックのお皿に並べています。

メインの熱くグリルしたばかりのポルケッタを
テーブルの上に運び、プラスチックのお皿に分けていきます。
ポルケッタ 1



















焼きあがった子豚の丸焼きの横でポーズを取る
町役場で働くクラウディオ。

(子豚の丸焼きは、姿形がそのままなのでブログの写真からは、カットしました。)
ノヴァーラ北部の農家の子豚です。

食事会の会場で

















ポルケッタ 3昔から、この地方では
豚やガチョウ、カモは、大切な食料でした。
ローマで、そして夫の暮らしていた
海沿いのトスカーナのレストランでも
いつもメニューに並んでいた羊料理は
この地区には、ないことを知りました。

ポルケッタ 2












そしてデザートは、もちろん、この地方のゴルゴンゾーラチーズと
山岳メンバーの家族が朝早くから作って用意していたデザート。

ゴルゴンゾーラ












デザート












普通の家庭で作る素朴な味です。
大きなアルミホイルの容器に入ったティラミスやCrostata(クロスタータ:タルト、パイ。
朝食として食べることも多いです。)を

町の山岳メンバーが慎重に切り分けている横顔を見ていたら
ふいに、本当に幸せな昼食だと思い

世界にいるさまざなな人々が、大切に作った食べ物を
幸せに食事できるようにと願う気持ちになります。

デザートを並べている間、会場のすぐ近くに住むヴィクトリオが
”ちょっと待ってくれ。今、デザートのワインを持ってくるから。”

冷たいピエモンテのMoscato(モスカート:微炭酸のほのかに甘いデザートワイン。
アルコールは5%前後です。)を3本抱えて戻ってきました。

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