北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

ピエモンテ州ノヴァーラ県の稲作地域での暮らし。 バローロ、モンフェラート、ゲンメのワイナリー、ピエモンテ料理ときどき地域猫のぴーちゃん

January 2010

黒トキ(ibis)

午後3時、氷で真っ白になった田園の中、帰ってきました。

用水路の近くでじっとしている黒トキ(ibis)

冬の田園 1






















後ろに広がる並木道が霧で、ぼんやりとしか見えなく
氷で白いオブジェのようになった木々を見ようとゆっくり近づきました。

冬の田園 2





























辺りが真っ白で、今、どの辺りを歩いているのかわからなくなると
いつも散策の時に目印にしている木が見えてきました。

冬の田園 3






















人の気配もなく、白い静寂な世界が広がり
引き込まれるように自然保護地域に続く道を歩いていきました。

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帰りに暖かい近所のバールに立ち寄ると

ロミーナと昨年の春、町の食事会で知り合った
いつも楽しい愉快な仲間たちの姿がありました。

2年前に撮った写真の中にいる白いセーターはRIEに違いないと
笑いながら携帯電話の画面を見せてくれました。

神妙な顔つきでポルケッタ(子豚の丸焼き)を背後から
撮っている私が写っていました。
2008年5月1日のことでした。)
"この時、みんなから、お尻から撮ったら、子豚も恥ずかしいよ。
前から写真を撮らないとと言われていたのを覚えているかい。

そしてその1年後に、食事会で話しかけるきっかけがあってね。
今では、友達になったってわけだ。"
2009年4月6日:この時の記事の最後にある自己紹介しに来たふたりが彼らです。)

幼なじみだという二人は、小さい頃からもう何十年も一緒です。

町の友達



















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冬の夜の夕食は、手軽に作れて
寒い日に美味しいロンバルディーア州北部
アルプス山岳地帯Valtellina(ヴァルテッリーナ)の郷土料理
ピッツォッケリ(Pizzoccheri)にしました。

ピッツォッケリ(Pizzoccheri)は、そば粉の入った
きしめん状に切ったパスタで、チリメンキャベツ、じゃがいも
セージ、チーズ、バターが入っています。

チーズは、ロンバルディア州のチーズ、ヴァルテッリーナ(Valtellina Casera),
アッダ渓谷で生産されるビット(Bitto)やヴァッレ・ダオスタ地方の
フォンティーナ(Fontina)が使われることが多いですが

地元のチーズ農家では、他の産地のものはないので
写真のパスタは、冷蔵庫に残っていた
ピエモンテ州ビエッラのチーズ、トーマ(Toma Oropa)、
そしてチリメンキャベツの代わりに他の野菜で作っています。

金曜日の冬の午後からの時間は、長くゆっくりと過ぎて行きました。

冬の夕食

















ピエモンテ州北部の地元の友達は、ロンバルディア州北部や
ヴァッレ・ダオスタ地方のお料理も作ることがあります。

昔、水田の草取りや田植えをするためにこの地方に来ていた
モンディーネだった人の中にロンバルディア州からの人も多く
親戚がそこに住んでいたりすることもあり食文化も身近なようです。

そして、友達の農家では、お米の他にそば粉を使ったパスタも販売しています。

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VALPOLICELLA Classico Superiore RIPASSO

白い木



























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霧の出ていた真っ暗な早朝、駐車場に近づくと
どの車も氷で白く輝いていました。

私は、大きなペットボトルに入った水を凍ったドアにかけ開けると
その水がたちまち凍っていきました。

フロントガラスの氷も水をかけて溶かそうとすれば
その水が更に凍っていきます。

車内に入って、暖房をしばらく強くかけて
ゆっくりと氷を溶かしていきました。

氷点下8度の朝

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お昼過ぎにミラノの事務所を出る時には、明るい冬の空でした。
厚着をしていた私は、帽子と手袋を外し、階段を下りて地下鉄に向かいました。

ちょうど同じ時間に外に出た女性が
"今日は、昨日よりも少し寒いわね。昨日は、いいお天気で少し暖かったわね。"

"そうね。でも私の住む地域は、今も霧で夜が訪れるまで一日中暗く
同じ空の色が続いていることでしょう。きっと今も氷点下だわ。

昨日も帰宅した午後3時近くの気温が氷点下だったから。
この空を見ていると私も想像がつかないけれど。"

高速道路に入ってしばらくすると明るい空が突然、霧の白い空間に入っていき
田園風景が氷で白色に変わっていきました。

更にピエモンテ州に入ると、氷結し白い木々が続いていきます。
その景色の変化は、あまりに見事でした。

霧で水蒸気が氷点下の環境で草や樹木に白い氷の層となっていったのです。

お昼過ぎの車窓から。

ノヴァーラを過ぎてから 車窓






















町の教会にある木々。

帰り道





















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自宅に続く大きな木の扉の前で、白い樹木が見たくなった私は、
また車を置いた方向に戻り、教会の裏に広がる田園に行きました。

それが最初の写真です。

以前、何度か見せてもらったことのある
この地方の昔の写真の風景が、そのまま私の目の前に広がっていました。

上空でサギのどこか悲しげに聞こえる鳴き声が
静かな白い田園で響き渡りました。

冷たい冬の午後、しばらく誰もいない田園で霧の空を見ていました。

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今までのイタリアでの日々で忘れられない冬の風景を
次々に想い出していました。

しばらく暮らしていたヴェネツィアで。
冬の夜、人通りのない運河沿いの石の道を歩く自分の足音。
ヴァポレット(水上路線バス)のモーター音と
それが停留する時の独特な音
乗務員が乗り降りする人のために開ける金属のぶつかる音。
そしてカーニバルが始まる前の人通りが少なく静かな夜。

その後、暮らしていたローマで。
晴れた冬の朝のローマ。地下鉄を降りて
陽光の中で見上げたヴェネト通り。
毎朝、オフィスに行く前に飲んでいたカプチーノ。

そして今。
白い霧の田園の中、サギ(airone)の鳴く声。
時刻を告げる自宅前の教会の鐘の音。
寒い夜にみんなで集まるバールの暖かい空間。

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今日のワインは、冬のヴェネツィアでよく飲んでいたワインです。

valpolicella

VALPOLICELLA
Classico Superiore
RIPASSO
Rosso DOC
2006
ブドウの品種:Corvina 70%,Rondinella 20%,
       Molinara他 10%
アルコール度数:13.5%
REMO FARINA






ルビー色で輝きを持ち、クワの実、クロスグリ、スミノミザクラ
スミレ、ナツメグ、クローブの香り。
心地よい新鮮さと程よいタンニンでバランスが取れているワイン。


気軽に飲むことが出来るワインでありながら
私は、このワインの名前を聞くと

夜のヴェネツィアのカフェから聞こえてくる音楽と
優雅に夜のバーを楽しむ人々の様子を想い出し
いつもどこか華やかな空気に包まれるのです。

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Festa di Sant'Antonio

カメラを持つ手がとても冷たかった日曜日の午前中。
湿った冷たい空気に包まれた町の田園風景です。

霧の一日 1






















霧の一日 2



















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1月17日は、この農業の町で、農業に感謝を捧げる
"Festa di Sant'Antonio"のミサが行われました。

農作業をする動物たちに対して、町の教会の神父さんが祝福をしていた時代から
今は、それがトラクターへと変わっていきました。

Festa di Sant'Antonio 2




















Festa di Sant'Antonio 3
























ミサが終わって、町の友達と集まったバールで
地元の品種、エルバルーチェのワインを頼むと

" RIE、今日は、白でなくて、バルベーラかドルチェットの赤ワインにしない?
次のグラスは、バルベーラね。私のご馳走にするから、早く白ワインを飲んでね。"と
ロミーナがキッチンに消えていきました。

農業に感謝を捧げるこの日、ロミーナは、ノヴァーラ風リゾットのパニッシャを
用意して待っていたのでした。

Festa di Sant'Antonio 1


















地元の人は、自分たちの郷土料理は、もちろんのこと
毎日の食事の中で合うワインを自然と知っています。

ワインとお料理の組合せ、相性といった"マリアージュ"の原則など
理論や試験での正しい解答などでなく、そのようなことを意識せずに自然と選んでいるのです。

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あれは、確か1997年か98年のことでした。

ワインブームがあり、日本で仕事の合間にワインの勉強をしていた頃
ワイン関係のツアーの出張で訪れたフランス、アルザス地方。

秋の終りの夜に訪れた小さなレストラン、木のテーブルと
その上に置かれたワインの入ったグラスが突然、想い出されました。

私が、その時に一緒に食事をしていたのは、パリから仕事で一緒だった
ワインが好きなフランス人でした。

その時、隣の席に座っていて私たちに話しかけてきた地元の男性の持つ
ワインの知識の深さに驚いた私がいました。

"ソムリエなのかい?僕は、ワインの勉強をしたことがない。
ただ地元で長い間、ずっとワインを飲んできた。毎日の食事だからね。
そして幼いころから食卓で家族がワインを楽しむのを見ていた。
ただ、それだけさ。"

私がいつも想い出すのは、その時に訪れたシャンパーニュ地方の
黄金色のブドウ畑でもブルゴーニュの高名なワイナリーやその景色でもなく

最終日に直行便のあったドイツ フランクフルトから
成田に向かう旅程の中で最後に訪れた北フランス、アルザス地方の
地元の古いレストランでの会話、木のテーブル

そして、その隣のテーブルに座っていた男性が一緒に飲まないかと
私たちに注いでくれた地元のワインの入ったコップなのです。

あれから、10年以上の月日が経ち、ようやくヨーロッパの暮らしの中にある
ワインが少しずつ輪郭を持って見えてきたような気がしました。

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一日の始まり。

更新がずっと遅れてしまい申し訳ありませんでした。

今日は、毎日の暮らしの中からの景色の写真です。
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高速バスの車窓の景色から。午後2時過ぎ、ミラノからの帰り道。
この季節は、霧や雨の日が続き、この時間帯でもとても暗いことも多いです。

車窓1






















ロンバルディア州の植林。
車窓2























いつもスイス南部からイタリア北部を流れるティチーノ川(Ticino)を超えてミラノに向かいます。
この川がいつも私の一日の区切りになる場所です。

行きは、この川を越えるとミラノでの一日の始まりであり

帰りは、このティチ―ノ川を通過すると
午後3時から始まるピエモンテでの田舎の生活が待っているのです。

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(通勤友達のシモーナもブログに登場してみたいということですが
写真を撮るには、冬の通勤時間は、まだ夜の延長で周囲は真っ暗なので
春になったら。)

いつもシモーナを待たせてばかりですが、今朝は、私の方が早く着きました。

駐車場で待っていると、霧のため、ヘッドライトを上向きに全開した
濃紺のフォルクスワーゲンの黒いシルエットが浮かび上がりました。

蛍光灯のある高速道路にある停留所に向かう長い地下道で
これから始まる1日のことやハイチの地震のことなど話しながら5分歩き
地上に出ると、すでに暖房で温かいバスが出発を待っていました。

バスに乗り込むと、いつもそれぞれの乗る気に入った位置も
そして過ごし方も異なり、いつも一緒に過ごす時間は、停留所までのほんの5分です。
お互いに駐車場で待っている時間の方が長いかもしれません。

シモーナは、前方で携帯電話に付属したラジオのニュースを聞きながら
読書灯のあるバスの時は、ゆっくりと本を読んでミラノまでの時間を過ごし

私は、後方出口に近い位置でパソコンを使って過ごしているのです。

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時々、私は、ミラノからの帰りが遅い日もあり、そんな時は
いつもシモーナの帰宅するバスに合わせています。

"今日は、私、遅いから一緒のバスで帰るよ。"と
いつものように朝の地下道で話していました。

バスに乗る時に、シモーナが運転手のマウリッツィオに
RIEも一緒のバスで帰ると話すと

"そうか。それなら、今日は、みんなで一緒に行って、一緒に帰ろう。"
行きの始発バスが、1日の始まりであり、帰りのミラノからピエモンテ州に向かうバスが
マウリッツィオの最終勤務のバスだったのです。

"一緒に帰ろう。"
一日の始まりに聞いた何気ないこの言葉が、その日、ずっと頭の中に残りました。

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更新していなかったので、紹介しないままになってしまった日曜日の朝の写真から。
数日前まで、町の教会前の駐車場の日陰部分では、まだ雪が残っていました。

月が輝き、星が空にいっぱい広がる氷点下の早朝に見つけました。
月夜の駐車場に訪れた動物たち。

たぶん、いつも私の車の下にいるネコのあしあと。

ashiato 1




















この少し大きなこの動物のあしあとは、何だろう・・・。

ashiato 2
















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1月になって

元旦、土日と続き、2010年のオフィスの仕事は、今日から始まります。
朝、駐車場に向かう前に見た町の教会。

雪は、この3日間でほとんど溶けていき、日陰の部分と
除雪したあとの雪の山がところどころ残っているだけです。

朝





























昨年からのクリスマスの飾りは、今週も続きます。
1月6日の祝日"エピファニア"【Epifania:救世主の御公現の祝日。
べファーナ(Befana)とも言います。】の日をもって
クリスマスシーズンが終わっていきます。

クリスマス前から休みなく働いていたロミーナは、元旦が休暇となり
町にあるバール・レストランがお休みになったことで、人通りも少なく
静かな1日となりました。

青空が広がった1月2日は、友達のひとりアニーバレのお誕生日で
午前中にバールで集まって、スプマンテで乾杯し

ルイージは、クリスマスシーズンが終わっていこうとしている
カレンダーを見ながら

”べファーナ(1月6日前夜に子供に贈り物を届ける老婆、魔女)が
楽しみを全部持っていってしまうな。”と言いながら

バールにあるスロットマシーンで勝った2ユーロで
ワインをご馳走してくれました。

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冬の農業地帯は、春を待つことになります。

近所のアグリツーリズモでは、年越しのディナーで終了し
2月までの長い休暇に入りました。

お米農家のヴィクトリオは、趣味の野鳥の撮影で南米へ
旅立っていきました。

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"1月もずっといるかしら。まだ残っている支払いもあるし
それに、自宅用のワインも欲しいから。"とゲンメにあるワイナリーに電話をすると

"いつでも、ワイナリーにいるよ。都合のいい時に来るといいよ。
渡したいワインもあるから。君は、ここのワインは全部知っているだろう。
それではないんだ。アスティにいる友達が作るスプマンテだよ。"

ワインを造る過程をいろいろと聞きながら過ごす時間。

ひとりでワイナリーの仕事と経理、カタログ作りと何役もこなしているアントネッロは、

"ひとりだから、なかなか思うように進まないけれど
今年こそは、ずっと出来ないままでいたプロジェクトがあって
それを進めていきたんだが・・・。

ああ、そうだった。君もひとりでいろいろな別の仕事をしているね。同じか。”
と笑うとゲンメのワインをグラスに注ぎはじめました。

ゲンメ


























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"Buon anno!"

2010年になりました。
明けましておめでとうございます。

ブログを読んでくださって、本当にありがとうございます。
皆さんにとって、2010年が、良い一年になりますように。


私の町の田園地帯には、12月下旬に降った雪がまだ残っています。

雪の残る田園




















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31日の夕方、コメントの返事を帰り道のバスの中で書いていた頃
コメントの送信が終わると、日本時間の表示がされ、
すでに2010年になっていました。

その時、バスのスピードが急に緩やかになり、
前方を走る車が次々とブレーキをかけ、赤くより一層輝いているのが
ぼんやりと見えました。

すでに暗くなりはじめている車窓は、霧で覆われていたのです。

バスを降りて、駐車場に向かました。

町の入り口までの道のりは、左右が真っ白な雪の残る田園。
そして雪の残る田園の上からは、霧で覆われ、白い世界でした。

霧は、深夜まで続き、霧の年越しになりました。
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ロミーナのいるバールに立ち寄りました。

Buon anno!
















"Buon anno! (良いお年を。あけましておめでとうの意味です。
この時は、まだ年越し前だったので、新しい年が来る喜びの挨拶。)"

年越しの夕食の前の食前酒は
ロミーナが新しい年が来る幸せな気持ちを表現してみたという
おつまみの盛り合わせと一緒でした。

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