北イタリア ピエモンテの田舎で暮らして

アルトピエモンテ ノヴァーラ県在住ワインインポーター

September 2016

ミラノでサルデーニャ料理のランチ

今年は、例年と違い、9月の今でも、とても気温が高く暑い日中が続いています。

それでも、日の出時刻は次第に遅くなり、朝は、まだ真っ暗で高速バスの中からは夜景が続きます。
ミラノの郊外に到着する頃に次第に明るくなってきた車窓をふと見ると、
遠くの大きなビルや建物の間から朱色の大きな太陽が浮かんでいるのが見えました。
それは、とても幻想的な風景です。

通勤中の短い更新です。
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8月末の夏祭り以降、外食をする機会がとても多くなりました。
特に9月は、日本からも知り合いのソムリエさんやシェフの方々、そしてワインが好きな方が多く
イタリアにいらっしゃっています。

ミラノにワインとねこが大好きな女性の友人がいらしたので、ミラノでランチタイム。
ピエモンテでお肉料理が続いたとのことで、ミラノでは、魚介類専門のレストランにしました。

ワインの写真はないのですが、ここは、サルデーニャ料理のレストランだったので
サルデーニャの白ワイン、ヴェルメンティーノを注文。
Cantina Gallura
Vermentino di Gallura Superiore Canayli


ingresso

2人とも魚介類の盛り合わせの前菜を注文。これは2人分の量です。
Antipasti misto mare
1

その他、芝海老とムール貝も前菜で運ばれてきました。

6

そして友人は、サルデーニャ島のカラスミ、ボッタルガ(Bottarga)のパスタを。
私は、パスタ類の代わりに、メインを2人で分けて楽しめるような魚介類のフリットの盛り合わせにしました。

Fritto misto di mare
3

ミラノでの美味しいランチ。
開店前に日本の方がガイドブックを熱心に見ながら待っていたので日本からの方も多いことでしょう。
ピエモンテ、ロンバルディアとご旅行中にお肉料理が続いたら、ミラノでサルデーニャ島のシーフード料理を。

Trattoria del Pescatore
Via Atto Vannucci, 5, 20135 Milano
Tel. 02 58 320 452 

(日曜日はお休み。電話は、ランチ、ディナー前の準備中の時間帯がつながりやすいです。)
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今日は、オフィスで打ち合わせ後、スペインのマドリッドに出張です。
といっても明日の午前中にミラノに出勤するので、ほんの少しだけ。
それでも異国の空気に触れるのが楽しみです。
行ってきます。

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Festa dell'Uva di Gattinara

ピエモンテ北部(アルトピエモンテ)のワイン産地のひとつ、ヴェルチェッリ県のガッティナーラの街でも
お祭りがありました。
ガッティナーラの人口は8,000人を超えていて、同じくワイン産地であるノヴァーラ県ゲンメの2倍以上、
そして私の暮らす町の8倍以上の人口なので、お祭りは、私の町の夏祭りの規模を遥かに超えています。

今日は、ガッティナーラのブドウ祭り(Festa dell'Uva di Gattinara)の写真です。

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お祭りが始まった初日、まだ明るい時間から街を散策していました。
ショーウィンドーもブドウとワインの飾り。

9 (1)


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ここは、以前、ガッティナーラに行った日のブログにあった写真と同じところです。(茶色のねこに出会った場所。)
奥のレストランもお祭りで訪れる人のために、外にもテーブルを出しています。

2 (1)

お祭りのポスター

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ゴルゴンゾーラチーズ会社の広告のテーブルでは、試食が用意されていました。
Gorgonzola piccante D.O.P
3 (1)

Gorgonzola dolce D.O.P
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お祭りのワインは、すべてガッティナーラ。

5 (1)

3人で選んだのは、こちらのワイン。
お祭りなのでプラスチックのコップで。

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サラミとワインで、前の通りを行きかう人々、ブラスバンドを見ながら過ごしているうちに
次第に夕暮れとなり、注文したリゾットが来た時には、もう夜景になりました。

ガッティナーラは、ヴェルチェッリ県なのでヴェルチェーリ風リゾットのパニッサです。
Panissa vercellese
20160909_201246 (550x413)

教会前ではコンサ−ト

7 (1)

私の暮らす町のお祭りと違い、お祭りの食事会場がたくさんあり、レストラン、カフェ、ジェラートのお店も参加し
お祭り用の特別メニューを用意していました。

そしてこんな風に通りから奥に広がったスぺースを借りて、お祭り用のお食事を提供するグループもありました。

不思議なことに、この空間は、少し前に見た夢の中の風景にそっくり。

9 (2)

一緒に行った同じ町で暮らす友達、ヴィクトリオが運転。

帰り道は、いつも私が走るのと違う道を使っていて私の暮らす町からは、ノヴァーラ県ゲンメよりも、
このヴェルチェッリ県のガッティナーラの方が近いことに気づきました。

セージア川の橋を渡ると、すぐにいつものサラミの養豚農家に続き、お祭りで賑やかだったガッティナーラの街から
急に静かで人の気配のない夜が広がっていました。

車から降りて家に向かっている時、何か気配がして足元を振り返ると、ライトアップした教会のオレンジの光に
照らされた小さな2匹の姿がありました。
ねこのぴーちゃんとみーちゃんがぴったりとくっついてきていました。

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ミラノでランチ

いつもピエモンテでのお料理なので、この日は、ミラノで過ごしたランチタイムを紹介します。
1品と美味しいパンがあれば十分で、他の2人が選んだものは、シンプルでした。
私は、小さいお皿であったにもかかわらず、ちょっと濃厚でした。

写真ばかりの朝のとても短い更新です。
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この日は、ミラノで少し早めに仕事を終えて、友人のジュゼッペたちと3人でデザインギャラリーの中でランチでした。

最初は、新鮮なトマトとオレガノ、プーリアのオリーブオイルのクロスティーニとスプマンテで乾杯。
プーリア出身のジュゼッペにとっては、どんなに海外のデラックスなホテルで豊富な朝食ビュッフェが並んでいても、
いつも選ぶものは、シンプルで同じだと嬉しそうに話していました。
"トマト、オリーブオイル、オレガノ、パン、それだけ。毎朝、変わらないよ。"

*写真のオリーブオイルは、ジュゼッペの実家のアグリツーリズモのオリーブオイルで、
ボトルの形が違いますが、私が輸入しているものと同じです。
今年は、もう在庫がなく完売でご迷惑をおかけしています。今年の秋の終わりに収穫後、搾油して
早ければ12月か1月に日本に入荷する予定です。

Crostini di Pomodorini all’Origano
pranzo (1)

サーモンのカルパッチョとピンクグレープフルーツ

Carpaccio di salmone e pompelmo rosa
pranzo 3

私が注文したのは、リコッタチーズとほうれん草、卵、ベシャメル(ホワイトソース)を入れて
オーブンで焼いたもの(スフォルマート)
楕円のお皿に縦に並べられてきました。
小さいながらとても濃厚なスフォルマートで、私は、最初の乾杯で食べた小さなクロスティーニと
この一皿で、十分なボリュームだったのでこの日は、ランチの1食のみで過ごしました。。。

Sformato di ricotta e spinaci
pranzo 1

アメリカからイタリアに一時帰国したジュゼッペは、アメリカには、なかったので食べたかったというブレザオラ
(牛肉を塩漬けにしたもので牛肉の生ハム)を選んでいました。

ブレザオラとルッコラ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ。
Carpaccio di bresaola con rucola e Parmigiano Reggiano
pranzo4  (1)


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教会前の駐車場で。
帰ってきて、車から降りると、ぴーちゃんが待っていました。
ただいま。

neko

今日も充実した素敵な1日になりますように。
皆さん、どうか良い1日をお過ごしください。

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明日は、ミラノで日本からいらしたワインが好きなお客様(友人)とランチの予定、
その後、夕食は収穫で忙しくなる前の稲作農家の友人のヴィクトリオ、ジェンニとリゾットとワイン。

お米の収穫が始まると稲作農家はとても忙しい日々です。130へクタールを娘と2人だけで収穫するヴィクトリオは、
約1か月、食事は大型コンバインに乗りながらパニーノだったり
お米を乾燥させる大型機械のある農場の中で家から持参したお弁当の日々が続くので、
その前に美味しいリゾットの楽しみたいと張り切っているのです。

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夏の終わりの想い出のお料理

9月に入りましたが、ここ最近、気温が高く、日中は、再び夏のように暑い日々になってます。

それでも明らかに夏とは異なり、農業地域が持つ独特な秋の賑やかな空気が広がっています。

いつの間にか日の出の時間も遅くなり、出発時は、かなり暗い時間帯です。
高速バスを待つ駐車場に近づくと、通勤仲間の紳士が、
いつものように葉巻を片手に立っているシルエットとその白い煙が見えてきました。

いつもスーツ姿で重そうな黒い大きなカバンを手にしているのですが
カバンは、足元に置き、スーツのジャケットをすでに脱いで手にかけています。

日の出前の朝の気温は、すでに17℃。今日も気温が高い1日になることでしょう。

通勤中の短い更新です。
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スマートフォンには、夏の終わりに楽しく多くの方とお食事したお料理の写真が残っていたので紹介します。
夏の終わりのバルバレスコで。

barbaresco

冬の赤ワイン煮込みの濃厚な味わいと違い、夏のメニューでは、
仔牛肉がさっぱりとバルバレスコの赤ワインソースといった感じでしょうか。

Filetto di manzo al Barbaresco
barbaresco2

そして自宅から近くノヴァーラ県の近郊の町のレストランで。
夕暮れのノヴァーラ県の古城

castello

イタリアでも創作のイタリア料理は、日本のわさびが使われることもあります。

初夏まで、わさびの輸入の仕事に少しだけ関わっていたので、イタリアで日本食レストラン以外では
どのように使われているのか知りたかったこともあり、メニューにあったので注文してみました。

海老のカルパッチョ、ライム、アボガド、わさび添え。
美味しいオリーブオイルで。
Carpaccio di gamberi rossi,lime,avocado e wasabi
ebi


どうか今日も良い1日をお過ごしください。
行ってきます。
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マリオさんのリゾット作り

今年もヴェルチェッリ県からマリオさんがこの町の夏祭りのリゾット作りにやってきました。

夏祭りのプログラムでも郷土料理、ノヴァーラ風リゾット パニッシャ(Paniscia novarese)
ということになっているのでそのようにブログでも紹介していますが、
隣のヴェルチェッリ県から来てくれるマリオさんの作り方は、ブロードに香味野菜を使用しているだけで、
リゾットには、キャベツなどの野菜は使わっていないので、これは
ヴェルチェーリ風リゾットのパニッサ(Panissa vercellese)ということになります。
調味料もすべて自然のものだけでシンプルに作りあげる優しい味のリゾットは、とても美味しかったです。

このお祭りの後に、震災で被害の大きかったアマトリーチェ、アックモーリ、ペスカラ・デル・トロントに
災害救援隊の調理グループで再び、行くことになっていたマリオさんでしたが
現地に行ったマリオさんの話によると

緊急発生時であり、イタリア中部周辺の州の災害救援隊や多くの周辺の州からの支援物資
ボランティアの人々で、かなり大きい人数で動いていて、混乱を招くといけないので
依頼があれば、すぐに行かなければならないが北部ピエモンテ州からなので
しばらく待機して様子を見た方がいいと思う。

そして、今までの経験からいうと、日にちが経っていくと人々の関心が薄まることもあり
次第に支援する人が少なくなっていく。

今は、夏の終わりだけれど、すぐに寒い季節もやってくる。仮設住宅ではかなり寒いことだろう。
山岳にも慣れているピエモンテ北部の寒い地域のメンバーであるので、冬の最も寒い時期に
キャンピングトレイラーで2ヶ月近く長期間行くことを検討している。

そんなマリオさんの作る夏祭りのリゾットの写真ばかりの更新です。

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お祭りの最終日、ミラノからの帰宅時間が少し遅くなってしまったので、
帰るとすでにリゾットのブロードなど準備ができていました。

準備段階や詳しい材料などの内容、写真は、2014年9月2日の夏祭りのリゾットのブログに紹介してあります。
http://blog.livedoor.jp/airone0219/archives/51999089.html

帰宅してお祭り会場のキッチンに向かうと
災害救援隊の調理グループのマリオさんとアルピーニ(Alpini:アルプス山岳専門の歩兵隊のグループ)の
クラウディオさんが待っていました。
"やっと来たか。遅いじゃないか・・・RIE"

共に、野外料理に慣れているプロです。

IMG_8709

お米と玉ねぎ、オリーブオイル、ラード、ノヴァーラ県のサラミ(Salame della duja:サラメ デッラ ドゥーヤ)
炒めて準備されたお鍋が並んでいました。
マリオさんの助手のオッタヴィアーノさんは、準備が終わってじっと休憩中。

IMG_8712

この町では、普段、リゾットには、品種カルナローリ(Carnaroli)を使うことが多いですが
マリオさんがリゾットで好んで使うお米は、品種バルド(Baldo)が多いです。

IMG_8713

お祭り会場は、20時になるとオープン。
20時過ぎには、リゾットを注文する人が出てくるので、それに合わせて最初のお鍋が出来上がらないといけません。
時計をお鍋から近くの位置に移動して、準備していたお鍋を開け、ブロードとうずら豆を少しずつ加えて
混ぜていきます。

IMG_8767

時間差で仕上がるように2つのお鍋でリゾット作り。

2つの寸胴鍋は、奥がブロード(仔牛、豚の骨つきの脛肉とニンジン、セロリ、玉ねぎを4時間半煮込んだもの)と
手前は、ブロードを加えながらうずら豆を煮込んだもの。
マリオさんが出来上がると、横で助手のオッタヴィアーノさんがお米を混ぜてリゾットの仕上げの準備したものを
マリオさんのコンロに移し再び、オッタヴィアーノさんが新しいお鍋を準備していきます。

IMG_8731

お祭りのスタッフがお鍋からお皿に入れ終わり、各テーブルに運び始めるころ
ちょうど、次のお鍋が出来上がって、お皿に入れ始めることができるように
マリオさんがお皿に盛るスタッフと配るスタッフのタイミングを眺めながら、時間を調節していました。

IMG_8734

このノヴァーラ風リゾットには、赤ワインがたっぷり使われます。

ふいに、ゲンメのワイナリーのアントネッロがよく、語っていたことを思い出します。
"この地方の昔の人は、第2次世界大戦を含めて戦後の貧しい時代には、
ゲンメには、ワインはたくさんあったから、貧しい人ほどワインで
カロリーやナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルを補給していた。

特にピエモンテとロンバルディアの戦いが終わった1400年代は、今と違ってアルコール度数が5%くらいで低く、
残糖度が高く甘めのワインだったから、1日に3リットル近くとかなりの量を飲むことができたんだ。"

そういえば、バールでよく出会う90歳近い友達のジュゼッペは、先週、夏祭りのプログラムを見ながら
こんなことを話していました。

"パニッシャか。小さい頃、食べ物が少なかった時代に、朝、昼、晩と3食、ずっとパニッシャを食べたものだ。
それしかできなかったし、なんといっても栄養があったからね。
みんな、毎食同じでもありがたく喜んで食べていたものだよ。"

IMG_8720

そしてマリオさんの秘密の隠し味は、ピエモンテのバターをローズマリーとにんにくで溶かして
溶かしたバターだけお鍋に入れます。バターは125g使われ、これで60皿分の量なので、
一皿には、ほんのわずかなのですが、優しい風味が加わります。
この時、キッチンは、ローズマリーの香りでいっぱいに。

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IMG_8768

写真を撮っていると、私のところにも一皿、クラウディオさんが持ってくてくれました。

IMG_8749

21時過ぎに、最後の大きなお鍋2つがコンロに置かれて、リゾット作りをしている中、
私の横には、いつの間にか洗い終わったお鍋が置かれていました。
マリオさん、オッタヴィアーノさんがタイミングを見ながら少しずつ、使い終わったお鍋を洗っていたのです。

IMG_8779 (500x415)

ピエモンテのいろいろな町からイベントでの大鍋で作る郷土料理の仕事の依頼のあるマリオさん。

秋には、他のピエモンテのいくつかの町で、ロバ肉の赤ワイン煮込みやピエモンテのパスタ アニョロッティ、
ポロネギを使ったラザニアなどの大人数のお料理をこの2人で担当するようです。

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Profile

RIE

北イタリアピエモンテ州ノヴァーラ県在住。
プロフィール画像は、2023年秋、稲作の品種と農業資材視察時でノヴァーラ県の水田の前です!
イタリア、ワイン、郷土料理、海外が好きなすべての皆さんのために。
そして欧州の稲作などの農業研究に関心がある方にも。

株式会社Wine・Art代表
Sommelier(AIS PIEMONTE)
Master di analisi sensoriale del vino(AIS ROMA)
wineartpiemonte.com
ワインなどのオンラインショップ
→ shopping-wineart.com
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