北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

January 2009

霧の夜に

ミラノでは、晴れていた金曜日の午後1時半を過ぎた頃
トスカーナのカッラーラで仕事をしている夫から電話が入りました。

”そっちは、霧が出ているかな。”

高速道路バスに乗り込むと、陽射しが入る左側の窓のほとんどは、
カーテンがかけられていました。

”太陽の光が眩しい。今日は、大丈夫みたいだけど。どうして。”

”大理石の会社で働く友達が、明日、その辺りに
狩猟に行くと楽しみにしているからね。”

昨年の9月21日に解禁になったピエモンテの狩猟時期は
1月31日までで、ちょうど明日、土曜日が最終日です。

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バスは、ノヴァーラを通過して更に北上していきました。

車窓から。(これは、コンパクトデジタルカメラです。)

車窓から



















この日は、行きも帰りも一緒のバスに乗った通勤友達のシモーナと
前の席で、まるで遠足のように楽しく話していた時

”あっ。RIE!前を見てごらん。”

前方に突然、真っ白で何も見えない空間が待っていました。

高速道路を走っている車がブレーキをかけスピードを緩め
そのランプが次々にぼんやりと見えました。

赤いブレーキのランプが白い空間の中でラインとなってました。

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霧が待ち構える入り口を私は、今までに何度も通過してきました。

運転が怖くて心配だった時期を越えてから

その神秘的な景色の中を緊張感を持って走ることが
いつしかとても嬉しくなっています。

高速道路出口の近くの駐車場から
家庭教師先のノエミちゃんの家に向けて車を走らせます。

霧の中、窓を開けて走ってみると

ドライアイスのように前方から向かってくる霧の正体が
はっきりと見えたような気がしました。

左右に田園が広がる約7kmにわたる直線距離は
いつもどの車も100km以上のスピードで走る地帯です。

この日は、最高で4速まで。どの車も40km弱で走っていました。

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今、窓の外は、真っ白です。
真っ暗な夜が霧で白く、ぼんやりと明るく見えます。

樹氷の日も、霧の日も、そして霞んで山が見えない日も
まるでくっきりとアオスタ方面の山の集落が見えるような日も
誰も知らない間にひっそりと雪が舞うような夜も

いつもでもこのピエモンテの田舎での生活は、私の中で
とても大切な日々となっています。

ここで暮らすイタリア人と違い
みんなと同じように楽しく暮らすためには

彼ら以上に頑張って働いて前に進んでいかなければ
得ることが出来ないこともわかっているし

そして日本で展開している仕事を含めて気がかりも
本当にとても多いけれど。

でも、とにかくこの霧の金曜日の夜に

ピッツァの生地が発酵するのを待つまで

大好きなオーストリアワインと

アルト・アディジェのスペック(Speck:アルト・アディジェやチロル地方の
スモークされたハム)でも食べようと

箱からワインを取り出しました。


MAXIMUM
MAXIMUM
2004
ニーダーエスタライヒ州(Niederösterreich)
カンプタール(Kamptal)
ブドウの品種:GRÜNER VELTLINER
アルコール度数:14%
HIEDLER





これは、好きなワインのひとつです。

硬質なミネラルと白桃などの果物の香り
決して複雑な香りではないけれど
どこかこの国の持つ崇高さを感じます。

どこまでも透明な清らかさの中に繊細さを感じる
オーストリアのワイン。

冷たい冬の空気の中、ウィーンの美しい街並みを
歩いていた日のことを思い出します。



そんな時、ワイナリーの仕事仲間のパオロから連絡が入り

前回、帰り道に霧で道を間違えてしまって、
見知らぬドルチェット(ブドウの品種)の畑が
目の前に広がっていたことを話すと

”ああ・・・そうだったのか。きっとバルバレスコ方面に
向かってしまったんだろうな。

今も、アルバのブドウ畑は深い霧に包まれているよ。”

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イタリアでの日々を想い出す時に。

夕方の17時を過ぎても、明るく感じるようになりました。
いつの間にか、少し日が長くなったようです。

1月の終わり。雪のアルプス。




















今まで、この時刻は、すでに暗くなり
家々の窓から漏れるオレンジの光が
長い夜の訪れを感じさせていました。

アグリツーリズモでは、冬の休暇中であり
田園地帯は、まだ眠っています。
そして、時には、窓ガラスが固く凍る冷たい朝もあります。

それでも、ピエモンテでは、真冬の時期を過ぎ
少しずつ春に向かって、季節がまたひとつ変わろうとしています。

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帰り道、夕方のバールでの少し早い食前酒の時間。
ワインと一緒に出てきたのはこの3種類。

夕方のバールで














白身のお魚のグリルをほぐしたものとオリーブオイル

ガチョウの燻製とオリーブの実、

そして生に近い食感の豚肉のサラミ、
サラミンドゥラドゥーヤ(salamìn d'la duja:この地方の方言)


ワインは、何にしようかなとロミーナに注文しようとしたら
”お嬢さん。”と肩にぽんと手をのせて
横から赤ワインのグラスが置かれました。

いつもバールで集まっている60代後半の男性たちグループが
自分たちのテーブルにあるハウスワインを注いで持って来てくれたのです。

ここのカラフに入ったハウスワインは、BARBERA D'ASTIです。

”お嬢さんか・・・。そんな年でもないけれど。”と
カウンターにいるロミーナと目を合わせて笑うと

すぐに後ろから ”いやあ。僕たちからみたら、娘みたいなお嬢さんだよ。”

自分たちに運ばれてきたサラミを食べやすい大きさに
真剣な顔つきで切り分けて、私のための小さなお皿にのせているのを見た時

今までに、幾度となく繰り返されてきたこの光景は
月日が経った時、私の中で忘れられないものになっていくだろうと
ふいにそんなことを思い

ピエモンテのカラフに入ったルビー色のハウスワインまでも
何か特別な輝きを持っているように目に映りました。

彼らと同じように、ここで年を重ねていくかもしれないし
それ以上に、トスカーナ、そして日本である可能性も大きいです。

ワインの産地に来て、このピエモンテでの日々を何十年か経って
溢れだすように想い出す時

それは、有名なワイナリーのブドウ畑の光景でもなく

おそらくピエモンテーゼとのこんな小さな日々の
積み重ねであることでしょう。

今、この瞬間、少しでも多くの人が
友達、家族と楽しい時間を過ごせますようにと
祈るような気持ちになります。

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誰も知らない雪というのがあることに気が付いたのは
最近のことでした。

仕事の帰りに、近郊の町まで買い物に出かけ
お肉屋さんでほんの少し立ち話をして
車に戻ると、雪が舞っていました。

天気予報では、1日中、晴れの予定で、気温も低くない午後のことです。

ぱらぱらと降った雪は、私が、信号待ちをしている時には、
消え去っていました。それは、ほんの10分くらいのことでした。

”雪が降っていたわね。”と言ったら

ずっとバールの中にいたロミーナは
”そんなことないわ。今日は、ずっと晴れていたわよ。”


早朝に車のところに行くと、ワイパーにとてもうっすらと
白く柔らかな氷が溜まり、さらさらと下に落ちていくこともありました。

ずっと夜間、水滴が凍ったものだとばかり思っていましたが
夜中に裏口の鍵を確かめに外に出て、白く細かい雪を見た時

それは、誰も知らない時間帯に、積もることもなく
そして誰にも知られずに、静かに降ったのだろうと思うようになりました。

窓に積もった氷を払い落とし、エンジンをかけ出発です。
今朝も、うっすらと周囲は、霧でした。

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Pollo alla cacciatora

日曜日の朝の風景。

日曜日の朝





















今朝、広場のカフェは、まだ暗い6時半から開き

毎年お祭りでコンサートを開く救急隊のアンジェロが
カフェに向かうのが見えました。

今、この町近郊でマラソン大会が行われています。

30分以上前に家の前を集団が通過していきました。
後方から、ゆっくりと救急車とパトカーも一緒です。

田園地帯から、町を眺めました。

まるで町をぐるりと取り囲むようなたくさんの車の列は、
教会の裏にある私の家の前にある広場からずっと続いています。

マラソン大会の日


















いつもは、人通りのない日曜日の朝の散策。
今日は、タバコ屋さん、そして町の施設までも開いています。

”チャオ。RIE。後でね。後でくるでしょう。”

ノヴァーラから通勤してこの町の文化施設のために
案内ガイドとして働くマヌエラが

いつものように分厚い眼鏡をかけて、大きなファイルを抱え
小走りで目の前を通り過ぎていきました。

マヌエラとの出会いは、一緒に画廊の案内で働いていた時のことでした。

”この町の仕事や関係者との出会いは、人生の中で大きいのよ。
とっても満足しているわ。それに本当にやりがいがあるの。”

通り過ぎた後姿からも、その時の声が
もう一度、聞こえてくるような気がしました。

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最近、田園の風景ばかりだったので、ワインを使ったお料理の紹介です。

アグリツーリズモのレストランで作ることもある
この地方の郷土料理のひとつでもある
詰め物をしたグリルのために用意しておいた鶏肉。

そして夫が買ってきたピエモンテ、クーネオ産の四角いペペローネ
(Peperone:ピーマン、パプリカ)で
バーニャ・カウダを作ろうと思っていました。

* Bagna cauda:ピエモンテ郷土料理のひとつ。
ニンニクとアンチョビで風味をつけたソースに野菜をつけて食べます。
私の地域ではバーニャ・カウダというと、いつもペペローネと一緒です。


寒い夜に、この材料をそのまま使って、ローマ料理になりました。

ローマのトラットリアで、猟師風チキン【Pollo alla cacciatora】または
チキンとピーマン(パプリカ)【Pollo con peperoni】というメニューを
見つけると、必ずオーダーする好きなローマ料理のメニューのひとつです。

実際には、ピエモンテ、アスティのレストラン、トラットリアなどでも
ピエモンテ産のパプリカを使って

この猟師風チキン(Pollo alla cacciatora)が
ピエモンテの地元のメニューとして並んでいることもあります。

グラス一杯の白ワインを使って作るのですが
ちょうど自宅にあるハウスワインとして使える白ワインは

アスティのシャルドネ、ロエロ・アルネイス
ゲンメのシャルドネ、エルバルーチェ・・・とピエモンテのワイン

そして国境に接している北イタリアの地域
アルト・アーディジェ(Alto Adige)
ヴァッレ・ダオスタ(Valle d'Aosta)のワインでした。

どうしようか・・・と思いながら
私は、すでにコートと車の鍵を手にしていました。

ここから少し離れた町にある小さなスーパーに向かい
ローマ近郊のワインとしてウンブリア州の白ワインを買い

この白ワインを使って作った、猟師風チキン(Pollo alla cacciatora)です。

ローマ料理の夕食












お料理に使ったワイン:DESIATA Bianco dell'UMBRIA IGT
ブドウの品種:Grechetto とTrebbiano アルコール度数12%
TERRE DE LA CVSTODIA

ローマの素敵な場所をたくさん見つけたのは
ローマ滞在中ではなくて

ピエモンテに引っ越してからのことでした。

ローマまでワインの勉強と試飲会で多い時は、週に3回ほど通っていた時
日本人のソムリエの友達が、ピエモンテから来た私に
たくさん案内してくれたからです。

下町にあるワインバーで語りあった時の
ローマの夜の景色が目に浮かびます。
”夜行列車までの時間を誘ってくれて本当にありがとう。”

ホテル滞在でなく、そのままトリノ行きの深夜の列車で帰ることが
多く、そしてヴェネツィア、ミラノ行きの夜行に乗って

そのまま朝、ミラノやパドヴァ、ヴェローナに仕事に行くこともあり
今思えば、その列車、ホテル、飛行機代もあり
とても大変だったに違いないその当時を思い出しました。

時々、週末の夕食に、ヴェネツィア、ローマ
そしてオーストリア、ドイツ、フランス料理など
今までに訪れたり、滞在した時に印象に残ったお料理を作ることがあります。

そんな時は、ワインと一緒に、いろいろな想い出が
少しずつ溶け出してくるようです。

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星が綺麗だった朝(短い更新です。)

もう少しで6時になるという朝の時間。

出発の準備を終え、ドアの外に出ると
まだ真っ暗で三日月が綺麗に見えました。

車のドアを開け、仕事のカバンを助手席の下に置き
空を見上げます。

霧もなく、冷たい空気は、どこまでも澄んでいて
暗い朝の景色がくっきりと輪郭を持っているように見えました。

窓ガラスは、固く凍り、空には、いくつも星のが見えました。

こんな日は、きっと遠くのアルプスの景色も見えることでしょう。

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帰宅後、必要なメールの送信を終えて遅い昼食を済ませると
すぐにカメラを持って外に散策に行きました。


雲の綺麗な夕方に 1




















日中は、暖かな1日で、田園の雪が少なくなり
地面が少しずつ見えるようになりました。

そして何よりも雲が綺麗です。

雲の綺麗な夕方に2




















雲を見るたびに、亡くなった父を想い出し
何かメッセージを伝えてくれているような気がするのです。

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これから夕食の準備。

クリスマスのために買っておいて
作ることができなかった大きな鶏肉を解凍しています。

Festa di S. Antonio

土曜日の夕方、田園地帯からの眺め。

この後、日没を過ぎると深い霧になりました。
霧は、その後、ずっと続いています。

夕方に田園からの町の眺め


















時間をかけて、ゆっくりと夕食を作ることが出来る週末は
ノヴァーラ風のリゾット、パニッシャ(Paniscia)にしようと
隣の町にある食料品店に買い物に行くと、

パ二ッシャで必ず使うインゲン豆の一種 fagioli borlottiは
すでに売り切れになってしまっていました。

サラミ類を売っているコーナーには、ラードが挽かれて細かくなった
小さいな袋がたくさん置いてあります。

これは、パニッシャのスープにほんの少し加えることによって
この土地の農家の味と香りが出てきます。

いつもは、ほんの3〜4袋だけ用意されているのが
ショーケースの中にたくさん積まれているところ見ると
寒い冬にパニッシャを作る人が多いのでしょう。



そんな時、携帯電話に友達のヴィクトリオから電話がかかってきました。

”待っているのに。早くバールにおいでよ。ピッツァのおつまみもあるよ。”
楽しそうな周囲のさざめきも聞こえてきました。

土曜日の1月17日は、聖アントニオ祭(Festa di S. Antonio)でした。

朝から何台ものトラクターが連なって大通りを駆け抜けました。

ちょうど町の小さな郵便局にいた私は、
”トラクターの愛好者の会なの?”と近くの人に尋ねると

”あれが、フェラーリだったらそうかもしれないね。
 今日は、聖アントニオ祭(Festa di S. Antonio)で
 この地域では、農業に感謝する日になっている。”

ヴィクトリオは、その日は、農業仲間と楽しく夕方まで過ごしていたのでしょう。

買い物帰りに立ち寄ると、食前酒用のピッツァの小さなお皿が
私を待っていました。
バールで














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このブログに何度も出てくることがある
ノヴァーラ風リゾットのパ二ッシャは、各家庭、村、地域によって
少しずつ違いがあり、昔から続く農家の一品に
とてもこだわりがあります。

例えば、レストラン、トラットリアでどんなに他が美味しくても
パ二ッシャの味で判断されてしまうのです。

日本のイタリアンレストランで、あまり見かけないかもしれないですが
もし、日本で何かイタリア料理を作って欲しいと言われれば

私は、迷わずこのリゾットを作ることでしょう。

ヴェルチェッリ地方にあるパニッサというのが
ノヴァーラの方言でパニッシャとなっていますが
似ているようでまったく違うのです。

ブログでは、伝えきれないこの郷土料理ですが
少しずつここに掲載して紹介していきたいです。

これは、過去のブログに掲載した写真です。(2006年11月)

過去のブログから










ノヴァーラの郷土料理を伝えるイタリアの国営放送局のスタッフと
一緒に、知り合いの農家で番組の撮影後に
みんなで食べたパニッシャのお鍋です。


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年末まで体調を崩していてクリスマス前にたくさんの買い物をして
冷蔵庫や冷凍庫、そして外にある納屋にも野菜や果物があり

そのまま残っていたのでずっと買い物に行く必要がなく
実は、昨日が、今年初めての買い物でした。

LA VERSA

曇り空の1日、ノヴァーラを過ぎると

車窓からは、空もそして田園もどこまで行っても
白い景色が続いていました。

airone



















やがて、遠くにうっすらと光が見えた時
突然、懐かしい不思議な感覚になりました。

初めてこの土地に来た日に見た景色と
とても似ていたからです。

今日、紹介するワイン

versa

MÜLLER THURGAU
LA VERSA
Spumante Brut
ブドウの品種:MÜLLER THURGAU 100%
アルコール度数:12%
LA VERSA







かすかに緑色を感じる麦藁色できめ細かい泡が
グラスの底から細いラインとなり続いています。

シトロンの木、レモンの皮、青リンゴなどの果物の香りがして
その奥にミネラルを感じるどこか洗練された味わいのある
スパークリングワイン。

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ここに来た日は、冬が終わり、春が来ようとしていた時期でした。

曇り空のローマを出発して、リボルノ、ピサを通過し
ジェノバを過ぎると大雪になりました。

高速道路のドライブインは、運転を断念するトラックや車で
埋め尽くされていきました。

記録的な大雪の日だったのです。

高速道路が閉鎖の準備に入り、その前に2台車が走っているだけで
反対車線は、車がなくなりました。

緊張して助手席に座る私の足元には

前日にローマでいつも行っていた近所の
エノテカで最後に買ったウンブリアと
シチリアのワインが置かれていたのを覚えています。

いつも温かく迎えてくれたエノテカのご夫婦

1人暮らしの自宅から近かったサンピエトロ寺院のこと
そして大好きだったローマの街の喧騒がとても遠く感じられました。


ヴェルチェッリ県を通過し、ノヴァーラ県に入りました。
雪で果てしなく荒涼とした景色が続いていました。

やがて雪がやんで、遠くにうっすらと明るく光が見えると
白く輝く田園風景が広がっていました。

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何も声がしない、音がしないところに来てしまったと
ずっと思っていましたが

これを書いていたら、窓の外でルイジーノとブルーノが
いつものバールに向かって行く足音と声がしてきました。

ドアを開ければ、必ず誰かに出会い
バールでは、居合わせた人とグラスワインをご馳走しあったり

私の1日の行動、時間帯を多くの人が把握しているように

私もみんなの生活、時間帯をいつの間にか知るようになります。

何も音がなく感じられたのは、
町の中の人々のさりげない日常の会話と笑い声の中には
私という存在は、なく、時間や空間をまったく
彼らと共有していなかったからでした。


それが、少しずつ、そして確実に時間が経過していき

寂しい雪の田園地帯の光景の想い出が
今では、カメラを持って散策を楽しみ

そして、家の外では、音がない静かな夜であっても

大きな通りに面したローマの家にいた頃よりも
賑やかな空気が取り囲んでいるようにさえ感じられるのです。

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ロンバルディアの郷土料理

昨日の短い更新に続いて、連日の更新になります。

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今日も晴天の1日になりました。

午後、帰宅する頃には道路脇に高く積み上げられた雪が少しずつ溶け出し
自宅までの道のりは、ずっと路面が濡れていました。

田園地帯が続く道は、雪が反射して眩しいくらいです。
遠くに霞んでモンテローザも見えました。

雪と青空























日没を過ぎると、たちまち冷たい空気へと変わっていきます。
12月になってから、夕食は、毎日、温かいリゾットが続いています。

このノヴァーラ県と同じようにお米、そしてサルシッチャ
(Salsiccia:腸詰めのソーセージ)を使いながら
まったく違った味わいとなるリゾット。

それが今日、紹介するロンバルディア州の郷土料理のリゾットです。

写真は、ベルガモに滞在した時に小さなトラットリアで。

ベルガモのリゾット
















畑の野菜やノヴァーラ地方の赤ワイン、インゲン豆、ラードが
ふんだんに入ったノヴァーラのサルシッチャの入ったリゾットとの違いは

酪農で有名なロンバルディア州の乳製品がふんだんに使われていることです。

砕いたサルシッチャとロンバルディア州のチーズ Pannerone と
Gran padano、そしてバターと乳製品がたっぷり使われていました。

お鍋にとろ火で砕いたサルシッチャをオリーブオイルで
お米と一緒に炒め、白ワインを加えます。

白ワインが煮えて蒸発したところで
熱々のブロード(野菜のブイヨンスープ)を加えていきます。

半分お米が煮えたところで、このロンバルディア州のチーズ、Panneroneを入れ
さらに煮込みます。最後に塩で味付けて仕上がりにバター
Gran padanoのチーズ、パセリをのせると写真のようになります。

ノヴァーラのアグリツーリズモの厨房で助手をしていた時に
コックさんというよりは、ピエモンテーゼの有能な主婦である
友達のマリータから教わったように

リゾットは、ブロード(野菜のブイヨンスープ)は、熱々に煮えたものを
少しずつ加えていくと美味しく仕上がります。


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ここでCMです。

2006年のトリノで開催されたSalone del Gusto( サローネ・デル・グスト
スローフード食の祭典)と Terra Madre(テッラ・マードレ、世界生産者会議)後に

私の住む町の農家を訪問してくださった福岡県の「喜なりめんたいこ」茜屋さん
(このブログにサイトがリンクしてあります。)がテレビで紹介されます。

1月14日(水)の朝9時20分頃から
フジテレビ「とくダネ!」の「味覚遺産」というコーナーです。

茜屋さんの大山真理子さんがこだわりの味という切り口でなく
ひとつひとつ丁寧に美味しいめんたいこを作っている
普段の様子が伝わればいいなと話していました。

福岡県で合鴨農法をしていらっしゃる古野さんのグループとして一緒に
いらっしゃったのですが、大切に丁寧に安心で美味しい食品を
生産している方々の姿勢を近くで感じることが出来て
私にとっては、大きな出会いでした。

食品だけでなく、すべての分野で物を作り出すすべての方たちの偉大さ
今、改めて感じています。

そして、ブログを通じて知り合うことができ、
時々、優しいコメントを残してくださるayuさんの絵本のリンクも
このブログの右側に貼り付けました。

たくさんの出会い、本当にありがとうございます。

私も更に、日本の皆さんと同様に、このピエモンテで
そして日本に一時帰国した時も頑張っていきたいです。

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川霧の中のアイローネ

写真ばかりの朝の短い更新です。
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夕方、家を出ると、月がとても綺麗でした。
バールまでの道は、歩道が厚い氷で覆われたままです。

月と雪



















日が暮れて、空気が一層、冷たくなっていきました。

道に残った雪がより一層、固い氷に変わっていくのを
はっきりと感じていました。

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今日は、朝から天気が良く、雪の残る田園が眩しく光を反射しています。

放射冷却で、地面の温度が下がり
用水路からの蒸発した水蒸気が水滴となって
凍っていない大きな用水路からは、湯気が上がり、川霧となり

その霞んだ景色の中に、いつもは、近づくとすぐに飛んでいってしまう
サギ(airone)の姿が見えました。

冬の用水路
























氷結してしまった用水路

冬の用水路 2



















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今年の冬は、とても寒くなり、冬らしい雪の景色が続いてしまいました。
次回は、温かいお料理の話題にします。

隣のロンバルディア州、ベルガモのリゾットについてです。

雪が降って、その後。

あれからたくさんの雪が降り
雪国で育ち、運転が慣れている夫は
大雪の日に出発してトスカーナに帰っていきました。

そして2日が過ぎ、すでにノヴァーラからミラノにかけては、
除雪車の残した雪が道路の片隅に黒くなって残されているだけですが

この積雪が特に多かったピエモンテの私の暮らす町では

田園とアスファルトで舗装されていない道路は
農閑期で、トラクターが通った形跡もなく

そのまま固くなった雪が取り残されています。

雪 その後




















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日本でイメージされているイタリア人像ときっと大きく違うかもしれません。
そんな雪の日のエピソードを。

いつもより少し早めに起きた大雪の日の明け方3時過ぎに
黒いダウンコートを来て、さらさらと雪が降り続く中
広場にある車のところに向かいました。

膝下までがすっぽり雪に覆われ、不安がよぎります。

タイヤのほぼ8割が雪に埋まり、車に積もった雪をさらさらと落とすと
更に綺麗な雪に、埋もれていきました。

この日、どうしても仕事に行きたかった私は

広場から除雪車が通るであろう
車道まで、車の幅に合わせて雪かきをしはじめました。

2時間が過ぎ、すでに出発の準備をしなければならない時間になっても
まだ車道まで半分以上ありました。

雪かきをした跡も、すでに雪で覆われていたのを見て
呆然と立ち尽くしてしまいました。

隣村に住んで、いつも同じ時間に高速道路バスで
ミラノの入り口まで通勤しているシモーナに
どうするつもりか電話してみると

”えっ。RIE,何で車にこだわっているの?私は、最初から歩いているわ。
そうね、あと4kmで高速の入り口かな。

さっきアントニオ(高速道路バスの運転手)に電話したら
私たちの最寄の停留所は、高速が閉鎖されている区間だから
最初から一般道でどうにか来ると決めてもうすでに向かっているのよ。

でも10分近く遅れるって。君たちの救世主だと
少し自慢げだったわよ。(笑)”

彼女は、真っ暗で街燈もない雪道を10km近く歩いていたのです。
朝、5時15分の時点で”あと4kmよ。”と
明るく言う彼女は、いったい何時から歩いていたのだろう。

翌日、聞くと、都市部に住んでいて
何も問題ない人も会社に来なかった人も多くて
人手がなくて残業になったと笑ってそう語っていました。

”何で・・・積雪の多い地域の私が・・・・・と
辛抱をしなければならない1日だったのよ。”

私は、その後、更に、3時間かかって雪かきをして
どうにか車を車道に出したのです。

でも、シモーナのように、10km近くの真っ暗な雪道を歩くという
確実な考えが私には、出来なかったのです。

きっと大変だったであろうことを、笑いながら、
軽やかにこなす彼女の電話口の声がまだ聞こえてくるようです。

シモーナは、いつも19時半に高速の入り口に到着するバスなので
その後、寒い雪の月夜を自分の住む町まで
歩いて帰って行ったことでしょう。

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まだ真っ暗な寒い朝、なぜかいつも野うさぎが車道を覗いています。

闇夜に白く光る雪の上では、その姿がくっきりと見えます。

私は、雪が凍結した道路で、車のスピードをいっそう弱めました。

雪が残るあぜ道に残る小さな足あと。

かわいい足あと



















ずっとマルペンサ空港の除雪作業に行ったっきりのヴィクトリオからの
明るい電話の声は

”もうすぐ帰れそうだから。ワイン会をしよう。
おお・・・なんてことだ。
空港にずっと行っていたから、まだ今年会っていないね。新年おめでとう!”


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明日は、もっいろいろ頑張りたいといつも願うのは

あまりにも精神的に研ぎ澄まされ
自分に厳しいアーティストである夫を見ているからだけでなく

地道に頑張っているピエモンテーゼの友達がいるからです。

日本にいた頃、誰よりも仕事を頑張って生きていると
過信していた私が、とても未熟な存在に感じられました。

イタリアでは、人と比べることでなく、常に自分を信じて生きること
そして人生の楽しさも自分から追求しているということ

決して、イタリア人は、一般的なイメージとして考えられているように
お洒落で楽しく、そして家族が中心で美味しい食事をしているというだけでない
人々であることを1人でも多く伝えたくて、書きました。

そう・・・奥が深く、楽しげであまり考えていないようでも
自分の生活を切り開く強さを持った魅力的な人々です。

そう思ったのは、ここに来てたくさんの人を知ってからです。

留学や滞在したばかりの方、どうか、一部のイタリア人と
知り合っただけでがっかりしないで下さい。
彼らから、得るものは、あまりにも大きいですから

ST.LAURENT


凍るような冷たい大気に包まれて
木々も草もそしてクモの巣までも
すべて真っ白なオブジェのようになりました。

氷の大地























お昼過ぎに帰宅してその真っ白な田園の景色に驚きました。

霧で、日の出前のまだ暗い朝に出発したので
この景色に気が付かないでいました。

すべての雫が氷の結晶になっていました。
氷で覆われて














そしてその後、夜から雪になりました。
今、外は、一面が真っ白に覆われています。

祝日の今日は、とても静かな雪の日になりました。

*祝日 エピファニア。(Epifania:
クリスマス後12日目にあたり東方の3博士が
キリストの礼拝に来た日の記念。Befanaとも言います。)

家の中では、ガス暖房の管を伝う水の音と
パソコンのキーを叩く音だけが響いています。

ブログの更新をしてから、仕事関係の書類を作ろうと
温かいマーマレード紅茶を飲むことにしました。

マグカップを取り出し、レモンのマーマレードを入れて
熱い紅茶を注ぎます。

このマーマレードは、トスカーナのCarrara(カッラーラ)で
育ったレモンを使っています。

夫の友人の庭にあるレモンの木は、何もしない無農薬です。

私が、体調が悪かった時期にたくさんのレモンを持って帰ってきた夫は、
蜂蜜入りのレモンマーマレードをたくさん作っていました。

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今日、紹介するワインは、隣の国オーストリアの赤ワイン。

オーストリーワイン 赤
ST.LAURENT CLASSIC 2005
産地:BURGENLAND
Trocken *残糖度9g/l以下 辛口
ブドウの品種:ST.LAURENT(ザンクト・ラウレント)100%
アルコール度数:12.5%
TINHOF

前回(2008年12月22日)、ワイン紹介した北イタリア 
ヴァッレ・ダオスタ(Valle d'Aosta)の
ピノ・ノワール(PINOT NOIR )に
この品種 ST.LAURENT(ザンクト・ラウレント)とは
そのワインの味わいがとても似ています。



夏は、暖かく、寒い冬が訪れる緯度の高いヨーロッパで作られる
ワインが持つ柔らかな森の果物の香りと湿った土壌の香り
その奥に繊細さがある優雅なワイン。

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昨夜から農業用の大型トラクターに乗り慣れている
友達のヴィクトリオやエリザベータは、
マルペンサ空港の除雪作業の仕事に行っています。

交代しながらの徹夜作業です。

気象情報のメッセージが携帯電話に来ると
雪が降る何時間も前から待機状態になります。

大晦日のカウントダウンは、もちろんのこと
大晦日の晩餐もなく除雪作業をしていたのです。

”空港は、強い風雪となってそれは、とても寒いんだ。”
この仕事について語る時、ヴィクトリオは、いつも最初にこう言います。

年末にイタリアの番組の中の一部で日本を紹介する場面があり
この時間帯に合わせて、町のバールに友達が集まり
カウンターにあるテレビをじっと見ていました。

空港で、飛行機の離陸準備が整い、滑走路に向かっていくと
整備の方々が飛行機に向かって手を振り
そろってお辞儀をする場面が放映され
その余韻がしばらく心に残っていました。


さらさらとした雪は、まだ降り続いています。
今日は、ずっとこのままでしょう。

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イタリアでは、クリスマスから6日の祝日まで
責任者が休暇を取ることもあり
仕事関係の連絡が取れないところも多いです。

去年のクリスマス前には、焦ることもなく
”エピファニアまでにどうにか終わらせればいいわ。”
そう思っていたことが、すべてまとめてやってきます。

そして大きな制作を手がけている夫は、
トスカーナの大理石の産地にある
設備の整った工房に再び戻っていきます。

雪の中の花火

ブログを訪問してくださってありがとうございます。

そして新年、おめでとうございます。
皆様にとって、健康で楽しい幸せな1年になりますように。

元旦の短い更新です。

大晦日の夜中から2009年になった時の町の光景です。

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大晦日の夕方、レストランに挨拶に行こうと
車の鍵を手に外に出ると

さらさらとした雪が降り始めました。

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23時45分になり、近所のバールに行くと町の人たちが
スプマンテを準備して2009年を待っていました。


テレビ番組のカウントダウンに合わせて
2009年になるとスプマンテを開けて乾杯が始まりました。

窓の外では、雪の夜の景色が花火の鮮やかな光で
一瞬くっきりと浮かびあがりました。

私は、グラスをテーブルに置き、カメラを持ったままドアを開けると

携帯電話で花火の画像を撮って同級生に
新年のメッセージを送信している
近所の高校生の女の子の姿がありました。

雪の中の花火
























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写真の女の子は、偶然にも、ここから離れた別の町に住むノエミちゃんと
同じクラスでお友達でした。
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RIE OKUYAMA、Wine・Art Co.ltdにあります。
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